3月 29, 2025 • インドネシア • by Erika Okada

世界有数のソーシャルメディア大国インドネシアの主要SNSの利用実態調査

世界有数のソーシャルメディア大国インドネシアの主要SNSの利用実態調査

インドネシアは東南アジアでも特にSNS利用が盛んな国の一つです。スマートフォンの普及や若年人口の多さを背景に、WhatsApp、Instagram、TikTokなどのプラットフォームが生活の一部として定着しています。本記事では、最新の統計データをもとに、インドネシアで利用されている主要SNSの特徴やユーザー層、企業によるマーケティング活用の事例、そして今後のトレンドや政府の規制動向について詳しく解説します。これからインドネシア市場に進出したい方や、現地のSNS文化に関心のある方にとって、有益な情報が満載です。

 

 

1. インドネシアSNS利用状況と統計データ

インドネシアSNS利用状況と統計データ

SNS利用者数と推移: 2024年初時点で、インドネシアのソーシャルメディア利用者は約1億3,900万人に達し、これは全人口の約49.9%に相当します。過去数年間でSNS利用者は着実に増加しており、**2020年には人口の約66%**がSNSを利用していたのが、2024年には約50%(計算方法の違いによる)となり、今後も2026年には80%以上に達するとの予測もあります。特にコロナ禍で利用が加速し、パンデミック期には人々が対面の代わりにオンラインで繋がったことでSNS利用が大幅に伸びました。下表に主要プラットフォームの推定ユーザー数と普及率を示します。

プラットフォーム

推定ユーザー数 (2024年初)

インターネット利用者に占める利用率*

WhatsApp

(非公開:利用者最多)

90.9%

YouTube

13900万人

75.0%

Facebook

11760万人

63.5%

Instagram

190万人

54.5%

TikTok

12680万人(※18歳以上)

68.5%

Twitter (X)

2469万人

13.3% (

*「インターネット利用者に占める利用率」は各SNSの広告リーチ等から推定される16~64歳ネット利用者に対する割合です。

このようにWhatsAppとYouTubeがユーザー数で突出しています。特にWhatsAppはインドネシアのインターネット利用者の約91%が使う国民的アプリで、Instagram(約85%)、Facebook(約82%)がこれに次ぎます。近年TikTokの躍進も著しく、2019年頃に約3,500万人だった利用者が2023年には人口の44%以上に拡大しました。Instagramも引き続き成長傾向で、2023年から2024年にかけて広告リーチベースで約12万人(+13.2%)増加しています。一方、Facebookは成長が頭打ちとなり、2023年には微減傾向(前年比-1.9%)が見られます。

(Digital 2024: Indonesia — DataReportal – Global Digital Insights)

(Digital 2024: Indonesia — DataReportal – Global Digital Insights)

(Ini Media Sosial Paling Banyak Digunakan di Indonesia Awal 2024)

 

年齢層・性別・地域別の利用率: インドネシアのSNS利用者は若年層に偏っており、25~34歳が全SNSユーザーの約37.7%と最大の割合を占め、次いで18~24歳が約27.1%、35~44歳が約20.8%となっています。若者が主要なユーザー層ですが、中高年層(45歳以上)のSNS利用も近年増加傾向にあります。性別では男女差は比較的小さく、インターネット全体の男女比は男性50.7%・女性49.1%とほぼ拮抗しています。個別SNSを見ると、FacebookやTikTokでは男性比率がやや高め(Facebook利用者の58.1%が男性、TikTok広告リーチの53.5%が男性ですが、Instagramでは女性が54.5%と過半を占めます。地域別には都市部の利用率が高く、ネット利用者の約70%が都市居住者です。農村部でもスマートフォン普及に伴い増加していますが、依然都市とのデジタル格差が存在します。

日常の利用時間・頻度: インドネシア人はSNSに非常に多くの時間を費やしており、1日あたり平均3時間17~20分程度をソーシャルメディアに充てています。これは世界平均(約2時間21分)を上回る長さです。特にTikTokは月間38時間26分と、ユーザー1人あたりの利用時間が最も長く、エンタメ視聴に多くの時間が割かれています。YouTubeも月間31時間28分と長時間利用され、長尺動画コンテンツが浸透しています。WhatsAppはチャット中心ながら月に26時間13分、Instagramも16時間10分程度利用されています。下表に主要SNSの月間平均利用時間を示します。

プラットフォーム

月間平均利用時間(1ユーザーあたり)

TikTok

38時間26

YouTube

31時間28

WhatsApp

26時間13

Instagram

16時間10

また、利用頻度もWhatsAppを中心に非常に高く、WhatsAppはユーザー1人あたり月に1,348回以上もアプリを開いており、1日に換算すると約45回とまさに生活インフラのように使われています。TikTokも月間373.7回(1日約12回)起動されており、習慣的に短い間隔でチェックされていることが分かります。

 

 

2. インドネシアで人気のSNSとその特性

インドネシアで人気のSNSとその特性

インドネシアは世界有数のSNS大国であり、都市部から農村部まで幅広い層が日常的にSNSを利用しています。ここでは代表的なSNSの特徴と、インドネシアでの利用傾向をわかりやすく紹介します。

Facebook(フェイスブック)

世代を超えて根強い人気

Facebookはインドネシアでも依然として幅広い世代に利用されており、特に地方や中高年層に人気です。

  • 用途:友人・家族との連絡、同窓会や地域コミュニティのグループ運営
  • 特徴:「グループ機能」が活発に活用され、情報交換やイベント告知の場としても機能
  • 注意点:若年層はInstagramやTikTokなどへ移行する傾向が見られ、全体的な成長は停滞気味

Instagram(インスタグラム)

若者を中心に人気のビジュアルSNS

Instagramは特に都市部の若者を中心に人気のSNSです。

  • 人気機能:ストーリーズ、リール、ライブ配信
  • 利用傾向:日常やトレンドを視覚的に発信する文化が根付いている
  • 特徴:インフルエンサーや芸能人の投稿をフォローし、ファッションや美容情報の収集源として活用
  • 文化的要素:ハラルコスメやバティックなど、宗教・文化と融合した投稿も人気

TikTok(ティックトック)

短尺動画の王者として急成長

TikTokはエンタメ性の高い短尺動画で急速に広がり、若年層を中心に爆発的な人気を博しています。

  • 利用時間:月間平均38時間と他SNSを大きく上回る
  • コンテンツ傾向:ダンス、コメディ、地域文化紹介、伝統舞踊のアレンジなど多様
  • アルゴリズムの影響力:新しい商品や流行がTikTok発でブームになることも
  • 地方とのつながり:地方在住者による投稿やご当地グルメ紹介も盛ん

Twitter(X・ツイッター)

リアルタイムの情報収集・議論に強み

Twitter(現X)は、インドネシアではリアルタイムな議論やニュースの追跡に使われています。

  • 利用シーン:政治・社会問題、スポーツ、芸能ニュースの反応
  • 特徴:ハッシュタグを活用した議論文化が活発
  • 公共用途:政府機関や警察も公式アカウントで情報発信
  • 変化:近年は一部ユーザーがTelegramや他SNSに移行する動きも見られる

Threads(スレッズ)

Instagram連携の新興SNSとして急成長中

ThreadsはMeta(旧Facebook)が提供する新しいテキスト中心のSNSで、Instagramアカウントと連携して簡単に始められる点が特徴です。インドネシアでもリリース直後から注目され、多くの若者やデジタルネイティブ層が試しに利用しています。

  • 特徴:Twitter(X)の代替として注目されるが、Instagramの既存ネットワークと接続しているためスムーズに移行可能
  • 用途:日常のつぶやき、考えや意見の共有、インフルエンサーの発信
  • 成長傾向:リリース初期に爆発的な登録があった後、現在は一部のユーザー層で定着しつつある段階
  • インドネシアでの位置づけ:若者の間では「Xよりも安全・ポジティブな空間」として評価されており、炎上や過激な議論が少ない点が好まれている

Level(レベル)

注目の新興SNS

Levelはまだ発展途上の新SNSですが、インドネシアでも話題になりつつあります。

  • 特徴:ユーザーのエンゲージメントや貢献度に応じた「レベル」制度
  • 設計思想:ゲーミフィケーション要素と限定的なクローズドコミュニティ機能
  • 今後の注目点:ユーザー数の増加や機能の詳細が明らかになることで、大手SNSにどのような影響を与えるかに注目

YouTube(ユーチューブ)

最大級の動画視聴プラットフォームとして定着

YouTubeは動画共有サイトでありながら、事実上インドネシア最大級のソーシャルメディアでもあります。

  • 視聴時間:月間平均31時間以上
  • 人気コンテンツ:音楽、教育、ゲーム実況、ニュース、ローカル文化
  • YouTuberの影響力:テレビを超える影響力を持つクリエイターも多数存在
  • ソーシャル性:コメントやライブ配信での交流も活発

WhatsApp(ワッツアップ)

最重要メッセージングツール

SNSというよりメッセンジャーですが、WhatsAppはインドネシアで最も使われているアプリの一つです。

  • 利用率:インターネットユーザーの90%以上が使用
  • 用途:家族連絡、職場、学校、地域コミュニティのグループチャット
  • 機能:音声・ビデオ通話、ステータス(ストーリー機能)、スタンプ・絵文字
  • 文化背景:共同体意識の強い文化が、WhatsAppの普及を後押し

LinkedIn(リンクトイン)

ビジネス向けSNSとしてじわじわと浸透
LinkedInは、ビジネスネットワーキングやキャリア構築に特化したSNSで、インドネシアでも特に都市部の若年層やホワイトカラー層を中心に利用が拡大しています。

  • 利用目的:仕事探し、業界ニュースの共有、人脈構築、専門知識の発信
  • 利用傾向:スタートアップ関係者や外資系企業の従業員を中心に活用されており、履歴書代わりにプロフィールを整える文化が広がりつつある
  • 特徴:実名制での使用が一般的なため、他のSNSに比べてビジネスに特化した信頼性の高い投稿が多い
  • 採用活動にも活用:人事担当者が候補者を検索したり、企業ページで採用情報を発信したりするケースが増加
  • キャリア意識の高まりと連動:経済成長に伴い、若者を中心にキャリア形成への意識が強まっており、LinkedInはその受け皿となりつつある

FacebookやInstagramに比べると娯楽性は低いものの、専門性や実用性を重視する層には確実に支持を広げており、今後も利用者数の増加が見込まれます。

文化的背景とSNS利用傾向

インドネシアのSNS利用には、以下のような文化的要因が影響しています:

  • 多民族国家:地域ごとのスラングや言語がSNS上でも飛び交う
  • 共同体重視:家族写真の共有や地域コミュニティでの交流が活発
  • 宗教との結びつき:ラマダン中の投稿、宗教的イベントに関する共有が目立つ
  • 陽気で親しみやすい性格:TikTokやInstagramでのユーモアコンテンツが人気
  • 新サービスへの柔軟さ:新しい機能やSNSへの適応が早い

 

 

3. コミュニケーション手段としての活用

将来の展望とトレンド予測 SNSの今後の発展可能性

ユーザー同士のやり取り:SNSは生活の延長

インドネシアではSNSが、友人や家族との日常的なやり取りから、公共的な議論の場まで幅広く使われています。
SNSは単なる情報発信ツールではなく、電話や対面のコミュニケーションの延長として活用されており、非常に人間味のある交流が見られます。

  • WhatsApp:テキスト・音声メッセージのやり取りが日常的。家族や友人、仕事仲間とのグループチャットが密接なつながりを維持しています。
  • Facebook:コメント欄での交流、「いいね!」の応酬、誕生日メッセージなどオープンで温かい交流が多く、日本のSNSよりもパブリックな雰囲気。
  • Instagram:投稿へのコメントやストーリーへのリアクションによる軽い会話、若者同士はDMでの交流も活発。
  • TikTok:コメント欄が新たな交流の場。コメントに対する「返信動画」など、動画を通じた双方向のコミュニケーションが特徴。
  • Twitter(X):匿名性が高く、政治や社会問題についての活発な意見交換や論争も頻繁に見られます。

「おはよう」「おやすみ」などの何気ない挨拶や、日常のちょっとした出来事のシェアまで、SNSはインドネシア人の生活の一部として溶け込んでいます。

企業と顧客のやり取り:チャットが主流のカスタマーサポート

インドネシアの企業もSNSを積極的に活用し、顧客との接点を築いています。チャット文化が根付いた同国では、メールよりもSNSやメッセージングアプリが主な連絡手段になっています。

  • WhatsApp:企業のカスタマーサポートの主要チャネル。公式ビジネス番号を公開して、注文受付や問い合わせ対応を実施。自動応答やチャットボットも普及中。
  • Facebook/Instagram:コメントやDMを使った商品説明・質問対応が一般化。ライブ配信で商品の紹介をしながら、その場でコメントに答える双方向マーケティングも多い。
  • Twitter(X):通信会社・航空会社などリアルタイム対応が求められる業種でよく利用され、ユーザーのツイートに対して迅速に返信し、個別対応を促すなどの対応が見られます。

これらのSNSを通じた対応は他のユーザーにも可視化されるため、企業にとっては顧客満足と同時にブランドイメージ管理の一環としても機能しています。

SNS上のコミュニティ形成:デジタル空間に広がる共同体

SNSは個人や企業の枠を超え、コミュニティ形成の場としても広く活用されています。リアルな人間関係をオンラインで維持・拡張する重要な役割を果たしています。

  • Facebookグループ:釣り・バイク・料理などの趣味グループ、特定の地域や村の住民による情報共有グループが盛ん。
  • WhatsAppグループ:大学のクラス、職場、子どもを持つ保護者グループなど、日常生活のあらゆるつながりがチャットで維持されている。
  • 宗教関連のつながり:巡礼者グループやモスク・教会のコミュニティが情報交換や励まし合いの場に。宗教行事の案内や日々の祈りの共有も行われる。

こうしたコミュニティ活動は、SNSが単なる情報発信ツールではなく現代の社会インフラとして機能していることを物語っています。

 

 

4. ビジネスとマーケティングへの活用

ビジネスとマーケティングへの活用

SNS広告の出稿状況と効果

主要プラットフォームでの広告展開が活発に

インドネシアでは、Facebook・Instagram・YouTube・TikTokなどのSNSが、マーケティングの主戦場として活用されています。これらのプラットフォームは数千万人~1億人規模のリーチを持ち、多くの企業が広告予算を投下しています。

  • Instagram:若者を中心に人気が高く、広告到達人数も増加傾向。ストーリーズ広告やリール広告が特に注目されています。
  • TikTok:動画広告で高いエンゲージメントを獲得。特に短尺でインパクトある広告が若年層に浸透しています。
  • YouTube:テレビCMに代わる動画広告媒体として定着。75%以上のインターネットユーザーにアプローチ可能。
  • Facebook:幅広い世代に届く広告媒体として引き続き高い影響力を維持しています。

ターゲティング精度の高さも魅力で、性別・年齢・地域などの属性に応じた広告展開が可能です。ただし近年、ユーザーが広告に慣れてきたことで、新規ブランド発見経路としての効果はやや減少傾向にあり、今後はよりクリエイティブで共感を呼ぶ広告表現が求められています。

インフルエンサーマーケティングの動向

信頼と共感を武器に急成長するプロモーション手法

インドネシアでは、SNSインフルエンサーを活用したマーケティングが非常に盛んです。

  • Instagramセレブ:ファッション・美容系のインフルエンサーが2010年代後半から台頭し、大きな購買行動につながる影響力を発揮。
  • TikTokインフルエンサー:面白動画で人気を得た一般ユーザーが、そのまま広告モデルとして活躍。ライブ配信での「TikTokライブコマース」も人気。
  • YouTubeクリエイター:レビュー系YouTuberやゲーム実況者がタイアップ動画で商品を紹介。リアルな使用感を伝えるスタイルが好まれています。

この手法の強みは「身近さと信頼性」。テレビCMよりも親しみやすく、消費者の生活に近い存在が語る言葉が大きな影響を持ちます。一方で、フォロワー数の不正取得やステルスマーケティング問題への懸念もあり、透明性や倫理への関心も高まっています。
マイクロインフルエンサー(フォロワー数1万人未満)の起用も増え、ローカルブランドの認知拡大にも一役買っています。

企業公式アカウント運営の成功事例

双方向コミュニケーションでブランドファンを獲得

インドネシア企業のSNS運用は年々洗練され、ブランド価値を高める成功事例が多数誕生しています。

  • コンパス(COMPASS):Instagramで限定商品の告知やユーザー投稿のリポストを行い、若者ファンを巻き込んだコミュニティ形成に成功。
  • Tokopedia:YouTubeでオリジナル番組を制作し、エンタメを通じて自社サービスの理解促進と話題作りを実現。
  • Telkomsel:Twitterで若者言葉やミームを用いた投稿を展開。フォロワーとの親しみやすいやり取りでブランドイメージを向上。
  • ジャカルタ市政府:Twitterで交通情報をリアルタイム発信。市民との信頼関係構築に寄与。

共通点は、単なる情報発信にとどまらず、「コメントへの返信」「ユーザーの投稿のシェア」など、ユーザーとの双方向の関係構築に力を入れていること。SNS時代のブランディングにおいて重要な戦略です。

ソーシャルコマース(SNS×EC)の急成長

デジタル版“屋台市場”として拡大中

SNSを使った商品の売買=ソーシャルコマースは、インドネシアで爆発的に普及しています。

  • TikTok Shop:ライブ配信と商品リンクを組み合わせたライブコマースが人気。インフルエンサーによる商品紹介とリアルタイム購入が一般化。
  • Instagram/Facebook:ショップ機能で商品カタログを掲載し、簡単に購入導線を提供。
  • WhatsApp経由販売:Instagramで見た商品をスクリーンショットし、WhatsAppで直接販売者とやり取りして購入するスタイルが定着。
  • Facebook Marketplace:中古品やハンドメイド商品がC2C(個人間)で取引される場として活発に利用。
  • Linkedin:ビジネス系SNSで意識高い系のビジネスパーソンにリーチするのに有効。

また、農家が果物をライブ配信で販売したり、服飾店が商品の試着ライブを配信するなど、ライブコマースの創意工夫も広がっています。もともと対面販売文化が根強いインドネシアにおいて、SNSはその親しみやすさをデジタルに再現した「新しい市場」となっています。

 

 

5. 将来の展望とトレンド予測 SNSの今後の発展可能性

将来の展望とトレンド予測 SNSの今後の発展可能性

若年層と技術進化が牽引する未来

インドネシアは若年人口が多く、SNSの利用者は今後も増加が見込まれています。スマートフォンの普及や5Gなどインフラの発展もあり、ソーシャルメディアの市場は拡大傾向にあります。

  • TikTok:さらにエンタメ性を高め、長尺動画やライブ配信の機能強化が進むと予想されます。
  • Instagram:Threadsのような新機能を導入し、テキストコミュニケーションの領域にも踏み込む可能性あり。
  • メタバースやAR/VR:仮想空間での交流やイベント参加といった未来型SNS体験も、現実味を帯びつつあります。

高性能スマホと高速通信の普及により、動画・ライブ配信を中心とした「リッチな体験」が今後の主流になるでしょう。

政府の規制強化とデジタル主権政策

市場の健全化と表現の自由の狭間で揺れるSNS

インドネシア政府は、SNSをめぐる法制度の整備と規制強化を進めており、SNS事業者やユーザーに大きな影響を与えています。

  • ソーシャルコマース規制:2023年、SNS上での直接物販を禁止。TikTok Shopなどの機能に制限が課されました。
  • コンテンツ規制:ポルノ、賭博、宗教冒涜などは禁止。プラットフォームは削除要請に応じる義務があります。
  • フェイクニュース対策:ファクトチェックや通報機能の強化が進行中。
  • ITプラットフォーム登録制度:2022年に導入され、未登録サービスは一時的にブロックされるケースも発生。
  • 将来的な動き:データの国内保存(ローカライゼーション)義務化、税収確保策の導入も予想されます。

これらの規制は、安全で健全なオンライン環境づくりを目指す一方で、言論の自由とのバランスも慎重に議論されるべき課題です。

総括的な展望

ユーザーの多様化と国際的発信力の高まり

インドネシアのSNS市場は、短期的には既存大手の優位が続くと見られますが、中長期的には以下の変化が予想されます:

  • インターネット利用者の拡大:地方や高齢者層を含めた新たなユーザーのオンライン化
  • デジタル教育の必要性:新規ユーザー向けにリテラシー教育やネットいじめ防止対策が求められる
  • 文化のグローバル発信:音楽やエンタメなど、インドネシア発のカルチャーがSNS経由で海外に届くケースが増加

今後は「ユーザーの拡大と多様化」「新サービスとの共存」「企業活用の高度化」「規制とのバランス」という軸で、インドネシアのソーシャルメディアはさらに進化していくと見られています。

 

 

まとめ

インドネシアではSNSが単なる情報共有のツールではなく、人々の生活やビジネスに欠かせない存在となっています。若者を中心にSNSの利用は拡大を続けており、WhatsAppやTikTokをはじめとする主要プラットフォームは、それぞれ異なる役割で活用されています。企業はマーケティングやカスタマーサポートにSNSを積極的に取り入れており、インフルエンサーマーケティングやライブコマースも急成長中です。一方で、政府による規制も進んでおり、安全性や健全性を確保しながら活用していくことが求められています。今後は、新興SNSの登場やメタバース・ARといった技術革新とともに、さらに多様でダイナミックな展開が予想されます。

 

 

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本記事で使用した用語の解説

SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)
インターネット上で人と人がつながる仕組みやサービスのこと。FacebookやInstagram、TikTokなどが代表例。

エンゲージメント
SNSに投稿した内容に対してユーザーが反応すること。いいね、コメント、シェアなどが含まれる。

ソーシャルコマース
SNSを通じて商品やサービスを販売する仕組み。ライブ配信中に商品を紹介して販売する形なども含まれる。

インフルエンサー
SNS上で多くのフォロワーを持ち、商品やサービスに影響を与える人物。著名人だけでなく一般人も含まれる。

リーチ
投稿や広告が実際に届いたユーザーの数。閲覧された回数とは異なる。

アルゴリズム
ユーザーの興味や行動に基づいて、見せるコンテンツを自動的に選ぶ仕組みのこと。

メタバース
仮想空間上で人々がコミュニケーションや経済活動を行う新しいデジタル空間。SNSと組み合わせた展開も進んでいる。

AR/VR
ARは拡張現実、VRは仮想現実。SNSではエフェクトやバーチャルイベントなどに活用される技術。

 

 

よくある質問(FAQ)

Q1. インドネシアで一番使われているSNSは何ですか?
A. 最も多くの人に使われているのはWhatsAppです。家族や友人との日常的な連絡手段として幅広く利用されています。

Q2. TikTokは若者以外も使っていますか?
A. 主に若年層に人気ですが、中高年層の利用者も増えてきており、特に地方の文化紹介やビジネス目的で活用する人も見られます。

Q3. インドネシアでSNSを使ったマーケティングを始めるにはどうしたら良いですか?
A. ターゲットに合ったプラットフォームを選び、インフルエンサーとの協力やチャット対応の体制づくりが重要です。まずはInstagramやWhatsAppを活用する企業が多い傾向にあります。

Q4. 規制は厳しくなっているのでしょうか?
A. 一部のSNS機能に対して政府が制限をかけている事例がありますが、安全性を確保する目的であり、正しく使えば問題はありません。

Q5. 今後注目されるSNSはありますか?
A. ThreadsやLevelといった新興SNSが注目されています。ユーザーの新しいつながり方を提案しており、今後の成長が期待されています。

 

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