6月 6, 2025 • インドネシア
7月 12, 2026 • インドネシア • by Ayako Yamamoto
目次
日本の介護現場では、外国人介護士の存在感が年々大きくなっています。
かつては「外国人介護士」と聞くと、EPAによるインドネシア、フィリピン、ベトナムからの受け入れを思い浮かべる人が多かったかもしれません。しかし現在は、特定技能、技能実習、在留資格「介護」、EPAなど、複数の制度を通じて外国人材が日本の介護現場で働いています。
特に近年、人数の伸びが大きいのは特定技能1号の介護分野です。出入国在留管理庁が公表している令和7年12月末時点の速報値では、特定技能1号の介護分野で働く外国人は67871人となっています。令和7年6月末時点の54916人から半年で大きく増えており、介護分野における外国人材の受け入れが一段と進んでいることがわかります。
ただし、「日本で働く外国人介護士は国別に何人いるのか」と聞かれたとき、実は単純に一つの表で答えられるわけではありません。なぜなら、外国人介護士は一つの制度だけで働いているわけではなく、在留資格や受け入れルートが分かれているからです。行政統計も、制度ごとに集計単位が違います。これがまた日本の制度らしく、必要な情報にたどり着くまでに小さな迷路を歩かされます。
この記事では、日本で活躍する外国人介護士の数について、国別の傾向、在留資格ごとの違い、主要国の特徴、採用を考える際の注意点をわかりやすく整理します。
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外国人介護士の人数を理解するには、まず制度の違いを知る必要があります。日本で外国人が介護分野で働く主なルートは、EPA、在留資格「介護」、技能実習、特定技能の4つです。
同じ「外国人介護士」と呼ばれる人でも、来日目的、働ける期間、求められる日本語力、将来のキャリア、転職のしやすさが異なります。そのため、人数を見るときも「どの制度の人数なのか」を分けて考える必要があります。
EPAは、経済連携協定に基づく受け入れ制度です。対象国はインドネシア、フィリピン、ベトナムです。
EPAは単なる労働力不足対策というよりも、国と国との経済連携、人材交流、資格取得支援の性格が強い制度です。候補者は日本の介護施設で働きながら、介護福祉士国家試験の合格を目指します。
制度としては古く、インドネシアからの受け入れは2008年度、フィリピンは2009年度、ベトナムは2014年度から始まっています。そのため、外国人介護人材の歴史を語るうえでは非常に重要な制度です。
ただし、人数規模で見ると、現在の主力は特定技能に移っています。EPAは一定の質を担保しやすい一方で、受け入れ国が限定され、手続きや国家試験対策の負担も大きいため、大量採用のメインルートというよりは、資格取得を前提にした長期育成型の制度と見るべきです。
在留資格「介護」は、介護福祉士の国家資格を持つ外国人が日本で介護職として働くための在留資格です。
この在留資格は、外国人介護士の中でも専門性が高く、長期的に働きやすいルートです。介護福祉士の資格を取得しているため、現場にとっては即戦力性が高く、将来的なリーダー候補としても期待しやすい人材です。
一方で、介護福祉士になるには日本語で専門教育を受け、国家試験に合格する必要があります。そのため、人数の増え方は特定技能ほど急激ではありません。
採用側から見ると、在留資格「介護」の人材は非常に魅力的ですが、採用市場では競争も強くなります。資格を持ち、日本での生活経験もある人材ですから、当然ながら良い条件の職場を選ぶ力も持っています。企業側だけが選ぶ時代ではなく、人材側にも選ばれる時代です。ようやく当然のことに気づいた、という感じでもあります。
技能実習は、もともと日本で技能を学び、母国へ移転することを目的とした制度です。介護職種は2017年に技能実習の対象に追加されました。
技能実習の介護は、ベトナム、インドネシア、ミャンマーなどからの受け入れが多い傾向があります。制度上は技能移転を目的としていますが、実際には日本の介護現場を支える重要な人材供給ルートの一つになってきました。
ただし、技能実習制度は今後、育成就労制度へ移行していく予定です。制度変更の影響を受けるため、今後の採用計画では、従来の技能実習だけを前提にしすぎないことが重要です。
特定技能1号は、深刻な人手不足に対応するために2019年から始まった在留資格です。介護は制度開始当初から対象分野に含まれています。
介護分野の特定技能1号では、介護技能評価試験、介護日本語評価試験、日本語試験などに合格した外国人が働くことができます。技能実習から移行する人もいます。
現在、外国人介護士の国別人数を把握するうえで、最も見やすいのがこの特定技能1号の介護分野です。国別、分野別の人数が公表されており、どの国の人材が介護分野で増えているのかを比較しやすいためです。
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令和7年12月末時点で、特定技能1号として日本に在留している外国人は382341人です。その中で介護分野は67871人となっており、特定技能1号全体の中でも大きな割合を占めています。
分野別で見ると、介護は飲食料品製造業に次ぐ規模です。つまり、特定技能制度において介護はすでに主要分野の一つになっています。
令和7年6月末時点の介護分野の人数は54916人でした。そこから半年で12955人増えています。増加率は23.6%です。これは、介護分野で外国人材の採用がかなり速いペースで進んでいることを示しています。
日本の介護業界では、人手不足が長年課題になっています。高齢化が進み、介護需要は増える一方で、国内人材だけで十分な担い手を確保するのは難しくなっています。その中で、特定技能1号の外国人介護士は、現場の人員体制を支える存在になっています。
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ここからは、特定技能1号の介護分野で働く外国人を国別に見ていきます。
令和7年12月末時点の特定技能1号「介護」では、インドネシアが最も多く、次いでミャンマー、ベトナム、ネパール、フィリピン、中国が続きます。
特定技能1号の介護分野で最も多いのはインドネシア人です。令和7年12月末時点で、インドネシア人の特定技能1号「介護」は21139人とされています。
これは非常に大きな数字です。特定技能全体ではベトナム人が最も多い傾向がありますが、介護分野に限るとインドネシア人の存在感が際立っています。
インドネシア人材が介護分野で増えている背景には、いくつかの理由があります。
まず、インドネシアは人口が多く、若年層も厚い国です。日本の介護分野に関心を持つ人材母集団が大きいことは、採用市場にとって大きな意味があります。
また、インドネシアでは家族や地域コミュニティを大切にする文化が強く、高齢者への尊重や人との関わりを重視する価値観が比較的根づいています。もちろん、国民性を単純化しすぎるのは危険です。インドネシア人だから全員が介護に向いている、という雑な話ではありません。そんな便利な人間分類があれば、採用担当者は苦労していません。
しかし、介護の仕事に対して心理的な距離が比較的近い人が多いこと、対人コミュニケーションを重視する人が多いこと、日本で働くことへの関心が高いことは、介護分野でインドネシア人が増えている一因と考えられます。
さらに、インドネシア国内では日本語教育機関、送り出し機関、職業訓練機関の整備が進んでいます。ジャカルタ、スラバヤ、バンドン、ジョグジャカルタ、メダン、スマラン、デンパサール、マナドなど、介護分野の特定技能評価試験が実施されてきた地域も多く、日本行きの準備環境が広がっています。
2位はミャンマーです。令和7年12月末時点で、特定技能1号「介護」のミャンマー人は19803人とされています。
ミャンマー人材は、ここ数年で急速に存在感を高めています。介護分野だけでなく、外食業などでもミャンマー人の増加が目立ちます。
ミャンマー人材が増えている背景には、日本語学習への意欲、若年層の海外就労志向、国内情勢の影響、送り出しルートの拡大などがあると考えられます。
介護分野では、日本語力と現場適応力が重要です。ミャンマー人材は、比較的まじめに学習へ取り組む人が多いと評価されることもあります。ただし、これも「ミャンマー人は全員まじめ」という意味ではありません。国籍だけで採用の成否を決めるのは、少し乱暴です。採用では個人差、教育歴、家庭背景、来日目的、支援体制を見る必要があります。
ミャンマー人材については、政治・社会情勢の影響も無視できません。日本で働く動機が強い人がいる一方で、母国の状況や家族への送金負担など、生活面の不安を抱えている人もいます。採用する側は、仕事だけでなく生活支援やメンタル面のフォローも重要になります。
3位はベトナムです。令和7年12月末時点で、特定技能1号「介護」のベトナム人は10401人とされています。
ベトナム人材は、日本の外国人労働市場全体で非常に大きな存在感を持っています。技能実習、特定技能、留学など、さまざまなルートで日本に来ている人が多く、製造業、建設、農業、食品製造などでも大きな割合を占めています。
ただし、介護分野に限ると、インドネシアやミャンマーに比べて人数は少なくなっています。これは、ベトナム人材が他分野にも広く分散していること、介護以外の職種でも採用需要が強いことが関係していると考えられます。
また、ベトナム人材はこれまで技能実習制度を通じた受け入れが非常に多かったため、介護でも一定の基盤があります。しかし、近年はベトナム国内の賃金上昇や他国との人材獲得競争もあり、以前ほど簡単に日本へ人材が集まるとは限らなくなっています。
日本側が「ベトナム人ならたくさん来るだろう」と考える時代は、そろそろ終わりに近づいています。人材を選べる立場だと思い込んでいると、海外市場では普通に置いていかれます。世界は日本の都合だけで回っていません。残念ながら、地球は日本企業の人事部ではありません。
4位はネパールです。令和7年12月末時点で、特定技能1号「介護」のネパール人は6013人とされています。
ネパール人材は、日本語学校や留学生ルートを通じて日本に来る人が多く、外食、宿泊、介護など対人サービス分野での存在感が増えています。
介護分野でネパール人材が増えている理由としては、日本での就労志向の強さ、英語教育を受けている人も一定数いること、若年層の海外就労意欲が高いことなどが挙げられます。
一方で、ネパール人材を採用する場合、日本語力の伸び、生活環境への適応、宗教や食文化への配慮などを丁寧に見る必要があります。ネパールは多民族、多言語、多宗教の国です。一言で「ネパール人」とまとめても、背景はかなり多様です。
介護現場では、利用者との会話、記録、申し送り、事故防止のための確認など、日本語力が日々問われます。採用時点の日本語レベルだけでなく、入社後に学び続けられる環境を作れるかどうかが重要です。
5位はフィリピンです。令和7年12月末時点で、特定技能1号「介護」のフィリピン人は5704人とされています。
フィリピンは、EPAによる介護福祉士候補者の受け入れ国の一つであり、日本の介護分野とは長い関係があります。また、英語力が高い人材が多く、海外就労への経験や意識も比較的高い国です。
フィリピン人材は、介護や看護分野で国際的に活躍してきた歴史があります。中東、欧米、アジア各国で働くフィリピン人医療・介護人材は多く、日本だけが採用先ではありません。
そのため、日本がフィリピン人材を採用したい場合、他国との待遇競争を意識する必要があります。日本語習得の負担、給与水準、キャリアパス、家族帯同のしやすさ、将来の永住可能性などを比較されたとき、日本が常に有利とは限りません。
フィリピン人材は明るくコミュニケーション力が高いと言われることがありますが、これも国籍イメージだけで採用を決めるのは危険です。実際には、個人の性格、教育、介護経験、日本語力、家族事情によって大きく異なります。
6位は中国です。令和7年12月末時点で、特定技能1号「介護」の中国人は1340人とされています。
中国人材は、日本在留者全体では非常に大きな存在感がありますが、特定技能1号の介護分野では、インドネシア、ミャンマー、ベトナム、ネパール、フィリピンに比べると人数は少なめです。
中国人材の場合、在留資格「介護」や留学からの就職、身分系在留資格など、特定技能以外のルートで働いている人もいます。そのため、特定技能1号の人数だけで中国人介護士全体を判断するのは適切ではありません。
また、中国は日本語学習者が多く、漢字文化圏であるため、日本語の読み書きに一定の親和性がある人もいます。介護記録やマニュアル理解という面では強みになる場合があります。
一方で、中国国内の賃金水準や就業機会も変化しており、日本の介護職が必ずしも魅力的な選択肢になるとは限りません。待遇、キャリア、資格取得後の将来性を明確に示すことが重要です。
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特定技能1号「介護」の国別人数を見ると、介護分野ではインドネシアとミャンマーの存在感が非常に大きくなっています。
インドネシアが21139人、ミャンマーが19803人で、この2か国だけで40942人です。特定技能1号「介護」全体の67871人のうち、かなり大きな割合を占めています。
そこにベトナム、ネパール、フィリピンを加えると、上位5か国で63060人になります。つまり、特定技能1号「介護」は、かなり限られた国々に集中していることがわかります。
これは採用戦略を考えるうえで非常に重要です。
たとえば、介護人材を採用したい企業が「とりあえず外国人材を採用したい」と考えても、国ごとに市場規模、候補者の動機、日本語教育の体制、送り出し制度、宗教・生活文化、他国との競争状況が異なります。
特にインドネシアとミャンマーは介護分野での採用対象国として存在感が高まっています。一方で、ベトナムやフィリピンはこれまでの実績がありながら、他分野や他国との競争も強く、単純に人数だけで判断できません。
特定技能1号の介護分野ではインドネシアが最も多いですが、外国人介護人材全体で見ると、少し違う見方が必要です。
外国人介護人材には、特定技能だけでなく、技能実習、在留資格「介護」、EPAも含まれます。これらを含めた国籍別の傾向では、ベトナム、インドネシア、フィリピンの3か国が大きな割合を占めてきました。
特に技能実習では、ベトナム人の存在感が長く大きい傾向にあります。また、EPAでは対象国がインドネシア、フィリピン、ベトナムに限られるため、この3か国が中心になります。
つまり、「特定技能の介護ではインドネシアが最多」「外国人介護人材全体ではベトナム、インドネシア、フィリピンが大きな軸」という理解が現実に近いです。
採用担当者が注意すべきなのは、数字の切り取り方です。特定技能だけを見るのか、技能実習も含めるのか、在留資格「介護」まで含めるのかによって、国別ランキングは変わります。都合の良い数字だけを取り出して「この国が一番」と言い切るのは、雑なマーケティング資料ではありがちですが、実務では危険です。
インドネシア人介護士が増えている背景には、人口構造、文化的背景、日本側の需要、現地教育機関の拡大、特定技能制度との相性があります。
インドネシアは世界でも人口規模の大きい国です。若年層も厚く、海外就労に関心を持つ人も少なくありません。
日本の介護分野では、長期的に働ける若い人材が求められています。インドネシアはその意味で、候補者母集団が大きい国です。
ただし、人口が多いからといって、自然に日本へ人材が来るわけではありません。日本語教育、介護教育、送り出し機関の品質、費用負担、来日後の支援が整わなければ、採用はうまくいきません。
インドネシアでは、家族や地域で高齢者を支える考え方が比較的強い地域が多くあります。高齢者への敬意や助け合いの意識が、介護職への関心につながる場合があります。
もちろん、これは国全体を一色で塗る話ではありません。インドネシアは多民族、多宗教、多文化の国です。ジャワ、スンダ、バリ、スマトラ、スラウェシ、パプアなど、地域によって文化も価値観も違います。
それでも、対人支援の仕事に対して前向きな候補者が一定数いることは、日本の介護分野にとって大きな意味があります。
インドネシアでは、日本語学校、LPK、職業訓練機関などを通じて、日本で働くための準備をする若者が増えています。
特定技能の介護では、介護技能評価試験、介護日本語評価試験、日本語試験への合格が必要です。現地でこれらの試験や学習環境が整っていることは、候補者を増やすうえで重要です。
また、インドネシア国内の複数都市で試験が実施されていることも、地方在住者にとっては大きな意味があります。首都だけでなく地方都市からも日本行きのチャンスが広がるからです。
日本の介護施設では、若く、長く働く意欲があり、現場で成長できる人材が求められています。
インドネシア人材は、特定技能の介護分野で人数が増えていることからも、日本側の採用ニーズと一定程度合っていると考えられます。
ただし、採用後の定着は別問題です。採用できたから成功ではありません。日本語の壁、夜勤、記録業務、利用者や家族との関係、宗教対応、食事、住居、地域生活など、現場に入ってからの支援が重要です。
外国人材採用でよくある失敗は、「入社日」をゴールにしてしまうことです。本当の勝負は入社後です。採用担当者が拍手している頃、現場では生活支援、教育、シフト調整、記録指導という現実が始まっています。人間社会、相変わらずイベント後の地味な運用が本体です。
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ミャンマー人介護士の増加も、近年の大きな特徴です。
特定技能1号「介護」では、ミャンマー人が19803人となっており、インドネシアに迫る規模です。
ミャンマーでは、若者の海外就労志向が高まっています。日本は、技能実習や特定技能の受け入れ先として認知されており、介護分野も選択肢の一つになっています。
日本語を学び、日本で働くことによって、家族を支えたい、将来の生活を安定させたいと考える人も少なくありません。
ミャンマー人材を対象にした日本語教育、介護教育、送り出し機関の体制も広がっています。
介護分野では、試験合格だけでなく、日本で働くための生活理解も必要です。職場文化、時間管理、報連相、チームケア、利用者との接し方など、日本特有の働き方に適応する必要があります。
ミャンマー人材の採用では、来日前教育の質が定着率に大きく影響します。日本語試験に合格しているかどうかだけでは不十分です。介護現場で使う言葉、記録の書き方、緊急時の対応、利用者への声かけなど、実務に近い教育が必要です。
ミャンマー人材を受け入れる場合、生活支援は特に重要です。
母国情勢、家族への送金、在留手続き、将来不安などを抱えている人もいます。仕事上の悩みだけでなく、生活全体を支える体制がなければ、早期離職につながる可能性があります。
介護施設側は、登録支援機関に丸投げするのではなく、現場の管理者や教育担当者も外国人職員の状況を理解する必要があります。制度上の支援と、日々の職場内コミュニケーションは別物です。
ベトナム人材は、日本の外国人雇用全体では非常に大きな存在です。介護分野でも、技能実習や特定技能、在留資格「介護」などで多くの人が働いています。
ただし、特定技能1号「介護」では、インドネシアやミャンマーに次ぐ位置づけになっています。
ベトナム人材は、日本での就労実績が豊富です。技能実習制度を通じて、多くのベトナム人が日本で働いてきました。
そのため、ベトナム国内には日本語教育、送り出し、家族や友人を通じた日本就労情報のネットワークがあります。日本で働くことへの認知度も高い国です。
一方で、ベトナム人材は介護だけでなく、製造業、建設、農業、食品製造、外食など多くの分野で求められています。
候補者から見れば、介護職以外にも選択肢があります。体力的・精神的負担の大きい介護職を選んでもらうには、仕事の魅力、給与、教育体制、資格取得支援、将来のキャリアを明確に示す必要があります。
「人手不足だから来てください」だけでは不十分です。それは採用メッセージではなく、企業側の悲鳴です。悲鳴だけで人は集まりません。
ベトナム人材の採用では、人数だけを追うのではなく、定着率とキャリア形成が重要になります。
日本語力、介護への適性、長期就労の意思、資格取得意欲を確認し、来日後も継続して教育できる体制を整えることが必要です。
フィリピン人材は、国際的な医療・介護人材としての実績があります。
EPAでもフィリピンは対象国であり、日本の介護分野との関係は長く続いています。
フィリピンでは英語が広く使われており、海外で働くことに慣れている人材も多くいます。コミュニケーション力や明るさを評価されることもあります。
介護現場では、利用者との関係づくり、同僚との連携、家族対応など、対人力が重要です。フィリピン人材の中には、こうした面で強みを発揮する人もいます。
一方で、日本の介護現場では英語だけでは働けません。利用者の多くは日本語で話します。方言、あいまいな表現、認知症の利用者との会話、介護記録など、日本語力が非常に重要です。
フィリピン人材を採用する場合も、日本語教育をどこまで支援できるかが定着の鍵になります。
フィリピン人医療・介護人材は、世界中で需要があります。日本はその中の一つの選択肢にすぎません。
日本語習得が必要で、給与水準が他国より必ずしも高くない場合、日本を選ぶ理由を明確に示す必要があります。
資格取得後のキャリア、長期滞在、家族との将来設計、安心できる職場環境がなければ、優秀な人材は別の国を選ぶ可能性があります。
ネパール人材は、近年日本で存在感を高めています。留学生や外食分野での就労がよく知られていますが、介護分野でも人数が増えています。
ネパールでは、海外就労によって家族を支える人が多くいます。日本もその選択肢の一つです。
介護分野では、特定技能を通じて働く人が増えており、令和7年12月末時点で特定技能1号「介護」のネパール人は6013人とされています。
ネパールは多民族、多言語、多宗教の国です。食事、宗教行事、生活習慣も人によって異なります。
採用側は「ネパール人」と一括りにせず、本人の背景を理解することが必要です。特に介護施設では、食事、勤務時間、休暇、住居、地域生活など、日常面の配慮が定着に影響します。
中国人材は、日本在留外国人全体では大きな存在です。しかし、特定技能1号「介護」に限ると人数は比較的少なめです。
中国人介護士を見る際には、特定技能だけでなく、在留資格「介護」、留学からの就職、永住者や日本人配偶者などの身分系在留資格も考慮する必要があります。
特定技能1号の人数だけを見て「中国人介護士は少ない」と言い切るのは早計です。実際には、別の在留資格で働いている人もいます。
中国語と日本語は異なる言語ですが、漢字文化圏という点で、日本語の読み書きに一定の親和性を持つ人もいます。
介護記録、業務マニュアル、申し送り資料など、文字情報を扱う場面では強みになる可能性があります。
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外国人介護士の人数を国別に見るときには、いくつか注意すべき点があります。
外国人介護士は、特定技能、技能実習、在留資格「介護」、EPAなど複数の制度で働いています。
そのため、「外国人介護士は国別に何人か」という問いに対して、一つの統計だけで完全に答えることは難しいです。
特定技能1号の介護分野は国別人数が比較的わかりやすいですが、技能実習や在留資格「介護」まで含めた全体像を見るには、複数の統計を組み合わせる必要があります。
特定技能の人数は半年ごとに公表されます。一方で、技能実習や在留資格「介護」、EPAの人数は、別の時点で公表されることがあります。
そのため、異なる時点の数字を単純に足し合わせると、厳密な意味ではズレが生じます。
採用資料やブログ記事で数字を使う場合は、「何年何月時点の数字か」「どの制度の数字か」を明確にすることが重要です。
国別人数は、採用市場を理解するうえで役立ちます。しかし、国籍だけで採用の成否は決まりません。
同じ国の出身でも、日本語力、性格、介護経験、学習意欲、家庭環境、宗教、将来設計は人によって違います。
採用では、国別の傾向を理解しつつ、最終的には個人を見る必要があります。国籍だけで「この国は良い」「この国は難しい」と決めるのは、便利そうで実はかなり危険です。人間はExcelのセルではありません。残念ながら、もう少し複雑です。
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国別の人数を見る目的は、単にランキングを知ることではありません。採用戦略に活かすことが重要です。
特定技能1号「介護」でインドネシア人が最多であることを考えると、インドネシアは介護人材採用における重要国です。
特に、若年層の多さ、介護職への関心、日本語教育機関の広がりを考えると、中長期的な採用先として有力です。
ただし、イスラム教徒が多い国であるため、食事、礼拝、服装、休暇などへの理解が必要です。すべてのインドネシア人が同じ宗教・習慣というわけではありませんが、採用側が基本的な知識を持っておくことは大切です。
ミャンマー人材は、介護分野で急速に増えています。
採用市場としては非常に注目すべき国ですが、社会情勢や生活支援の必要性を理解したうえで受け入れる必要があります。
日本語教育、来日前研修、来日後のフォロー、相談窓口の整備が重要です。
ベトナムは日本での就労実績が豊富で、介護分野でも重要な国です。
ただし、他分野や他国との人材獲得競争が強くなっています。以前のように、条件が普通でも人材が集まるとは限りません。
介護職としての魅力、資格取得支援、昇給制度、生活支援を明確に示す必要があります。
フィリピンは、医療・介護分野で国際的な人材供給国としての実績があります。
日本語力の壁はありますが、対人コミュニケーションや海外就労経験という面で強みを持つ人材もいます。
採用する場合は、日本語教育とキャリア設計をセットで考えることが重要です。
ネパール人材は、介護分野でも存在感が増えています。
留学生や外食分野での経験を持つ人も多く、日本での生活経験がある人材を介護へつなげる可能性もあります。
ただし、文化的背景が多様なため、個別理解と生活支援が必要です。
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外国人介護士の人数が増えているからといって、採用が簡単になったわけではありません。
むしろ、各国の人材をめぐる競争は強まっています。日本国内の介護施設同士だけでなく、海外の介護・医療分野、製造業、外食業、宿泊業とも競争しています。
外国人介護士は、日本で働くために日本語を学び、試験に合格し、家族と離れて来日します。
それだけの努力をして来る人材に対して、低い給与や不十分な待遇では定着しません。
「日本で働けるだけありがたい」という考え方は、すでに時代遅れです。むしろ、その発想が見えた瞬間に、良い人材から選ばれなくなります。
介護現場では、日常会話だけでなく、専門用語、記録、申し送り、事故報告、利用者家族への説明など、幅広い日本語力が必要です。
採用時点でN4やN3相当の日本語力があっても、現場で十分とは限りません。
施設内で日本語学習の時間を確保する、記録の書き方を教える、やさしい日本語を使う、教育担当者を置くなど、継続的な支援が必要です。
外国人介護士の定着には、住居、銀行口座、携帯電話、病院、交通、買い物、地域生活などの支援が重要です。
仕事がうまくいっていても、生活面で孤立すると離職につながります。
登録支援機関に任せる部分もありますが、職場内での声かけや相談しやすい雰囲気づくりは施設側の責任です。
外国人介護士を受け入れる際、外国人本人への教育だけでなく、日本人職員への教育も必要です。
文化の違い、宗教への配慮、やさしい日本語、指示の出し方、注意の仕方、評価の仕方などを共有しておかないと、現場で誤解が生まれます。
外国人職員だけに「日本に合わせてください」と求めるのではなく、受け入れる側も変わる必要があります。これを言うと面倒に聞こえますが、採用とはそういうものです。人を雇うのに、職場側が何も変わらなくていいと思う方が不思議です。
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結論から言えば、外国人介護士は今後も増える可能性が高いです。
日本の高齢化は続き、介護需要は増えます。一方で、国内の介護人材確保は簡単ではありません。そのため、外国人介護士の受け入れは、今後も重要な政策テーマであり続けるでしょう。
また、特定技能「介護」の受け入れ見込み数は、令和6年度からの5年間で大きく設定されています。制度上も、外国人介護人材の受け入れ拡大が前提になっています。
さらに、2025年からは一定の要件のもとで、技能実習や特定技能の外国人材が訪問系サービスに従事する道も開かれています。これにより、施設介護だけでなく、在宅介護分野でも外国人材の役割が広がる可能性があります。
ただし、人数が増えることと、現場でうまく定着することは別です。
外国人介護士を単なる人手不足の穴埋めとして扱えば、離職やトラブルが増えるだけです。日本語教育、生活支援、キャリア形成、現場の受け入れ体制を整えた企業だけが、長期的に人材を確保できるようになります。
日本で活躍する外国人介護士は、特定技能、技能実習、在留資格「介護」、EPAなど複数の制度を通じて増えています。
特に特定技能1号の介護分野は急速に拡大しており、令和7年12月末時点で67871人となっています。国別では、インドネシアが21139人で最も多く、ミャンマーが19803人、ベトナムが10401人、ネパールが6013人、フィリピンが5704人、中国が1340人と続きます。
特定技能1号の介護分野では、インドネシアとミャンマーの存在感が非常に大きくなっています。一方で、外国人介護人材全体で見ると、技能実習やEPAの影響もあり、ベトナム、インドネシア、フィリピンが長く重要な位置を占めてきました。
採用を考える企業にとって重要なのは、国別人数のランキングだけを見ることではありません。どの制度で採用するのか、どの国の人材市場に強みがあるのか、来日前教育と来日後支援をどう設計するのかが重要です。
外国人介護士の採用は、単なる人数確保ではありません。日本語教育、生活支援、現場教育、キャリア形成を含めた総合的な受け入れ体制が必要です。
これからの介護業界では、外国人材を「安い労働力」として見る企業ではなく、「長く一緒に働く専門人材」として育てられる企業が選ばれていくでしょう。
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外国人介護士
日本の介護施設や介護サービス事業所などで働く外国籍の介護職員を指します。特定技能、技能実習、在留資格「介護」、EPAなど、複数の在留資格や制度を通じて働いています。
特定技能1号
人手不足が深刻な分野で、一定の技能と日本語力を持つ外国人が働くための在留資格です。介護分野も対象に含まれます。介護分野では最長5年の就労が可能ですが、介護福祉士資格を取得すれば在留資格「介護」へ移行できる可能性があります。
在留資格「介護」
介護福祉士の国家資格を取得した外国人が、日本で介護職として働くための在留資格です。専門性が高く、長期的な就労につながりやすいルートです。
技能実習
日本で技能を学び、母国へ移転することを目的とした制度です。介護職種も対象になっていますが、今後は育成就労制度へ移行していく予定です。
EPA
経済連携協定のことです。介護分野では、インドネシア、フィリピン、ベトナムから介護福祉士候補者を受け入れてきました。候補者は日本で働きながら介護福祉士国家試験の合格を目指します。
介護福祉士
日本の介護分野における国家資格です。専門的な介護知識と技術を持つことを示す資格で、外国人が在留資格「介護」で働くためにも重要な資格です。
介護技能評価試験
特定技能1号「介護」で働くために必要な技能水準を確認する試験です。介護の基本的な知識や技能が問われます。
介護日本語評価試験
介護現場で必要な日本語能力を確認する試験です。一般的な日本語だけでなく、介護の仕事で使う言葉や表現を理解する力が求められます。
登録支援機関
特定技能1号の外国人を受け入れる企業に代わって、生活支援や相談対応などを行う機関です。ただし、職場内の教育や人間関係づくりまで全てを丸投げできるわけではありません。
育成就労制度
技能実習制度に代わる新しい制度として導入が予定されている制度です。人材育成と人材確保の両面を意識した制度になる見込みで、介護分野の外国人材受け入れにも影響します。
日本で一番多い外国人介護士の国籍はどこですか?
特定技能1号「介護」に限ると、令和7年12月末時点ではインドネシアが最も多く、21139人です。次いでミャンマー、ベトナム、ネパール、フィリピンが続きます。ただし、技能実習や在留資格「介護」、EPAまで含めた全体では、集計方法によって見え方が変わります。
特定技能1号「介護」の外国人は日本に何人いますか?
令和7年12月末時点で、特定技能1号「介護」の外国人は67871人です。令和7年6月末の54916人から半年で大きく増えています。
外国人介護士の受け入れ制度には何がありますか?
主な制度は、EPA、在留資格「介護」、技能実習、特定技能の4つです。それぞれ目的、働ける期間、必要な資格や試験、キャリアパスが異なります。
インドネシア人介護士が多い理由は何ですか?
インドネシアは人口が多く、若年層も厚い国です。また、日本語教育や送り出し体制が広がっており、介護分野への関心を持つ人材も増えています。特定技能1号の介護分野では、インドネシア人が最多となっています。
ミャンマー人介護士は増えていますか?
はい。特定技能1号「介護」では、ミャンマー人が19803人となっており、インドネシアに次ぐ規模です。近年、ミャンマー人材は介護分野で急速に存在感を高めています。
ベトナム人介護士は多いですか?
ベトナム人材は日本の外国人労働市場全体で非常に大きな存在です。介護分野でも重要な国ですが、特定技能1号「介護」に限ると、インドネシアやミャンマーに次ぐ人数となっています。
外国人介護士を採用するときに一番大切なことは何ですか?
採用時の人数確保だけでなく、入社後の定着支援が重要です。日本語教育、生活支援、現場職員への教育、キャリアパスの提示がなければ、長期定着は難しくなります。
国籍で採用の向き不向きは決まりますか?
国別の傾向はありますが、国籍だけで採用判断をするのは危険です。同じ国の出身でも、日本語力、性格、介護経験、学習意欲、家庭環境は人によって異なります。国別データは市場理解に使い、最終的には個人を見て判断する必要があります。
外国人介護士は今後も増えますか?
増える可能性が高いです。日本では高齢化が進み、介護人材の不足が続いています。特定技能「介護」の受け入れ枠も大きく設定されており、今後も外国人介護士の役割は拡大すると考えられます。
介護施設が外国人材に選ばれるためには何が必要ですか?
給与や待遇だけでなく、教育体制、相談体制、住居支援、資格取得支援、職場の人間関係が重要です。外国人材を単なる人手不足の穴埋めとして扱うのではなく、長期的に育てる専門人材として受け入れる姿勢が必要です。
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