
2月 22, 2025 • インドネシア, スタートアップ
2月 22, 2025 • インドネシア, スタートアップ • by Delilah
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インドネシアの教育系スタートアップ、Ruangguru(ルアングル)は、2014年の設立以来、オンライン教育プラットフォームとして急速に成長し、同国の教育環境に革新をもたらしています。共同創業者であるAdamas Belva Syah Devara氏とIman Usman氏は、テクノロジーを活用して質の高い教育をすべての学生に提供することを使命とし、ジャカルタを拠点に活動を展開しています。しかし近年でコロナ後の経営悪化から従業員の大量解雇の報道も出ています。本記事では、インドネシアの教育系スタートアップRuangguruについて詳しくご紹介します。
インドネシアの教育系スタートアップ企業、Ruangguru(ルアングル)は、2014年に設立され、オンライン教育プラットフォームとして急速に成長を遂げています。本社はジャカルタに位置し、共同創業者であるAdamas Belva Syah Devara(アダマス・ベルヴァ・シャー・デヴァラ)氏とIman Usman(イマン・ウスマン)氏によって設立されました。
Ruangguruの設立は、教育への情熱を持つ二人の若者、ベルヴァ氏とイマン氏によって始まりました。
ベルヴァ氏は、インドネシア国内での教育経験を通じて、教育資源へのアクセスの不平等を痛感しました。その後、シンガポール国立大学で学士号を取得し、スタンフォード大学でMBAと公共政策の修士号を取得しました。これらの経験を通じて、教育の質とアクセスの向上に対する情熱を深めました。
イマン氏は、幼少期から教育活動に積極的に参加し、18歳でインドネシアの若者向け教育NGOを設立しました。その後、コロンビア大学で教育学の修士号を取得し、教育改革とテクノロジーの融合に強い関心を持つようになりました。
ベルヴァ氏とイマン氏は、インドネシアの教育システムにおける質の高い教育資源へのアクセスの不平等を目の当たりにし、これを解決するためのプラットフォームを作ることを決意しました。2014年、二人はジャカルタでRuangguruを設立し、家庭教師と学生をマッチングするオンラインプラットフォームを開始しました。その後、オンライン学習コンテンツの提供やモバイルアプリのリリースなど、サービスを拡充し、インドネシア全土の学生に質の高い教育を提供することを目指しています。
Ruangguruの設立は、二人の創業者の個人的な経験と教育への情熱、そしてインドネシアの教育環境を革新したいという強い意志によって実現しました。現在、同社は多様な教育サービスを提供し、インドネシアの教育格差の是正と学力向上に大きく貢献しています。
Ruangguru(ルアングル)は、インドネシア最大級のオンライン学習プラットフォームとして、幼児教育から高校生まで幅広い層に向けた多様な教育サービスを提供しています。その主な事業内容とサービスは以下のとおりです。
Ruangguruは、学生が自宅や外出先からでも学習できるオンラインプラットフォームを提供しています。このプラットフォームでは、学校のカリキュラムに沿ったビデオ講義やアニメーションを用いた教材が利用可能で、学生は自分のペースで学習を進めることができます。
リアルタイムでの双方向コミュニケーションを重視し、ライブ授業やバーチャルクラスルームを導入しています。これにより、学生は講師や他の学生と直接対話し、質疑応答やディスカッションを通じて理解を深めることができます。
学生一人ひとりの学習ニーズに応じて、オンラインで家庭教師とマッチングするサービスを提供しています。これにより、学生は特定の科目や課題について個別に指導を受けることができ、学力向上を図ることができます。
国家試験や大学入試に備え、実際の試験形式に即した模擬試験や多様な練習問題を提供しています。これにより、学生は試験前に十分な準備を行い、自信を持って本番に臨むことができます。
学習意欲を高めるため、ゲームの要素を取り入れた「Ruangguru Adventure」などの機能を搭載しています。学生は学習を進めることでポイントや報酬を獲得し、楽しみながら継続的に学習に取り組むことができます。
教師のスキル向上を目的としたトレーニングプログラムや、学校運営を効率化するための管理システムも提供しています。これにより、教育現場全体の質の向上に寄与しています。
これらのサービスを通じて、Ruangguruはインドネシア全土の学生や教育関係者に質の高い教育リソースを提供し、教育格差の是正と学力向上に大きく貢献しています。
インドネシアのオンライン教育市場における主な競合企業には、以下のような企業があります。
Ruangguruは、質の高い教育コンテンツと使いやすいプラットフォームで、多くのインドネシアの学生や教育関係者から高い評価を受けています。特に、新型コロナウイルスのパンデミック時には、無料で学習コンテンツを提供したことで、多くのユーザーから感謝の声が寄せられました。また、地方の学生やリソースが限られた学校にとっても、Ruangguruのサービスは貴重な学習手段となっています。
総じて、Ruangguruはインドネシアの教育環境を革新し、テクノロジーを活用して教育の質とアクセスを向上させています。しかし近年ではコロナ後のオフライン教育への揺り戻しからユーザー離れと経営悪化が囁かれています。
Ruangguru(ルアングル)は、インドネシアの教育系スタートアップ企業として高い評価を受けていますが、過去にはいくつかの論争や批判に直面したこともあります。以下に主な事例を挙げます。
2020年、共同創業者であるAdamas Belva Syah Devara氏が、インドネシア大統領ジョコ・ウィドドのミレニアル世代を代表する特別スタッフとして任命されていました。同年、政府の失業者支援プログラム「Pre-Employment Card Program」にRuangguruがパートナー企業として選定された際、利益相反の疑惑が浮上しました。この問題を受け、Devara氏は2020年4月21日に特別スタッフの職を辞任しました。
2021年3月から4月にかけて、Ruangguruの外部委託労働者が、同社から地域の最低賃金を下回る報酬しか受け取っていないとソーシャルメディア上で訴えました。この問題に対し、Devara氏はTwitter上でこれらの主張に応答しました。
2022年11月18日、Ruangguruは経済状況の変化に対応するため、大規模なレイオフを実施しました。この決定は、持続可能なビジネスモデルを維持し、将来的な成長を確保するための措置として行われました。同社は、解雇された従業員に対して適切な補償とサポートを提供することを約束しています。
これらの事例は、Ruangguruが急速に成長する中で直面した課題を示しています。同社はこれらの問題に対処し、教育分野での革新とサービス向上に努めています。
Ruangguru(ルアングル)は、2014年にAdamas Belva Syah Devara氏とIman Usman氏によって設立された、インドネシアを代表する教育系スタートアップ企業です。同社は、学生向けのオンライン学習プラットフォームを提供し、ビデオ講義、練習問題、模擬試験、ライブ授業など、多彩なコンテンツを通じて教育の質とアクセスの向上に努めています。また、教師向けのトレーニングプログラムや学校向けの管理システムなど、教育関係者向けのサービスも展開しています。2020年の新型コロナウイルスのパンデミック時には、無料のオンライン学習コンテンツを提供し、多くの学生から支持を得ました。しかし、2022年には経済状況の変化に対応するため、一部の従業員の解雇を実施するなど、持続可能なビジネスモデルの構築に苦しんでいます。
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