2月 22, 2025 • スタートアップ, インドネシア • by Delilah

インドネシアの注目スタートアップ企業Akulaku(アクラク)

インドネシアの注目スタートアップ企業Akulaku(アクラク)

インドネシアのフィンテック業界は急速な発展を遂げており、その中でもAkulaku(アクラク)は特筆すべき存在です。2014年に設立されて以来、同社は多様なデジタル金融サービスを提供し、インドネシアを中心に東南アジア全域で影響力を拡大しています。本記事では、インドネシアの代表的フィンテックスタートアップAkulakuついて詳しく解説します。

 

Akulaku(アクラク)の会社概要

Akulakuは、インドネシアを拠点とするフィンテック企業で、消費者向けクレジット、デジタルバンキング、資産運用、保険仲介など、多岐にわたる金融サービスを提供しています。そのサービスは、インドネシア、フィリピン、タイ、マレーシアなど東南アジア各国で展開されています。

  • 会社名: Akulaku
  • 創業者: ウィリアム・リー(William Li)
  • 創業年: 2014年
  • 本社所在地: インドネシア、ジャカルタ

akulaku

 

Akulaku(アクラク)の創業の経緯やストーリー

Akulakuの前身は、2014年にシンガポールで設立されたSilvrrという企業で、香港の家事労働者向けにクロスボーダー送金サービスを提供していました。その後、インドネシアやフィリピンでオンラインクレジットとeコマースプラットフォームの運営を開始しました。2016年には、フィンテック企業としての方向性を明確にし、社名をAkulakuに変更しました。この転換は、東南アジア地域における金融包摂の推進と、銀行サービスを利用できない人々への金融アクセス提供をフィンテックスタートアップとして目指したものです。

 

Akulaku(アクラク)の事業内容とサービス内容

Akulakuは、多様な金融サービスを提供しています。主な事業内容は以下のとおりです。

  • 消費者向けクレジット: ユーザーがオンラインおよびオフラインで商品を購入する際に、分割払い(Buy Now Pay Later)やクレジットサービスを提供しています。
  • デジタルバンキング: 2019年にインドネシアのPT Bank Yudha Bhakti Tbkを買収し、PT Bank Neo Commerce Tbk(BNC)としてリブランドしました。これにより、デジタルバンキングサービスを強化しています。
  • 資産運用: ユーザーが手軽に投資できるプラットフォームを提供し、資産形成をサポートしています。
  • 保険仲介: 各種保険商品の仲介サービスを展開し、ユーザーの多様なリスク管理ニーズに応えています。

 

Akulaku(アクラク)の主要なマイルストーン

Akulakuは、設立以来、多くの重要なマイルストーンを達成してきました。以下に、特に注目すべき出来事を時系列で詳述します。

  • 2014年: シンガポールでSilvrrとして設立され、香港の家事労働者向けにクロスボーダー送金サービスを開始。
  • 2015年: インドネシアとフィリピンでオンラインクレジットとeコマースプラットフォームの運営を開始。
  • 2016年: フィンテック企業への転換を図り、社名をAkulakuに変更。
  • 2018年: シリーズCラウンドで約7000万ドルの資金調達を実施し、事業拡大の基盤を強化。
  • 2019年: インドネシアのPT Bank Yudha Bhakti Tbkを買収し、デジタルバンキングサービスを提供開始。
  • 2020年: 東南アジア全域でのサービス拡大を目指し、フィリピン、タイ、マレーシアなどで事業を展開。
  • 2021年: シリーズDラウンドで1億2500万ドルの資金調達を実施し、評価額が10億ドルを超えてユニコーン企業の仲間入りを果たす。
  • 2022年12月: 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が2億ドルの出資を決定し、Akulakuの成長を後押し。
  • 2023年1月: HSBCシンガポールが1億ドルの出資を行い、Akulakuの資金基盤をさらに強化。
  • 2024年: インドネシア国内でのユーザー数が1000万人を突破し、東南アジア全体での影響力を拡大。

 

Akulaku(アクラク)の競合企業

インドネシアのフィンテック市場は急速に拡大しており、Akulaku(アクラク)はその中で重要なプレイヤーとして位置づけられています。しかし、同市場には他にも多くの競合企業が存在し、各社が独自のサービスを展開しています。主な競合企業は以下のとおりです。

  • Kredivo(クレディヴォ): FinAccel社が運営するKredivoは、消費者向けの後払い・分割払いサービスを提供しています。特に若年層を中心に支持を集めており、インドネシア国内のBNPL(Buy Now Pay Later)市場で約50%のシェアを占めると推定されています。
  • OVO(オヴォ): 電子マネーやデジタル決済サービスを提供するOVOは、TokopediaやGrabなどの主要プラットフォームと提携し、幅広いユーザーベースを持っています。近年では、BNPLサービスにも参入し、競争力を高めています。
  • Shopee PayLater(ショッピー・ペイレーター): 大手EコマースプラットフォームであるShopeeが提供する後払いサービスで、親会社のSeaグループが運営しています。自社のデジタル銀行であるSeaBankを通じて、即時審査型のクレジットサービスを展開しています。
  • Lazada PayLater(ラザダ・ペイレーター): Lazadaは、アリババグループ傘下のEコマースプラットフォームで、後払いサービス「Lazada PayLater」を提供しています。AkulakuやKredivoなどのフィンテック企業と提携し、ユーザーに分割払いオプションを提供しています。

これらの企業は、デジタル決済や後払いサービスの分野でAkulakuと競合しており、各社が独自の強みを活かして市場シェアの拡大を目指しています。

 

Akulaku(アクラク)に対するインドネシアのユーザーの反応

Akulakuは、インドネシア国内で多様なデジタル金融サービスを提供しており、多くのユーザーから支持を得ています。特に、銀行口座を持たない層やクレジットカードを利用できないユーザーにとって、Akulakuの後払いサービスやデジタルバンキングは重要な金融アクセス手段となっています。

ユーザーからは、以下のようなポジティブな反応が寄せられています。

  • 利便性の向上: スマートフォンアプリを通じて簡単にクレジット申請や支払いができるため、従来の銀行手続きよりも手軽であるとの声が多くあります。
  • 多様なサービスの提供: 後払いサービスだけでなく、デジタルバンキングや資産運用、保険仲介など、幅広い金融サービスを一つのプラットフォームで利用できる点が高く評価されています。

一方で、以下のような課題や改善点を指摘するユーザーもいます。

  • 金利や手数料の明確化: 一部のユーザーからは、分割払い時の金利や手数料に関する情報が分かりづらいとの指摘があり、透明性の向上が求められています。
  • カスタマーサポートの充実: 問い合わせ対応の迅速さや問題解決能力に関して、さらなる改善を望む声もあります。

 

まとめ

インドネシアのフィンテック企業、Akulaku(アクラク)は、2014年の設立以来、消費者向けクレジットやデジタルバンキングなど多岐にわたる金融サービスを提供し、東南アジア全域で影響力を拡大しています。特に、銀行口座を持たない層やクレジットカードを利用できないユーザーにとって、Akulakuのサービスは重要な金融アクセス手段となっています。また、三菱UFJフィナンシャル・グループやHSBCシンガポールなどの大手金融機関からの出資を受け、さらなる成長が期待されています。

 

本記事で使用した単語の解説

  • フィンテック(Fintech): 「Financial Technology」の略で、金融と技術を組み合わせたサービスや企業を指します。
  • デジタルバンキング: インターネットやモバイルアプリを通じて提供される銀行サービスのことです。
  • Buy Now Pay Later(BNPL): 「今買って、後で支払う」という意味で、購入時に即時支払いをせず、後日分割や一括で支払うサービスを指します。
  • ユニコーン企業: 評価額が10億ドル以上の未上場スタートアップ企業を指します。
  • 資産運用: 投資などを通じて資産を増やすことを目的とした活動やサービスのことです。
  • 保険仲介: 保険会社と顧客の間に立ち、保険商品の提案や契約手続きをサポートするサービスを指します。

 

FAQ

Q1: Akulakuはどのようなサービスを提供していますか?

A1: Akulakuは、消費者向けクレジット、デジタルバンキング、資産運用、保険仲介など、多岐にわたる金融サービスを提供しています。特に、銀行口座を持たないユーザーやクレジットカードを利用できないユーザー向けに、後払い(Buy Now Pay Later)サービスを展開しています。

Q2: Akulakuの主要なマイルストーンは何ですか?

A2: 主なマイルストーンとして、2019年にインドネシアのPT Bank Yudha Bhakti Tbkを買収し、デジタルバンキングサービスを強化しました。また、2022年12月には三菱UFJフィナンシャル・グループから2億ドルの出資を受け、2023年1月にはHSBCシンガポールから1億ドルの出資を受けています。

Q3: Akulakuの競合企業はどこですか?

A3: インドネシアにおける主な競合企業として、Kredivo、OVO、Shopee PayLater、Lazada PayLaterなどが挙げられます。これらの企業もデジタル決済や後払いサービスを提供しており、Akulakuと市場シェアを競っています。

Q4: インドネシアのユーザーからの反応はどうですか?

A4: 多くのユーザーから、Akulakuのサービスは利便性が高く、特に銀行口座を持たない層にとって重要な金融アクセス手段として評価されています。一方で、金利や手数料の明確化、カスタマーサポートの充実など、さらなる改善を望む声もあります。

Q5: Akulakuはどの地域でサービスを展開していますか?

A5: Akulakuは、インドネシアをはじめ、フィリピン、タイ、マレーシアなど東南アジア各国でサービスを展開しています。

 

 

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