
1月 18, 2025 • インドネシア
6月 6, 2025 • インドネシア • by Delilah
目次
インドネシアでは、法律で認められた範囲でポリガミ(一夫多妻制度)が存在し、現実に実践している人々もいます。これは日本では想像もしにくい現象です。
一方で、日本では生産年齢人口(15歳〜64歳)の減少が深刻化しており、将来的な国家の持続可能性すら危ぶまれています。日本の人口問題の本質と、極論ではありますがポリガミのような文化的選択肢に目を向けるべきなのかという問題提起を行います。(私は個人的にはポリガミを良い事だとは考えていません。)
人口構造の急激な変化
日本の総人口はすでに2010年をピークに減少に転じており、今後も加速度的に減少していくことが予測されています。特に生産年齢人口(15〜64歳)は、1995年の8,700万人をピークにすでに1,000万人以上減少し、2040年には5,000万人台に突入すると見込まれています。
なぜここまで減っているのか?
最大の理由は、少子化です。出生率は長年にわたって1.4前後を維持しており、人口の自然減が続いています。加えて、若年層の晩婚化・非婚化、共働き家庭の負担、育児コストの高さも出生数減少に拍車をかけています。
労働力不足と経済の縮小
すでに多くの業界で人手不足が深刻化しています。建設、介護、IT、農業など、多様な分野で人材確保が難しくなり、国内経済の停滞要因となっています。
社会保障制度の崩壊リスク
高齢者を支えるべき現役世代の数が減ることで、年金・医療・介護制度の持続可能性が揺らいでいます。社会保障は若い世代が高齢者を支えなければいけないので、若者の負担が大幅に増えることになります。2050年には、現役世代1人が1人以上の高齢者を支える形になるという試算もあります。
法律と宗教に根ざした制度
インドネシアではイスラム法に基づき、男性が複数の妻を持つことが法律上認められています(ただし、裁判所の許可など一定の手続きが必要)。政府関係者や宗教指導者の間では、実際に複数の妻を持つケースも存在します。
一般家庭における現状
実際にポリガミ(一夫多妻)を実践しているのは全体の1%未満ともいわれており、一般的とはいえません。ただし、家父長制の価値観や伝統的な村落社会の中では受容されている場面も多く、都市部と地方では受け止め方に大きな差があります。
生物学的には可能性がある
理論上、1人の男性が複数の女性と子どもをもうければ出生数は増えます。例えば、1人の男性が4人の妻とそれぞれ2人の子どもを持てば、単婚よりも子どもが多くなる可能性があります。
ポリガミで誕生した子どもの数は謎
全てのポリガミが公式な結構ではないため、公的統計では明確な出生者数は不明ですが、学術研究によると「青少年ポリガミ結婚」の事例も報告されており、一村あたり平均3組程度、16~18歳の子どもが絡む複数婚が存在していたという調査結果があります(例:ある地域で48組のうち16組がいわゆる“青少年ポリガミ家族”) 。このような若年層の重婚が、出生数にどの程度寄与しているかは未だ明確ではありませんが、非正規婚を含めて一定の影響があると推察されます。
女性の権利と感情の犠牲
実際のポリガミ家庭では、第一夫人の精神的ストレス、家庭内の格差、不平等な扱いなど、深刻な問題が報告されています。法的には女性側の同意が必要とされていても、現実には強制的・一方的に決定されるケースも少なくありません。
性的搾取(児童売春)とのリンク
特に貧困や家族の意向によって、学費や生活費の名目で10代の少女が「妻」や「同居人」として若年婚を強いられ、結果的に性的役割を担わされるケースも確認されています。政府や国際機関はこれを児童買春や性的搾取に近い事例として警戒しています 。
子どもへの影響
家族間の対立や、母親間の争いによる心理的影響が子どもに及ぶこともあります。子育てが非効率になり、結果的に子どもの教育・発育にも悪影響を及ぼすリスクが高まります。
人口問題は文化の壁を超えるか?
もちろん、ポリガミの導入を日本で真剣に議論するのは現実的ではありません。社会制度、文化的価値観、法制度のどれをとっても、ポリガミを受け入れる土壌はないでしょう。しかし、この記事の目的はそこにあるのではありません。
私たちが真剣に考えるべきなのは、「人口減少という日本の国難に対し、これまでの常識や慣習にとらわれずに大胆な発想ができるか?」ということです。
学ぶべきは“多様な家族モデル”の再定義?
フルタイム共働き夫婦への支援強化、シングルマザー・シングルファザーの社会的地位の向上、事実婚の合法化、同性婚の容認など、人口維持のためには多様な家族形態を受け入れる柔軟な社会構造が求められるかもしれません。
インドネシアのポリガミという文化はあくまで極端な例かもしれません。しかし、固定観念を壊し、新たな発想に向き合うヒントを私たちに与えてくれるのではないでしょうか。
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