
4月 7, 2025 • インドネシア
4月 4, 2025 • インドネシア, ニュース • by Yutaka Tokunaga
目次
トランプの相互関税とその目的とは?
2025年4月、アメリカのドナルド・トランプ大統領は「アメリカを再び豪富に」をスローガンとした誇張経済機動を発表しました。
その中心にあるのが、全世界を対象とした一律10%の関税と、第三国に対しては個別に高い率を設定する相互関税です。
この相互関税は、米国製品に高税をかける国に同等税をかけ返す「やり返し」統一の税制です。
トランプ大統領は「これまでアメリカは被害者だった」と一断し、他国メーカーが米国市場を便利に利用していることへの不満を明確にしました。
この新たな関税は、米国の主要貿易相手国に大きな影響を与えています。
これらの国々は、報復関税やWTOとの対応を検討しており、「本物の貿易戦争」への発展も意識されています。
インドネシアは、トランプ政権によって「Bad Countries」とみなされ、合計32%の関税がかけられることになりました。
これは、インドネシアの対米輸出業者にとって、壊滅的なコスト増と相対性を意味します。
これまで、米国はインドネシアにとって第2位の輸出先であり、2023年の輸出額は232.5億ドルに上ります。ナイキやホンダなどのグローバル企業のサプライチェーンの下請けとして米国に輸出していた側面もあります。
主な輸出品目:
などが、主に米国向けのOEM生産を抵っており、関税32%の上乗せは、商機として成り立たないレベルの打撃となります。
インドネシアは、これまで「効率的な作り手」として、米国や日本、中国の製造ネットワークの一部として統合されてきました。
しかし、関税によるコスト増が、以下のような変化を助長するとみられます:
これらにより、「働き手が安いだけ」の国は選ばれなくなっており、インドネシアもその一部に入る可能性が高まっています。
輸出減少や資本逃避の影響で、ルピアは2025年1月に1USD=16,170だったのが、4月には16,748と下落。
結果、専門家は2025年の成長率を 5.0%→4分台への下方修正を見通しています。
輸出依存型の統計や財政下手などが重なり、大手工場の関閉、地方労働の縮小、中小企業の倒産などが連鎖的に広がるリスクがあります。
インドネシア政府の対応
インドネシア政府は、これらの関税に対して報復措置を取らず、外交的手段での解決を目指す方針を示しています。アイルランガ・ハルタルト経済調整大臣は、長期的な二国間貿易関係、投資環境、国内経済の安定を維持するため、冷静な対応が必要であると述べています。
2025年4月6日(日曜日)更新
世界では「自分の国を守る」考えが強まっています(自国優先主義)。
これは、他国に頼りすぎると危機に弱くなると考える国が増えているためです。
自国優先主義の例:
また、AIやロボットの進化により、アメリカなどの先進国では「人手のいらない自動工場」も現実に。安価な労働力に頼る必要が減りつつあります。
インドネシアのような「人件費が安い国」は、選ばれにくくなるリスクが高まっています。
中国・ロシアの動き
シナリオ | 概要 | インドネシアへの影響 |
① 報復関税の泥沼化 | 各国が報復しあい、世界貿易が停滞 | 輸出激減・成長鈍化・インフレ |
② トランプが一部国と妥協 | 政治的譲歩で関税緩和 | インドネシアは対象外の可能性大(交渉力不足) |
③ 世界的サプライチェーン再編 | ブロック化・リショアリング | 安価な製造地としての役割低下 |
④ 新興国経済圏との連携強化 | BRICSなどドル依存の少ない経済圏との結びつき | 脱ドル進行、対米輸出依存からの脱却機会もあるが、技術・市場面の課題あり |
世界が「自分の国が第一!」という方向に進む中で、インドネシアのような「他国のために作ってあげる国」は役割を見直す必要があるでしょう。
これからは:
が求められる時代に入っています。インドネシアは「価値を生み出す国」としての方向転換が急がれています。
今後の世界情勢とインドネシアに要注目です。
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