7月 18, 2026 • インドネシア • by Ayako Yamamoto

技能実習育成就労や特定技能ビザで入ってくるインドネシア人達の入国前の苦労を理解する

技能実習育成就労や特定技能ビザで入ってくるインドネシア人達の入国前の苦労を理解する

目次

日本で外国人材の採用を考える時、多くの企業はどうしても「いつ入社できるのか」「日本語はどれくらい話せるのか」「現場でちゃんと働けるのか」という受け入れ側の視点から考えがちです。

もちろん、それは企業として当然です。採用は慈善活動ではなく、事業を継続するための重要な経営判断です。しかし一方で、特定技能ビザで日本に来るインドネシア人材の多くは、日本に入国する前から、すでに長い準備期間、金銭的負担、試験へのプレッシャー、家族との調整、書類手続き、将来への不安と向き合っています。

日本側から見ると「外国人材が入社する日」がスタートに見えます。しかし本人にとっては、その日までにすでに半年から1年以上の努力を積み重ねていることも珍しくありません。

本記事では、特定技能ビザで日本に来るインドネシア人達が、入国前にどのような苦労をしているのかを詳しく解説します。単に「大変そうですね」で終わる話ではありません。企業がこの背景を理解しているかどうかで、採用後の定着率、信頼関係、教育の進み方、現場でのトラブルの少なさが大きく変わります。

 

 

特定技能ビザは「すぐ来られる人材」ではない

特定技能は即戦力を前提にした制度

特定技能は、日本国内で人手不足が深刻な産業分野において、一定の技能と日本語能力を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。

制度上は「一定の技能を持ち、すぐに働ける人材」が想定されています。しかし、ここで誤解してはいけないのは、「すぐに働ける」とは「準備なしで日本に来られる」という意味ではないことです。

特定技能1号で日本に入国する場合、多くの人は日本語試験と技能試験に合格し、求人を探し、面接を受け、雇用契約を結び、在留資格認定証明書の申請を進め、ビザを取得し、インドネシア側の出国関連手続きも行う必要があります。

つまり、入社日だけを見れば「新しい外国人スタッフが来た」という話ですが、本人側ではその前に複数の関門を越えています。人間を採用しているはずなのに、制度上はまるでチェックポイント式のゲームです。しかも失敗すると時間もお金も戻ってきにくい。なかなか人間社会らしい不親切さです。

インドネシア人材の存在感は高まっている

近年、日本で働く特定技能外国人の中で、インドネシア人材の存在感は大きくなっています。特定技能全体の在留者数は増加を続けており、インドネシアは主要な送り出し国の一つになっています。

特に介護、外食、飲食料品製造、農業、製造業、宿泊などの分野では、インドネシア人材への関心が高まっています。インドネシアは人口が多く、若年層も厚く、日本で働くことに前向きな人材も少なくありません。

ただし、ここでも気をつけるべき点があります。「インドネシア人はたくさんいるから採用しやすい」と単純に考えるのは危険です。人口が多いことと、日本で安定して働ける人材を育てることは別問題です。試験に合格し、日本語を学び、家族の理解を得て、合法的な手続きを踏み、日本の職場に適応するまでには、本人にも支援側にも大きな負担があります。

 

 

入国前に必要となる基本的な流れ

日本で働きたいと決める

最初のステップは、本人が日本で働きたいと考えるところから始まります。

インドネシアの若者が日本を目指す理由はさまざまです。より高い収入を得たい、家族を支えたい、海外経験を積みたい、日本の技術や仕事文化を学びたい、将来インドネシアでキャリアアップしたいなど、動機は一人ひとり異なります。

一方で、日本に行くという決断は簡単ではありません。インドネシアは家族との距離が近い文化を持つ地域が多く、若者が数年間海外で働くことは、本人だけでなく家族にとっても大きな決断になります。

親が心配することもあります。兄弟姉妹の生活費を支える期待を背負う人もいます。地方出身者の場合、そもそも家族の中で海外就労の経験者が少なく、日本の制度や仕事内容を理解してもらうだけでも時間がかかります。

日本側では「内定承諾をもらえたかどうか」だけを見がちですが、本人の背後には家族会議、生活設計、借入、期待、不安があります。履歴書には書かれていませんが、かなり重い荷物です。

日本語を学ぶ

特定技能で日本を目指す多くの人は、まず日本語を学びます。

特定技能1号では、原則として日本語能力を確認するためにJFT-BasicまたはJLPT N4以上が求められます。介護分野では、これに加えて介護日本語評価試験も必要になります。分野によっては、より高い日本語能力が求められる場合もあります。

ここで重要なのは、試験合格と実務で使える日本語は同じではないという点です。

N4レベルに合格していても、職場での指示、申し送り、注意事項、事故報告、利用者との会話、先輩からの早口の説明、方言まじりの日本語にすぐ対応できるわけではありません。日本語試験は入口であり、現場対応力そのものではありません。

日本企業が「N4を持っているなら大丈夫」と考えるのは、かなり雑です。雑というより、現場を知らないまま制度名だけ見て安心している状態です。人間は資格証で動く機械ではありません。残念ながら。

技能試験を受ける

次に必要になるのが、分野ごとの技能試験です。

介護、外食、飲食料品製造、農業、建設、宿泊、工業製品製造業など、特定技能には複数の分野があり、それぞれ試験内容や実施団体が異なります。試験日程、会場、費用、予約方法も分野によって違います。

インドネシア国内で受験できる試験も増えていますが、すべての地域で簡単に受けられるわけではありません。受験者は試験会場のある都市まで移動し、予約を取り、受験料を支払い、本人確認書類を揃える必要があります。

試験に落ちれば再受験が必要です。再受験には時間も費用もかかります。受験料だけでなく、交通費、宿泊費、学習期間中の生活費、仕事を休む機会損失も発生します。

日本側では「試験に合格してから紹介してください」と簡単に言いますが、その「合格」の前に、本人はすでに何度もお金と時間を使っている可能性があります。

求人を探して面接を受ける

日本語試験や技能試験に合格しても、それだけで日本に行けるわけではありません。日本の受け入れ企業と雇用契約を結ぶ必要があります。

候補者は求人情報を探し、送り出し機関や紹介会社を通じて応募したり、オンライン面接を受けたりします。最近ではZoomやGoogle Meetなどを使った面接も一般的です。

しかし、オンライン面接にも独特の難しさがあります。通信環境が安定しない地域もあります。日本語で自己紹介をするだけでも緊張します。面接官の日本語が速い、質問が抽象的、仕事内容の説明が曖昧、給与や控除の説明が難しいなど、候補者にとってはかなり高いハードルです。

特にインドネシア人候補者は、相手に失礼にならないように「はい」と答えることがあります。しかし、その「はい」が完全な理解を意味しているとは限りません。

日本企業側がここを誤解すると、入社後に「面接で説明したのに理解していなかった」という不満につながります。しかし本当は、面接時点で説明が相手に伝わる形になっていなかった可能性もあります。

雇用契約と在留資格認定証明書の申請

面接に合格すると、雇用条件を確認し、契約へ進みます。その後、日本側で在留資格認定証明書、いわゆるCOEの申請が行われます。

COEは、日本に入国してその在留資格で活動する条件を満たしているかを確認する重要な書類です。多くの場合、日本側の受け入れ企業や関係者が申請を進めます。

ただし、COEがすぐ出るとは限りません。書類に不備があれば修正が必要になります。受け入れ企業側の書類、支援計画、雇用条件、本人の試験合格証明、健康診断書など、多くの資料が関係します。

候補者にとって、この期間は非常に不安です。内定はある。でもまだ日本に行けるわけではない。いつ出発できるのか分からない。家族にも説明しなければならない。今の仕事を辞めるタイミングも難しい。友人からは「本当に日本へ行けるのか」と聞かれる。

この待機期間のストレスは、企業側が思っているよりも大きいです。

ビザ申請と出国前手続き

COEが発行された後、インドネシア国内でビザ申請を行います。日本大使館や総領事館、指定されたビザ申請センターなどを通じて手続きを進めます。

必要書類には、パスポート、申請書、写真、KTP、KK、COE、E-KTLN関連書類などが含まれます。地域や申請先によって細かな確認事項もあります。

インドネシア側の手続きでは、SISKOP2MIやE-KTLNなど、海外就労者としての登録や保護に関わる制度も関係します。これは労働者保護のために必要な仕組みですが、本人にとってはまた一つ手続きが増えるということでもあります。

書類名、役所名、申請システム、提出順序。これらを正確に理解して進めるのは、候補者にとって簡単ではありません。制度が複雑なのは世界共通の行政芸術です。誰も頼んでいないのに、だいたい複雑です。

 

 

入国前の苦労1:日本語学習の壁

文字の壁が大きい

インドネシア語はアルファベット表記です。一方、日本語にはひらがな、カタカナ、漢字があります。

日本語学習の最初の段階で、多くのインドネシア人がまず文字に苦労します。会話だけであれば音で覚えられる部分もありますが、日本で働くとなると、職場の掲示、マニュアル、注意書き、シフト表、薬品名、機械の表示、利用者情報など、文字を読む場面が増えます。

特に漢字は大きな壁です。N4レベルの漢字を覚えるだけでも時間がかかります。さらに現場では、試験に出るきれいな日本語だけではなく、略語や業界用語も出てきます。

たとえば介護であれば、食事介助、排泄介助、移乗、服薬、記録、申し送りなどの言葉があります。外食であれば、仕込み、発注、在庫、衛生、提供時間、クレーム対応などがあります。製造業であれば、安全確認、異物混入、検品、報告、改善、手順書などがあります。

これらは単なる語彙ではなく、仕事の安全や品質に直結します。

話す力と聞く力の差

日本語学習では、読む力よりも聞く力で苦労する人も多いです。

教科書の日本語はゆっくりで、発音も明確です。しかし現場の日本語は違います。日本人スタッフは忙しい時に早口になります。方言が混じることもあります。省略された指示も多くなります。

「これ、先にやっといて」
「さっきのあれ、戻しておいて」
「そこ危ないから気をつけて」
「もう少し様子見て」

日本人同士なら文脈で分かる表現でも、外国人材にとっては難しいことがあります。特に「あれ」「それ」「ちゃんと」「適当に」「なるべく早く」のような言葉は、意味が曖昧です。日本人は便利に使いますが、外国人にとってはなかなか不親切な言語運用です。

企業側は、入国前から「現場で使う日本語」を教える準備が必要です。試験用の日本語と、仕事用の日本語は分けて考えるべきです。

日本語学習中も生活費がかかる

日本語を学ぶ期間中、候補者は収入が限られることがあります。

語学学校や訓練機関に通う場合、授業料がかかります。地方から都市部の学校に通う場合は、交通費や下宿費が必要になることもあります。仕事をしながら夜に勉強する人もいますが、その場合は学習時間の確保が難しくなります。

日本側から見ると「N4を取ってから来てください」という条件だけに見えるかもしれません。しかし本人側では、働きながら勉強する、家族を支えながら受験料を準備する、試験に落ちても再挑戦する、という現実があります。

この背景を理解している企業は、入国後の教育でも丁寧です。逆に理解していない企業は、「なぜこんな簡単な日本語が分からないのか」と言いがちです。その一言で信頼関係はかなり削れます。

 

 

入国前の苦労2:技能試験のプレッシャー

分野ごとに試験が違う

特定技能では、働く分野ごとに技能試験が異なります。

介護、外食、飲食料品製造、農業、建設、宿泊、工業製品製造業など、それぞれ求められる知識や実技的理解が違います。候補者は自分が目指す分野に合わせて勉強しなければなりません。

ここで問題になるのは、候補者が最初から自分に合った分野を正確に選べるとは限らないことです。

たとえば、介護は人気のある分野ですが、人と接する力、体力、記録力、感情の安定、利用者への配慮が求められます。外食は日本語での接客力やスピード感が必要です。製造業は安全意識や手順遵守が重要です。農業は体力や気候への適応も求められます。

「日本に行けるならどの分野でもいい」と考えてしまう候補者もいます。しかし、分野選びを間違えると、入国後のミスマッチにつながります。

受験料は小さな負担ではない

インドネシア国内で受ける特定技能関連の試験には受験料がかかります。JFT-Basic、介護、農業、外食、飲食料品製造、宿泊、工業製品製造など、分野によって金額は異なります。

日本円に換算するとそれほど高く見えない金額でも、インドネシアの地方出身者や若年層にとっては負担になります。さらに、受験料だけでなく、試験会場までの交通費、宿泊費、食費、再受験費用も必要になります。

試験に一度で合格できればよいですが、必ずしもそうではありません。落ちた場合、再受験まで待つ必要があるケースもあります。その間にモチベーションが下がったり、家族から別の仕事を勧められたりすることもあります。

企業側が「合格者だけ紹介してほしい」と言うのは簡単です。しかし、その合格者は、すでに本人負担で一定のリスクを取ってきた人です。

試験予約にもデジタル対応が必要

試験はオンラインで予約することが多く、Prometric IDの作成、試験日程の確認、会場選択、支払い、本人確認などが必要になります。

都市部の若者であればスムーズに対応できることもありますが、地方出身者やITに慣れていない人にとっては、予約手続き自体がハードルになります。名前のスペル、本人確認書類との一致、生年月日、NIK番号などを間違えると、受験できないリスクもあります。

インドネシアではe-KTPが本人確認書類として使われる場面がありますが、登録情報と予約情報が一致していないと問題になります。単なる入力ミスで受験できない。これほど理不尽な話もありますが、制度は入力ミスに優しくありません。

 

 

入国前の苦労3:試験会場までの移動

インドネシアは広い

インドネシアは非常に広い国です。ジャワ島だけを見ても大きく、さらにスマトラ、カリマンタン、スラウェシ、バリ、ヌサトゥンガラ、マルク、パプアなど、多くの島があります。

試験会場はジャカルタ、スラバヤ、バンドン、ジョグジャカルタ、メダン、スマラン、デンパサール、マナド、マカッサルなど複数都市にありますが、それでもすべての候補者にとって近いわけではありません。

地方出身者にとっては、試験を受けるだけで長距離移動が必要になります。バス、列車、フェリー、飛行機を使う場合もあります。試験前日に移動し、宿泊し、翌日受験し、また帰る。これだけで数日がかりになることもあります。

移動費と宿泊費の負担

試験会場まで遠い候補者にとって、交通費と宿泊費は大きな負担です。

都市部に住む候補者であれば、日帰りで受験できるかもしれません。しかし地方在住者の場合、受験料よりも移動費の方が高くなることもあります。

また、試験は緊張する場面です。慣れない都市に出て、安い宿を探し、翌朝早く会場に向かい、本人確認を受け、コンピューター試験を受ける。これだけでも精神的な負担があります。

日本企業が候補者を見る時、単に「合格済み」かどうかだけでなく、その背景にある努力も理解すべきです。理解したからといって採用基準を下げる必要はありません。しかし、敬意の持ち方は変わります。

 

 

入国前の苦労4:費用負担と借金リスク

見えにくい費用が積み重なる

特定技能で日本を目指す候補者には、さまざまな費用が発生します。

日本語学習費、技能試験対策費、受験料、交通費、宿泊費、パスポート取得費、健康診断費、書類取得費、翻訳やコピー、面接準備、都市部への滞在費などです。さらに、仕事を辞めて準備に集中する場合は、その間の収入も減ります。

一つひとつの金額は大きく見えないかもしれません。しかし、インドネシアの地方家庭にとっては大きな負担です。家族や親戚から借りる人もいます。貯金を使う人もいます。場合によっては、非公式な仲介者に高い費用を支払ってしまうリスクもあります。

ここは企業側が必ず注意すべき点です。

不透明な費用はトラブルの原因になる

特定技能制度では、保証金や違約金契約のような不適切な金銭拘束は問題になります。候補者が不透明な費用や過度な借金を背負って来日すると、入国後の働き方にも影響します。

たとえば、借金返済のために無理な残業を望む、体調が悪くても休まない、会社に不満があっても相談できない、転職できる制度があっても借金や契約の恐怖で動けない、といった問題が起こります。

これは本人だけの問題ではありません。受け入れ企業にとってもリスクです。入社後に「実は高額な費用を払っていた」「説明と違う費用があった」「家族に借金している」と分かると、信頼関係が崩れます。

企業は候補者に費用状況を確認すべき

日本企業は、採用前に候補者へ丁寧に確認すべきです。

どの機関を通じて応募しているのか。本人はいくら支払っているのか。誰に支払っているのか。領収書はあるのか。借金はあるのか。保証金や違約金のような契約はないか。

この質問は、候補者を疑うためではありません。むしろ守るためです。そして企業自身を守るためでもあります。

「うちは紹介会社に任せているから知らない」では済みません。人材採用の世界では、知らないことが最も高くつくことがあります。だいたい後で請求書が来ます。金額だけでなく、信用の請求書です。

 

 

入国前の苦労5:情報の非対称性

候補者は制度を完全には理解していないことがある

特定技能制度は、候補者にとって分かりやすい制度とは言えません。

在留資格、ビザ、COE、技能試験、日本語試験、登録支援機関、受け入れ機関、送り出し機関、P3MI、SISKOP2MI、E-KTLNなど、多くの用語が出てきます。日本人が読んでも面倒です。まして外国語で理解する候補者にとっては簡単ではありません。

候補者の中には、「試験に合格すればすぐ日本に行ける」と思っている人もいます。「内定をもらえばビザは必ず出る」と誤解している人もいます。「日本に行けば必ず高収入になる」と期待しすぎている人もいます。

こうした誤解は、入国後の不満につながります。

SNS情報に影響されやすい

インドネシアでは、TikTok、YouTube、Facebook、Instagramなどで日本就労に関する情報が多く発信されています。

中には有益な情報もありますが、誇張された情報もあります。「日本で月収いくら稼げる」「簡単に行ける」「このルートなら早い」といった投稿が、候補者の期待値を上げすぎることがあります。

実際には、給与から税金、社会保険、家賃、光熱費、食費、通信費が引かれます。地方勤務で生活費が安い場合もあれば、都市部で支出が大きい場合もあります。手取り額は雇用条件や地域によって変わります。

企業は、候補者に対して給与総額だけでなく、控除後の生活イメージを説明する必要があります。

正しい情報を母語で伝える重要性

日本語だけで雇用条件を説明しても、十分に理解されないことがあります。

特に給与、控除、勤務時間、休日、残業、夜勤、寮費、退職時の扱い、契約更新、転職制限、支援内容などは、インドネシア語または分かりやすい英語で説明した方が安全です。

「説明した」ことと「理解された」ことは違います。日本の会社はこの違いをよく混同します。書類にサインがあるから理解している、という考えは危険です。サインはインクです。理解ではありません。

 

 

入国前の苦労6:面接とマッチングの難しさ

日本式の面接に慣れていない

インドネシア人候補者の中には、日本式の面接に慣れていない人もいます。

日本の面接では、志望動機、長所短所、将来の目標、チームワーク、前職での経験などを聞かれることがあります。しかし、候補者が日本語で抽象的な質問に答えるのは簡単ではありません。

「なぜ日本で働きたいですか」
「あなたの強みは何ですか」
「5年後どうなりたいですか」
「困難を乗り越えた経験を教えてください」

これらは日本語中級者でも難しい質問です。N4レベルの候補者にそのまま聞いて、うまく答えられないから評価を下げるのは、面接設計としてあまり賢くありません。

本当に確認すべきこと

特定技能の面接で大切なのは、抽象的な自己PRよりも、仕事への理解、健康状態、生活適応力、家族の同意、費用負担、学習意欲、長期就労の意思、基本的なコミュニケーション力です。

たとえば、介護であれば「高齢者の身体に触れる仕事に抵抗がないか」「夜勤がある可能性を理解しているか」「排泄介助や入浴介助を理解しているか」を確認すべきです。

外食であれば「立ち仕事や忙しい時間帯の対応を理解しているか」「日本語でお客様対応をする意欲があるか」を確認する必要があります。

製造業であれば「安全ルールを守れるか」「同じ作業を丁寧に続けられるか」「報告、連絡、相談を理解できるか」が重要です。

仕事内容の説明不足がミスマッチを生む

企業側が仕事内容を曖昧に説明すると、入社後のミスマッチが起こります。

「介護の仕事です」だけでは不十分です。食事、入浴、排泄、移乗、掃除、記録、夜勤、利用者との会話、感染症対策など、具体的な内容を説明する必要があります。

「食品工場です」だけでも不十分です。立ち仕事、温度環境、衛生服、ライン作業、清掃、早朝勤務、夜勤、単純作業の継続など、実際の働き方を伝えるべきです。

「日本に来たかったから大丈夫だろう」という発想は危険です。来日意欲と仕事内容への適性は別です。ここを分けて見ないと、採用後にお互い不幸になります。

 

 

入国前の苦労7:書類手続きの複雑さ

書類の種類が多い

特定技能で日本に来るには、多くの書類が必要です。

本人側では、パスポート、本人確認書類、家族関係書類、健康診断書、試験合格証明、写真、申請書類などが関係します。日本側では、雇用契約書、支援計画、会社資料、報酬条件、労働条件通知書などが必要になります。

さらに、インドネシア側の海外就労者としての登録や出国関連書類もあります。

書類が多いだけでなく、それぞれの名前、日付、住所、番号、スペルが一致している必要があります。インドネシアでは、KTP、KK、パスポートで表記に違いがあるケースもあります。名前の順番、略称、スペース、出生地の表記が違うだけでも確認が必要になります。

地方出身者は役所手続きにも時間がかかる

地方出身者の場合、必要書類を取得するために地元の役所へ行かなければならないことがあります。

都市部に住んでいる候補者でも、KTPやKKの登録地が実家のある地域になっている場合、家族に依頼したり、本人が帰省したりする必要が出ることがあります。

このような手続きは、企業側からは見えにくいです。しかし本人にとっては、時間も交通費もかかります。場合によっては、役所の担当者によって説明が違ったり、追加書類を求められたりすることもあります。

制度は紙とPDFでできているように見えますが、実際には人間が窓口で動かしています。そして人間の窓口は、時々かなり気まぐれです。

COEが出ても安心しきれない

在留資格認定証明書が発行されると、日本行きが大きく近づきます。しかし、それだけで全てが終わるわけではありません。

その後、ビザ申請があります。航空券の手配もあります。出国前の説明もあります。日本到着後の空港送迎、住居、生活開始準備も確認しなければなりません。

本人はこの段階で期待が高まりますが、同時に不安も大きくなります。出発日が決まるまでは、家族も本人も落ち着きません。

企業側は、COE発行後から入国までの連絡を丁寧に行うべきです。ここで連絡が少ないと、候補者は不安になります。不安が高まると、別の求人に流れたり、家族が反対したりすることもあります。

 

 

入国前の苦労8:家族との調整

家族の理解は非常に重要

インドネシアでは、家族との関係が強い人が多く、海外就労は本人だけの意思で決まらないことがあります。

親が心配する。配偶者が不安に思う。兄弟姉妹の学費を支える必要がある。祖父母の介護がある。地域社会から期待される。こうした事情は候補者によって異なります。

日本側の企業は、候補者個人だけを見て判断しがちです。しかし実際には、候補者の背後に家族の意向があります。

家族が日本での仕事内容や生活を理解していない場合、出発直前に反対されることもあります。特に女性候補者の場合、家族が安全面を心配するケースもあります。介護や外食など、勤務時間が不規則になる可能性がある分野では、家族への説明が重要です。

仕送りへの期待

日本で働く目的の一つに、家族への仕送りがあります。

候補者は、日本で稼いだお金で親を支えたい、家を建てたい、弟妹の学費を払いたい、借金を返したいと考えていることがあります。これは前向きな動機でもありますが、プレッシャーにもなります。

日本での手取り額や生活費を正しく理解していないと、入国後に「思ったより仕送りできない」と感じることがあります。これは本人の不満だけでなく、家族からのプレッシャーにもつながります。

企業側は、面接時点で手取りイメージを現実的に伝えるべきです。総支給額だけを見せて魅力的に見せるのは、短期的には採用しやすくても、長期的には不信感を生みます。

 

 

入国前の苦労9:宗教・食事・生活習慣への不安

技能実習育成就労や特定技能ビザで入ってくるインドネシア人達の入国前の苦労を理解する

イスラム教徒の候補者も多い

インドネシアは世界最大規模のイスラム教徒人口を持つ国です。もちろん、インドネシア人全員がイスラム教徒ではありません。キリスト教徒、ヒンドゥー教徒、仏教徒、その他の信仰を持つ人もいます。

ただし、インドネシア人材を受け入れる場合、宗教や食事への配慮は重要なテーマになります。

イスラム教徒の場合、豚肉やアルコールを避ける人が多く、礼拝習慣を持つ人もいます。どの程度厳格に実践するかは個人差があります。ここを「インドネシア人だからこうだ」と決めつけるのも危険です。

大切なのは、本人に確認することです。

入国前に生活環境を説明する

日本での生活において、候補者が不安に感じることは多くあります。

近くにスーパーはあるのか。ハラール食品は買えるのか。職場で礼拝の時間は取れるのか。寮にキッチンはあるのか。冬の服は必要なのか。自転車で通勤できるのか。病院に行く時はどうするのか。

これらを入国後に初めて説明するのでは遅い場合があります。入国前から、住居の写真、周辺環境、通勤方法、買い物場所、生活費の目安を共有しておくと、候補者は安心しやすくなります。

これは過剰な甘やかしではありません。定着率を上げるための普通の準備です。人を海外から呼ぶのに、住む場所の説明もしないというのは、なかなか勇敢というか、無謀です。

 

 

入国前の苦労10:待機期間の不安

合格してもすぐに働けない

特定技能では、試験に合格してもすぐに日本で働けるわけではありません。

求人を探し、面接を受け、契約し、COE申請を行い、ビザを取得し、出国手続きを行う必要があります。この間に数カ月かかることがあります。

候補者にとって、この待機期間はとても不安です。合格したのに仕事が決まらない。内定したのにCOEが出ない。COEが出たのにビザ申請が進まない。出発日が決まらない。こうした状態が続くと、本人の生活計画が立てにくくなります。

現職を辞めるタイミングが難しい

候補者の中には、インドネシア国内で働きながら日本行きを準備している人もいます。

内定後、いつ現在の仕事を辞めるべきかは難しい問題です。早く辞めすぎると収入がなくなります。しかし出発直前まで働くと、書類準備や出国前研修に対応できないことがあります。

企業側が入国予定を曖昧にしたままにすると、候補者は困ります。もちろん、COEやビザの審査は企業が完全にコントロールできるものではありません。それでも、分かっている範囲でスケジュールを共有することはできます。

「まだ分かりません」で何週間も放置すると、候補者の不安は増えます。人間は未確定に弱い生き物です。企業も候補者も同じです。

 

 

業種別に見る入国前の苦労

介護分野

介護分野を目指すインドネシア人材は、日本語試験、技能評価試験、介護日本語評価試験など、複数の準備が必要になります。

介護は人と深く関わる仕事です。単に体力があるだけでは不十分です。高齢者への声かけ、尊厳への配慮、事故防止、記録、チーム連携などが求められます。

入国前の段階では、候補者が介護の仕事内容をどこまで理解しているかが重要です。特に排泄介助や入浴介助、認知症対応などは、国や文化によって受け止め方が違うことがあります。

介護職を希望していても、実際の仕事内容を十分に理解していない人もいます。企業側は、面接時にかなり具体的に説明すべきです。

外食分野

外食分野では、日本語での接客、スピード、清潔感、チームワークが求められます。

候補者にとって難しいのは、試験で問われる知識と、実際の店舗で求められる動きが違うことです。お客様対応、注文確認、クレーム対応、忙しい時間帯の連携、衛生管理など、現場では瞬時の判断が必要です。

また、飲食店では豚肉やアルコールを扱う場合もあります。イスラム教徒の候補者にとって、どこまで対応可能かを事前に確認する必要があります。これは採用差別ではなく、業務適性と本人の信条を尊重するための確認です。

飲食料品製造分野

飲食料品製造では、衛生管理、ライン作業、検品、清掃、温度管理などが重要です。

候補者は、工場勤務の単調さや厳格なルールを理解しておく必要があります。日本の食品工場では、髪の毛、異物混入、手洗い、服装、記録などに非常に細かいルールがあります。

入国前に「食品工場だから簡単そう」と思っていると、入社後にギャップが生まれます。実際には、立ち仕事が長く、早朝勤務や夜勤があり、同じ作業を正確に続ける集中力が求められます。

農業分野

農業分野では、体力、気候への適応、地方生活への理解が重要です。

日本の農業は地域によって仕事内容が大きく異なります。野菜、果物、畜産、施設栽培、露地栽培などで働き方が違います。季節によって忙しさも変わります。

インドネシア人材にとって、日本の冬や地方での生活は大きな変化になることがあります。寒さ、交通の少なさ、買い物環境、地域コミュニティとの関わりなど、都市部とは違う課題があります。

製造業分野

製造業では、安全意識、作業手順、報告、改善、品質管理が重要です。

候補者は、機械や工具に関する基本知識だけでなく、日本式の安全ルールに慣れる必要があります。分からない時に質問する、異常を見つけたら報告する、勝手に判断しない、手順を守る。これらは当たり前に見えて、文化や職場経験によって差が出ます。

入国前に安全教育の基本を伝えておくと、入社後の事故リスクを下げることができます。

宿泊分野

宿泊分野では、日本語力と接客力が特に重要になります。

ホテルや旅館では、丁寧な言葉遣い、お客様対応、清掃品質、時間管理、チーム連携が求められます。外国人観光客対応で英語が役立つ場面もありますが、日本国内の宿泊施設では日本語での対応力が不可欠です。

候補者にとって難しいのは、日本の接客文化です。お辞儀、敬語、間の取り方、謝罪表現、クレーム対応などは、インドネシアの接客文化とは異なります。

入国前から接客ロールプレイを行うと、現場適応がスムーズになります。

 

 

日本企業が理解すべきポイント

「日本に来たい人」ではなく「日本で働き続けられる人」を採用する

特定技能採用で失敗しやすい企業は、「日本に来たい人なら頑張るだろう」と考えます。

もちろん、日本で働きたいという意欲は大切です。しかし、それだけでは足りません。仕事内容への理解、生活環境への適応、家族の同意、費用負担の健全性、日本語学習の継続力、ストレス耐性が必要です。

採用時には、候補者の夢だけでなく、現実への理解も確認すべきです。

入国前から教育を始める

入国してから全てを教えるのでは遅い場合があります。

内定後から入国までの期間に、職場で使う日本語、仕事内容、会社ルール、生活情報、寮の使い方、通勤方法、給与明細の見方などを少しずつ共有すると、入国後の混乱を減らせます。

動画、写真、インドネシア語資料、簡単な日本語教材を使うと効果的です。特に現場写真や寮の写真は安心感につながります。

連絡を放置しない

内定後から入国まで、候補者との連絡を放置してはいけません。

COE申請中、ビザ待ち、出発待ちの期間は、候補者が最も不安になりやすい時期です。週に1回でも進捗連絡があると安心できます。

連絡内容が「まだ進展はありません」でも構いません。何も連絡がないよりはずっと良いです。

日本企業は、問題が起きた時だけ連絡しがちです。しかし、海外人材採用では、問題が起きないように連絡することが大切です。

給与と控除を分かりやすく説明する

候補者には、総支給額だけでなく、手取り額の目安を説明すべきです。

税金、社会保険、雇用保険、寮費、水道光熱費、食費、通信費などを考えると、実際に自由に使える金額は変わります。

候補者が仕送りを予定している場合、毎月どれくらい送金できそうかを現実的に考えてもらう必要があります。ここを曖昧にすると、入国後に「思ったより残らない」という不満につながります。

支援内容を具体的に伝える

特定技能1号では、受け入れ企業または登録支援機関による支援が重要です。

空港送迎、住居確保、生活オリエンテーション、銀行口座開設、携帯電話契約、役所手続き、日本語学習支援、相談対応など、支援内容は候補者にとって大きな安心材料です。

企業側は「支援します」とだけ言うのではなく、誰が、いつ、何を、どの言語で支援するのかを説明すべきです。

 

 

入国前の苦労を理解することが定着率につながる

特定技能人材の採用コストはいくら

理解されていると感じる人材は相談しやすい

入国前の苦労を企業が理解していると、候補者は「この会社は自分の状況を分かってくれている」と感じやすくなります。

この信頼は、入国後に効いてきます。困った時に相談しやすい。分からないことを隠さない。ミスを早めに報告する。体調不良を無理に隠さない。こうした行動につながります。

逆に、企業が候補者の苦労を理解せず、「雇ってあげている」という態度を出すと、候補者は相談しなくなります。問題を抱え込むようになります。最終的には退職や失踪、トラブルにつながることもあります。

採用は入国前から始まっている

外国人材採用は、入社日から始まるのではありません。

求人票を出した時、面接をした時、契約条件を説明した時、COE申請を待っている時、ビザ手続き中に連絡した時、出発前に生活情報を共有した時。すべてが採用プロセスの一部です。

入国前の対応が雑な会社は、入国後の対応もだいたい雑です。候補者はそれを見ています。

「優しさ」ではなく「経営」として考える

インドネシア人材の入国前の苦労を理解することは、単なる優しさではありません。

採用辞退を防ぐ。入国後のミスマッチを減らす。教育コストを下げる。早期退職を防ぐ。職場の日本人スタッフの負担を減らす。労務トラブルを防ぐ。つまり、経営上の合理性があります。

外国人材採用では、相手の背景を理解する会社ほど強くなります。逆に、制度だけ見て人間を見ない会社は、採用しても定着しません。

人材採用で「人」を見ないというのは、なかなか大胆な失敗です。しかも多くの会社がそれをやります。人類、相変わらずです。

 

 

受け入れ企業が入国前に準備すべきこと

候補者向け説明資料を作る

まず、候補者向けに分かりやすい説明資料を作ることが重要です。

会社概要、仕事内容、勤務地、勤務時間、休日、給与、控除、寮、食事環境、通勤方法、支援内容、入国までの流れをまとめます。日本語だけでなく、インドネシア語またはやさしい英語で作ると効果的です。

写真を入れるとさらに良いです。職場、寮、周辺のスーパー、駅、制服、食堂などを見せると、候補者は日本での生活をイメージしやすくなります。

面接前に仕事内容を動画で見せる

面接前に仕事内容の動画を見せると、ミスマッチを減らせます。

介護であれば施設の様子、外食であれば店舗の動き、製造業であれば工場内の作業環境、農業であれば畑や作業風景を見せます。

もちろん個人情報や企業秘密には注意が必要です。しかし、候補者が仕事内容を理解するための材料は必ず必要です。

内定後の連絡スケジュールを決める

内定後は、定期的に連絡する仕組みを作ります。

COE申請状況、ビザ申請準備、出発予定、入国後の流れ、日本語学習課題などを共有します。連絡担当者を決め、候補者が質問できる窓口を明確にします。

候補者は、連絡がないと不安になります。不安になると、他の求人に流れることがあります。これは本人が不誠実なのではなく、生活がかかっているからです。

費用負担の確認を行う

候補者がどのような費用を負担しているかを確認します。

不透明な費用、高額な借金、保証金、違約金のようなものがないかを確認します。問題がありそうな場合は、紹介会社や送り出し機関に確認する必要があります。

これは非常に重要です。入国後に発覚すると、本人も企業も対応が難しくなります。

家族にも説明できる情報を渡す

候補者本人だけでなく、家族に説明できる資料を渡すのも有効です。

勤務地、仕事内容、給与、住居、支援体制、緊急連絡先などをまとめておくと、家族の不安を減らせます。特に若い候補者や女性候補者の場合、家族の安心感は非常に大切です。

家族が安心すると、候補者も安心して出国できます。

 

 

まとめ

特定技能ビザで日本に入国するインドネシア人材は、日本に来る前から多くの苦労を経験しています。

日本語学習、技能試験、受験料、移動費、書類手続き、面接、COE申請、ビザ申請、家族との調整、宗教や食事への不安、待機期間のストレス。これらを一つずつ乗り越えて、ようやく日本に来ます。

日本企業側から見ると、外国人材の採用は「人手不足を補う手段」に見えるかもしれません。しかし候補者側から見ると、それは人生を大きく変える決断です。

もちろん、企業は候補者に過度に合わせる必要はありません。仕事である以上、ルール、品質、安全、成果は必要です。しかし、入国前の背景を理解している会社と、何も理解していない会社では、採用後の関係性が大きく変わります。

インドネシア人材を採用する上で大切なのは、「来日前の努力に敬意を持つこと」「現実的な情報を伝えること」「不透明な費用や誤解を防ぐこと」「入国前から信頼関係を作ること」です。

特定技能人材は、単なる労働力ではありません。試験を受け、家族を説得し、費用を準備し、不安を抱えながら日本を目指す一人の人間です。

そこを理解できる企業ほど、外国人材採用で成功しやすくなります。

 

 

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本記事で使用した単語の解説

特定技能

日本の人手不足分野で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が働くための在留資格です。特定技能1号と特定技能2号があります。

特定技能1号

一定の知識や経験を必要とする業務に従事する外国人向けの在留資格です。通算で最長5年まで在留でき、原則として家族帯同は認められていません。

特定技能2号

より熟練した技能を持つ外国人向けの在留資格です。分野によって対象が異なり、更新により長期的に働ける可能性があります。条件を満たせば家族帯同も可能です。

JFT-Basic

国際交流基金が実施する日本語試験です。特定技能1号の日本語能力確認に使われる試験の一つで、日本で生活し働くための基礎的な日本語力を測ります。

JLPT N4

日本語能力試験のレベルの一つです。特定技能1号では、原則としてJLPT N4以上またはJFT-Basicの合格が日本語要件として使われます。

技能試験

特定技能の各分野で必要となる専門知識や技能を確認する試験です。介護、外食、農業、製造業、宿泊など、分野ごとに試験内容が異なります。

介護日本語評価試験

介護分野で特定技能を目指す人が受ける日本語試験です。通常の日本語能力に加えて、介護現場で使われる日本語の理解が求められます。

COE

Certificate of Eligibilityの略で、日本語では在留資格認定証明書と呼ばれます。日本に入国して特定技能として働く条件を満たしているかを確認する重要な書類です。

ビザ

日本へ入国するために必要となる査証です。在留資格とは別の手続きであり、COEが発行された後に在外公館などで申請します。

E-KTLN

インドネシアの海外就労者に関係する登録書類です。日本へ働きに行くインドネシア人材の出国前手続きで関係することがあります。

SISKOP2MI

インドネシアの移住労働者保護に関わるシステムです。海外就労に関する登録や手続きで使われます。

P3MI

インドネシアの海外労働者派遣会社を指す言葉です。日本の特定技能採用でも、ルートによって関係する場合があります。

登録支援機関

特定技能1号の外国人に対して、生活や就労に関する支援を行う機関です。受け入れ企業が自社で支援できない場合、登録支援機関に委託することがあります。

生活オリエンテーション

日本で生活するために必要なルールやマナー、交通、災害対応、役所手続きなどを説明する支援です。特定技能1号の受け入れで重要な支援項目です。

 

 

FAQ

インドネシア人材は特定技能で日本に来るまでどれくらい時間がかかりますか?

人によって異なりますが、日本語学習、技能試験、面接、雇用契約、COE申請、ビザ申請、出国前手続きまで含めると、半年から1年程度かかることがあります。すでに試験に合格している人でも、書類やビザの手続きに時間がかかる場合があります。

試験に合格していればすぐに入国できますか?

すぐに入国できるわけではありません。試験合格後、日本の企業と雇用契約を結び、COE申請を行い、ビザ申請を進める必要があります。試験合格は重要な条件ですが、それだけで入国が保証されるわけではありません。

N4に合格していれば日本の現場で問題なく働けますか?

N4合格は基礎的な日本語能力の証明にはなりますが、現場で問題なく働けることを保証するものではありません。職場では、指示理解、報告、記録、接客、利用者対応など、試験とは違う日本語力が求められます。

インドネシア人材の入国前費用は誰が負担しますか?

費用負担はルートや契約内容によって異なります。受験料、学習費、交通費、書類取得費などを本人が負担する場合もあります。企業は、候補者が不透明な費用や過度な借金を背負っていないかを確認することが重要です。

企業は候補者の家族に説明する必要がありますか?

必須ではありませんが、家族が安心できる情報を候補者に渡すことは非常に有効です。勤務地、仕事内容、住居、給与、支援体制などを分かりやすく説明できる資料があると、出国前の不安を減らせます。

面接では何を確認すべきですか?

日本語能力だけでなく、仕事内容への理解、家族の同意、健康状態、費用負担、長期就労の意思、生活環境への適応力を確認するべきです。抽象的な質問よりも、実際の仕事内容に沿った具体的な質問が有効です。

インドネシア人材に宗教配慮は必要ですか?

必要になる場合があります。インドネシア人の中にはイスラム教徒が多く、食事や礼拝に配慮が必要な人もいます。ただし、宗教実践の程度は個人差があります。決めつけず、本人に確認することが大切です。

入国前に企業ができる支援はありますか?

あります。仕事内容の説明、給与と控除の説明、住居情報の共有、生活情報の提供、日本語学習課題、定期連絡、出発前オリエンテーションなどが有効です。入国前から信頼関係を作ることが、入国後の定着につながります。

登録支援機関に任せれば企業は何もしなくてよいですか?

登録支援機関に支援を委託することはできますが、企業が何もしなくてよいわけではありません。実際に働く場所は企業であり、現場での教育、労務管理、人間関係づくりは企業の責任です。

入国前の苦労を理解することは採用にどう役立ちますか?

候補者の不安を減らし、採用辞退や入国後のミスマッチを防ぎやすくなります。また、候補者が相談しやすい関係を作れるため、早期退職やトラブルの予防にもつながります。

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