2月 22, 2025 • インドネシア, スタートアップ • by Delilah

インドネシアの注目スタートアップ企業Kitabisa(キタビサ)

インドネシアのオンライン募金プラットフォームであるKitabisa（キタビサ）は、設立以来、多くの人々や団体の支援を受け、社会貢献活動を推進してきました。特に、医療従事者への支援や相互扶助型の保険サービス「SalingJaga」を通じて、コミュニティの絆を深めています。本記事ではインドネシアのクラウドファンディング最大手Kitabisa（キタビサ）について詳しくご紹介します。

Kitabisa(キタビサ)の会社概要

説明文：Kitabisa（キタビサ）は、インドネシア最大のオンライン募金プラットフォームであり、個人、コミュニティ、非営利団体、企業が社会的、個人的、創造的なプロジェクトのためにクラウドファンディング(クラファン)で資金を調達することを可能にしています。
会社名：PT KITABISA INDONESIA
創業者：ムハンマド・アルファティ・ティムール（Muhammad Alfatih Timur）
創業年：2013年
本社所在地：インドネシア、ジャカルタ

kitabisa

Kitabisa(キタビサ)の創業の経緯やストーリー

Kitabisaの物語は、1991年12月27日にブキッティンギで生まれたムハンマド・アルファティ・ティムール（通称ティミー）によって始まりました。彼の父親は西スマトラの辺境地域で数十年間奉仕した医師であり、その影響でティミーは幼少期から社会奉仕の精神を育みました。大学時代、ティミーはインドネシア大学経済経営学部で学び、学生執行部などの組織で活発に活動しました。卒業後、彼はルマ・プルバハン（Rumah Perubahan）でプロジェクトマネージャーとして勤務し、そこで多くの社会的コミュニティが資金調達に苦労している現状を目の当たりにしました。この経験から、ティミーは2013年にKitabisaを設立し、資金を必要とする人々と寄付を希望する人々をつなぐオンラインプラットフォームをクラウドファンディング(クラファン)で提供することを目指しました。

Kitabisa(キタビサ)の事業内容とサービス内容

Kitabisaは、以下のような多岐にわたるサービスを提供しています：

募金プラットフォーム：個人や団体が医療費、教育支援、災害救援などのための資金を集めることができるオンライン募金プラットフォーム。
デジタル募金：非営利団体や慈善団体がオンラインで募金活動を行うための支援。
イスラム慈善活動：ザカート（喜捨）やワカフ（寄付）など、イスラム教の教えに基づく慈善活動の促進。
デジタル保険：「Saling Jaga」という相互扶助型のデジタル保険サービスを提供し、コミュニティ内での支援を強化。

Kitabisa(キタビサ)の主要なマイルストーン

2013年：ムハンマド・アルファティ・ティムールがKitabisaを設立。
2014年：Kitabisa財団を設立し、公式に活動を開始。
2015年：PT Kitabisaを法人化し、事業基盤を強化。
2017年：プラットフォーム上での募金キャンペーンが急増し、月間1.5百万件の寄付取引と4,000件の社会活動キャンペーンを管理するまでに成長。
2018年：ユーザー数が2.3百万人を超え、26,000以上のキャンペーンで総額7310億ルピア（約5,140万米ドル）の資金を調達。
2020年：3百万人以上のユーザーが8350億ルピア以上の資金を調達し、主に医療支援、災害救援、社会的イニシアチブに活用。
2021年：Google Cloudの技術を活用してプラットフォームを再構築し、GKE、Cloud SQL、ProxySQLを導入してシステムのスケーラビリティとパフォーマンスを向上。
2022年：従業員数が300人を超え、インドネシア全土でのサービス提供を強化。
2024年：Amanah Githaを買収し、PT Asuransi Jiwa Syariah Kitabisaとしてシリア保険サービスを拡大。

Kitabisa(キタビサ)の競合企業

インドネシアにおけるオンライン募金プラットフォームの競合として、以下の企業が挙げられます：

BenihBaik：社会的支援や慈善活動のためのオンライン募金プラットフォーム。
WeCare.id：医療費支援に特化したクラウドファンディングプラットフォーム。
AyoBantu：さまざまな社会的プロジェクトのための資金調達を支援するプラットフォーム。

Kitabisa(キタビサ)に対するインドネシアのユーザーの反応

Kitabisa（キタビサ）は、インドネシアで広く支持されているオンライン募金プラットフォームです。ユーザーは、医療費、教育支援、災害救援など、さまざまな目的で資金を集めることができる点を高く評価しています。特に、プラットフォームの使いやすさや透明性が好評で、多くの人々が信頼して利用しています。また、モバイルアプリの提供により、募金活動や寄付がより手軽になったとの声も多く、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与しています。さらに、イスラム教の教えに基づくザカートやワカフなどの慈善活動をサポートしている点も、宗教的価値観を重視するユーザーから高い評価を受けています。

まとめ

Kitabisa（キタビサ）は、2013年の設立以来、インドネシア最大のオンライン募金プラットフォームとして、多くの社会貢献活動を支援してきました。特に、相互扶助型の保険サービス「SalingJaga」を通じて、コミュニティ内での支援を強化し、医療従事者への生命保険提供など、多岐にわたる取り組みを行っています。今後も、Kitabisaはインドネシア社会における善意の架け橋として、さらなる発展が期待されます。

本記事で使用した単語の解説

Kitabisa（キタビサ）：インドネシア語で「私たちができる」という意味を持つ、インドネシア最大のオンライン募金プラットフォーム。
SalingJaga（サリングジャガ）：インドネシア語で「お互いに守る」という意味の、Kitabisaが提供する相互扶助型のデジタル保険サービス。
相互扶助型保険：参加者同士が互いに助け合う仕組みを持つ保険形態。
LAZNAS Salam Setara：インドネシアの公認慈善団体で、社会福祉活動を行っている組織。
RSUD Kota Bogor：インドネシア・西ジャワ州ボゴール市にある公立病院。
生命保険：被保険者の死亡時に指定された受取人に保険金が支払われる保険商品。
Amanah Githa（アマナギタ）：Kitabisaが2024年に買収したシリア保険会社。
PT Asuransi Jiwa Syariah Kitabisa：Amanah Githaの買収後に設立された、Kitabisaのシリア生命保険部門。