4月 25, 2025 • インドネシア • by Yutaka Tokunaga

日銭感覚のインドネシア人はなぜ中々お金が貯まらないのか?

日銭感覚のインドネシア人はなぜ中々お金が貯まらないのか?

お金は「使うもの」?それとも「貯めるもの」?

私はTimedoor Academyという子供向けのITスクールを50教室ほど経営しています。今度は小学生にお金の授業をしたいなぁと思っています。それはインドネシアのこんな金銭感覚を観察したからです。

「今日もらったお金は、今日使う。」

それがインドネシアの多くの家庭、職場、そして子どもたちの中に根強くある金銭感覚です。

対して日本では、子どもがお小遣いを1ヶ月単位でもらい、「どう使うか」「どこで貯めるか」を考える文化が浸透しています。

この差は単なる文化の違いではなく、金融リテラシーの基礎に大きな差を生んでいます。

この記事では、インドネシア社会における金銭習慣と教育の問題点、そしてそれをどう「投資感覚」へと変えていくかを掘り下げます。

 

 

子どものお小遣い文化に見る価値観の違い

子どものお小遣い文化に見る価値観の違い

インドネシアの「日銭文化」

  • 子どもは親から毎日Rp 5,000〜10,000ほどのお小遣いをもらう
  • その日の昼食やお菓子にすぐ使い切るのが当たり前
  • 「残す」「貯める」という発想はまだ乏しい

日本の「予算管理文化」

  • 小学生でも月単位でお小遣いを管理
  • 「使いすぎたら来月まで待つ」という自己管理を学ぶ
  • 欲しいもののために計画的に貯めるという思考が身につく

この違いは、のちの「貯蓄」「投資」「信用」にまで影響を及ぼします。

 

大人の世界も“その日暮らし”

大人の世界も“その日暮らし”

インドネシアでは、OjekドライバーやTukangなどの日雇い労働者など、日払いで収入を得る人々が多数存在します。

  • 毎日現金で手に入り、その日のうちに家計や食費、タバコ代に消える
  • 貯金や保険に回す余裕がない
  • 将来の計画が立てづらい

これは経済的な余裕の問題であると同時に、「お金=即時消費」という思考パターンの影響でもあります。

 

 

インドネシア特有の金融文化から生まれたサービス

インドネシア特有の金融文化から生まれたサービス

1. Kasbon(前借り)

  • 労働者が給料日前にお金を前借りする慣習
  • 雇用主が非公式に貸し付けることが多く、返済トラブルや依存を招く場合も

2. Paylater(後払い)

  • Gojek、Shopee、Tokopediaなどが提供する「今買って後で払う」仕組み
  • クレジットカードを持たない若者や低所得層でも手軽に使える
  • しかしリテラシーが低い層では無計画な利用→多重債務に陥るケースも

3. Arisan(回転貯金)

  • グループで毎月定額を出し合い、順番に全額を受け取る伝統的な貯蓄・融資システム
  • 信頼関係を基盤とするが、脱退やトラブル時の対処が曖昧

4. Pinjol(Pinjaman Online = オンラインローン)

  • 数クリックで融資が受けられるデジタルマイクロファイナンス
  • 急増するアプリと簡単な審査の裏には、高金利・取り立て・個人情報漏洩などの問題も
  • 特にリテラシーの低い若年層や都市労働者層で被害が拡大中

これらの金融手段は、一見便利に見えて、計画的な資産形成から人々を遠ざけることもあります。

 

 

なぜ“お金の授業”が必要なのか?

なぜ“お金の授業”が必要なのか?

金融リテラシー教育が育む3つの力

  1. お金の基礎:稼ぐ、貯める、使うというお金の役割の基礎を身につける
  2. 先を見通す力と投資:お金の価値が「今」だけでなく「未来」にもあることを理解し、貯めて投資に回ることの重要性を学ぶ。
  3. 信用と信用履歴の重要性:出来る限りお金は借りない、借りたものは返す、遅れない、お金と倫理の意識

他国の実際の教育例

  • 日本:小学生から「お金の使い方」授業を実施
  • アメリカ:高校で株式投資やキャッシュフローを学ぶプログラムも
  • シンガポール:政府が主体となって貯蓄習慣を家庭に導入

 

 

まとめ:お金を“使う文化”から、“育てる文化”へ

インドネシアにおける金銭感覚は、まだ「その日を生きる」ことに重きが置かれています。
しかし、国としても個人としても豊かになるには、「お金をいかに育てるか」を考える社会へと変化していかなければなりません。

その第一歩が、子供の教育における「お金の授業」ではないでしょうか。

私たちの生活において避けては通れない大切なもの「お金」。私は自分のスクールでTimedoor Academyで子供達にお金の事を教えることに挑戦してみます。

 

 

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