2月 22, 2025 • インドネシア, スタートアップ • by Delilah

インドネシアの注目スタートアップ企業OVO(オヴォ)

インドネシアの注目スタートアップ企業OVO(オヴォ)

インドネシアのデジタル決済サービス「OVO(オヴォ)」は、2017年に設立されGoPayと並んでインドネシアのキャッシュレス決済の先駆けとも言えるサービスです。本記事では、OVO(オヴォ)について詳しく解説します。

 

OVOの会社概要

インドネシアのデジタル決済サービスであるOVO(オヴォ)は、2017年に設立され、ジャカルタを拠点とするPT Visionet Internasionalが運営しています。創業者はリッポー・グループで、設立当初からインドネシア全土でのフィンテック事業展開を目指していました。本社はインドネシアの首都ジャカルタに位置しています。

  • 会社名:PT Visionet Internasional
  • 創業年:2017年
  • 本社所在地:インドネシア、ジャカルタ

ovo

 

OVOの創業の経緯やストーリー

OVOは、リッポー・グループのデジタル金融サービス部門であるPT Visionet Internasionalの製品として、2017年9月25日にバンク・インドネシアから電子マネーライセンスを取得し、正式にサービスを開始しました。設立当初はデジタルウォレットの提供に注力し、インドネシア国内でのキャッシュレス社会の推進に貢献しました。

 

 

OVOの事業内容とサービス内容

OVOの主力事業は、電子マネーライセンスに基づくデジタル決済サービスです。ユーザーはOVOアプリを通じて、オンラインおよびオフラインでの支払い、送金、請求書の支払いなど、多様な金融サービスを利用できます。さらに、2018年以降は融資サービスや投資商品、保険商品など、金融サービスの幅を広げています。これらのサービスは、Adira Finance、Bank BRI、Manulife Aset Manajemen Indonesia、Prudential Indonesiaなどのパートナー企業との協力により提供されています。

 

 

OVOの主要なマイルストーン

  1. 2017年9月25日: OVOがバンク・インドネシアから電子マネーライセンスを取得し、正式にサービスを開始。
  2. 2017年12月: 東京センチュリー株式会社がOVOに1億1600万ドルを投資し、20%の株式を取得。
  3. 2018年: OVOが新たな金融サービスを追加し、Grabが同社に投資。
  4. 2019年3月: インドネシアのeコマース企業TokopediaがOVOに出資。同月、CB Insightsによると、OVOの企業価値は29億ドルと評価される。
  5. 2019年10月: インドネシアの通信情報大臣ルディアンタラ氏が、OVOがインドネシアで5番目のユニコーン企業になったと発表。
  6. 2019年: PT Visionet Internasionalの株主が、Karaniya Dharmasaputra氏を社長に任命。彼はAndrian Suherman氏の後任として就任。
  7. 2021年10月: GrabがTokopediaとリッポー・グループの株式を買収し、OVOの持株比率を90%に引き上げる。
  8. 2022年8月: Dyak NK Makhijani氏がPT Visionet Internasionalの社長コミッショナーに就任。この時点で、OVOの90%はGrabが所有。

 

 

OVOの競合企業

インドネシアのデジタル決済市場は競争が激しく、OVOの主な競合には以下の企業があります。

  • GoPay: Gojekが提供するデジタルウォレットサービスで、多様なサービスと連携しています。
  • DANA: EmtekグループとAnt Financialの合弁企業で、ユーザーに幅広い決済ソリューションを提供しています。
  • LinkAja: 国営企業が共同で設立したデジタル決済プラットフォームで、公共料金の支払いなどに強みを持っています。

 

 

OVOに対するインドネシアのユーザーの反応

OVOは、使いやすいインターフェースや多様なサービス、幅広いパートナーシップにより、インドネシアのユーザーから高い評価を得ています。2021年のKadence Internationalの調査によれば、OVOはオンラインおよびオフライン取引の両方で、インドネシアの主要な電子マネー/デジタルウォレットとして位置づけられています。また、UBS Globalの2021年の調査では、OVOがインドネシアのデジタル決済市場の30%を占めていることが明らかになっています。

しかし近年はGojekTokopediaの合併に伴いTokopediaユーザーがGoPayを使うようになり、ユーザー離れが囁かれています。

 

 

まとめ

OVO(オヴォ)は、2017年にインドネシアのリッポー・グループによって設立されたデジタル決済サービスで、PT Visionet Internasionalが運営しています。バンク・インドネシアから電子マネーライセンスを取得し、電子マネー決済を中心に、送金、請求書支払い、融資、投資、保険サービスなどのフィンテック事業を展開してきました。

OVOはGoPayやDANAなどの競合と並び、インドネシアのキャッシュレス決済市場をリードする存在でしたが、近年はGojekとTokopediaの合併により、TokopediaユーザーがGoPayを利用する傾向が強まり、競争が激化しています。現在もGrabがOVOの主要株主であり、今後の事業展開に注目が集まっています。

本記事で使用した単語の解説

電子マネー(E-money)
物理的な現金をデジタル化し、スマートフォンアプリやICカードを通じて決済できる仕組み。

デジタルウォレット(Digital Wallet)
スマートフォンアプリを通じて支払い、送金、請求書の支払いなどができる電子財布のこと。

フィンテック(Fintech)
“Finance”(金融)と”Technology”(技術)を組み合わせた言葉で、ITを活用した新しい金融サービスを指す。

リッポー・グループ(Lippo Group)
インドネシアの大手財閥で、不動産、銀行、医療、小売、フィンテックなど幅広い分野で事業を展開している。

バンク・インドネシア(Bank Indonesia)
インドネシアの中央銀行で、国内の金融政策を管理し、電子マネーのライセンス発行などを行う。

ユニコーン企業(Unicorn)
設立から10年以内で、企業価値が10億ドル(約1,500億円)以上の未上場のスタートアップ企業を指す。

Grab(グラブ)
東南アジア最大級の配車・デリバリー・デジタル決済プラットフォーム。シンガポール発祥で、OVOの主要株主。

GoPay(ゴーペイ)
インドネシアのGojekが提供するデジタル決済サービスで、OVOの主要な競合。

Tokopedia(トコペディア)
インドネシア最大級のECプラットフォームで、Gojekとの合併によりGoToグループを形成。

DANA(ダナ)
インドネシアのデジタル決済プラットフォームで、EmtekグループとAnt Financialの合弁企業。

FAQ(よくある質問)

Q1. OVOはどのような支払いに使えますか?
A1. OVOは、オンラインショッピング、レストラン、スーパーマーケット、公共料金の支払い、送金など、さまざまな決済に利用できます。

Q2. OVOのチャージ方法は?
A2. OVOは、銀行振込、ATM、クレジットカード、パートナーショップ(コンビニなど)を通じてチャージ可能です。

Q3. OVOとGoPayの違いは何ですか?
A3. OVOは元々リッポー・グループによって設立され、現在はGrabが主要株主。一方、GoPayはGojekが運営し、Tokopediaと統合されることでシェアを拡大しています。

Q4. OVOはインドネシア国外でも利用できますか?
A4. 基本的にインドネシア国内のサービスに特化しており、国外では利用できません。

Q5. OVOのポイント(OVO Points)は何に使えますか?
A5. OVOポイントは、OVO加盟店での支払いに利用でき、一定のレートでキャッシュバックとして還元されることが多いです。

Q6. OVOの安全性は?
A6. OVOはバンク・インドネシアの規制のもと運営され、暗号化技術や二段階認証(OTP)を活用して安全性を確保しています。

Q7. OVOのユーザー数はどれくらいですか?
A7. 正確な最新データは公開されていませんが、2021年のデータではインドネシア国内で数千万のユーザーが利用していました。

インドネシアでのビジネスなら創業10周年のTimedoor 

システム開発、IT教育事業、日本語教育および人材送り出し事業、進出支援事業

お問い合わせはこちら

 

 

インドネシアの注目スタートアップを徹底解説シリーズ

インドネシアの注目スタートアップ企業Akulaku(アクラク)

インドネシアの注目スタートアップ企業Bukalapak(ブカラパック)

インドネシアの注目スタートアップ企業eFishery(イーフィッシャリー)

インドネシアの注目スタートアップ企業Gojek(ゴジェック)

インドネシアの注目スタートアップ企業GoWork(ゴーワーク)

インドネシアの注目スタートアップ企業Grab(グラブ)

インドネシアの注目スタートアップ企業Halodoc(ハロドク)

インドネシアの注目スタートアップ企業Investree(インベストリー)

インドネシアの注目スタートアップ企業Kitabisa(キタビサ)

インドネシアの注目スタートアップ企業Mekari(メカリ)

インドネシアの注目スタートアップ企業Moka(モカ)

インドネシアの注目スタートアップ企業OLX(オーエルエックス)

インドネシアの注目スタートアップ企業OVO(オヴォ)

インドネシアの注目スタートアップ企業Ruangguru(ルアングル)

インドネシアの注目スタートアップ企業Rumah123(ルマ123)

インドネシアの注目スタートアップ企業Shopee(ショッピー)

インドネシアの注目スタートアップ企業SIRCLO(シルクロ)

インドネシアの注目スタートアップ企業Sociolla(ソシオラ)

インドネシアの注目スタートアップ企業Sribu(スリブ)

インドネシアの注目スタートアップ企業Timedoor Academy(タイムドアアカデミー)

インドネシアの注目スタートアップ企業Tokopedia(トコぺディア)

インドネシアの注目スタートアップ企業Traveloka(トラベロカ)

インドネシアの注目スタートアップ企業Warung Pintar(ワルンピンタル)

インドネシアの注目スタートアップ企業Xendit(ゼンディット)

 

 

 

弊社代表のTimedoor CEO徳永へ直接相談する

Timedoor CEO 徳永 裕の紹介はこちら

Testing