
4月 3, 2025 • インドネシア
2月 20, 2025 • インドネシア, 財閥 • by Delilah
目次
サリム・グループ(Salim Group)は、インドネシアを代表する多国籍コングロマリットであり、食品、小売、電気通信、自動車、IT、農業など多岐にわたる事業を展開しています。その影響力は国内外に広がり、インドネシア経済において重要な役割を果たしています。
創業者: スドノ・サリム(Sudono Salim)氏。中国福建省福清市出身で、1938年にインドネシアへ移住しました。第二次世界大戦後、独立を目指すインドネシア軍に物資を供給し、その際に後の第2代大統領スハルト氏と関係を築きました。この関係を基盤に、サリム・グループは多岐にわたる事業を展開し、成長を遂げました。
創業年: 1972年に設立されました。
本拠地: インドネシアの首都、ジャカルタに本拠を構えています。
主な事業: サリム・グループは以下の主要な事業を展開しています。
代表企業: サリム・グループの中核企業として、以下が挙げられます。
従業員数: 具体的な総従業員数は公表されていませんが、サリム・グループは多岐にわたる事業を展開しており、各関連企業で多数の従業員を雇用しています。
売上規模: サリム・グループ全体の売上高は公表されていませんが、主要企業の売上高は以下のとおりです。
サリム・グループ(Salim Group)は、インドネシアを代表する多国籍コングロマリットであり、その歴史は以下の通りです。
1916年
創業者であるスドノ・サリム(Sudono Salim、本名:林紹良)が中国福建省福清市で生まれる。
1938年
スドノ・サリムがインドネシアへ移住。
1940年代後半
インドネシア独立戦争中、スドノ・サリムは独立派に物資を供給し、後に第2代大統領となるスハルトと関係を築く。
1968年
スハルトが第2代インドネシア大統領に就任。
1972年10月
サリム・グループが正式に設立され、多角的な事業展開を開始。
1998年
アジア通貨危機の影響で、サリム・グループは経営危機に直面し、バンク・セントラル・アジア(BCA)などの主要資産を手放す。
2000年代以降
スドノ・サリムの息子、アンソニー・サリムがグループの再建を主導し、食品、インフラ、小売、自動車などの分野で事業を再構築。
2023年
サリム・グループはインドネシア国内外で多岐にわたる事業を展開し、インドフード(Indofood)やインドマレット(Indomaret)などの主要企業を傘下に持つ。
サリム・グループ(Salim Group)は、インドネシアを代表する多国籍コングロマリットであり、以下の主要事業を展開しています。
1. 食品事業: サリム・グループの中核企業であるインドフード(Indofood)は、世界最大級のインスタント麺メーカーとして知られています。「Indomie(インドミー)」ブランドのインスタント麺は、インドネシア国内外で高い人気を誇ります。また、インドフードは乳製品、スナック菓子、調味料など多様な食品の製造・販売も手掛けています。
2. 小売事業: インドマレット(Indomaret)は、サリム・グループ傘下のコンビニエンスストアチェーンであり、インドネシア全土に22,400店舗以上を展開しています(2023年時点)。日用品や食品の販売を通じて、地域社会の生活を支えています。
3. 自動車事業: インドモービル・グループ(Indomobil Group)は、サリム・グループの自動車部門を担い、日産、スズキ、日野などの日本企業と合弁事業を展開しています。自動車や商用車、大型機器の製造・販売を行い、インドネシアの自動車市場で重要な役割を果たしています。
4. セメント製造事業: インドセメント(Indocement)は、サリム・グループのセメント製造部門であり、セメントや生コンクリートの製造・販売を行っています。インドネシア国内の建設需要に応じ、高品質な製品を提供しています。
5. インフラ事業: サリム・グループは、フィリピンを中心にインフラ事業にも積極的に参入しています。高速道路、電力配電、上下水道、通信、病院など、多岐にわたるインフラプロジェクトを手掛けています。
6. 金融サービス: サリム・グループは、インドネシアの大手民間銀行であるバンク・セントラル・アジア(BCA)を設立しました。現在は出資規模が減少していますが、同銀行は依然としてインドネシアの金融業界で重要な地位を占めています。
これらの事業を通じて、サリム・グループはインドネシアおよび東南アジア地域の経済発展に大きく貢献しています。
サリム・グループ(Salim Group)は、インドネシア最大級のコングロマリットであり、同国の経済・社会に多大な影響を及ぼしています。その影響力は以下の主要な分野において顕著です。
1. 経済への貢献: サリム・グループは、食品、小売、自動車、インフラなど多岐にわたる事業を展開しています。特に、食品部門のインドフード(Indofood)は、世界最大級のインスタント麺メーカーとして知られ、インドネシア国内外で高いシェアを占めています。また、小売部門のインドマレット(Indomaret)は、全国に22,400店舗以上を展開し、地域経済の活性化と雇用創出に寄与しています。
2. 雇用創出: サリム・グループは、多様な事業を通じて数十万人規模の雇用を生み出しています。例えば、インドフードは約70,000人の従業員を抱えており、インドマレットも全国の店舗網を通じて多数の雇用を提供しています。
3. インフラ開発: サリム・グループは、フィリピンを中心にインフラ事業にも積極的に参入しています。高速道路、電力配電、上下水道、通信、病院など、多岐にわたるインフラプロジェクトを手掛けており、地域の発展に大きく貢献しています。
4. 政治との関係: 創業者のスドノ・サリム氏は、インドネシア第2代大統領スハルト氏と密接な関係を築き、同国の経済発展において重要な役割を果たしました。この関係性により、サリム・グループは多くの国家プロジェクトに参画し、事業を拡大してきました。
5. 社会的影響: サリム・グループの製品やサービスは、インドネシア国民の日常生活に深く浸透しています。例えば、インドミー(Indomie)ブランドのインスタント麺は、手頃な価格と多様な味で広く親しまれています。また、インドマレットは、日用品や食品の入手を容易にし、地域社会の利便性向上に寄与しています。
以上のように、サリム・グループはインドネシアの経済、社会、政治において多大な影響力を持つ企業グループとして、その地位を確立しています。
サリム・グループ(Salim Group)は、インドネシアを代表する大手コングロマリットとして知られていますが、その歴史の中でいくつかの批判や論争の対象となってきました。以下に、主な事例を挙げます。
1. 環境破壊と違法な森林伐採: サリム・グループは、環境保護団体や国際機関から、違法な森林伐採や泥炭地の開発に関与していると非難されています。特に、同グループが所有するパーム油プランテーション企業が、ボルネオ島やスマトラ島での違法な森林伐採や泥炭地開発に関与しているとの報告があります。
2. 労働環境と人権問題: サリム・グループ傘下の企業、特にパーム油部門において、労働者の権利侵害や劣悪な労働環境が指摘されています。具体的には、児童労働、危険な作業条件、最低賃金以下の給与など、インドネシアの労働法に違反する行為が報告されています。
3. 政治的縁故主義と汚職疑惑: サリム・グループは、スハルト元大統領との密接な関係を通じて、政府からの特権的な待遇や独占的な事業機会を得ていたとされています。このような政治的縁故主義は、インドネシアの経済における不平等や汚職の温床となったとの批判があります。
4. 企業ガバナンスと取引の透明性: 2020年、サリム・グループの関連企業であるFirst Pacific Co Ltdが、子会社のIndofood CBPを通じてPinehill Company Ltdを30億ドルで買収する取引を行いました。この取引は、評価額の適正性や企業ガバナンスの観点から、株主や市場関係者から批判を受けました。
これらの事例は、サリム・グループが直面してきた主な批判や論争を示しています。同グループは、インドネシアの経済発展に大きく貢献してきた一方で、環境問題や労働者の権利、企業倫理などの面で改善が求められています。
サリム・グループ(Salim Group)は、インドネシアを代表する大手コングロマリットであり、多くの日本企業と協業関係を築いています。以下に、主な協業事例を挙げます。
1. 日清食品株式会社: 1992年、日清食品はインドネシアにおいて現地企業と合弁で即席麺の製造・販売を開始しました。その後、1996年にサリム・グループおよび日商岩井(現:双日)と提携し、インドネシアでの即席麺事業を拡大しました。
2. 株式会社ダスキン: 2015年、ダスキンはサリム・グループと提携し、インドネシアにおける「ミスタードーナツ」事業を開始しました。同年末までに約50店舗、3年で約200店舗の展開を目指すと発表しました。
3. 日清オイリオグループ株式会社: 日清オイリオグループの子会社である大東カカオ株式会社は、2017年にサリム・グループと合弁会社「PT Indoagri Daitocacao」を設立しました。この合弁会社は、インドネシアおよび東南アジア市場向けに業務用チョコレート製品の製造・販売を行っています。
4. 株式会社ポケモン: 2019年8月、株式会社ポケモンはサリム・グループと提携し、インドネシア語版のポケモンカードゲームの販売を開始しました。これにより、インドネシア市場でのポケモンブランドの認知度向上と市場拡大を図っています。
5. 株式会社大林組: 2020年1月、大林組はサリム・グループ傘下のギャラント・ベンチャーと共同で、インドネシア・ビンタン島における農業事業化調査を開始しました。このプロジェクトでは、大林組の植物工場技術を活用し、チェリートマトやケールなどの栽培を行う計画です。
これらの協業事例は、サリム・グループと日本企業がインドネシア市場で互いの強みを活かし、さまざまな分野で成功を収めていることを示しています。
サリム・グループ(Salim Group)は、インドネシアを代表する多国籍企業グループであり、食品、小売、電気通信、自動車、IT、農業など多岐にわたる事業を展開しています。インドフード(Indofood)やインドマレット(Indomaret)、インドモービル・グループ(Indomobil Group)などを中心に、その影響力は国内外に広がり、インドネシア経済において重要な役割を果たしています。特に「インドミー(Indomie)」は世界的に有名で、食品業界で圧倒的なシェアを誇ります。一方で、環境問題や労働者の権利、企業倫理に関する批判もあり、サリム・グループは改善に向けた取り組みが求められています。日本企業との協業事例も多数あり、インドネシア市場での強固なパートナーシップを築いています。
本記事で使用した単語の解説
FAQ(よくある質問)
Q1: サリム・グループの創業者は誰ですか?
A1: サリム・グループの創業者は、スドノ・サリム(Sudono Salim)氏で、彼は1938年に中国福建省福清市からインドネシアに移住しました。
Q2: サリム・グループの主な事業は何ですか?
A2: サリム・グループは、食品事業(インドフード)、小売事業(インドマレット)、自動車事業(インドモービル・グループ)、セメント製造事業(インドセメント)、インフラ事業、金融サービスなど、幅広い事業を展開しています。
Q3: 「インドミー(Indomie)」はどのような製品ですか?
A3: 「インドミー(Indomie)」は、サリム・グループのインドフード(Indofood)が製造するインスタント麺で、世界的に非常に人気があり、多くの国で販売されています。
Q4: サリム・グループの主要企業にはどんなものがありますか?
A4: サリム・グループの主要企業には、インドフード(Indofood)、インドマレット(Indomaret)、インドモービル・グループ(Indomobil Group)、インドセメント(Indocement)などがあります。
Q5: サリム・グループはどの国で事業を展開していますか?
A5: サリム・グループはインドネシア国内を中心に事業を展開しており、特にインドネシア全土に広がるインドマレット(Indomaret)の店舗網やインスタント麺「インドミー(Indomie)」の国際的な普及が注目されています。
Q6: サリム・グループはどのような社会的問題に直面していますか?
A6: サリム・グループは環境破壊、労働環境、人権問題、政治的縁故主義、企業ガバナンスに関する批判を受けており、これらに対する改善が求められています。
Q7: サリム・グループと日本企業の協業事例はありますか?
A7: はい、サリム・グループは日清食品株式会社や双日株式会社などの日本企業と提携しています。たとえば、日清食品とインドネシアでインスタント麺の製造・販売を行い、双日との共同都市開発プロジェクトもあります。
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