5月 5, 2025 • インドネシア, 特定技能・技能実習 • by Reina Ohno

どの国がいい?国籍別に見る外国人技能実習生・特定技能人材の性格と特徴徹底比較

どの国がいい?国籍別に見る外国人技能実習生・特定技能人材の性格と特徴徹底比較

日本社会は今、深刻な人手不足という課題に直面しています。特に農業、介護、建設、外食といった労働集約型産業では、国内人材だけでは人員を確保することが難しくなっており、外国人労働者の力がますます重要になっています。その中で注目されているのが「技能実習制度」と「特定技能制度」という2つの制度です。これらの制度を活用することで、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、ネパール、タイ、中国、カンボジアといった国々から多様なバックグラウンドを持つ若者たちが日本に来て、現場で活躍しています。

本記事では、それぞれの国から来日する人材の一般的な性格や働き方の傾向、注意すべき点などを体系的に解説し、実際の受け入れ現場で役立つヒントを提供します。文化や価値観の違いを乗り越え、共に働くための第一歩として、ぜひご活用ください。

 

 

外国人労働者受け入れの現状と背景

少子高齢化による人手不足を背景に、日本では近年ますます多くの外国人労働者が活躍しています。特に「技能実習制度」と「特定技能制度」は、発展途上国から若者を受け入れ、農業・飲食・介護・建設など人材不足が深刻な業界を中心に労働力を確保する枠組みとして重要な役割を担っています。技能実習制度は発展途上国への技能移転を目的とした研修制度で、最長5年間の就労・研修が可能です。一方、特定技能制度は2019年に新設された在留資格で、一定の試験に合格した即戦力人材を最長5年(特定技能2号は無期限更新可)受け入れるものです。両制度とも、受け入れ企業にとっては人手不足解消の手段であり、外国人本人にとっては日本で働いて技術や収入を得るチャンスとなっています。

では、実際に日本で働く外国人労働者はどこの国から来ているのでしょうか。現在、技能実習生も特定技能人材もその出身国はアジア地域に偏っており、特にベトナム出身者が突出して多い状況です。法務省の統計によれば、技能実習生は全体の半数以上をベトナム人が占め、次いで中国人、インドネシア人、フィリピン人と続きます。上位3か国(ベトナム・中国・インドネシア)で約80%を占めており、残りをフィリピンやミャンマー、タイ、ネパール、カンボジアなどが分け合っているのが現状です。また特定技能でもベトナム人が最多で、技能実習から特定技能へ在留資格を変更して引き続き働くケースも増えています。特にベトナムは2010年代後半から急増し、日本企業との協力体制も整備されたことから最大の送り出し国となりました。一方でベトナムの国内経済発展に伴い、近年は伸びがやや鈍化する傾向も指摘されています。そのため、「ポスト・ベトナム」としてネパールやミャンマーといった国々が今後台頭してくる可能性も高いと言われています。実際、ネパール人技能実習生は近年増加傾向にあり、ミャンマーやバングラデシュなども含め新たな送り出し国からの受け入れが期待されています。いずれの国の人材も若年層が中心であり、母国では高い向上心を持った若者たちが日本行きを志望しています。

しかし、同じアジア圏出身といっても国ごとの文化や国民性の違いは無視できません。日本人にとって当たり前の職場ルールや習慣が、相手の国ではそうでない場合もあります。各国の人材が持つ一般的な性格や働き方の傾向を理解しておくことは、現場でのコミュニケーション円滑化や定着率向上に大いに役立ちます。以下では、特に日本企業での需要が高いベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、ネパールの5か国の外国人人材について、その性格・特徴を国籍別に比較しながら解説します。あくまで一般的な傾向ではありますが、実際に受け入れを検討する際の参考情報としてご活用ください。

 

 

ベトナム人材の性格・特徴

ベトナム人材の性格・特徴

ベトナムからの人材は、日本で働く外国人の中で最も大きな割合を占めており、多くの業界で活躍しています。農業や製造業、建設業から介護まで幅広い分野に進出しており、20代を中心とした若い世代が多いことも特徴です。歴史的にも逞しい国民性を持つと言われるベトナム人ですが、日本の職場文化にも比較的適応しやすく、受け入れ企業からの評価も高い傾向があります。日本と似た集団主義的な面があり、チームワークを重んじて真面目に業務に取り組む人が多いようです。

ベトナム人材の長所

  • 勤勉で向上心が高い: ベトナム人の多くは仕事に対して熱心で、一生懸命に学ぼうとする姿勢が見られます。日本で習得した技術を持ち帰り自国で活かしたいという意欲が強く、与えられた作業を最後までやり遂げる粘り強さがあります。ものごとに積極的でエネルギッシュな若者が多く、職場でも成長意欲が高いため、技術習得や日本語学習にも熱心です。
  • 手先が器用で品質意識が高い: ベトナム人は細かい作業にも根気強く取り組み、器用さを発揮する人が多いと言われます。手仕事の器用さや几帳面さは日本人と共通する面があり、製造業や建設業などで高い品質が求められる業務でも力を発揮しやすいです。農業分野でも真面目にコツコツと作業をこなし、丁寧な仕事ぶりだと評価する声が聞かれます。
  • 人懐っこくチームに溶け込みやすい: アジア特有の親しみやすさを持ち合わせ、初対面でも笑顔で接してくれるフレンドリーな人柄の方が多いです。礼儀正しく挨拶もしっかりできるため、日本人スタッフとも比較的早く打ち解ける傾向があります。集団行動にも馴染みやすく、職場の一員として協調性を持って行動してくれるでしょう。

ベトナム人材と働く際のポイント

  • 叱り方に配慮しモチベーション維持: 真面目で素直な性格ゆえ、ベトナム人は上司からの指示にも基本的に従順です。特に褒められることで大きく伸びる傾向があり、良い成果を出した時には積極的に評価してあげると更なるやる気につながります。一方で、人前で厳しく叱責されるとプライドが傷つき、急激にモチベーションを失ってしまう場合があります。最悪の場合、失踪(無断退職)につながるケースも報告されているため、注意が必要です。指導の際は周囲の目がある場で怒鳴るのではなく、個別に落ち着いてフィードバックを行うよう心がけましょう。
  • 段取りや計画のフォロー: ベトナム人は目の前の仕事には一生懸命取り組みますが、長期的な計画を立てて行動することがやや苦手とも言われます。与えられた作業は真面目にこなす一方で、先を見据えて自主的に動くことは得意ではない場合があります。例えば製造現場での生産計画や建設現場での工程管理など、日本人側がスケジュールを示してあげないと段取り良く動けないこともあります。受け入れ側は必要に応じて仕事の優先順位や締め切りを明確に伝え、進捗をこまめに確認してサポートすると良いでしょう。
  • 日本語習得への支援: ベトナム語はアルファベット表記の言語で漢字文化に馴染みがないため、来日当初は日本語の読み書きに苦労しがちです。しかし高い向上心のおかげで習得スピードは比較的速く、日本語能力試験に合格する実習生も少なくありません。現場ではなるべく簡潔で明瞭な言葉を使って指示し、時にはジェスチャーや図を用いるなど工夫すると意思疎通がスムーズになります。ベトナム人自身も熱心に日本語を勉強する人が多いので、日本人スタッフも根気強く付き合えば数ヶ月で日常会話に大きな支障がなくなるケースがほとんどです。

ベトナム人材は総じて真面目さと積極性を兼ね備えた有望な戦力です。適切に励まし、能力を信頼して任せていけば、早い段階で重要な仕事も担ってもらえるようになるでしょう。

 

 

インドネシア人材の性格・特徴

インドネシア人材の性格・特徴

弊社が拠点を持つインドネシアからの人材もベトナムに次ぐ主要な受け入れ源であり、特に食品製造業や介護分野で近年存在感を増しています。インドネシアは人口2億8000万人を超える大国で、日本との交流も深いため親日家が多いことが知られています。学校教育で第二外国語に日本語を選択する学生も少なくなく、日本のアニメや音楽(例:JKT48のような日本発アイドルグループ)が人気なこともあって、日本に対して好意的な若者が多い傾向にあります。そのため来日前から日本語に触れている人もおり、文化の違いによる戸惑いも比較的少ないようです。

インドネシア人材の長所

  • 穏やかで協調性が高い: インドネシア人は一般的に物腰が柔らかく温厚な人柄だと言われます。争いを好まず平和主義的な考え方を持つ人が多いため、職場でも対立より話し合いで解決しようとする傾向があります。周囲への気遣いもあり、チームで助け合って働く姿勢が強いです。困っている同僚を見れば自然と手を差し伸べるような親切で人当たりの良い性格の持ち主が多いため、複数人のインドネシア人がいる職場では互いに支え合いながら仕事を進めてくれるでしょう。
  • 礼儀正しく真面目: 挨拶や報告・連絡・相談など基本的なマナーをきちんと守る実習生が多い印象です。年長者や上司に対して敬意を払う文化が根付いているため、日本の職場の上下関係にも順応しやすい傾向にあります。指示されたことには誠実に取り組み、たとえ注意を受けた場合でも素直に謝って改善しようと努めます。また、あまり怒りを表に出さず楽観的な一面も持ち合わせているため、失敗しても引きずらずに気持ちを切り替えて前向きに頑張る人が多いです。
  • 日本語習得に前向き: 前述の通り、インドネシアでは日本文化への関心が高く、日本語を学ぶ下地がある若者もいます。来日前に基本的な挨拶程度の日本語を習ってくる人もおり、言語習得への意欲は旺盛です。元々多言語(インドネシア語以外に多数の民族語や英語など)環境にいるため語学への順応力があり、日本語の上達も比較的早い方でしょう。現地で日本語教育を受けてから来る技能実習生もいるため、コミュニケーション面では安心感があります。日本人にとっても、インドネシア語由来のカタカナ(バイク・サロンなど)言葉があったり発音がローマ字読みで通じたりする部分があり、互いに言葉を学びやすい環境と言えます。

インドネシア人材と働く際のポイント

  • 時間管理への注意: 穏やかでのんびりした国民性ゆえか、インドネシア人は時間や約束にルーズな一面があるとも言われます。いわゆる「ジャム・カレット(ゴムの時間)」という表現が現地にあるように、多少の遅刻や予定変更を大らかに受け止める文化的背景があります。そのため、日本の職場では時間厳守の重要性を繰り返し伝える必要があります。始業時間や納期を守ること、報告を怠らないことなど、最初のうちに厳しめに意識づけしておくことが大切です。ただし、あくまで個人差もありますので、最初に遅刻が見られた場合などは習慣の違いを説明しつつ改善を促しましょう。
  • 宗教への配慮: インドネシア人の約9割はイスラム教徒(敬虔なムスリム)です。そのため職場でも宗教上の習慣への理解と配慮が必要です。例えば一日5回の礼拝(お祈り)は信仰心の篤い人ほど大切にしますので、勤務中であっても礼拝時間には短時間でも祈りの時間を確保してあげると本人の安心感につながります。また食事面では豚肉やアルコールを口にしないハラルの戒律があります。社員食堂でメニューに豚肉を使用する際は代替の肉を用意する、歓迎会でお酒の席を強要しない、豚肉加工を伴う部門への配属は避ける等の工夫が望ましいでしょう。宗教的な祝祭日(例:断食明けのレバラン)についても休暇希望があれば尊重してあげると、信頼関係の醸成につながります。
  • コミュニケーションは穏やかに: インドネシア人はおおむね人に強く反論したり自己主張したりすることが少なく、控えめな受け答えをする傾向があります。そのため、指示を出す側としては相手が本当に理解できているか確認を怠らないことが大切です。わからなくても「Yes」と答えてしまう可能性もあるため、質問しやすい雰囲気づくりをしてください。逆に相手が何か提案や意見を持っていても遠慮して口に出さない場合があります。「何か困っていることはない?」といった声かけを定期的に行い、本音を引き出す工夫をすると良いでしょう。穏やかな性格ゆえ、こちらも感情的に叱るより冷静な話し合いで指導した方がしっかり心に響きます。

インドネシア人材は協調性に富み、温和で真面目な働きぶりが期待できます。文化や宗教の違いに理解を示し、時間意識など足りない部分はサポートしつつ、良い面を伸ばせる環境を整えてあげましょう。

 

 

フィリピン人材の性格・特徴

フィリピン人材の性格・特徴

フィリピンからの人材は、これまで介護分野や製造業を中心に多く受け入れられてきました。フィリピンは英語が公用語の一つであり、多くの国民が英語を話せることで知られています。そのため日本で働くフィリピン人は語学適応力が高くコミュニケーションに困りにくいという強みを持っています。また陽気で社交的な国民性から、職場のムードメーカーとして活躍する人も少なくありません。南国育ちの明るさと勤勉さを併せ持ち、介護職では利用者に寄り添う優しさが評価され、建設や農業では持ち前の体力を発揮している事例が多く見られます。

フィリピン人材の長所

  • 明るく社交的でチームに活気を与える: フィリピン人は総じて陽気でフレンドリーな性格の人が多く、初対面でも笑顔で接し打ち解けてくれます。職場でも周囲を家族のように大切に思い、仲間意識を強く持って協力してくれるため、現場の雰囲気を明るくするムードメーカーになりがちです。イベントごとやお祝い事も盛大に楽しむ傾向があり、クリスマスやイースターなどキリスト教由来の行事では自分たちで職場を飾り付けて盛り上げてくれることもあります。こうした前向きでオープンな姿勢は、日本人スタッフにも良い刺激を与えてくれるでしょう。
  • 英語力と学習意欲が高い: フィリピンではタガログ語と英語が公用語として使われており、多くの若者がバイリンガルです。そのため来日前に日本語を少し学んできた人でも、いざとなれば英語で意思疎通が図れるため、作業指示や研修を英語で補足できるという利点があります。さらに、元々複数言語に慣れていることから語学の習得能力が高い人が多いです。日本語についても積極的に学ぶ姿勢を持ち、飲み込みが早い傾向があります。現場では英語に頼りすぎず日本語を使うように促せば、コミュニケーション力がどんどん向上していくでしょう。
  • 体力があり勤勉: 一般的にフィリピン人技能実習生は健康で体が丈夫な人が多いと言われています。暑い気候の国の出身ということもあり、力仕事や長時間の立ち仕事にも耐性があります。実際に「3年間一日も休まず皆勤で勤め上げた」というエピソードもあるほど、責任感を持って仕事を継続するケースが見られます。介護現場でも重労働になりがちな身体介助をいとわず行ってくれるなど、持ち前のパワフルさと勤勉さで戦力になっているとの評価が多いです。

フィリピン人材と働く際のポイント

  • 日本語習得の機会を確保: 英語ができるフィリピン人とは、つい社内でも英語で会話してしまいがちですが、現場で日本語を使う機会が減ると日本語上達のスピードが鈍る恐れがあります。彼らは語学習得能力が高い分、便利な英語に頼ってしまうともったいない面があります。業務上はできるだけ日本語でコミュニケーションを取るように意識しましょう。もちろん緊急時や詳細な説明が必要な場面では英語を活用しても構いませんが、「日本語もしっかり覚えたい」という気持ちを尊重してあげることが大切です。日本語で話しかければ真面目に勉強してどんどん覚えてくれるので、長い目で見て双方のためになります。
  • 宗教行事への理解: フィリピン人の約8割はカトリック教徒です。このためクリスマスは一年で最も大切な行事であり、家族と過ごすために帰国を希望する人もいるほどです。また復活祭(イースター)などのキリスト教の祝日も重視します。日本では業務の繁忙期と重なる場合もありますが、可能であればそういったイベント時期に休暇を取得できるよう配慮したり、難しければ職場内でお祝いの雰囲気を作ったりすると喜ばれます。宗教上の食の禁忌は特にありませんが、毎週日曜のミサに参加したい人もいるかもしれません。交代勤務のシフト作成時には、日曜をできるだけ休みにするなど柔軟に対応するとモチベーション維持につながるでしょう。
  • 公私のメリハリを伝える: フレンドリーなフィリピン人は職場でもすぐ打ち解けてくれますが、日本の職場文化として守るべきルールや上下関係のケジメについては最初に明確に教えておくことが大事です。たとえば上司に対する口の利き方や報告のしかたなど、仲が良くても最低限のビジネスマナーは必要です。もっとも、彼らは基本的に礼儀正しく素直ですので、伝えればきちんと従ってくれます。むしろ硬くなりすぎず和やかな雰囲気を保ちながら、仕事は真面目に取り組むというメリハリのある職場だと、持ち前の明るさで非常に良い効果を発揮してくれるでしょう。

フィリピン人材はコミュニケーション能力と朗らかさ、そして勤勉さで現場を支えてくれる頼もしい存在です。文化の違いを受け入れつつ、日本で働く仲間として迎え入れれば、長期にわたり戦力として活躍してくれる可能性が高いでしょう。

 

 

ミャンマー人材の性格・特徴

ミャンマー人材の性格・特徴

ミャンマー(旧ビルマ)からの人材も近年徐々に増えてきています。ミャンマーは東南アジアの中でも親日的な国民性で知られ、過去の歴史的な繋がりから日本に好感を持つ人が多いと言われます。国内事情により一時技能実習生の送り出しが停止された時期もありましたが、現在は再開され、多民族国家であるミャンマー各地から日本で働く若者がやって来ています。特に仏教徒が国民の多数を占めることもあってか、その穏やかで真面目な気質は日本人と共通する部分も多く、受け入れ企業からは「日本人社員と感覚が近く接しやすい」という声も聞かれます。繊細な手作業を得意とする器用さも持ち合わせており、製造業を中心に評価が高まっています。

ミャンマー人材の長所

  • 温厚で控えめ、日本人に近い気質: ミャンマー人はおおらかで穏やかな性格の人が多く、感情をあらわにすることが少ない傾向があります。幼少期から「人前で怒らない」「争わない」ことを教えられて育つため、基本的に自己主張は強くなく、周囲との調和を大切にします。約9割が仏教徒ということも影響しているのか、礼儀正しく真面目でルールを守る人が多い印象です。時間や約束も比較的きちんと守り、与えられた仕事に黙々と取り組む勤勉さがあります。また日本に対して親近感を抱いている人が多く、日本人と似た価値観(例えば「和」を尊ぶ姿勢や几帳面さ)を持っているため、職場への適応もスムーズだと言われます。
  • 日本語を習得しやすい: ミャンマー語は文法構造が日本語と非常に似ており、語順(SOV型)や助詞に相当する言葉の使い方など共通点が多くあります。そのため、ミャンマー人技能実習生は日本語の上達が早いとされています。実際に来日後数か月で日常会話に困らないレベルに達する人も多く、現場でも意思疎通が取りやすいです。漢字こそ違いますが、自国で使用するビルマ文字も表音文字であり、日本語の発音習得にもあまり苦労しないようです。コミュニケーション面での不安が比較的小さいことは、受け入れ側にとっても大きなメリットです。
  • 手先が器用で緻密な作業が得意: ミャンマー人は伝統的な織物や工芸など細かな手作業の文化を持つためか、手先の器用さが目立つと評価されることがあります。組立作業や検品作業など細部に注意が必要な業務でも正確にこなす傾向があり、日本人スタッフからの信頼も得やすいです。また辛抱強くコツコツと作業を続ける集中力もあります。製造業や電子部品の組立、衣料品の縫製といった分野でミャンマー人実習生が活躍している企業も多く、丁寧で根気のある仕事ぶりに定評があります。

ミャンマー人材と働く際のポイント

  • 遠慮しがちな性格への目配り: 控えめで真面目なミャンマー人材は、困ったことや不満があっても自分から積極的に声を上げない場合があります。与えられた仕事に対して文句を言わず一生懸命取り組んでくれる反面、実はプレッシャーを感じていたり、分からないことがあっても「質問して迷惑をかけたくない」と黙ってしまったりするケースも考えられます。受け入れ企業の担当者は、定期的に様子を聞き出す場を設けることをおすすめします。例えば週に一度は個別面談やランチミーティングなどリラックスして話せる機会を作り、本音や困りごとを引き出すよう努めましょう。「いつもニコニコしているから順調だと思ったら、実は悩みを抱えていた」という事態を防ぐためにも、日頃から細やかなコミュニケーションが重要です。
  • オーバーワークに注意: 責任感が強く真面目なミャンマー人は、頼まれた残業やきつい作業も嫌な顔せず引き受けてしまう傾向があります。断ることを良しとしない性格のためですが、無理が続くと心身の健康を損ねかねません。適度に休息を取らせ、無理をしていないか観察することが必要です。日本人と感覚が近いとはいえ、言葉や文化の壁の中で頑張っている点は見逃さず、疲れていそうであれば早めに声をかける、相談に乗るといったフォローを心がけましょう。特に介護現場など人手不足でつい頼りがちになる職種では、一人に負担が偏らないようシフトを調整する配慮が求められます。
  • 文化や宗教への基本的理解: ミャンマー人の多くが仏教徒ではありますが、ムスリムやキリスト教徒の少数派も存在します。また仏教徒であっても戒律で厳格に食を禁じることは少なく、日本の食事にも概ね適応できます。とはいえ、宗教や文化に関する話題に触れる際には相手の価値観を尊重する姿勢を示すことが大切です。ミャンマーは多民族国家ゆえ、人によってバックグラウンドが異なる可能性があるためです。幸い彼らは寛容で順応性がありますが、日本人側から歩み寄る姿勢を見せることでより信頼を深めることができます。例えばミャンマーの伝統行事や料理の話を聞いてみる、簡単なミャンマー語の挨拶を覚えて使ってみるといった交流も喜ばれるでしょう。

ミャンマー人材は素直で勤勉、そして控えめながら芯の強さを持った人が多く、日本の職場にも溶け込みやすいと言えます。受け入れ側がきめ細かなコミュニケーションと健康管理に留意すれば、長期間にわたり安定して活躍してくれるでしょう。

 

 

ネパール人材の性格・特徴

ネパール人材の性格・特徴

ネパールからの人材は、現在は他国に比べると数は少なめですが、近年注目度が高まっています。ネパールは南アジアに位置する人口約3,000万人の国で、若い世代が多く労働力の海外流出も盛んな国です。日本とネパールの関係性も徐々に深まっており、技能実習生の送り出しや特定技能の受け入れに関する協力体制が整備されつつあります。ネパール人は親日的で日本への憧れが強い人が多く、日本で働けること自体に大きな意義を感じて来日するケースが目立ちます。そのためモチベーションが高く、家族や故郷の期待を背負って一生懸命働こうとする人が多いようです。文化的にはインドに近い部分もありますが、多民族・多宗教国家ゆえ寛容で順応性の高い国民性も持ち合わせています。

ネパール人材の長所

  • 日本語の上達が速い: ネパール人は日本語習得に向いていると言われます。ネパール語(公用語)は文法構造が日本語と似ており、主語-目的語-動詞の語順や助詞に当たる部分の感覚が共通しているためです。来日前に日本語を学ぶ機会がある人はまだ多くありませんが、来日後に本格的に勉強し始めると他国出身者より早く日本語をマスターする傾向が見られます。実際、日本語能力試験で上位級に合格するネパール人技能実習生も出てきています。若者の多くは英語もある程度理解できるため、日本語・ネパール語・英語の3言語を使いこなす人材に成長する可能性もあり、国際感覚のあるコミュニケーション力が魅力です。
  • 思いやりがあり協調性も高い: ネパール人は穏やかで人懐っこい性格の人が多く、人付き合いが上手だと言われます。初めは控えめですが、一度打ち解けるととてもフレンドリーに接してくれます。家族やコミュニティを大切にする文化を持つため、職場でも周囲に対して気配りができ、助け合う姿勢を示します。例えば誰かが忙しそうにしていれば自分の作業の合間に手伝おうとしたり、日本人社員にも積極的に話しかけて関係構築を図ったりするなど、協調性の高さが感じられます。争いごとを好まない平和的な気質で、多少のトラブルがあってもあまり怒らずに受け流す懐の深さも持ち合わせています。
  • 楽観的で前向き: ネパール人は日常的に細かいことにくよくよ悩まない楽天的な国民性と言われます。山岳国家という厳しい自然環境で培われたのか、困難に直面しても「なんとかなるだろう」と前向きに考える傾向があります。このポジティブさは職場でもプラスに働きます。ミスを引きずらず切り替えて次の業務に集中できたり、初めて経験する仕事にも物怖じせず挑戦できたりします。異国での生活にも柔軟に適応しやすく、周囲から見ると常に明るく元気で安定したメンタルを持っているように映るでしょう。もちろん誰しも不安やストレスはありますが、それを表に出さず明るく振る舞う健気さは、職場の雰囲気作りにも良い影響を与えます。

ネパール人材と働く際のポイント

  • 楽観的すぎる面への対処: 基本的にポジティブなネパール人ですが、その楽観性ゆえに準備や計画を甘く見積もってしまうことがあります。例えば来日前の日本語学習について、「現地で最低限だけ勉強しておいて、あとの細かいことは日本に行けばなんとかなる」と考えてしまい、実際に来日したら言葉の壁に苦労する、といったケースです。受け入れ企業がネパール人を採用する際は、面接時などに「来日後も継続して日本語を勉強する意思があるか」「仕事で困ったときにすぐ相談できるか」などを確認し、責任感や真面目さが十分か見極めると良いでしょう。明るい性格は長所ですが、計画性に欠ける部分は日本側でサポートしつつ進める姿勢が求められます。
  • 宗教・習慣への基本的配慮: ネパールは多宗教国家ですが、多くはヒンドゥー教徒(約8割)で一部仏教徒もいます。ヒンドゥー教徒の場合、牛は神聖な動物とされるため牛肉を食べない人が多数派です。豚肉や鶏肉は問題なく食べる人が多いですが、牛肉だけは避けたいというネパール人実習生もいるでしょう。社食や寮の食事でカレーなどを作る際は牛肉を使わない、または別メニューを用意するといった配慮があると安心です。ただしネパール人は宗教が違っても他者の価値観を尊重する寛容さがありますので、本人が強く要望しない限り過度に気を遣いすぎる必要はありません。大切なのは「理解しよう」という姿勢を日本側が示すことであり、それだけで相手に伝わり良好な関係が築けます。例えば「あなたは牛肉は食べられますか?」と確認してくれるだけでも、本人にとっては自分の文化を尊重してくれていると感じるものです。
  • ネパール独自の行事への理解: フィリピン人のクリスマス同様、ネパール人にも大切な伝統行事があります。代表的なのは毎年秋頃に行われるダサイン(Dashain)と呼ばれる祭典で、日本のお正月に相当するような一大イベントです。この期間は本国では長期休暇となり家族と過ごす習慣があります。日本で勤務中のネパール人にとっては帰国できない寂しさを感じる時期でもありますので、職場で「ダサインおめでとう」と声をかけたり、可能であれば有給休暇を与えてあげたりすると非常に喜ばれます。またダサイン以外にもティハール(Tihar)という光の祭りなど重要な祝祭日が存在します。すべてに対応するのは難しくとも、「日本にいてもあなた方の文化を尊重していますよ」という姿勢を見せることで、ネパール人材との信頼関係が一層深まるでしょう。
  • 個人差の見極め: ネパールは多民族国家であり、人によってバックグラウンドがさまざまです。都市部出身で高学歴の人もいれば、農村部出身で実直な職人肌の人もいます。そのため一概に「ネパール人はこうだ」と決めつけすぎず、個々人の性格や適性を見極めることが特に大切です。一般的に言われる控えめで素直な性格の人が多い一方で、中にはリーダーシップがあり意見をはっきり言うタイプの人もいます。実習生や特定技能で来日するネパール人は真面目で勤勉な人が選抜されている傾向が強いですが、最終的にはその人自身をよく観察し、適材適所で力を発揮できるよう配置や指導に工夫すると良いでしょう。

ネパール人材は日本に強い憧れを持ち、高いモチベーションで来日するケースが多いため、受け入れ後の成長も著しいものがあります。最初は言葉や生活環境に苦労するかもしれませんが、企業側が寄り添い適切に支援すれば、日本語習得も仕事の習熟も他国に劣らず早いスピードで進むでしょう。お互いの文化を尊重し合いながら信頼関係を築くことで、ネパール人材は長期的に活躍する頼もしい戦力となってくれるはずです。

 

 

中国人材の性格・特徴

中国人材の性格・特徴

中国からの人材は歴史的に日本の製造業や建設業を支えてきた実績があり、現在も農業・介護・外食サービスなど幅広い現場で活躍しています。出身エリアは沿岸部だけでなく内陸部まで多岐にわたり、技能や学歴、価値観も多様ですが、勤勉さと向上心、数字に強い合理性を備えた若い層が中心です。漢字文化を共有しているため日本語の文字理解が比較的早く、作業マニュアルや安全掲示を短期間で読めるようになる点も評価されています。

中国人材の長所

  • 学習スピードと技術吸収力が高い
    中国国内でもハイテク産業やスマート農業が急速に発展しており、最新のIoTや自動化技術に関心を持つ人が多いです。新しい作業手順や機械操作を習得する際、マニュアルを自力で調べながら短期間で戦力化できるケースが目立ちます。
  • 数字に強く、工程改善の提案が期待できる
    計数管理や KPI への意識が高く、歩留まり・稼働率といった指標を理解しやすい傾向があります。現場のムダを見つけて「〇%効率を上げられる」といった定量的な提案をしてくることもあり、改善活動のパートナーとして頼りになります。
  • 漢字文化ゆえの読み書き適応の速さ
    日本語の漢字が視覚的に馴染みやすく、現場掲示や作業指示書の理解がスムーズです。ひらがな・カタカナは改めて学ぶ必要がありますが、漢字が読めることから安全標識や注意喚起を早期に理解でき、事故防止にも寄与します。

中国人材と働く際のポイント

  • 「面子(メンツ)」への配慮で信頼関係を構築
    公の場で強い口調で叱責すると自尊心を傷つけてしまい、反発やモチベーション低下につながる恐れがあります。改善点は個別に伝え、成果を上げたときは周囲の前でしっかり称賛してあげると大きな信頼が得られます。
  • 率直な意見交換の場を設ける
    中国人は比較的自己主張がはっきりしており、疑問点や不満を抱えたままだと突然の退職につながることもあります。月次ミーティングなどで「改善提案を聞かせてほしい」と積極的に意見を求めることで、離職防止と業務改善が同時に進みます。
  • 労働時間とインセンティブのバランスを明確に
    高い目標達成意識を持つ一方で「成果に見合う報酬」への期待も強めです。残業手当や技能手当など報酬体系を最初にクリアに示し、昇給・資格取得支援と紐づけたキャリアパスを提示すると長期定着しやすくなります。

中国人材は学習の速さと合理的な改善提案力を武器に、短期間で現場の中心戦力へと成長するポテンシャルを秘めています。面子を尊重しつつ率直なコミュニケーションと公平な評価制度を整えることで、企業は彼らの能力を最大限に引き出せるでしょう。

 

 

カンボジア人材の性格・特徴

カンボジア人材の性格・特徴

カンボジア人材はここ数年で受け入れが急増しており、特に農業・介護・製造業などの現場で注目されています。農村部出身者が多く、純朴で素直な性格の若者が多いのが特徴です。日本語の習得にはやや時間がかかる傾向がありますが、謙虚さや真面目さ、礼儀正しさで高く評価されることが多く、受け入れ企業の満足度も高い傾向にあります。上下関係や目上への敬意を重んじる文化があり、日本社会との相性も良好です。

カンボジア人材の長所

  • 素直で誠実、人間関係において柔らかさがある
    カンボジア人は控えめで争いを避ける傾向があり、職場でもトラブルを起こすことが少なく、協調性を持って働いてくれます。何事にも一生懸命に取り組み、上司や先輩からの指導にも丁寧に対応する姿勢が見られます。礼儀正しく、あいさつやお礼を忘れないといった日本人が重視する価値観にも適応しやすいです。
  • 身体を使う作業への適性が高い
    体力仕事に慣れており、農作業や建設現場、製造ラインなどで持久力が求められる業務にも安定して従事することが可能です。勤勉で我慢強く、同じ作業でも愚痴をこぼさずこつこつ取り組む姿が見られるため、現場スタッフからも信頼を集めやすいです。
  • 信仰心が強く、精神的に安定している
    仏教文化が生活に根付いており、精神的な落ち着きを持った人が多いのも特徴です。道徳的な価値観を大切にしており、嘘をついたりルールを破ることを嫌う傾向があります。職場でも決められたルールや手順を守る意識が高く、誠実に業務に向き合ってくれるでしょう。

カンボジア人材と働く際のポイント

  • 日本語教育にはやや手厚いサポートが必要
    カンボジア語(クメール語)は日本語と構造が大きく異なるため、来日後すぐに日本語での指示を理解するのは難しいことがあります。視覚資料(イラストや動画)や現場での実演を活用することで理解が深まりやすく、ジェスチャーや簡潔な言い回しも効果的です。語学の習得には時間がかかるものの、繰り返し学ぶ姿勢は真面目なので、継続的な支援が定着を後押しします。
  • 不安を抱え込まないようにこまめな声かけを
    控えめな性格のため、疑問や不満があってもなかなか自分から口に出さない傾向があります。「大丈夫?」といった日常的な声かけや定期的な個別面談を設けることで、問題を早期に察知しやすくなります。特に来日初期は生活習慣の違いやホームシックから精神的に不安定になることもあるため、心のケアも意識したフォローが効果的です。
  • 本人の自信と成長機会を意識した育成を
    失敗を引きずるタイプも多く、「自分はダメだ」と落ち込んでしまうことがあります。そういった場面では、小さな成功体験でもしっかりと認め、「できた」という自信を積み重ねていくことが重要です。スモールステップで業務範囲を広げ、本人が「役に立っている」と実感できるようにすることで、より長く・安定して働いてもらえる可能性が高まります。

カンボジア人材は、控えめながらも真面目で、継続的に成長していける力を持っています。日本語習得には時間がかかるかもしれませんが、その分、深い信頼関係を築ければ職場の潤滑油として大きな存在になってくれるでしょう。環境を整えて受け入れることで、長期的に定着し、安定した人材として企業の戦力となることが期待されます。

 

 

タイ人材の性格・特徴

タイ人材の性格・特徴

タイ人は「微笑みの国」とも呼ばれる文化的背景を持ち、穏やかで人当たりがよく、協調性に富んだ性格で知られています。日本の特定技能や技能実習制度においても、外食業、介護、製造、農業といった幅広い分野で活躍する姿が増えつつあります。仏教的な価値観に根差した礼儀正しさや感謝の気持ちを大切にする精神性が、日本社会の価値観と親和性を持っているため、比較的スムーズに職場に溶け込める傾向があります。

タイ人材の長所

  • 穏やかで協調性が高い
    タイ人は争いや対立を避け、人間関係の調和を大切にする文化があります。そのためチームでの作業や接客業など、人との関わりが多い仕事において柔らかく場を和ませる存在になることが多いです。感情をあらわにせず、周囲に気を配りながら行動する力があり、職場内でのトラブルも少ない傾向にあります。
  • 接客・介護など「人と接する職種」に適性がある
    笑顔や優しい言葉遣いが自然にできるため、日本人高齢者との会話や接客業務でも好印象を持たれやすく、ホスピタリティ精神が求められる場面で大いに力を発揮します。介護や外食など、対人スキルが求められる分野ではタイ人の魅力が引き立ちやすいです。
  • 柔軟で前向きな姿勢
    「マイペンライ(大丈夫)」という言葉に象徴されるように、失敗してもくよくよせず前を向くポジティブな性格を持っています。受け入れ企業側が多少のトラブルやミスを温かく支援する姿勢を見せれば、それに応えるように真摯な姿勢で改善に努めてくれるでしょう。

タイ人材と働く際のポイント

  • 繊細なコミュニケーションに配慮を
    争いや衝突を避けたいという気質から、本心をはっきりと言葉にしないことがあります。曖昧な返事でやり過ごすこともあるため、指示の確認や理解度の確認は丁寧に行う必要があります。「わからないことがあればすぐに聞いてほしい」といった空気づくりが、ミスの予防にもつながります。
  • 叱るよりも、対話で動機づけを
    人前で叱責されることを極端に避けたがる一方、優しい口調で丁寧に話すとしっかり耳を傾けてくれる傾向にあります。「なぜこの作業が必要なのか」「どんな成果が期待されているのか」といった背景まで説明しながら伝えると納得感を持って取り組んでくれるでしょう。怒鳴るよりも、理解を促す対話型指導が効果的です。
  • 「自由度と責任」のバランスを意識
    タイ人材は、与えられた枠の中でしっかり働く一方で、過度なルールや強い制約にはストレスを感じやすい傾向もあります。自分のやり方で取り組む余地がある業務や、自発性を尊重する職場環境では特に力を発揮します。「自分で考えてよい部分」と「必ず守る部分」を明確に伝え、自由と責任のバランスを意識したマネジメントが定着のカギとなります。

タイ人材は、温和で誠実、対人スキルにも優れた戦力として多くの現場で期待されています。語学面では理解が早く、柔軟性と礼儀正しさを兼ね備えているため、現場に安心感をもたらす存在となるでしょう。感情的に接するのではなく、相手の価値観を尊重する姿勢で向き合うことで、企業と働き手の良好な関係性を築いていけます。

 

受け入れ成功の鍵は「理解」と「信頼構築」

外国人材を受け入れる際、重要なのは「どこの国から来たか」ではなく、「どんな人なのか」を理解しようとする姿勢です。各国人材にはそれぞれの文化的背景や性格的な傾向があり、職場への適応度や得意とする業務にも違いがあります。
例えば、

  • ベトナム人は勤勉で手先が器用
  • インドネシア人は温和で協調性が高い
  • フィリピン人は明るく英語力がある
  • ミャンマー人は真面目で日本語に強い
  • ネパール人は親日的で素直
  • タイ人は礼儀正しく対人スキルが高い
  • 中国人は学習スピードが速く合理的
  • カンボジア人は誠実で体力に優れる

こうした特性を理解し、現場でのコミュニケーションやマネジメントに活かすことで、定着率の向上やトラブル回避にもつながります。
しかし同時に、国籍によるステレオタイプに縛られず、個々人の特性を見極めた対応が求められます。信頼関係を築き、多文化共生の土台を整えることで、企業と外国人材の双方にとって実りある関係が生まれるのです。

 

 

まとめ

以上、主要な送り出し国別に外国人人材の一般的な性格・特徴を見てきました。ベトナム人の勤勉さと向上心、インドネシア人の温和さと協調性、フィリピン人の明るさとバイタリティ、ミャンマー人の真面目さと適応力、ネパール人の親日ぶりと素直さ──それぞれの国に特徴的な長所があり、日本の職場にポジティブな影響を与えてくれることでしょう。一方で、文化や宗教的背景の違いから生じる注意点も国ごとに存在します。叱り方や指導方法に工夫が必要なケース、時間管理や計画のサポートが求められるケース、宗教上の習慣に配慮すべきケースなど様々です。受け入れ企業側はこうした違いを事前に把握し、相互理解の姿勢を持って接することが重要です。

しかし忘れてはならないのは、国籍による特徴はあくまで一般論であり、実際の人材の性格や能力は一人ひとり異なるということです。同じ国出身でも個人差は大きく、また現場で経験を積むうちに日本のやり方に適応していく面もあります。先入観にとらわれすぎず、各人の長所を引き出し短所を補えるようなマネジメントを心がけましょう。外国人社員も日本人社員も分け隔てなくチームの一員として受け入れ、コミュニケーションを密にして信頼関係を築くことが何より大切です。

農業、飲食、介護、建設といった人手不足業界で外国人人材の存在感は今後さらに増していくでしょう。日本人とは異なる視点や文化を持つ彼らと働くことは、企業にとっても組織の多様性を高めるチャンスです。お互いの違いを理解し尊重し合うことで、外国人スタッフも能力を最大限発揮し、職場に欠かせない戦力となっていきます。本記事で取り上げた国籍別の傾向を参考に、現場で実用的な対応策を講じながら、多文化共生の職場環境を築いていきましょう。それが結果的に企業の生産性向上やサービス改善にもつながり、双方にとって大きなメリットとなるはずです。

最後に、外国人材を受け入れる際は法令遵守と適正な労務管理が大前提です。技能実習・特定技能制度の趣旨を踏まえ、公平な待遇と教育機会を提供することで、彼らのモチベーションは一層高まります。国を超えて集まった仲間とともに働く経験は、日本人社員にとっても刺激となり成長の機会となるでしょう。国籍の壁を越えてチーム一丸となって働ける職場を目指し、多様な人材の力を存分に活かしていってください。

 

 

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本記事で使用した単語の解説

  • 技能実習制度:発展途上国の若者に日本の技術を学ばせ、母国の発展に貢献させる目的で1993年に始まった制度。最長5年までの在留が可能。
  • 特定技能制度:2019年に創設された新しい在留資格制度。14分野で試験に合格すれば、最長5年(2号は無期限)の就労が可能。
  • 送り出し国:外国人材を日本に派遣している国。ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマーなど。
  • ジャム・カレット:インドネシア語で「ゴムの時間」。時間に対して柔軟な考え方を表す文化的概念。
  • ハラル:イスラム教において許された食品や行動。豚肉やアルコールは禁止されている。
  • ダサイン:ネパールで最も重要な祭り。日本のお正月に相当する一大イベント。
  • 面子(メンツ):中国文化で非常に重要視される「体面」や「名誉」のこと。他人の前で恥をかかせるような行為は敬遠される。

 

 

FAQ(よくある質問)

Q1. 外国人材の中で最も多いのはどこの国の人ですか?
A. 現在はベトナムが最も多く、技能実習生・特定技能ともにトップです。

Q2. どの国の人材が日本語を覚えやすいですか?
A. ミャンマー、ネパール、中国の人材は文法構造や漢字文化の影響で比較的習得が早いとされています。

Q3. 宗教上の注意点がある国は?
A. イスラム教徒が多いインドネシアでは、礼拝時間や食事(ハラル)に配慮が必要です。ネパールやミャンマーも宗教行事や食文化の理解が求められます。

Q4. 文化の違いでトラブルになることはありますか?
A. はい。例えば、時間に対する感覚や指導の仕方など、日本側の常識と違う部分が誤解を生むことがあります。事前の説明と定期的な対話が有効です。

Q5. どのようにしてモチベーションを維持させればいいですか?
A. 褒めること、成果を認めること、宗教・文化を尊重することが効果的です。叱るよりも対話を重視した指導が求められます。

Q6. 外国人材の定着率を高めるには?
A.
文化的背景の理解、丁寧な初期研修、こまめな声かけ、メンタル面のサポートが重要です。また、休日や食事面での配慮も定着に大きく影響します。

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