1月 17, 2026 • インドネシア, 特定技能・技能実習 • by Sadia

Timedoorがバリ島で立ち上げた送り出し機関LPK Timedoorとは?

Timedoorがバリ島で立ち上げた送り出し機関LPK Timedoorとは?

日本企業が外国人材を本格的に採用し始めてから、まだ十数年ほどしか経っていません。しかし、労働人口の構造や産業の未来を考えると、この潮流は一過性ではなく、新しい日本の産業構造そのものと深く結びついていると言えます。特にここ数年の日本の労働市場は「人手不足」という言葉では表現しきれない段階に入っています。職種や地域によっては、日本人だけでは事業の維持が現実的に難しくなり、産業や業界の存続に外国人材が不可欠になっている領域も増えています。

送り出し機関は、その重要な接点に位置する存在です。LPK Timedoorはインドネシア・バリ島に拠点を置き、日本語教育とキャリア形成を通じて人材を日本企業と結びつける送り出し機関です。本記事ではLPK Timedoorの紹介に留まらず、なぜインドネシアが次世代の送り出し大国になりつつあるのか、日本企業が外国人材と接点を持つ際にどのような論点を意識すべきなのかを整理し、現場の視点から制度と運用について解説します。

外国人材が日本で求められる理由

1. 構造的な人手不足

総務省や厚労省の統計を参照すると、少子高齢化に伴う労働人口の減少は「既に確定した未来」であることがわかります。介護、外食、運輸、建設、食品製造といった労働集約型産業では、内需の需要が維持あるいは増加しているにもかかわらず、供給側が縮小しています。

特定技能制度が設計された背景には、この構造的なギャップがあります。技能実習の延長ではなく、一定の日本語能力と技能を習得した外国人が直接雇用されるための制度である点は重要です。

2. 国内の賃金と労働観の変化

特に若年層の就労観やキャリア観の変化は無視できません。いわゆる「ガテン系」や「きつい仕事」を日本人だけで回すことが難しくなり、賃金を引き上げても労働供給が戻らない産業が出ています。

3. 日本市場のグローバル化不足

日本企業側には、外国人材の活用経験がまだ十分にありません。そのため、送り出し機関・登録支援機関・受入企業の三者が同じ制度を理解しないまま走り出すことも多く、結果として齟齬やトラブルが発生します。本記事では制度と運用の実態も合わせて整理しています。

インドネシアという国家の位置

人口動態と若者の数

インドネシアは東南アジア最大の人口を持つ国家であり、平均年齢は約29歳という非常に若い国です。人口は増加し、都市部への移動も活発で、高等教育機関からは多くの就職希望者が生まれています。しかし、経済構造の問題により、若年層の雇用吸収力は十分とは言えず、仕事の選択肢も必ずしも多様ではありません。

出稼ぎ文化と海外就労

インドネシアには海外で働いた人が家族や地域に誇りや実利を持ち帰る文化があります。中東やマレーシア、シンガポールだけでなく、近年は日本への関心が高まっています。特定技能制度の登場以降、日本はインドネシア人にとって給与水準、キャリア形成、文化的親和性の面で魅力的な就労先になっています。

賃金差が作るインセンティブ

バリ島の最低賃金はジャカルタより低く、日本の特定技能外食の給与との差は約8倍近いケースもあります。国内での昇給やキャリアパスに限界がある場合、海外就労を選ぶことは合理的な判断だと言えます。

なぜバリ島なのか

ホスピタリティと語学

バリ島は観光地として世界的に知られているため、サービス業やホスピタリティが生活文化として根付いています。また、英語話者が多く、外国語学習に対する心理的ハードルも低い環境です。

親日文化

アニメや漫画の影響を通じて日本への好意が形成されているほか、宗教的・文化的な背景から日本との摩擦が少なく、日本語の音韻も習得しやすい傾向があります。

制度的取り回し

インドネシアは送り出し大国としての地位を強めつつあり、日本側の制度改定もそれを後押ししています。特定技能の国別比率では、2023〜2024年にインドネシアの増加率が顕著で、ベトナムに次ぐ規模へと成長しています。

特定技能制度とはなにか

制度の背景

特定技能は、単なる技能実習の代替ではなく、外国人材を日本の労働市場に正式に接続する制度です。技能実習が「技能移転」を建前にしていたのに対し、特定技能は労働需給を補うために設計されています。

評価基準

特定技能の就労には「日本語」と「技能」の評価が必要で、JLPTやJFT Basicと技能試験の合格が要件となります。送り出し機関に求められる教育には、語学教育に加えて試験対策、職業能力形成、生活指導、文化教育、マナー教育などが含まれます。

対象分野

外食、飲食料品製造、介護、ビルクリーニング、宿泊、農業、漁業、製造業、建設、運輸、航空などが対象分野です。近年は特定活動型のドライバー領域も注目されています。

制度改定と傾向

過去2年間で制度は大きく変化しており、技能実習制度の改革議論も進んでいます。また、外免切替試験の形式変更など、実務面でのアップデートも起きています。

インドネシア送り出し市場を理解する

どの国がいい?国籍別に見る外国人技能実習生・特定技能人材の性格と特徴徹底比較

送り出し国の競争と変化

以前は外国人材の主要な送り出し国と言えばベトナムが挙げられましたが、近年はインドネシアの存在感が急速に高まっています。特定技能外国人の国別割合では、2024年にインドネシアが増加率で上位になっており、市場は確実に変化しています。

背景には人口動態だけでなく、政府による制度整備や教育機関連携など政策的競争があります。送り出しは労働市場であると同時に、国際的な教育市場でもあります。

送り出し機関のビジネス実務

送り出し事業は単なる「人材紹介」ではありません。実際には以下の工程を持つ複合的な事業です。

・候補者の募集
・教育(語学+技能+文化+生活+マナー)
・試験対策
・企業面接
・書類作成
・渡航準備
・登録支援機関連携
・来日後フォロー

日本企業にとっては「採用」ですが、送り出し機関にとっては「教育」と「選抜」と「移動」が同時に存在します。この工程を軽視すると、企業と候補者の双方でミスマッチが発生しやすくなります。

ミスマッチの典型例

特定技能採用で多いミスマッチは以下の三つです。

1. 期待値の齟齬
日本企業は即戦力を期待しがちですが、候補者はゼロから学びながら職場に適応していく段階にあります。

2. 職務理解の不足
職種によっては、日本人であっても難しい現場理解や品質基準が存在します。特に介護や食品系では顕著です。

3. キャリア観の違い
候補者は給与や経験を重視し、企業は定着や生産性を重視します。この視点の違いは放置すると摩擦の原因になります。

これらは制度設計だけでは解決しないため、教育段階で候補者の期待値整理や生活・文化準備が必要になります。

バリ島の若者と候補者像

ホスピタリティの文化

接客やサービスはスキルではなく行動様式として生活文化に根付いています。介護や飲食業との相性が良い理由の一つです。

語学と柔軟性

英語話者が多い背景は、観光・国際労働市場・教育の影響があります。複言語環境で育った若者は日本語も吸収しやすいです。特にJFT BasicやJLPTの合格に必要な日本語の音韻面では、日本人が予想するより習得が早い傾向があります。

海外志向

給与水準だけでなく、キャリア形成や海外経験を重視する若者が増えています。日本は安全で秩序のある国として認識されています。

LPK Timedoorの設立背景と特徴

IT教育事業と連動した送り出し機関

LPK TimedoorはインドネシアでIT教育事業を展開してきた母体を持ち、日本語教育だけではなく職業教育やキャリア形成にも強みを持ちます。IT分野では18ヶ月の長期コースで、日本語N2と専門技能を同時に育成することが可能です。

VisionとMission

LPK TimedoorのVisionは「全ての挑戦者に機会を」です。Missionは単なる労働力の送り出しではなく、語学・技能・心の教育を通じて候補者の可能性を最大化することにあります。送り出しを人材ビジネスではなく教育事業として位置づけている点が特徴です。

教育体系

特定技能向けの教育は約6.5ヶ月で行われます。内容は以下の通りです。

・JFT Basic A1〜A2
・日本語の語彙・文法・会話
・日本文化
・生活・マナー
・技能訓練
・キャリア教育

技能領域は職種に応じて変化し、企業面接と渡航準備を挟む構成になっています。

校舎と設備

2025年に建設された専用校舎には、寮、食堂、教室、技能トレーニング設備、キッチンなどが整備され、日本での生活を想定した環境が用意されています。

まとめ

外国人材採用は、単に人手不足を補うための一時的な手段ではなく、今後の労働市場の構造変化に向き合う取り組みになりつつあります。特定技能制度の整備や受け入れ環境の改善により、インドネシアは次世代の送り出し大国として存在感を高めており、その中でもバリ島はホスピタリティ、語学力、海外志向の面で日本企業との相性が良い地域だと言えます。

送り出し機関は、候補者の募集や教育、企業面接、試験対策、渡航準備などを担う重要なプレイヤーであり、登録支援機関や企業と連携しながら、候補者の定着と成果を支える役割を持ちます。LPK Timedoorは、教育とキャリア形成を重視するアプローチによって、単なる人材供給にとどまらず、企業と候補者双方の期待値を整える仕組みづくりに取り組んでいます。

今後、外国人材の活用が不可欠になる業界はさらに広がっていくと考えられます。その中で、「どの国から、どのような教育過程を経た人材を、どのようなパートナーと組んで受け入れるのか」という視点が、日本企業の人材戦略においてますます重要になっていくはずです。

 

 

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​LPK Timedoorは、インドネシア・バリ島デンパサールに拠点を置く職業訓練校で、日本での就労を目指すインドネシア人に対し、日本語や日本文化、仕事に対する価値観やマインドセットを学ぶ環境を提供しています。お気軽にお問い合わせください。

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本記事で使用した単語の解説

外国人材
日本国籍以外の労働者を指します。本記事では、主に特定技能や特定活動などの在留資格で日本で働く人を想定しています。

送り出し機関
外国人材を受け入れ国へ送り出すために、教育・選抜・手続きを行う機関です。日本語教育や技能教育、文化理解、試験対策なども含めて支援します。

登録支援機関
特定技能で来日した外国人に対して、日本での生活支援や就業支援を行う日本側の機関です。送り出し機関とは役割分担が異なります。

特定技能
人手不足分野の労働需給を補うことを目的として設計された在留資格です。一定の日本語能力と技能が求められ、定められた分野で就労することができます。

特定活動(ドライバー領域)
外国人ドライバーが日本で働く際に利用される在留資格の一つです。本記事では、外免切替制度と関連する領域として扱っています。

外免切替
外国で取得した運転免許証を、日本の運転免許証に切り替える手続きです。申請のほか、学科試験や実技試験が必要になります。

バリ島
インドネシアの代表的な観光地です。ホスピタリティ文化や語学力、親日感情の面で特徴があり、日本企業との相性の良さが注目されています。

JFT Basic / JLPT
日本語能力を測る試験です。特定技能では、日本語要件の基準としてJFT BasicやJLPT N4などが用いられます。

ミスマッチ
企業と候補者の間で、期待値や技能、職務内容、文化理解などが一致していない状態を指します。採用後の早期離職や不満につながる要因になります。

キャリア形成
単なる就労経験にとどまらず、経験・技能・資格・将来の職業選択などを含めて、長期的に職業人生をつくっていくプロセスを指します。

FAQ

Q1. 特定技能と技能実習は何が違うのですか。
A. 技能実習は「技能移転」を建前とした制度であり、必ずしも日本国内の人手不足を補うことを目的としていません。一方、特定技能は人手不足分野の労働力を確保することを目的とした在留資格で、外国人材を直接戦力として採用することを前提に設計されています。

Q2. 送り出し機関は具体的に何をしてくれるのですか。
A. 候補者の募集、日本語教育、技能試験対策、生活・文化理解の指導、面接準備、書類手続き、渡航準備などを一貫して行います。日本企業側が採用活動と受け入れ体制の整備に集中できるよう、事前の教育と選抜を担う役割があります。

Q3. 登録支援機関と送り出し機関の違いは何ですか。
A. 送り出し機関は「来日前」の教育・選抜・手続きが中心で、登録支援機関は「来日後」の生活支援や定着支援が中心です。企業は両者と協力しながら採用と受け入れを進めていくことになります。

Q4. インドネシア人材にはどのような特徴がありますか。
A. 若年層が多く、語学の習得が比較的早いこと、親日度が高いことが特徴として挙げられます。特にバリ島出身者は、観光産業で培われたホスピタリティや対人スキルを持つ人が多く、日本のサービス業や介護現場との相性が良いと評価されることが多いです。

Q5. 面接から実際の就労開始まで、どのくらい時間がかかるのですか。
A. 教育課程の期間、試験の合格タイミング、在留資格の申請・審査期間などによって変わりますが、一般的には半年から一年以上かかるケースが多いです。職種や募集のタイミングによっても前後します。

Q6. 特定技能の候補者は、どの程度「即戦力」と考えればよいですか。
A. 一定の日本語能力と技能試験の合格実績があるため、基礎的な業務は比較的早く覚えられることが期待できます。ただし、職場ごとのルールや日本特有の品質基準、文化的なコミュニケーションには慣れが必要なため、受け入れ後の教育やサポートも重要になります。

Q7. なぜバリ島の人材が注目されているのですか。
A. 観光地として世界中から訪問客を受け入れているため、ホスピタリティと接客マインドが生活の中で身についている人が多いこと、英語を含む複数言語に触れる機会が多いこと、日本文化への好意的な関心が強いことなどが理由として挙げられます。

Q8. 採用コストや手続きが複雑なのではないかと不安です。
A. 制度上の要件や必要書類は確かに多く、企業単独で完結するのは負担が大きい場合があります。そのため、送り出し機関や登録支援機関と役割分担を行いながらプロセスを進めることで、企業側の事務負担やリスクを軽減することができます。

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