2月 22, 2025 • インドネシア, スタートアップ
7月 16, 2026 • インドネシア • by Ayako Yamamoto
目次
日本では少子高齢化と人手不足が続く中で、外国人人材の採用は一部の大企業だけの選択肢ではなくなりつつあります。特に、介護、外食、宿泊、製造、建設、農業、飲食料品製造などの現場では、特定技能人材の採用を検討する企業が増えています。
ただし、特定技能人材の採用を考えるときに、多くの企業が最初に気にするのが「結局いくらかかるのか」という点です。人材紹介料、登録支援機関への委託費、在留資格申請費、渡航費、住居準備費、通訳費、生活支援費など、費用項目が多く、初めて見るとかなり複雑に感じられます。
しかも特定技能の場合、単に費用が発生するだけではありません。「その費用を誰が負担するべきか」という法律上の問題があります。企業が負担すべき費用を外国人本人に負担させてしまうと、後からトラブルになる可能性があります。人材採用のつもりが、気づけば法令違反の入口に立っている。なかなか人間社会らしい罠です。
本記事では、特定技能人材の採用にかかる主なコスト、初期費用と月額費用の目安、採用ルートごとの違い、そして採用前に必ず確認しておきたい法律上のポイントを整理します。
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特定技能人材の採用コストは、大きく分けると「採用するまでにかかる初期費用」と「採用後に継続してかかる運用費用」に分けられます。
初期費用には、人材紹介料、面接・選考費、在留資格申請に関する費用、渡航費、住居の準備費、入国時の送迎費、生活立ち上げ支援などが含まれます。一方、運用費用には、登録支援機関への月額支援委託費、通訳・相談対応費、日本語学習支援費、定期面談、各種届出・更新手続きに関する費用などが含まれます。
この2つを分けて考えないと、「採用時に50万円かかったから終わり」と誤解してしまいます。特定技能1号では、受入れ後も支援計画に基づく支援が必要です。つまり、採用はゴールではなく、むしろそこから企業側の運用責任が始まります。
特定技能人材の初期費用は、採用ルートや業種、国内採用か海外採用かによって大きく変わります。日本国内にすでにいる外国人材を採用する場合は、渡航費や海外側手続きが少ないため、比較的費用を抑えやすくなります。
一方、海外から新たに呼び寄せる場合は、現地での募集、面接、教育、書類準備、渡航、入国後の生活立ち上げなどが必要になり、初期費用は高くなりやすいです。特に、送り出し国ごとの手続き、現地教育の有無、日本語力、業種ごとの資格要件によって費用に差が出ます。
実務上の目安としては、国内採用であれば1人あたり30万円から80万円程度、海外採用であれば1人あたり60万円から150万円程度を想定しておくと、極端に甘い予算計画にはなりにくいでしょう。もちろん、これはあくまで一般的な目安であり、実際には紹介会社、登録支援機関、行政書士、採用国、業種、会社の受入れ体制によって変動します。
特定技能1号の外国人を受け入れる場合、企業は義務的支援を実施する必要があります。この支援を自社で行うこともできますが、実務上は登録支援機関に委託する企業も多くあります。
登録支援機関への月額委託費は、一般的には1人あたり月額1万5000円から4万円程度で設定されることが多いです。安いところでは1万円台、高いところでは3万円から5万円程度になる場合もあります。
ただし、月額費用が安いからといって単純に良いとは限りません。事前ガイダンス、生活オリエンテーション、空港送迎、行政手続き同行、定期面談、母国語相談、緊急対応、在留資格更新サポートなどが月額費用に含まれているのか、別料金なのかを確認する必要があります。
月額2万円と聞いて契約したら、実際には同行1回ごとに追加料金、通訳は別料金、夜間対応は別料金、在留資格更新も別料金ということもあります。人類はどうしてこうも「月額」という言葉に夢を見てしまうのでしょうか。契約書の内訳確認は必須です。
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特定技能人材の採用では、単に人材紹介料だけを見ていては全体像をつかめません。ここでは、実際に発生しやすい費用項目を順番に整理します。
人材紹介会社や外国人材紹介サービスを利用する場合、採用決定時に紹介手数料が発生します。特定技能人材の紹介料は、定額制で設定されることが多く、1人あたり20万円から80万円程度が一つの目安です。
日本国内にいる外国人材を紹介してもらう場合は20万円から50万円程度、海外在住者を現地から採用する場合は40万円から80万円程度になることがあります。もちろん、業種や人材の経験、日本語能力、資格、採用難易度によって変動します。
紹介料を見るときには、単に金額だけでなく、返金規定も確認すべきです。入社後1か月以内、3か月以内、6か月以内に退職した場合に、どの程度返金されるのか。自己都合退職と会社都合退職で扱いが変わるのか。そもそも返金制度があるのか。ここを曖昧にしたまま契約すると、早期離職時に企業側が全額負担することになります。
海外から呼び寄せる場合は、在留資格認定証明書交付申請が必要になります。日本国内にいる留学生、技能実習修了者、別の在留資格を持つ外国人を特定技能に変更する場合は、在留資格変更許可申請が必要になります。すでに特定技能で働いている人を引き続き雇用する場合は、在留期間更新許可申請が必要です。
在留資格認定証明書交付申請そのものには、国に納める手数料は基本的にかかりません。一方、在留資格変更許可や在留期間更新許可では、2025年4月1日以降、窓口申請で6000円、オンライン申請で5500円の手数料が設定されています。
ただし、実務では申請書類の作成や提出を行政書士などに依頼することも多く、その場合は別途報酬が発生します。行政書士報酬は案件の難易度や依頼範囲によって異なりますが、1人あたり5万円から20万円程度を見込むケースが多いでしょう。
特定技能1号では、受入れ企業が外国人本人に対して支援を行う必要があります。自社で支援体制を整えられる企業であれば、自社支援も可能です。しかし、外国語対応、定期面談、相談対応、生活支援、行政手続き同行などを自社だけで行うのは、想像以上に手間がかかります。
そのため、多くの企業は登録支援機関に支援業務を委託します。月額支援費は1人あたり1万5000円から4万円程度が一般的な目安です。さらに、初期費用として2万円から10万円程度が発生するケースもあります。
登録支援機関を選ぶときは、費用だけでなく、対応言語、業種理解、緊急対応、面談の質、在留資格更新への対応、トラブル時の動き方を確認する必要があります。安いだけで選ぶと、結局、企業の担当者がほとんどの対応を背負うことになります。安物買いの労務トラブルという、実に味わい深い悲劇です。
特定技能1号では、雇用契約締結後、在留資格申請前に事前ガイダンスを実施する必要があります。ここでは、仕事内容、労働条件、報酬、入国手続き、生活上の注意点、保証金や違約金契約がないことなどを、外国人本人が十分に理解できる言語で説明します。
登録支援機関に委託する場合、事前ガイダンスが月額費用に含まれる場合もあれば、1回あたり2万円から6万円程度の別料金となる場合もあります。海外在住者に対してオンラインで実施する場合も、通訳や資料翻訳が必要になれば費用が発生します。
入国後または在留資格変更後には、生活オリエンテーションが必要です。日本での交通ルール、医療、年金、税金、防災、ゴミ出し、銀行口座、携帯電話、相談窓口、労働関係法令など、生活に必要な情報を説明します。
生活オリエンテーションを登録支援機関に委託する場合、1回あたり2万円から8万円程度の費用が設定されることがあります。月額支援費に含まれるか、別料金かは契約によって異なります。
この項目を軽く見る企業もありますが、生活ルールを理解しないまま働き始めると、近隣トラブル、遅刻、税金や保険の未理解、ゴミ出し問題、交通事故などにつながることがあります。日本人同士でも説明不足で揉めるのに、言語も制度も違う人に「雰囲気で分かって」は無理があります。
海外から特定技能人材を呼び寄せる場合、航空券などの渡航費が発生します。国や時期によって差がありますが、東南アジアから日本への片道航空券であれば、数万円から10万円台になることが多いです。繁忙期や直前手配ではさらに高くなる場合があります。
法律上、来日時の航空券を必ず企業が負担しなければならないと一律に定められているわけではありません。ただし、送出国の法令や現地ルールで企業側負担が求められる場合があります。また、帰国費用については、本人が負担できない場合に受入れ機関が負担すべき場面があります。
実務上は、海外採用の場合、企業側が航空券を負担するケースも多くあります。採用競争力の面でも、渡航費をすべて本人負担にすると、優秀な人材から選ばれにくくなる可能性があります。
特定技能1号では、外国人が出入国する空港や港での送迎が義務的支援に含まれます。この送迎にかかる交通費は、受入れ機関側の負担になります。
空港から勤務地や住居まで距離がある場合、交通費や人件費は意外と大きくなります。たとえば地方の事業所で、成田空港や関西国際空港から数時間かけて移動する場合、電車代、バス代、車両費、同行者の人件費が発生します。
採用計画を作る際には、「空港に着いたら勝手に来てください」では済まない点を理解しておく必要があります。制度はそこまで都合よく企業の願望に合わせてくれません。
特定技能1号では、住居確保に関する支援も必要です。企業が必ず家賃そのものを負担しなければならないわけではありませんが、物件情報の提供、不動産会社の紹介、必要に応じた同行、保証人や保証会社の利用支援などが求められます。
外国人本人に適当な保証人がいない場合、賃貸保証会社を利用することがあります。この場合、保証会社に支払う手数料については、受入れ機関側が負担すべき費用とされています。
また、社宅を用意する場合には、敷金、礼金、仲介手数料、家具家電、寝具、生活用品などの初期費用が発生します。企業がどこまで負担し、どこから本人負担とするのかは、労働条件通知書や雇用契約、社宅規程などで明確にしておくべきです。
注意したいのは、企業が本人から家賃や水道光熱費を控除する場合です。実費を合理的に控除すること自体は可能でも、不透明な金額を控除したり、相場より高い寮費を徴収したりすると、トラブルや行政指導につながる可能性があります。
特定技能人材の採用では、通訳や翻訳が必要になる場面が多くあります。面接、雇用契約、事前ガイダンス、生活オリエンテーション、定期面談、相談対応、医療機関への同行、行政手続きなどです。
支援に必要な通訳人の確保費用は、受入れ機関が負担すべき費用とされています。つまり、義務的支援のために通訳が必要であれば、その費用を外国人本人に請求することはできません。
通訳費は、言語や地域、専門性によって異なります。登録支援機関の月額費用に含まれる場合もあれば、1時間あたり5000円から数万円程度の追加費用が発生する場合もあります。特に医療、労務トラブル、行政対応などでは、単なる日常会話ではなく正確な説明が必要になります。
特定技能人材は、一定の日本語能力を持っていることが前提ですが、それでも働き始めてから日本語学習の支援は重要です。制度上も、日本語学習機会の提供は義務的支援の一つです。
ただし、必ず高額な日本語学校に通わせなければならないわけではありません。教材の案内、オンライン学習の機会提供、地域の日本語教室の紹介、社内学習時間の設定など、会社の状況に合わせた支援が考えられます。
費用としては、無料の地域教室を活用する場合もあれば、オンライン教材や日本語講師を利用して月数千円から数万円程度かかる場合もあります。現場で長く働いてもらいたいのであれば、日本語学習支援は単なる制度対応ではなく、定着投資として考えるべきです。
特定技能では、雇用開始後も各種届出や管理が必要です。雇用条件の変更、退職、支援計画の変更、登録支援機関の変更などがあれば、必要な届出を行わなければなりません。
また、外国人雇用状況の届出も必要です。雇用保険の被保険者になる場合は雇用保険の届出により対応するケースが多いですが、雇用保険の被保険者でない場合には、別途、外国人雇用状況届出書をハローワークに提出する必要があります。
2025年4月からは、特定技能所属機関による定期届出の頻度が見直され、従来の四半期ごとから年1回に変更されています。これは企業側の事務負担軽減につながりますが、随時届出や必要書類の管理が不要になるわけではありません。
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特定技能人材の採用コストを考えるうえで、最も大きな分岐点は「国内採用」か「海外採用」かです。同じ特定技能でも、採用ルートによって費用もリスクもかなり変わります。
国内採用とは、すでに日本にいる外国人を特定技能として採用する方法です。たとえば、技能実習2号を良好に修了した人、留学生から特定技能に変更する人、すでに別会社で特定技能として働いている人などが対象になります。
国内採用のメリットは、海外渡航費や現地手続きが少なく、面接も比較的しやすいことです。すでに日本で生活しているため、日本の生活ルールや職場文化にある程度慣れている人もいます。
一方で、国内にいる優秀な特定技能候補者は、すでに他社からも採用対象として見られています。そのため、給与、勤務条件、住居、職場環境、キャリアパスが弱い企業は、採用競争で不利になりやすいです。
国内採用の初期費用は、紹介料、在留資格変更費用、行政書士費用、支援初期費用、住居関連費用などを合わせて、30万円から80万円程度を見込むケースが多いでしょう。
海外採用とは、インドネシア、ベトナム、フィリピン、ネパール、ミャンマー、スリランカなど、海外在住の候補者を採用して日本に呼び寄せる方法です。
海外採用のメリットは、候補者の母集団を広げやすいことです。日本国内だけで探すよりも、若く意欲のある人材に出会える可能性があります。また、採用前に日本語教育や職種別教育を行うことで、一定の準備をしたうえで来日してもらうこともできます。
一方で、海外採用では費用項目が増えます。現地募集、面接、書類準備、翻訳、現地教育、送り出し国の手続き、渡航費、入国時支援、住居準備などが必要になります。国によっては、現地側で指定された手続きや認定機関を経る必要もあります。
海外採用の初期費用は、1人あたり60万円から150万円程度を想定しておくと現実的です。もちろん、紹介会社や送り出し国、教育内容、渡航費負担の有無によって変わります。
技能実習2号を良好に修了した人は、一定の条件を満たせば、特定技能1号への移行において技能試験や日本語試験が免除される場合があります。そのため、すでに日本で働いた経験がある人を採用できる点は大きなメリットです。
ただし、技能実習と特定技能は制度の目的が異なります。技能実習は国際貢献や技能移転の制度として設計されてきたのに対し、特定技能は人手不足分野での就労を認める在留資格です。したがって、雇用条件、業務内容、支援体制、転職可能性なども異なります。
技能実習からの移行だから簡単だろう、と安易に考えるのは危険です。本人の希望、職種の適合性、分野ごとの要件、在留期限、書類準備、支援体制を確認する必要があります。
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特定技能人材の採用では、「費用がいくらか」だけでなく、「誰が負担するのか」が非常に重要です。ここを間違えると、採用コストの問題ではなく、法令遵守の問題になります。
特定技能1号では、受入れ企業は支援計画に基づいて義務的支援を行う必要があります。この義務的支援にかかる費用は、原則として受入れ機関が負担しなければなりません。
たとえば、事前ガイダンス、空港送迎、住居確保支援、生活オリエンテーション、行政手続きへの同行、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、交流促進、会社都合による契約終了時の転職支援、定期面談などが該当します。
これらの支援を登録支援機関に委託した場合の費用を、外国人本人の給与から控除することはできません。「支援してあげているのだから本人負担でよい」という発想は、制度上かなり危険です。支援は善意のサービスではなく、受入れ機関側の義務です。
義務的支援を実施するために通訳が必要な場合、その通訳費は受入れ機関が負担すべき費用です。特定技能人材本人に請求してはいけません。
たとえば、事前ガイダンス、生活オリエンテーション、定期面談、相談対応、行政手続き同行などで通訳が必要になることがあります。本人が十分に理解できる言語で説明しなければ、支援を実施したとは言いにくくなります。
形式的に日本語資料を渡しただけで「説明しました」とするのは危険です。本人が理解できていないなら、制度上の支援として不十分と見られる可能性があります。紙を渡せば人は理解する、という幻想はそろそろ人類も卒業した方がよいでしょう。
特定技能1号の義務的支援には、出入国時の送迎が含まれます。したがって、空港や港での送迎にかかる交通費は、受入れ機関側の負担になります。
特に海外から採用する場合、入国時の空港送迎は最初の重要な支援です。本人にとっては、慣れない国に到着した直後です。日本語が十分でない状態で、電車を乗り継ぎ、地方の事業所まで自力で来てもらうという運用は、制度の趣旨から見ても適切とは言いにくいでしょう。
外国人本人が賃貸物件を契約する際、保証人がいない場合には賃貸保証会社を利用することがあります。この保証会社に支払う手数料については、受入れ機関が負担すべき費用とされています。
一方で、家賃そのものを企業が必ず負担しなければならないわけではありません。家賃を本人負担にすることは可能ですが、その場合でも、金額や控除方法は明確で合理的である必要があります。
企業が社宅を提供する場合も、本人から家賃相当額を徴収するなら、実費や相場とのバランス、給与控除の同意、労働条件通知書への記載などを整えておくべきです。
特定技能外国人が帰国する場合、帰国費用は常に企業が負担しなければならないわけではありません。ただし、本人が帰国費用を負担できない場合には、受入れ機関が負担する必要があります。
また、送出国の法令や二国間の取決めによって、渡航費や関連費用について企業側負担が求められる場合があります。海外採用では、日本側の制度だけでなく、相手国側のルールも確認する必要があります。
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特定技能人材の採用で特に注意すべきなのは、外国人本人に不適切な費用負担をさせないことです。これは道徳の話だけではなく、制度上の信用に関わる問題です。
特定技能制度では、外国人本人やその家族から保証金を徴収したり、契約不履行に対する違約金を定めたりすることは問題となります。事前ガイダンスでも、保証金の徴収や違約金契約がないことなどを説明する必要があります。
たとえば、「3年以内に辞めたら50万円支払う」「途中退職したら紹介料を本人に請求する」「逃げないように保証金を預かる」といった運用は、非常に危険です。いかにも昭和の地下室で考えられたようなルールですが、現在の制度では通用しません。
日本の職業紹介のルールでは、有料職業紹介事業者が求職者本人から手数料を徴収することは、原則として禁止されています。例外はありますが、一般的な特定技能人材の採用で、本人に紹介手数料を負担させる前提で考えるべきではありません。
採用企業が人材紹介会社に支払う紹介料を、後から外国人本人に請求したり、給与から控除したりすることは避けるべきです。紹介料は採用企業が求人者として支払うコストと考えるのが基本です。
海外採用では、日本側の企業が直接費用を取っていなくても、現地側で候補者が高額な手数料や借金を負っている場合があります。これがあると、来日後に本人が強い経済的プレッシャーを抱え、失踪、転職、過重労働、生活トラブルにつながる可能性があります。
そのため、採用前には、本人がどの機関にいくら支払ったのか、借金があるのか、保証金や違約金契約がないかを確認することが重要です。二国間取決めの目的の一つも、悪質な仲介事業者の排除にあります。
安く採用できると思ったら、実は本人が現地で大きな借金を背負っていた。これは企業にとっても本人にとっても良い採用ではありません。採用コストを見える化するなら、企業側の支出だけでなく、本人側の負担も確認すべきです。
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特定技能人材の採用では、採用費用だけでなく、給与や待遇の設定も重要です。ここを誤ると、在留資格の審査や雇用後の労務管理で問題になります。
特定技能外国人の報酬は、同じ業務に従事する日本人と同等以上である必要があります。外国人だから安く雇える、という考え方は制度上通用しません。
同じ職場で同じ業務をしている日本人よりも明らかに低い給与を設定している場合、在留資格申請で問題になる可能性があります。給与、手当、賞与、昇給、控除、労働時間、休日、福利厚生などを総合的に確認する必要があります。
特定技能は「安い労働力を輸入する制度」ではありません。ここを勘違いしている企業は、採用後に定着しないだけでなく、行政対応でも苦労することになります。人件費を削るためだけの制度利用は、だいたい長持ちしません。
給与設定では、地域別最低賃金を下回らないことは当然です。しかし、最低賃金を守っていれば十分というわけではありません。同じ業務の日本人と比べて合理的な水準か、業界相場と比べて極端に低くないか、残業代や深夜手当が正しく支払われるかが重要です。
特定技能人材は転職が可能です。技能実習と違い、一定の範囲で転職の自由があります。そのため、給与や労働環境が悪ければ、他社へ移る可能性があります。採用費用をかけたのに、数か月で退職されるケースもあります。
採用コストを下げたいなら、紹介料を数万円削るよりも、定着率を上げる方が効果的です。採用費を節約して離職率を上げるのは、穴の空いたバケツに水を注ぎながら水道代を嘆くようなものです。
寮費、水道光熱費、食費、制服代などを給与から控除する場合は、本人への説明、同意、控除額の合理性が重要です。控除の内容が不透明だと、トラブルになりやすくなります。
特に、社宅や寮を提供する場合は、家賃の設定が実費に見合っているか、過大な利益を乗せていないかを確認すべきです。外国人本人が内容を理解できる言語で説明されているかも重要です。
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登録支援機関は、特定技能人材の受入れにおいて非常に重要なパートナーです。ただし、登録されているからといって、すべての機関が同じ品質というわけではありません。ここは人間界の資格制度あるあるです。登録と実力は、似ているようで別物です。
まず確認すべきは、料金体系です。月額費用に何が含まれているのか、初期費用はいくらか、事前ガイダンスや生活オリエンテーションは別料金か、定期面談や通訳費は含まれるのか、在留資格更新はサポート対象かを確認します。
「月額2万円」とだけ書かれていても、実際には多くの支援が別料金であれば、年間総額は高くなります。見積書では、月額費用、初期費用、項目別費用、実費精算、緊急対応費、行政書士費用の有無を分けて確認すべきです。
インドネシア人を採用するならインドネシア語、ベトナム人ならベトナム語、ネパール人ならネパール語など、本人が理解できる言語で対応できるかを確認します。
英語だけで十分な場合もありますが、すべての候補者が英語で労働条件や行政手続きを正確に理解できるわけではありません。特に、給与控除、社会保険、税金、契約解除、転職、在留資格更新などは、本人の理解が不十分だと後から問題になります。
特定技能は分野ごとにルールが異なります。介護、建設、外食、飲食料品製造、農業、宿泊、自動車整備、工業製品製造業など、それぞれに業務範囲、協議会加入、試験、受入れ要件、支援上の注意点があります。
登録支援機関が制度一般には詳しくても、自社の業種に詳しいとは限りません。採用予定の分野で支援実績があるか、過去に同じ業種の受入れを支援したことがあるかを確認しましょう。
特定技能1号では、外国人本人からの相談や苦情に対応する体制が必要です。ここで重要なのは、名目上の窓口があるかではなく、実際に対応できるかです。
電話番号だけ書いてあるが誰も出ない、母国語対応と書いてあるが翻訳アプリ頼み、緊急時に連絡が取れない、会社側の都合しか聞かない。このような支援体制では、本人の不満が蓄積し、離職やトラブルにつながります。
支援を登録支援機関に委託しても、受入れ企業の責任が消えるわけではありません。雇用主はあくまで企業です。登録支援機関に委託しているから大丈夫、という考えは危険です。
職場での指導、労働時間管理、給与支払い、安全衛生、ハラスメント防止、人間関係、キャリア形成は、企業側が責任を持って対応すべき領域です。登録支援機関は生活支援や制度運用のサポートをしてくれますが、職場文化までは魔法の杖で変えてくれません。
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登録支援機関に委託せず、自社で支援を行うことも可能です。自社支援ができれば月額委託費を抑えられる可能性があります。
自社支援を行うには、支援責任者や支援担当者を置き、外国人本人に対する中立的な支援ができる体制を整える必要があります。また、外国人が理解できる言語で相談対応や説明ができることも重要です。
受入れ人数が少ないうちは、登録支援機関に委託した方が結果的に安くなる場合もあります。逆に、数十人以上を継続的に採用する企業であれば、社内に外国人支援チームを作ることで、長期的なコストを抑えられる可能性があります。
自社支援は、外部委託費が不要になる一方で、社内担当者の人件費がかかります。事前ガイダンス、生活オリエンテーション、定期面談、相談対応、行政手続き同行、住居支援、日本語学習支援などを行うには時間が必要です。
月額委託費を削減できたとしても、社内担当者が毎月多くの時間を使うなら、それは見えないコストです。会計上は目立たなくても、現場の負担としては確実に存在します。
1人から5人程度の受入れであれば、登録支援機関への委託の方が現実的な場合が多いでしょう。一方、10人、20人、50人と継続的に受け入れる場合は、自社支援体制の構築を検討する価値があります。
ただし、最初から完全内製化を目指すより、最初は登録支援機関に委託し、制度運用や支援内容を学びながら、徐々に社内体制を整える方が安全です。最初から全部自社でやろうとして混乱するのは、なかなか企業運営における伝統芸能です。
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特定技能人材の採用コストは、単純に安い業者を選べば下がるわけではありません。むしろ、安さだけで選ぶと、早期離職や法令トラブルで高くつくことがあります。
一つの紹介会社だけに依存すると、費用や人材の質を比較できません。国内採用、海外採用、学校・日本語教育機関、既存社員からの紹介、現地パートナーなど、複数の採用ルートを持つことで、費用と質のバランスを取りやすくなります。
ただし、無許可の仲介者や不透明なブローカーを使うのは避けるべきです。安く見えても、本人側に高額な費用負担がある場合、来日後のトラブルにつながります。
紹介料が30万円の会社と60万円の会社があった場合、単純に30万円の方が得とは限りません。60万円でも、候補者の選抜、事前教育、日本語教育、定着支援、返金規定がしっかりしていれば、結果的に安くなる可能性があります。
逆に、紹介料が安くても、入社後すぐに辞めてしまえば、採用費、教育時間、現場負担が無駄になります。特定技能採用では、採用単価よりも、1年後、3年後に何人残っているかを見るべきです。
外国人材の定着率は、本人の能力だけで決まるわけではありません。職場側の受入れ体制が大きく影響します。指示の出し方、マニュアル、教育担当者、生活相談、宗教や文化への配慮、評価制度、昇給制度などが整っているかが重要です。
同じ国籍の人材を採用しても、会社によって定着率は大きく変わります。つまり、採用コストを下げたいなら、紹介会社を値切る前に、職場を辞めたくならない環境にする方が効果的です。
登録支援機関にすべて委託するのではなく、一部を自社で対応する方法もあります。たとえば、日常相談や日本語学習支援は自社で行い、制度上の書類や定期面談は登録支援機関に委託するなどの組み合わせです。
ただし、義務的支援として必要な内容を満たせるかどうかは慎重に確認する必要があります。中途半端な内製化は、費用削減ではなく責任の迷子を生みます。
特定技能人材を採用する前に、最低限、以下のような点を確認しておく必要があります。ここを飛ばして採用を進めると、後から書類不備、在留資格不許可、労務トラブル、行政対応に追われることになります。
特定技能は、どの仕事でもできる在留資格ではありません。対象となる特定産業分野と業務区分が決まっています。自社の業務が該当するかを確認する必要があります。
たとえば、同じ飲食関連でも、外食業に該当するのか、飲食料品製造業に該当するのかで要件が変わります。製造業でも、工業製品製造業のどの業務区分に該当するのかを確認しなければなりません。
特定技能では、雇用契約の内容が重要です。報酬が日本人と同等以上であるか、労働時間や休日が適切か、社会保険や労働保険の加入が適切か、給与控除が明確かを確認します。
また、原則として直接雇用が基本です。一部の分野では派遣形態が認められる場合もありますが、どの分野でも自由に派遣できるわけではありません。派遣での受入れを考える場合は、分野別のルールを必ず確認する必要があります。
特定技能1号では、支援計画の作成と実施が必要です。事前ガイダンス、空港送迎、住居確保、生活オリエンテーション、行政手続き同行、日本語学習、相談対応、交流促進、転職支援、定期面談などを、どのように実施するかを整理しなければなりません。
支援計画は、書類上だけ整えても意味がありません。実際に実施できる体制があるかが重要です。現場に支援担当者がいない、本人が理解できる言語で説明できない、相談窓口が機能していないという状態では、支援計画の実効性に問題が出ます。
特定技能では、分野によって協議会への加入や特有の要件があります。建設、介護、外食、飲食料品製造、宿泊、農業など、それぞれ所管省庁のルールがあります。
分野別要件を確認せずに採用を進めると、在留資格申請の段階で止まることがあります。制度全体の共通ルールだけでなく、自社の分野に関する要領別冊や所管省庁の資料を確認することが大切です。
2025年4月からは、特定技能制度において地域の共生施策との連携が強化されています。特定技能所属機関は、外国人が活動する事業所所在地や住居地の市区町村に協力確認書を提出することなどが求められます。
また、地方公共団体が実施する共生施策を確認し、それを踏まえて支援計画を作成・実施する必要があります。外国人材の受入れは、会社の中だけで完結するものではなく、地域社会との関係も含めて考える段階に入っています。
ここでは、特定技能人材を1人採用した場合の費用イメージを、国内採用と海外採用に分けて整理します。実際の金額は会社や業種によって変わるため、あくまで試算の考え方として見てください。
国内にいる外国人材を採用する場合、主な費用は人材紹介料、在留資格変更申請に関する費用、登録支援機関の初期費用、住居支援、生活オリエンテーションなどです。
人材紹介料が30万円から50万円、行政書士費用が5万円から15万円、入管手数料が5500円または6000円、登録支援機関の初期費用が2万円から10万円、住居関連や生活立ち上げで5万円から30万円程度かかると考えると、初期費用はおおむね40万円から100万円程度になることがあります。
その後、登録支援機関への月額費用として1万5000円から4万円程度が継続して発生します。年間では18万円から48万円程度です。これに在留期間更新、通訳、追加同行、日本語学習などの費用が加わる場合があります。
海外から呼び寄せる場合、国内採用の費用に加えて、現地募集、現地教育、翻訳、渡航費、入国時送迎、住居準備などが発生します。
人材紹介料が40万円から80万円、行政書士費用が5万円から20万円、渡航費が5万円から15万円、現地教育や書類翻訳などが5万円から30万円、登録支援機関の初期費用や生活立ち上げで10万円から40万円程度かかることがあります。
そのため、海外採用の初期費用は、1人あたり60万円から150万円程度を見込むケースが多くなります。さらに、採用国や業種によっては、現地側の手続きや教育費が加わる場合があります。
特定技能人材の採用費用は、初期費用だけでなく初年度総額で見るべきです。たとえば、初期費用が80万円、月額支援費が3万円であれば、初年度の支援費は36万円です。合計すると、初年度だけで116万円になります。
さらに、住居、通訳、日本語学習、在留資格更新、社内教育の人件費などを含めると、実際の負担はさらに増えます。
逆に、2年目以降は人材紹介料や渡航費が発生しないため、継続雇用できれば1年あたりの実質コストは下がります。つまり、特定技能採用では、早期離職を防ぐことが最大のコスト対策になります。
特定技能人材の採用では、費用をめぐるトラブルが起きやすいです。事前に典型的なパターンを知っておくことで、かなり防ぐことができます。
最も多いのは、見積もりに含まれる範囲が曖昧なケースです。紹介料に在留資格申請サポートが含まれるのか、登録支援費が含まれるのか、初期ガイダンスや生活オリエンテーションが含まれるのかを確認しないまま契約してしまうと、後から追加費用が発生します。
契約前には、紹介料、支援費、申請費、通訳費、渡航費、住居費、更新費、返金規定を分けて確認しましょう。
企業側の費用だけでなく、外国人本人が母国でいくら支払っているかも重要です。現地ブローカーや教育機関に高額な費用を支払っている場合、本人が来日前から借金を抱えていることがあります。
本人の借金が大きいと、来日後に給与への不満が高まりやすく、失踪や転職のリスクも上がります。採用前に、本人負担の有無、金額、支払先、借金の有無を確認することが大切です。
紹介料を支払った後、本人が短期間で退職してしまうことがあります。その場合、紹介会社との契約に返金規定がなければ、企業側が全額負担することになります。
返金規定は、入社後何日以内なら何%返金されるのか、自己都合退職と会社都合退職で扱いが違うのか、無断退職の場合はどうなるのかを確認しましょう。
登録支援機関に委託したものの、定期面談が形式的、相談対応が遅い、母国語対応が弱い、行政手続きに詳しくないというケースもあります。
支援の質が低いと、外国人本人の不満が会社に向きます。企業側からすれば「支援機関に払っているのに」と感じるかもしれませんが、本人から見れば雇用主は会社です。委託先の質も、採用リスクの一部として考える必要があります。
特定技能人材の採用は、日本人の中途採用と比べて安い場合もありますが、単純に安いとは言えません。紹介料だけを見れば、日本人の年収連動型紹介料より低く見える場合があります。しかし、特定技能では、在留資格申請、義務的支援、生活支援、通訳、住居、更新手続きなどが追加で発生します。
そのため、特定技能採用を「安い労働力」と考えると失敗しやすいです。むしろ、採用、教育、支援、定着までを含めた人材投資として考えるべきです。
一方で、しっかりと受入れ体制を作り、長く働いてもらえる環境を整えれば、特定技能人材は非常に大きな戦力になります。採用難の業界では、日本人採用だけに依存するよりも、安定した人材確保の選択肢になり得ます。
特定技能人材の採用を始める前に、企業側で準備すべきことがあります。ここを飛ばして紹介会社に丸投げすると、採用後に現場が混乱します。
まず、担当してもらう業務内容を明確にします。特定技能の対象業務に該当するか、日本人社員と業務範囲がどう違うのか、どの作業を任せるのかを整理します。
業務内容が曖昧だと、在留資格申請書類も作りにくく、入社後のミスマッチも起きやすくなります。
給与、手当、残業、休日、寮費、控除、昇給、賞与、社会保険を整理します。外国人だから別ルールにするのではなく、日本人と比較して合理的に説明できる待遇にする必要があります。
外国人材が入社した後、誰が業務を教えるのかを決めておきます。教育担当者が決まっていないと、本人は誰に質問すればよいかわからず、現場も混乱します。
日本語が完璧ではない人に対しては、口頭説明だけでなく、写真付きマニュアル、動画、翻訳資料、チェックリストなどが有効です。
住居探し、銀行口座、携帯電話、役所手続き、通勤方法、病院、買い物、ゴミ出しなど、どこまで会社が支援するのかを決めておきます。
登録支援機関に委託する場合でも、会社側で把握しておくことが重要です。本人が生活で困れば、最終的には仕事にも影響します。
特定技能1号は通算で上限があります。一方、分野によっては特定技能2号への移行も可能です。長く働いてもらいたい場合は、技能向上、日本語学習、資格取得、リーダー候補化などのキャリア設計を考える必要があります。
目先の人手不足を埋めるだけでは、本人も会社も長期的なメリットを得にくくなります。採用した後にどう成長してもらうかまで考えることが、結局は採用コストの回収につながります。
特定技能人材の採用コストは、国内採用か海外採用か、紹介会社を使うか、自社採用するか、登録支援機関に委託するか、自社支援するかによって大きく変わります。
一般的な目安として、国内採用では初期費用が30万円から100万円程度、海外採用では60万円から150万円程度になることがあります。採用後は、登録支援機関への月額支援費として1人あたり1万5000円から4万円程度が継続的に発生することが多いです。
ただし、重要なのは金額だけではありません。特定技能1号では、義務的支援にかかる費用を外国人本人に負担させることはできません。通訳費、空港送迎費、住居確保支援の一部、生活オリエンテーション、相談対応など、企業側が負担すべき費用があります。
また、保証金や違約金契約、本人への紹介料請求、不透明な給与控除は大きなリスクになります。採用前には、費用の総額だけでなく、誰が何を負担するのか、法律上問題がないかを確認する必要があります。
特定技能採用は、安く人を集めるための裏技ではありません。適切な費用をかけ、正しい手続きを行い、職場と生活の両面で支援し、長く働いてもらうための制度です。最初に少し丁寧に設計すれば、企業にとっても外国人本人にとっても、非常に価値のある採用手段になります。
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特定技能
特定技能とは、日本の人手不足分野で一定の技能や日本語能力を持つ外国人が働くための在留資格です。特定技能1号と特定技能2号があります。
特定技能1号
特定技能1号は、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が、対象分野で働くための在留資格です。通算在留期間に上限があり、受入れ企業には義務的支援が求められます。
特定技能2号
特定技能2号は、より熟練した技能を持つ外国人向けの在留資格です。更新により長期就労が可能で、一定の条件を満たせば家族帯同も可能です。
受入れ機関
受入れ機関とは、特定技能外国人を雇用する企業や事業者のことです。特定技能所属機関とも呼ばれます。
登録支援機関
登録支援機関とは、受入れ企業から委託を受けて、特定技能1号外国人への支援を行う機関です。出入国在留管理庁に登録された機関である必要があります。
義務的支援
義務的支援とは、特定技能1号外国人を受け入れる企業が実施しなければならない支援です。事前ガイダンス、空港送迎、住居確保支援、生活オリエンテーション、相談対応、定期面談などがあります。
支援計画
支援計画とは、特定技能1号外国人に対して、受入れ企業がどのような支援を行うかをまとめた計画です。在留資格申請において重要な書類になります。
在留資格認定証明書
在留資格認定証明書とは、海外にいる外国人を日本に呼び寄せる際に必要となる書類です。日本での活動内容が在留資格に合っているかを事前に確認するためのものです。
在留資格変更許可
在留資格変更許可とは、すでに日本にいる外国人が、現在の在留資格から別の在留資格へ変更するための許可です。留学から特定技能へ変更する場合などに必要になります。
在留期間更新許可
在留期間更新許可とは、現在の在留資格で引き続き日本に滞在するために、在留期間を延長する手続きです。
有料職業紹介事業者
有料職業紹介事業者とは、求人企業と求職者をマッチングし、採用が決まった場合などに手数料を受け取る事業者です。日本では、求職者本人から手数料を取ることは原則として禁止されています。
保証金
保証金とは、途中退職や失踪を防ぐ名目で本人や家族から預かる金銭のことです。特定技能制度では、このような保証金の徴収は大きな問題になります。
違約金契約
違約金契約とは、契約に違反した場合に一定の金額を支払わせる契約です。外国人本人に対して、退職時などの違約金を定めることは避けるべきです。
特定技能人材を1人採用するのに、結局いくら必要ですか?
国内採用であれば初期費用として30万円から100万円程度、海外採用であれば60万円から150万円程度を見込むケースが多いです。さらに採用後は、登録支援機関への月額支援費として1人あたり1万5000円から4万円程度が継続的に発生することがあります。
登録支援機関への委託は必須ですか?
必須ではありません。受入れ企業が要件を満たし、自社で義務的支援を実施できる場合は自社支援も可能です。ただし、外国語対応、相談対応、定期面談、行政手続き同行などが必要になるため、初めて受け入れる企業では登録支援機関に委託するケースが多いです。
登録支援機関の費用は外国人本人に請求できますか?
できません。義務的支援にかかる費用は、受入れ企業が負担する必要があります。登録支援機関に支払う支援委託費を、外国人本人の給与から控除することは避けるべきです。
人材紹介料を外国人本人に負担させることはできますか?
原則としてできません。有料職業紹介では、求職者本人から手数料を徴収することは原則禁止されています。紹介料は求人者である企業側の採用コストとして考えるべきです。
海外から採用する場合、航空券は企業負担ですか?
来日時の航空券について、日本法上すべてのケースで企業負担と一律に決まっているわけではありません。ただし、送出国の法令や現地手続きで企業側負担が求められる場合があります。また、帰国費用については本人が負担できない場合に受入れ機関が負担する必要があります。
空港送迎の費用は誰が負担しますか?
空港や港での送迎は義務的支援に含まれるため、その交通費は受入れ機関が負担します。本人に負担させることは適切ではありません。
家賃は企業が負担しなければなりませんか?
住居確保の支援は必要ですが、家賃そのものを必ず企業が負担しなければならないわけではありません。ただし、保証会社の保証料など、住居確保支援に必要な一部費用は企業負担となる場合があります。家賃や水道光熱費を本人負担にする場合は、金額や控除方法を明確にする必要があります。
特定技能人材は日本人より安く雇えますか?
その考え方は危険です。特定技能外国人の報酬は、同じ業務を行う日本人と同等以上である必要があります。外国人だから低賃金でよいという制度ではありません。
早期退職された場合、紹介料は戻ってきますか?
紹介会社との契約内容によります。返金規定がある場合もあれば、ない場合もあります。契約前に、何か月以内の退職で何%返金されるのか、自己都合退職と会社都合退職で扱いが違うのかを確認する必要があります。
特定技能採用で一番注意すべき費用は何ですか?
見落としやすいのは、採用後の継続費用です。紹介料や渡航費だけでなく、登録支援機関への月額費用、通訳費、在留資格更新費、生活支援費、社内教育の人件費まで含めて初年度総額を見ておく必要があります。