4月 1, 2025 • インドネシア
7月 12, 2026 • インドネシア • by Ayako Yamamoto
目次
日本の介護業界では、外国人材の採用がすでに特別な選択肢ではなくなりつつあります。
以前は「外国人を採用するべきかどうか」という議論が中心でした。しかし現在は、「どの国の人材を、どの制度で、どのように採用し、どう定着してもらうか」という段階に入っています。
その中で、近年特に存在感を強めているのがインドネシア人材です。
介護分野では、ベトナム、フィリピン、ミャンマー、ネパール、中国、スリランカなど、さまざまな国の人材が日本で働いています。その中でもインドネシア人材は、特定技能介護の分野で最も多い国籍として確認されており、EPAによる介護福祉士候補者の受け入れでも長い歴史があります。
では、なぜインドネシア人材は介護分野でこれほど人気があるのでしょうか。
「優しい国民性だから」「親日だから」「若い人が多いから」といった説明だけでは、かなり不十分です。たしかにそれらは一部の理由にはなりますが、採用実務の現場では、もう少し複雑な要素が絡み合っています。
インドネシア人材が介護分野で評価される背景には、日本側の深刻な介護人材不足、インドネシア側の若い人口構造、海外就労への関心、日本語学習者の多さ、EPAから続く制度的な実績、特定技能試験との相性、そして介護という仕事とインドネシア社会の価値観との相性があります。
この記事では、インドネシアのことをあまり知らない方にも分かりやすいように、インドネシア人材が介護分野で人気を集める理由を、制度、統計、文化、採用実務の観点から詳しく解説します。
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日本の介護業界で外国人材の受け入れが進んでいる最大の理由は、単純に人手が足りないからです。
厚生労働省の推計では、2022年度時点の介護職員数は約215万人です。一方で、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人の介護職員が必要になるとされています。
つまり、2026年度までに約25万人、2040年度までに約57万人を追加で確保する必要があるということです。
この数字は、介護施設が採用広告を少し改善したり、給与を少し上げたりするだけで解決できる規模ではありません。日本では高齢者が増え続ける一方で、若い働き手は減っています。介護を必要とする人が増え、介護を担う人が減る。構造として、かなり厳しい状況です。
介護は、人の生活を支える非常に重要な仕事です。しかし、身体的にも精神的にも負担が大きい仕事でもあります。夜勤、排泄介助、入浴介助、食事介助、認知症対応、家族対応、記録業務、事故防止、感染症対策など、現場で求められることは非常に多くあります。
それにもかかわらず、給与水準や社会的評価が、必ずしも仕事内容に見合っているとは言い切れません。理念だけでは現場は回りません。現場は人で回ります。あまりに当たり前ですが、社会はだいたい当たり前のことを問題が深刻化してから思い出します。
日本国内でも、介護職員の処遇改善、離職防止、生産性向上、介護ロボットやICTの導入、多様な人材の活用など、さまざまな対策が進められています。
しかし、人口構造そのものが変化している以上、国内人材だけで介護需要をすべて満たすことは難しくなっています。
特に地方では、若い人材の採用が非常に難しくなっています。介護施設が求人を出しても応募が少ない。応募があっても定着しない。夜勤に入れる人が足りない。ベテラン職員に負担が集中する。このような状況は、すでに多くの地域で現実になっています。
このような背景から、外国人介護人材の受け入れは「一時的な補助」ではなく、介護事業を継続するための重要な選択肢になっています。
日本で外国人が介護分野で働く制度には、主にEPA、在留資格「介護」、技能実習、特定技能の4つがあります。
EPAは、経済連携協定に基づく公的な受け入れ制度です。インドネシア、フィリピン、ベトナムから看護師候補者や介護福祉士候補者を受け入れてきた歴史があります。
在留資格「介護」は、介護福祉士の国家資格を取得した外国人が、日本で介護職として働くための在留資格です。長期的に日本で働く道につながる重要な資格です。
技能実習は、もともと日本の技能を海外へ移転することを目的とした制度です。介護職種も対象になっていますが、制度の趣旨は単純な労働力確保とは異なります。
特定技能は、人手不足が深刻な分野で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が働くための制度です。介護分野では、介護技能評価試験、介護日本語評価試験、日本語試験への合格などが求められます。
この中でも、近年の介護人材採用で特に注目されているのが特定技能「介護」です。
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インドネシア人材が介護分野で人気と言われる最大の根拠は、実際に特定技能介護の在留者数でインドネシアが最も多い国籍になっていることです。
厚生労働省の資料では、令和6年12月末時点の介護分野における特定技能外国人の国籍を見ると、インドネシアが最も多く、次いでミャンマー、ベトナム、フィリピン、ネパールの順となっています。
これは単なる印象論ではありません。介護分野において、インドネシア人材は実数として大きな存在感を持っています。
採用市場では、評判だけでなく実績が重要です。すでに多くのインドネシア人が日本の介護現場で働いているという事実は、新たに採用を考える施設にとって大きな安心材料になります。
インドネシアと日本の介護人材の関係は、最近突然始まったものではありません。
日本は、日・インドネシア経済連携協定に基づき、2008年度からインドネシア人看護師候補者・介護福祉士候補者を受け入れてきました。
EPAによる受け入れは、単なる労働力不足対策ではなく、経済連携の一環として行われてきた制度です。候補者は日本で働きながら介護福祉士国家試験の合格を目指し、受け入れ施設も学習支援を行います。
この長い歴史があるため、日本側にもインドネシア側にも、介護人材の教育、送り出し、受け入れ、国家試験対策、生活支援に関する経験が蓄積されています。
まったく新しい国から人材を受け入れる場合、日本側は文化、宗教、教育水準、生活支援、トラブル対応などを一から学ぶ必要があります。しかしインドネシアの場合、すでに多くの先行事例があります。
この「受け入れの歴史」は、採用する側にとって非常に大きな意味を持ちます。
インドネシア側でも、日本で働く人材の送り出しは重要なテーマになっています。
インドネシアには、海外で働く労働者を支援・管理する政府機関があり、日本向けの看護師・介護福祉士候補者のG to Gプログラムも実施されています。
G to Gとは、Government to Governmentの略で、政府間の枠組みによる人材送り出しを意味します。
このような公的な枠組みがあることは、日本側の採用にとって大きな安心材料になります。もちろん、すべての採用がG to Gで行われるわけではありませんが、国として日本向け人材育成に関心を持っていることは、長期的な採用ルートを考えるうえで重要です。
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インドネシアは、東南アジア最大の人口を持つ国です。世界全体で見ても、人口規模は上位に入ります。
日本人から見ると、インドネシアはバリ島のイメージが強いかもしれません。しかし実際には、ジャワ島、スマトラ島、カリマンタン島、スラウェシ島、パプアなど、非常に広い国土と多様な地域を持つ大国です。
人口が多いということは、当然ながら若い労働力の母数も大きいということです。
日本では若年人口が減少していますが、インドネシアにはこれから海外で働きたい若者が多く存在します。この人口構造の違いが、日本の介護業界とインドネシア人材を結びつける大きな背景になっています。
インドネシアでは、海外で働くことは珍しい選択肢ではありません。
マレーシア、台湾、香港、シンガポール、中東、日本、韓国など、さまざまな国でインドネシア人が働いています。家族を支えるため、より高い収入を得るため、将来の生活基盤を作るために海外就労を選ぶ人も多くいます。
特に地方部では、国内だけでは十分な給与やキャリア機会を得にくい場合があります。そのため、日本で働くことは、若者にとって現実的なキャリアの選択肢になり得ます。
介護分野で働くには、日本語学習、介護技能の学習、試験、面接、渡航準備など、多くのステップを乗り越える必要があります。簡単ではありません。それでも挑戦する人材がいるということは、採用側にとって大きな可能性です。
インドネシアは、300以上の民族集団を持つ多民族国家です。言語、文化、宗教、生活習慣も地域によって大きく異なります。
そのため、「インドネシア人はこういう人たち」と一言で決めつけるのは危険です。ジャワ島出身者、バリ島出身者、スラウェシ島出身者、スマトラ島出身者では、文化的背景も性格傾向も異なることがあります。
ただし、多様な社会の中で生活しているため、異なる文化や価値観に触れる機会が多い人もいます。これは、日本の職場や地域社会に適応するうえでプラスに働く場合があります。
採用では、国籍だけでなく、出身地域、教育歴、家庭環境、宗教、本人の性格、海外経験、学習意欲を丁寧に見ることが重要です。
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インドネシア社会では、家族とのつながりが非常に強い傾向があります。
都市化が進み、核家族化も進んでいますが、それでも親、祖父母、兄弟、親戚との関係を大切にする価値観は広く残っています。高齢者を敬うこと、家族を助けること、困っている人を支えることは、多くの地域で自然な価値観として受け止められています。
介護の仕事では、利用者を単なる「サービス対象」としてではなく、一人の生活者として尊重する姿勢が求められます。
この点で、インドネシア人材の中には、高齢者に対して柔らかく接することが得意な人が多いと評価されることがあります。
ただし、「インドネシア人なら全員介護に向いている」と考えるのは危険です。国籍で人を雑に分類するのは、採用で一番やってはいけない手抜きの一つです。
大切なのは、文化的な相性を理解しつつ、一人ひとりの適性を見極めることです。
インドネシア人は、一般的に対立を避け、場の空気を大切にする傾向があると言われます。
日本の介護現場では、利用者、家族、看護師、ケアマネージャー、同僚、上司など、多くの人と協力しながら働きます。そのため、相手に配慮しながら話す力や、落ち着いて対応する力が重要です。
特に認知症の利用者への対応では、強い言い方や一方的な指示ではなく、穏やかな声かけ、待つ姿勢、相手の不安を受け止める態度が求められます。
インドネシア人材の中には、このような対応を自然に身につけやすい人もいます。
一方で、穏やかさには注意点もあります。
困っていても「大丈夫です」と答えてしまう人がいます。分からないことがあっても、上司や先輩に遠慮して質問しない場合があります。
そのため、日本側は「何も言わないから問題がない」と判断してはいけません。沈黙を都合よく解釈するのは、人間社会のよくある失敗です。
インドネシアには、Gotong Royongという考え方があります。
これは、地域や共同体の中で助け合う、協力する、互いに支えるという意味を持つ言葉です。現代の都市部では昔ほど強くない部分もありますが、協力や相互扶助を大切にする価値観は、インドネシア社会を理解するうえで重要です。
介護現場もまた、個人プレーだけでは成り立ちません。
介護職員、看護師、ケアマネージャー、リハビリ職、管理者、厨房、清掃、家族など、多くの人が連携して利用者の生活を支えます。
インドネシア人材がチームにうまく入ることができれば、現場の雰囲気を良くし、チームケアの一員として大きな力を発揮する可能性があります。
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インドネシアは、日本語学習者が非常に多い国です。
国際交流基金の2025年度情報では、インドネシアの日本語学習者数は732914人とされています。日本語学習者数は世界的にも上位であり、日本語教育の土台がある国だと言えます。
日本のアニメ、漫画、音楽、ゲーム、観光、日系企業、日本で働く先輩の存在などが、日本語学習への入口になっています。
近年では、特定技能制度や日本での就労機会が、日本語学習の目的に大きな影響を与えています。つまり、趣味として日本語を学ぶ人だけでなく、実際に日本で働くために日本語を学ぶ人も増えているということです。
介護分野では、日本語力が非常に重要です。
利用者との会話、体調確認、申し送り、介護記録、事故報告、服薬確認、緊急時対応など、日本語が必要になる場面は数えきれません。
特定技能「介護」では、日本語能力試験N4以上またはJFT-Basicなどの日本語要件があります。しかし、N4はあくまで入口です。
N4に合格しているからといって、日本の介護現場で必要な日本語をすべて使いこなせるわけではありません。
「昨日より食欲がありません」
「立ち上がる時にふらつきがありました」
「夜間に何度も起きていました」
「いつもより表情が暗いです」
「薬を飲むことを嫌がっています」
このような細かい状態変化を正確に伝える力が必要です。
そのため、採用時点の日本語力だけで判断するのではなく、入職後も継続して介護日本語を伸ばす仕組みが必要です。
インドネシア語はアルファベットを使い、発音が比較的規則的な言語です。
日本語とは文法が大きく異なりますが、母音の発音には比較的近い部分があります。そのため、インドネシア人材の日本語は、日本人にとって比較的聞き取りやすいと感じられることがあります。
ただし、助詞、敬語、漢字、介護記録、方言、早口の指示は大きな壁になります。
介護現場では、「ちょっと見といて」「さっきの件、あとで記録しておいて」「この方、今日は少し様子が違うから気をつけて」のような省略の多い日本語が飛び交います。
日本人同士でも曖昧な表現を、外国人材がすぐに理解できるとは限りません。
日本側は、やさしい日本語で伝える力を身につける必要があります。
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インドネシアから日本の介護職を目指す人材の多くは、日本語学習、介護学習、試験、面接、書類準備、渡航準備など、多くのプロセスを経て来日します。
この過程を乗り越えた人材は、少なくとも日本で働くことに対して一定の覚悟を持っています。
もちろん、全員が優秀というわけではありません。中には日本の生活や介護の仕事を十分に理解しないまま来日する人もいます。
しかし、しっかり教育された候補者であれば、まじめに仕事を覚えようとする姿勢、利用者に丁寧に接する姿勢、長く働きたいという意欲が見られることがあります。
インドネシア人材の多くは20代から30代前半の若い層です。
介護施設にとって、若くて長期的に育成できる人材は非常に貴重です。日本国内では、若い介護職員の採用自体が難しくなっています。
若い外国人材を採用し、数年かけて日本語力、介護技術、チーム連携、利用者理解を育てることができれば、将来的には現場の中核人材になる可能性があります。
特に介護福祉士国家資格の取得を目指す人材であれば、単なる短期就労ではなく、日本でのキャリア形成を考えることができます。
介護分野では女性人材が注目されることが多いですが、インドネシアからは男性人材にも期待できます。
日本の介護現場では、移乗介助、入浴介助、夜勤、緊急時対応など、体力が求められる場面もあります。もちろん介護は力だけの仕事ではありませんが、身体介助がある以上、体力のある人材は現場で重要です。
インドネシア人男性の中には、家族を支えるために海外でしっかり働きたいという動機を持つ人もいます。
ただし、男性だから力仕事、女性だから生活支援という単純な分け方は避けるべきです。本人の適性、性格、希望、介護観を見たうえで配置することが重要です。
ベトナム人材は、日本の技能実習や特定技能で非常に大きな存在感を持っています。
製造業、建設、農業、外食など、幅広い分野でベトナム人材は多く働いてきました。日本語学習への意欲も高く、若い人材も多い国です。
一方で、介護分野に限ると、近年はインドネシア人材の存在感が非常に強くなっています。
理由の一つは、EPAや特定技能介護の流れの中で、インドネシアから介護分野へ進むルートが形成されていることです。
また、ベトナム人材は製造業や建設業など他分野への就労選択肢も多く、介護だけに集中しているわけではありません。
フィリピン人材は英語力が高く、看護や介護、家事労働、ホスピタリティ分野で国際的に評価されています。
介護や看護の国際労働市場では、フィリピン人材は非常に強いブランドを持っています。日本だけでなく、アメリカ、カナダ、イギリス、中東、シンガポールなど、多くの国がフィリピン人材を求めています。
つまり、フィリピン人材は優秀ですが、国際的な競争も激しいということです。
一方、インドネシア人材は、人口規模、日本語学習者の多さ、日本向け就労への関心、介護分野での受け入れ実績を背景に、日本の介護施設にとって採用候補を確保しやすい面があります。
ミャンマー人材も近年、介護分野で急速に存在感を高めています。
若く、まじめで、日本語学習に熱心な人材が多いと評価されることがあります。
一方で、ミャンマーは政治・社会情勢の影響を受けやすく、送り出しや渡航の安定性に注意が必要です。
インドネシアは人口規模が大きく、政府間の枠組みや民間の教育機関も比較的整っているため、長期的な採用ルートを作りやすいという強みがあります。
ネパール人材も日本で増えています。
若く、海外就労への意欲が高く、日本語学校経由で日本に来る人も多くいます。介護分野でも今後さらに増える可能性があります。
一方で、インドネシアは人口規模、日本語学習者数、EPAから続く介護分野の歴史、政府間の枠組みという点で、介護分野における土台が大きいと言えます。
採用の安定性を考えると、インドネシアは非常に有力な国の一つです。
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インドネシア人材の大きなメリットは、採用母集団の大きさです。
人口が多く、若年層も厚く、日本で働きたい人材が一定数いるため、採用候補者を集めやすい傾向があります。
ただし、候補者数が多いことと、全員が日本の介護に向いていることはまったく別です。
大量に候補者がいても、日本語力、介護理解、生活適応力、長期就労意欲が不足していれば、採用後に現場が苦労するだけです。
採用母集団が大きいということは、きちんと選考すればよい人材に出会える可能性が高いという意味です。誰でも採ればよいという意味ではありません。
インドネシア人材の中には、看護系、医療系、福祉系の学歴や経験を持つ人もいます。
また、家族を支えたい、日本で長く働きたい、将来介護福祉士を取りたい、日本語を使ってキャリアを作りたいという動機を持つ人もいます。
介護という仕事は、入職前の理解が非常に重要です。
「日本に行けるなら何でもいい」という人材を採用すると、入浴介助、排泄介助、夜勤、認知症対応の現実に直面したときに離職リスクが高まります。
そのため、インドネシアで候補者を育成する段階から、介護の仕事内容を正確に伝えることが大切です。
特定技能「介護」は、原則として通算5年までの在留資格です。
しかし、介護福祉士国家資格に合格すれば、在留資格「介護」へ変更し、長期的に日本で働くことが可能になります。
これは、介護分野ならではの大きな特徴です。
他の分野では特定技能2号への移行が重要になりますが、介護分野では介護福祉士資格を取得することで長期就労の道が開けます。
そのため、採用時点から「5年で終わり」ではなく、「介護福祉士を目指すキャリアパス」を提示することができます。
インドネシア人材の中には、家族のために長く安定して働きたい人、日本で生活基盤を作りたい人、将来リーダーや教育担当になりたい人もいます。
施設側がキャリアパスをきちんと設計できれば、定着率向上につながります。
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インドネシア人材の採用で最も重要な課題の一つは、日本語力です。
特定技能の試験に合格していても、現場で必要な日本語をすべて使いこなせるわけではありません。
介護現場では、利用者の体調変化を正確に伝える必要があります。また、事故やヒヤリハットが起きたときには、事実を正確に報告し、記録しなければなりません。
そのため、採用後には、介護日本語、記録、申し送り、事故報告、家族対応などの教育を継続する必要があります。
インドネシアは世界最大級のムスリム人口を持つ国です。
そのため、インドネシア人材を採用する場合、食事、礼拝、ラマダンなどへの理解が必要になる場合があります。
ただし、これを過度に難しく考える必要はありません。
豚肉やアルコールを避ける、食事内容を事前に確認する、礼拝の時間について相談できる雰囲気を作る、ラマダン中の体調管理に注意する、といった基本的な配慮で対応できることも多くあります。
重要なのは、本人に確認することです。
同じインドネシア人でも、宗教実践の程度は人によって異なります。毎日きっちり礼拝する人もいれば、そこまで厳格ではない人もいます。
「インドネシア人だから全員こうだ」と決めつけるのは危険です。
インドネシア人材の中には、上司や先輩に対して遠慮し、困っていることを言い出せない人もいます。
日本の職場では「分からないことがあったら聞いてください」と言いがちですが、それだけでは不十分です。
分からないことを聞くには、心理的な安全性が必要です。
「こんなことを聞いたら怒られるのではないか」
「迷惑をかけるのではないか」
「評価が下がるのではないか」
このように感じると、本人は黙ってしまいます。
その結果、ミス、事故、ストレス、離職につながることがあります。
採用側は、定期面談、やさしい日本語での確認、メンター制度、母語で相談できる窓口などを用意することが重要です。
外国人材採用でよくある失敗は、外国人側だけに努力を求めることです。
日本語を覚えなさい。日本のルールを守りなさい。報連相をしなさい。介護記録を書きなさい。利用者に丁寧に接しなさい。
もちろん、これは必要です。
しかし、日本人職員側にも教育が必要です。
やさしい日本語で伝える力、文化の違いを理解する力、宗教や食事への配慮、指示の出し方、フィードバックの仕方、外国人材を孤立させないチーム作りが必要です。
外国人材を採用するということは、単に人を一人増やすことではありません。職場のマネジメントを変えることです。
インドネシア人材を採用する際は、介護の仕事内容を正直に伝えることが重要です。
特に、排泄介助、入浴介助、夜勤、認知症対応、身体介助、記録業務については、採用前に必ず説明するべきです。
「日本で働けます」
「給料が高いです」
「高齢者を助ける仕事です」
これだけでは不十分です。
介護の仕事には、きれいな面と大変な面があります。そこを理解したうえで応募する人材の方が、入職後に定着しやすくなります。
採用面接では、日本語力だけを見てはいけません。
もちろん日本語力は重要です。しかし、介護では性格、忍耐力、清潔感、観察力、チームワーク、学習意欲、ストレス耐性も重要です。
日本語が少し上手でも、介護への理解が浅い人材は現場で苦労します。逆に、日本語はまだ完璧でなくても、素直に学び、利用者に丁寧に向き合える人材は伸びる可能性があります。
面接では、なぜ介護を選んだのか、高齢者と接した経験はあるか、排泄介助や入浴介助をどう理解しているか、日本で何年働きたいのか、介護福祉士を目指す意思があるか、困ったときに相談できるタイプかを確認することが重要です。
外国人材の定着では、入職後3か月が非常に重要です。
この期間に、生活、仕事、人間関係、日本語、食事、通勤、寮、睡眠、ホームシックなど、さまざまな問題が出ます。
最初の3か月に孤立させてしまうと、本人の不安が大きくなり、離職リスクが高まります。
特に介護施設では、現場が忙しいため、新人教育が後回しになりがちです。
しかし、ここで手を抜くと、後でさらに大きな負担になります。
最初に丁寧に教える。何度も確認する。分からないことを聞きやすくする。生活面もサポートする。日本人職員にも協力を求める。
この基本を積み重ねることが、定着につながります。
インドネシア人材に長期的に活躍してもらうには、介護福祉士取得までの道筋を示すことが重要です。
国家試験に合格するには、実務経験、日本語力、専門知識、試験対策が必要です。
施設側が学習時間の確保、教材提供、先輩職員の支援、試験対策講座の案内などを行えば、本人のモチベーションは高まりやすくなります。
「5年働いて終わり」ではなく、「資格を取って長く働ける」という未来を見せることが、インドネシア人材の定着には大きな意味を持ちます。
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インドネシア人材が介護分野で人気を集める理由を一言で言えば、バランスの良さです。
人口規模が大きい。若い人材が多い。海外就労への関心がある。日本語学習者が多い。介護分野の制度ルートがある。EPAからの歴史がある。特定技能試験の受験環境がある。文化的に高齢者ケアと相性がある。日本側の受け入れ事例が増えている。
これらが重なっているため、インドネシア人材は介護分野で採用しやすく、育成しやすく、定着可能性も期待しやすい国の一つになっています。
外国人材採用では、採用側の心理的ハードルも重要です。
まったく知らない国の人材を採用するより、すでに多くの受け入れ事例がある国の人材の方が、施設側は安心しやすくなります。
インドネシア人介護人材は、すでに日本各地で働いています。先行事例が増えれば増えるほど、採用側は「自社でも受け入れられるかもしれない」と考えやすくなります。
この安心感も、人気を支える要素です。
最後に大切なことを言うと、インドネシア人材が人気だからといって、採用すれば必ず成功するわけではありません。
人気の国だから大丈夫。介護に向いていると聞いたから大丈夫。日本語学習者が多いから大丈夫。宗教も何とかなるだろう。
このような考え方は危険です。
採用の成功は、国籍ではなく、候補者の質、教育、マッチング、受け入れ体制、現場の理解、キャリア支援で決まります。
インドネシア人材は非常に有力な選択肢です。しかし、採用側が何も準備しなくてよい魔法の人材ではありません。そんな都合のよい魔法があるなら、介護業界はここまで苦労していません。
インドネシア人材が介護分野で人気を集める理由は、一つではありません。
日本側では、介護人材不足が深刻化し、国内人材だけでは将来の需要を満たすことが難しくなっています。2026年度には約240万人、2040年度には約272万人の介護職員が必要とされ、外国人材の受け入れは現実的な選択肢になっています。
一方、インドネシア側には、若い人口、海外就労への関心、日本語学習者の多さ、介護や看護系教育を受けた人材、EPAから続く日本との制度的なつながりがあります。
さらに、家族や年長者を大切にする文化、穏やかなコミュニケーション、チームで助け合う価値観は、介護現場と相性を持ちやすい面があります。
ただし、インドネシア人材を採用すれば自動的に成功するわけではありません。
日本語教育、宗教や食事への配慮、入職後のメンター制度、現場職員への受け入れ教育、介護福祉士取得までのキャリア支援が必要です。
インドネシア人材は、介護分野において非常に有力な選択肢です。しかし本当に大切なのは、「インドネシア人だから採用する」のではなく、「一人ひとりの適性を見て、長く活躍できる環境を作る」ことです。
結局のところ、介護は人が人を支える仕事です。
だからこそ、採用もまた、人を数字や国籍だけで見るのではなく、その人の背景、意欲、学習力、将来性を見て判断する必要があります。
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システム開発、IT教育事業、日本語教育および人材送り出し事業、進出支援事業
特定技能
特定技能とは、日本の人手不足分野で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が働くための在留資格です。介護、外食、農業、建設、製造など複数の分野があります。
特定技能「介護」
特定技能「介護」とは、日本の介護現場で働くための特定技能の一分野です。介護施設などで身体介護、生活支援、記録、チームケアなどに従事します。
EPA
EPAとは、Economic Partnership Agreementの略で、経済連携協定を意味します。日本はインドネシア、フィリピン、ベトナムなどとEPAに基づき、看護師候補者や介護福祉士候補者の受け入れを行ってきました。
介護福祉士
介護福祉士とは、日本の介護分野における国家資格です。介護の専門職として、利用者の生活支援、身体介護、相談支援、チームケアなどを行います。
在留資格「介護」
在留資格「介護」とは、介護福祉士の資格を持つ外国人が、日本で介護職として働くための在留資格です。特定技能「介護」から長期就労を目指す場合の重要なキャリアパスになります。
介護技能評価試験
介護技能評価試験とは、特定技能「介護」で働くために必要な介護の基礎的な知識や技能を確認する試験です。介護の基本、身体と心の仕組み、コミュニケーション、生活支援技術などが問われます。
介護日本語評価試験
介護日本語評価試験とは、介護現場で必要となる日本語を確認する試験です。通常の日本語能力だけでなく、介護現場で使われる言葉や表現の理解が求められます。
JFT-Basic
JFT-Basicとは、国際交流基金日本語基礎テストのことです。日本で生活し働くために必要な基礎的な日本語能力を測る試験で、特定技能の日本語要件として使われます。
JLPT N4
JLPT N4とは、日本語能力試験のレベルの一つです。N5からN1まであり、N4は基本的な日本語をある程度理解できる水準とされています。特定技能ではN4以上が一つの目安になります。
LPK
LPKとは、インドネシア語のLembaga Pelatihan Kerjaの略で、職業訓練機関を意味します。日本向け人材の場合、日本語教育、介護教育、生活指導、面接対策などを行う機関もあります。
送り出し機関
送り出し機関とは、外国人材を日本など海外へ送り出すための手続きや教育を行う機関です。国や制度によって役割や許可の仕組みが異なります。
G to G
G to Gとは、Government to Governmentの略で、政府間の枠組みによる人材送り出しを意味します。インドネシアと日本の看護師・介護福祉士候補者の送り出しでも使われる仕組みです。
Gotong Royong
Gotong Royongとは、インドネシア語で助け合い、協力、相互扶助を意味する考え方です。地域社会や共同体の中で互いに支え合う文化を表す言葉として使われます。
ムスリム
ムスリムとは、イスラム教を信仰する人を意味します。インドネシアにはムスリムが多く、食事、礼拝、ラマダンなどへの理解が必要になる場合があります。
ラマダン
ラマダンとは、イスラム暦における断食月です。ムスリムは日の出から日没まで飲食を控えることがあります。介護現場では、本人の体調や勤務シフトに配慮することが大切です。
Q. インドネシア人材は本当に介護分野で人気があるのですか?
A. はい。特定技能介護の分野では、インドネシアが最も多い国籍として確認されています。EPAによる介護福祉士候補者の受け入れでも長い歴史があり、介護分野における主要な送り出し国の一つです。
Q. なぜインドネシア人材は介護に向いていると言われるのですか?
A. 家族や年長者を大切にする文化、穏やかなコミュニケーション、助け合いの価値観、日本語学習者の多さ、介護分野での制度的な受け入れ実績などが理由です。ただし、国籍だけで適性を決めるのではなく、個人ごとの性格や経験を見ることが重要です。
Q. インドネシア人材を採用する場合、日本語力は十分ですか?
A. 特定技能で来日する場合、一定の日本語要件は満たしています。ただし、介護現場で必要な日本語は入職後も学び続ける必要があります。特に記録、申し送り、事故報告、利用者との会話には継続的な教育が重要です。
Q. 宗教上の配慮は大変ですか?
A. インドネシアにはムスリムが多いため、食事、礼拝、ラマダンなどへの配慮が必要になる場合があります。ただし、本人によって実践の程度は異なります。最初に本人と確認し、現場で無理なく対応できるルールを作ることが大切です。
Q. インドネシア人材は長く働いてくれますか?
A. 長く働く可能性はありますが、採用後の支援次第です。日本語教育、生活支援、職場での人間関係、キャリアパス、介護福祉士取得支援などが定着に大きく影響します。採用して終わりではなく、育成する前提が必要です。
Q. インドネシア人材とフィリピン人材ではどちらがよいですか?
A. どちらが絶対に良いというものではありません。フィリピン人材は英語力や看護・介護分野での国際的評価が強みです。インドネシア人材は人口規模、日本語学習者の多さ、日本向け介護人材の増加、制度的な受け入れ実績が強みです。施設の方針や受け入れ体制に合うかで判断するべきです。
Q. インドネシア人材の採用で失敗しやすいポイントは何ですか?
A. 仕事内容を十分に説明しないこと、日本語力を過信すること、宗教や食事の配慮を軽視すること、日本人職員への受け入れ教育をしないこと、入職後のフォローを現場任せにすることです。特に最初の3か月の支援が弱いと、早期離職につながりやすくなります。
Q. 採用時には何を確認すべきですか?
A. 日本語力、介護への理解、志望動機、家族の同意、長期就労の意思、介護福祉士を目指す意欲、身体介護への理解、ストレス耐性、相談できる性格かどうかを確認することが重要です。
Q. インドネシア人材は地方の介護施設でも採用できますか?
A. 採用は可能です。ただし、地方では生活支援がより重要になります。交通手段、買い物、病院、宗教や食事、住居、地域との関係など、都市部以上に丁寧な支援が必要です。地方施設こそ、受け入れ設計の差が定着率に出やすいです。
Q. インドネシア人材を採用する一番のポイントは何ですか?
A. 候補者の質を見極めることと、受け入れ体制を整えることです。インドネシア人材は介護分野で非常に有力な選択肢ですが、国籍だけで成功が保証されるわけではありません。採用前教育、入職後支援、日本人職員の理解、キャリア支援をセットで考えることが重要です。