2月 20, 2025 • インドネシア, 財閥 • by Delilah

インドネシアの巨大財閥リッポーグループ(Lippo)を徹底解説

インドネシアの巨大財閥リッポーグループ(Lippo)を徹底解説

リッポーグループの概要

リッポー・グループ(Lippo Group)は、インドネシアを代表する大手財閥の一つで、多岐にわたる事業を展開しています。リッポー・グループは、金融サービスを起点に、不動産開発、メディア、通信、小売、医療、教育など多岐にわたる事業を展開するインドネシアの大手コングロマリットです。国内外で積極的に事業を拡大し、インドネシア経済において重要な役割を果たしています。

  • 創業者:モフタル・リアディ(Mochtar Riady)
  • 創業年:1948年
  • 本拠地:インドネシア、ジャカルタ
  • 主な事業
    • 金融サービス:リッポー・バンク(Lippo Bank)をはじめとする銀行業務。
    • 不動産開発:リッポー・カラワチ(Lippo Karawaci)やリッポー・チカラン(Lippo Cikarang)などによる都市開発。
    • 小売:マタハリ・デパートメント・ストア(Matahari Department Store)やハイパーマート(Hypermart)などの運営。
    • 医療:シロアム・インターナショナル・ホスピタルズ(Siloam International Hospitals)による病院運営。
    • メディア・通信:ファースト・メディア(First Media)による有料放送サービス。
  • 代表企業
    • リッポー・カラワチ(Lippo Karawaci):インドネシア最大級の不動産開発会社で、住宅、商業施設、病院などの開発・運営を手掛けています。
    • シロアム・インターナショナル・ホスピタルズ(Siloam International Hospitals):全国に病院ネットワークを展開し、高品質な医療サービスを提供しています。
    • マタハリ・デパートメント・ストア(Matahari Department Store):インドネシア全土でデパートを運営し、幅広い商品を提供しています。
    • ハイパーマート(Hypermart):スーパーマーケットチェーンとして、日用品から生鮮食品まで多彩な商品を取り扱っています。
    • ファースト・メディア(First Media):有料放送やインターネットサービスを提供する通信企業です。
  • 従業員数:約35,000人以上
  • 売上規模:総資産額は約200億米ドルとされています。

リッポー・グループは、創業以来、多角的な事業展開と積極的な投資活動を通じて、インドネシアの経済発展に大きく貢献しています。特に、不動産開発や医療、小売分野での影響力は顕著であり、国内外でその存在感を示しています。

 

リッポーグループの歴史

リッポー・グループ(Lippo Group)は、インドネシアを代表する多国籍コングロマリットであり、その歴史は以下の通りです。

1948年:モフタル・リアディ(Mochtar Riady)氏が、東ジャワ州マランでリッポー・バンク(Lippo Bank)を設立しました。

1950年代:リッポー・グループは、金融サービスを基盤に事業を開始しました。

1975年:モフタル・リアディ氏は、バンク・セントラル・アジア(BCA)の共同経営者となり、同銀行をインドネシア最大の民間銀行に成長させました。

1981年:モフタル・リアディ氏は、バンク・ペルニアガン・インドネシア(Bank Perniagaan Indonesia)の株式を取得し、これが後のリッポー・バンクとなりました。

1989年:バンク・ペルニアガン・インドネシアは、バンク・ウムム・アジア(Bank Umum Asia)と合併し、正式にリッポー・バンク(Lippo Bank)となりました。

1990年代:リッポー・グループは、不動産開発、教育、メディアなど多角的な事業展開を開始しました。特に、ジャカルタ近郊のカラワチ(Karawaci)やチカラン(Cikarang)での都市開発が注目されました。

1996年:リッポー・グループは、インドネシアの老舗デパートであるマタハリ・デパートメント・ストア(Matahari Department Store)を買収し、小売業界に参入しました。

2008年:リッポー・バンクは、CIMBニアガ銀行(CIMB Niaga)と合併し、現在のCIMB Niagaとなりました。

2017年:リッポー・グループは、西ジャワ州チカランで大規模なニュータウン「メイカルタ(Meikarta)」の開発計画を発表しました。

現在、リッポー・グループは、金融、不動産、小売、医療、教育、メディアなど多岐にわたる事業を展開し、インドネシア国内外でその存在感を示しています。

 

リッポーグループの主要事業

リッポー・グループ(Lippo Group)は、インドネシアを代表する多角的コングロマリットであり、以下の主要事業を展開しています。

1. 不動産開発

  • リッポー・カラワチ(Lippo Karawaci):インドネシア最大級の不動産開発企業であり、住宅、商業施設、病院などの開発・運営を手掛けています。
  • リッポー・チカラン(Lippo Cikarang):ジャカルタ東部のチカラン地域で都市開発を行い、工業団地や住宅地の開発を推進しています。
  • リッポー・リミテッド(Lippo Limited):香港を拠点とする不動産デベロッパーで、アジア地域での不動産投資と開発を行っています。

2. 小売業

  • マタハリ・デパートメント・ストア(Matahari Department Store):インドネシア全土で展開する大手百貨店チェーンで、衣料品や生活雑貨など幅広い商品を提供しています。
  • ハイパーマート(Hypermart):スーパーマーケットチェーンとして、生鮮食品や日用品を取り扱い、全国に店舗を展開しています。

3. 医療

  • シロアム・インターナショナル・ホスピタルズ(Siloam International Hospitals):インドネシア国内で多数の病院を運営し、高品質な医療サービスを提供しています。

4. メディア・通信

  • ファースト・メディア(First Media):有料放送サービスやインターネット接続サービスを提供し、情報通信分野での存在感を示しています。

5. 金融サービス

  • CIMBニアガ銀行(CIMB Niaga):旧リッポー・バンクが2008年にCIMBグループと合併し、現在もリッポー・グループが一部出資しています。

リッポー・グループは、これらの主要事業を通じて、インドネシアの経済発展と社会インフラの向上に大きく貢献しています。

 

リッポーグループのインドネシアへの影響力

リッポー・グループ(Lippo Group)は、インドネシアにおいて多岐にわたる事業を展開し、経済、社会、文化の各分野で大きな影響力を持つコングロマリットです。以下に、同グループのインドネシアへの主な影響をまとめました。

1. 経済的影響

  • 不動産開発:リッポー・グループは、リッポー・カラワチ(Lippo Karawaci)やリッポー・チカラン(Lippo Cikarang)などの子会社を通じて、大規模な都市開発プロジェクトを手掛けています。特に、ジャカルタ近郊のリッポー・ヴィレッジやメイカルタ(Meikarta)などのプロジェクトは、地域の経済発展と雇用創出に寄与しています。
  • 金融サービス:リッポー・グループは、かつてリッポー・バンクを所有していましたが、同銀行は2008年にCIMBニアガ銀行(CIMB Niaga)と合併しました。現在も、インドネシアの金融セクターにおいて重要な役割を果たしています。
  • 小売業:マタハリ・デパートメント・ストア(Matahari Department Store)やハイパーマート(Hypermart)などの小売チェーンを運営し、国内の消費市場に大きな影響を与えています。

2. 社会的影響

  • 医療分野:シロアム・ホスピタルズ(Siloam Hospitals)を通じて、インドネシア全土で医療サービスを提供しています。同グループは、最新の医療技術と高品質のサービスを提供し、国民の健康増進に貢献しています。
  • 教育分野:ペリタ・ハラパン教育財団(Pelita Harapan Education Foundation)を設立し、ペリタ・ハラパン大学(Universitas Pelita Harapan)や複数の学校を運営しています。これにより、インドネシアの教育水準の向上と人材育成に寄与しています。

3. 文化的影響

  • メディア・通信:リッポー・グループは、かつてファースト・メディア(First Media)やスアラ・ペンバルアン(Suara Pembaruan)などのメディア企業を所有しており、インドネシアの情報発信とメディア産業の発展に影響を与えてきました。

総じて、リッポー・グループは多角的な事業展開を通じて、インドネシアの経済成長、社会福祉、文化発展に多大な貢献をしています。その影響力は国内外で広く認識されています。


リッポーグループの過去の事件

リッポー・グループ(Lippo Group)は、インドネシアを代表する大手コングロマリットとして、多岐にわたる事業を展開していますが、その歴史の中でいくつかの問題や疑惑が報じられています。以下に、主な事例をまとめました。

1. メイカルタ(Meikarta)プロジェクトにおける贈賄疑惑

リッポー・グループが手掛ける大規模都市開発プロジェクト「メイカルタ」は、2018年に許認可を巡る贈賄疑惑が浮上しました。インドネシア汚職撲滅委員会(KPK)は、同プロジェクトに関連して、リッポー・グループの幹部やベカシ県の政府関係者を逮捕しました。ジェームズ・リアディ副会長は、この贈賄事件への関与を否定しています。

2. クリントン大統領への違法献金疑惑

1990年代、リッポー・グループはアメリカのビル・クリントン大統領との関係で注目を集めました。同グループの幹部であるジェームズ・T・リアディ氏は、1992年のクリントン氏の大統領選挙キャンペーンに多額の違法献金を行ったとして、2001年に共謀罪を認め、860万ドルの罰金を支払うことで司法取引が成立しました。

3. インドネシア国内での金融スキャンダル

1999年、リッポー銀行はインドネシア国内で金融スキャンダルに巻き込まれました。同銀行の不正融資や資金流用が明るみに出て、国会での調査や関係者の逮捕が行われました。

これらの事例は、リッポー・グループがその影響力の大きさゆえに、政治や経済の分野でさまざまな問題や疑惑に直面してきたことを示しています。同グループは、これらの問題に対して法的手続きを経て対応してきましたが、依然としてその活動には注目が集まっています。

 

リッポーグループと日本企業との協業事例

リッポー・グループ(Lippo Group)は、インドネシアを代表する大手財閥であり、複数の日本企業と協業関係を築いています。以下に、主な日本企業との協業事例をまとめました。

1. 伊藤忠商事株式会社(Itochu Corporation)

伊藤忠商事は、リッポー・グループと医療・健康関連ビジネスで協業しています。2017年6月、両社はアジア地域での医療・健康関連事業の協業に向けた意向書を締結しました。その後、2018年1月には、伊藤忠商事がリッポー・グループ傘下のOUE Lippo Healthcare Limited(OUELH)に対して約66億円の戦略的投資を行い、アジア各国での病院運営や医療施設の管理事業を共同で展開しています。

2. 住友商事株式会社(Sumitomo Corporation)

住友商事は、リッポー・グループと長年にわたり協業関係を築いています。1990年には、工業団地事業であるPT East Jakarta Industrial Parkを通じて協業を開始しました。さらに、2018年9月には、インドネシアにおける宅配事業の共同展開を目的に、リッポー・グループの物流子会社であるPT Reka Cakrabuana Logistik(RCL社)に40%出資し、戦略的パートナーシップを強化しています。

3. 三菱商事株式会社(Mitsubishi Corporation)

三菱商事は、リッポー・グループと不動産開発分野で協業しています。2015年10月、両社は西ジャワ州ブカシ県チカランでの大規模都市開発プロジェクト「オレンジ・カウンティ」において、総事業費約90億円で分譲マンション2棟の建設を開始しました。このプロジェクトを通じて、住宅や商業施設、病院などの不動産関連事業で幅広く協力しています。

4. 東京センチュリー株式会社(Tokyo Century Corporation)

東京センチュリーは、リッポー・グループとデジタル事業およびフィンテック事業で包括的な提携を行っています。2016年11月、両社は戦略的パートナーシップ協定を締結し、リッポーが推進するeコマース、電子マネーサービス、ポイントサービス、ビッグデータを活用したファイナンスサービスなどのデジタル関連事業に総額約1億ドルの出資を行うことで合意しました。

5. 株式会社青山財産ネットワークス(Aoyama Zaisan Networks Company, Limited)

青山財産ネットワークスは、リッポー・グループと不動産開発分野で協業しています。2018年9月、同社はリッポー・グループとの第一号案件として、インドネシア国内の商業・病院施設の開発・運用プロジェクトへの参加を発表しました。これにより、インドネシアにおける都市開発と経済成長に寄与しています。

これらの協業を通じて、リッポー・グループと日本企業は、医療、物流、不動産、デジタル事業など多岐にわたる分野でパートナーシップを強化し、インドネシアおよびアジア地域の発展に貢献しています。

 

まとめ

リッポー・グループ(Lippo Group)は、インドネシアの大手財閥で、金融サービス、不動産開発、医療、小売、メディア・通信など多岐にわたる事業を展開しており、インドネシア経済に多大な影響を与えています。1948年に創業され、創業者モフタル・リアディ氏の指導のもと、数々の事業を展開し、国内外でその影響力を拡大しました。代表的な企業にはリッポー・カラワチ(不動産開発)、シロアム・インターナショナル・ホスピタルズ(医療)、マタハリ・デパートメント・ストア(小売)などがあり、また、近年では日本企業とも戦略的提携を進めています。リッポー・グループは、インドネシア国内外で経済発展、社会福祉、文化の発展に貢献し続けています。

 

本記事で使用した単語の解説

  1. リッポー・グループ(Lippo Group)
    インドネシアの大手コングロマリットで、金融、不動産、医療、教育、メディアなど幅広い事業を展開する企業グループ。1948年に創設され、国内外で多くの成功したプロジェクトを持つ。
  2. リッポー・カラワチ(Lippo Karawaci)
    インドネシア最大級の不動産開発企業で、ジャカルタ近郊に住宅、商業施設、病院などを開発・運営している。
  3. シロアム・インターナショナル・ホスピタルズ(Siloam International Hospitals)
    リッポー・グループの医療部門で、インドネシア国内に多くの病院を展開し、高品質な医療サービスを提供している。
  4. マタハリ・デパートメント・ストア(Matahari Department Store)
    インドネシア全土に広がる大手デパートメントストアチェーン。衣料品や生活雑貨を扱い、国内消費市場に強い影響力を持つ。
  5. ファースト・メディア(First Media)
    リッポー・グループのメディア部門で、インターネット接続サービスや有料放送サービスを提供し、インドネシアの情報通信業界での地位を確立している。
  6. メイカルタ(Meikarta)
    リッポー・グループが推進する大規模都市開発プロジェクト。インドネシア、特に西ジャワ州チカランに位置し、住宅、商業施設、オフィスビルなどを含む新しい都市の開発を進めている。
  7. CIMB Niaga銀行
    元リッポー・バンク。2008年にCIMBグループと合併し、インドネシアの大手銀行となった。

 

FAQ(よくある質問)

Q1: リッポー・グループはどのような事業を展開していますか?

A1: リッポー・グループは、金融サービス、不動産開発、小売業、医療、メディア・通信、教育など多岐にわたる事業を展開しています。代表的な企業にはリッポー・カラワチ(不動産)、シロアム・インターナショナル・ホスピタルズ(医療)、マタハリ・デパートメント・ストア(小売)などがあります。

Q2: リッポー・グループの創業年と創業者は誰ですか?

A2: リッポー・グループは1948年に創業され、創業者はモフタル・リアディ(Mochtar Riady)氏です。

Q3: リッポー・グループの主な企業はどれですか?

A3: 主な企業には、リッポー・カラワチ(不動産開発)、シロアム・インターナショナル・ホスピタルズ(医療)、マタハリ・デパートメント・ストア(小売)、ファースト・メディア(メディア)などがあります。

Q4: メイカルタ(Meikarta)プロジェクトについて教えてください。

A4: メイカルタは、リッポー・グループが開発を進める大規模都市開発プロジェクトで、西ジャワ州チカランに位置します。住宅、商業施設、オフィスビル、病院などを含む都市の開発が進行中です。

Q5: リッポー・グループは日本企業と協業していますか?

A5: はい、リッポー・グループは日本企業といくつかの協業を行っています。例えば、伊藤忠商事や住友商事と医療・物流事業、不動産開発分野で戦略的パートナーシップを築いています。

Q6: リッポー・グループが提供する医療サービスについて知りたいです。

A6: シロアム・インターナショナル・ホスピタルズは、リッポー・グループの医療部門で、インドネシア国内に多くの病院を展開し、最新の医療技術と高品質な医療サービスを提供しています。

 

 

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