4月 7, 2025 • インドネシア • by Erika Okada

ジャカルタ&バリ島での住宅探し徹底ガイド:インドネシア初心者に向けた賃貸のコツ

ジャカルタ&バリ島での住宅探し徹底ガイド:インドネシア初心者に向けた賃貸のコツ

インドネシアの首都ジャカルタとリゾート地バリ島は、多くの外国人が生活拠点とする人気エリアです。初めてインドネシアに赴任・移住する日本人や欧米人にとって、住まい探しには日本とは違ったポイントやコツがあります。本記事では、サービスアパートメントから一般賃貸アパート、一戸建て住宅(タウンハウス含む)、そしてバリ島特有のビラ(ヴィラ)まで、現地で選べる住宅タイプ別に特徴を解説します。また、駐在員・家族帯同・法人契約・リモートワーカー/ノマド・学生/短期滞在など入居者の目的別に、家賃相場や契約条件、人気エリア、インフラ事情や治安など重視すべき観点を網羅しました。インドネシアで理想の住まいを見つけるための総合ガイドとして、ぜひ参考にしてください。

 

 

インドネシアの主な住宅タイプと特徴

インドネシアの主な住宅タイプと特徴

まず、ジャカルタとバリ島で外国人が借りられる主な住宅タイプと、それぞれの特徴を押さえておきましょう。住宅の種類によって家賃体系や契約形態、設備やサービス内容が大きく異なります。

サービスアパートメント

サービスアパートメントは、清掃サービスや家具付きの部屋、レセプション対応などホテルに近いサービスが含まれる高級賃貸です。主にジャカルタ中心部に多く、駐在員や出張者向けに即入居できる利便性が魅力となっています。多くは家具家電完備で、週数回の清掃やリネン交換サービス、ジム・プールなどの共有施設も利用できます。家賃は他の住宅タイプより割高ですが、その分サービスと利便性が高いのが特徴です。

ジャカルタ中心部(CBD)のサービスアパート家賃相場は、面積1㎡あたり月約Rp450,000前後で推移しています。例えば家具付きスタジオ(21㎡程度)なら月額約950万ルピア(約9.5万円)前後が目安です。郊外では多少安くなり、非中心部では平均約Rp396,000/㎡・月とわずかに低めです。支払いは月極払いに対応する物件も多く、企業の社宅利用では年払い契約を前提に割引交渉が行われるケースもあります。

サービスアパートは基本的に管理会社が英語対応できるため、契約や日常のやりとりもスムーズです。初めての海外生活で生活面のサポートが欲しい方や、予算に余裕がある駐在員には安心して利用できる選択肢と言えるでしょう。

一般的な賃貸アパート

一般賃貸アパート(コンドミニアム含む)は、日本のマンションに相当する集合住宅です。サービスアパートとは異なり、清掃サービスなどは付きませんが、その分コストを抑えつつ設備の充実した暮らしができます。ジャカルタでは高層マンションが林立しており、プール・ジム・ミニマーケットなど敷地内設備が充実した物件が多いです。基本的に家具付き/なしを選択可能で、自分で家具を揃えて長期滞在する人もいます。

家賃相場は立地とグレードによって幅があります。ジャカルタ南部・中央部の人気エリアでは2ベッドルームで月Rp5~15 juta(500万~1500万ルピア、約5万~15万円)程度、郊外やジャカルタ東部では同規模でも月Rp3~5 juta(約3万~5万円)程度から見つかります。例えばジャカルタ南部・北部の住宅地での平均的な賃貸住宅家賃は年間約Rp60 juta(約600万円)とされ、これは月額換算すると5万円前後になります。一方、ジャカルタ中心部・西部は平均Rp40 juta/年(約400万円、月3.3万円相当)、東部はRp20 juta/年(約200万円、月1.6万円相当)と地域差が大きいのが特徴です。このように希望エリアによって家賃の相場感が大きく異なるため、勤務地や生活スタイルに合ったエリア選びが重要になります。

一般アパートの契約期間は1年契約(年払い)が原則ですが、オーナーや仲介業者によっては月払い・数ヶ月単位の柔軟な契約も可能です。短期契約の場合、月額家賃は年契約より割高に設定される傾向があります(※後述)。管理事務所やオーナーとのやりとりは基本インドネシア語ですが、高級マンションでは英語対応スタッフがいる場合もあります。

一戸建て住宅(戸建て・タウンハウス)

ジャカルタ都市部やその郊外では、戸建ての賃貸住宅も多く存在します。駐在員ファミリーには庭付き一戸建てやタウンハウス(クラスター住宅)が人気です。タウンハウスとは、フェンスで囲まれ警備員のいるクラスター内に建てられた戸建て群のことで、セキュリティ面で安心感があります。戸建て賃貸は集合住宅に比べ敷地・延床面積が広く、駐車場や庭が利用できるため、子供連れの家族には伸び伸びと生活できる点がメリットです。

家賃相場は物件の規模・築年数・所在地によって大きく異なります。例えば間取り3~4LDKの大型戸建てでは、ジャカルタ南部の高級住宅街(例えばポンドックインダ、チプテなど)で年間Rp200~500 juta(約2000万~5000万円)という物件も珍しくありません。一方、郊外エリアや狭小住宅であれば年間Rp20~50 juta程度(約200万~500万円)から契約可能です

。インドネシアの情報サイトによると、住宅の規模が小さいタイプ54(床面積54㎡程度)の戸建て賃貸でも、その地域によって年間Rp18 juta~Rp83 juta(約180万~830万円)と幅広いレンジがあります。つまり、戸建て賃貸はピンからキリまであり、自身の予算と希望に応じて選択肢が豊富と言えます。

戸建ての場合、支払いは年払い一括が一般的です。まとまった金額になるためハードルはありますが、年契約ならではのメリットもあります。年契約を結ぶことでオーナーから家賃値引きやサービス提供を受けられる可能性があり、長期居住の安定性も得られます。逆に短期契約や月払いは嫌がられることが多く、認められる場合も割高な賃料設定となることが多い点に注意しましょう。

設備面では、戸建て賃貸はアパートのような共用プールやジム等はありませんが、その代わり自由度の高い暮らしができます。庭で子供が遊んだりペットを飼ったりといったことも容易です。なお、物件によっては家具付きもありますが、多くは基本空室(空っぽ)で引き渡されるため、長期で住む場合は自分で家具家電を調達するケースが多いです。

ビラ(ヴィラ) – バリ島ならではの住宅

バリ島で長期滞在者やノマドに人気なのがビラ(ヴィラ)と呼ばれる一戸建て貸別荘です。伝統的なバリ風の平屋からモダンなプール付きヴィラまで様々で、リゾート地ならではの開放的な造りが特徴です。一般に敷地内にプライベートプールやガーデンを備え、リビングがオープンエアになっている物件も多く、南国の雰囲気を満喫できる住まいです。

ヴィラの賃貸は、観光客向けの短期貸し(1泊~数週間)から、在住者向けの長期貸し(半年~年単位)まで様々な形態があります。長期で借りる場合、契約期間は半年または1年以上の前払いが条件となることが一般的です。オーナーは地元バリ人だけでなく外国人投資家が所有している場合もあり、契約交渉ややり取りで英語が通じるケースも多いです。

家賃相場は立地とグレードで大きく異なります。外国人に人気の高いチャングーやウマラス、スミニャックなどでは2ベッドルーム以上・プール付きの高級ヴィラで年Rp150~300 juta(約1500万~3000万円)程度、中級クラスでRp80~120 juta(約800万~1200万円)前後が一つの目安です。より手頃な選択肢として、ローカル向けの質素な一戸建てや、小規模ヴィラをルームシェアする方法もあります。

実際、バリ島の生活コスト情報によれば、まず現地到着後はコス(下宿)や小さな一軒家を短期で借り、そこからゆっくり希望のヴィラを探すのが一般的です。バリ島では家具付きの個室(コス)を月Rp600,000~Rp8,000,000(約6千円~8万円)ほどで借りることも可能で、予算やニーズに応じ柔軟に住まい方を選べます。ノマドや短期滞在者であればまずは月極のコスやシェアハウスを借り、長期滞在に切り替える際にヴィラ契約を検討すると良いでしょう。

バリ島のヴィラは基本的に清掃スタッフや庭師付きの場合が多く、掃除やプール管理はオーナー側で手配されたスタッフが定期的に行ってくれることが多いです(費用は家賃込みか別途か要確認)。水道・電気代は別途実費負担ですが、短期貸しヴィラでは込みになっていることもあります。

 

 

入居者の目的別:住宅探しのポイント

入居者の目的別:住宅探しのポイント

次に、どのような立場・目的でインドネシアに滞在するかによって、適した住宅タイプや重視すべきポイントが異なります。駐在員なのか、家族帯同なのか、あるいは学生なのか――それぞれのケースで考慮すべき点を整理してみましょう。

駐在員向けの住まい選び

企業から派遣される駐在員の場合、勤務先オフィスへのアクセスと生活の利便性が最優先となります。ジャカルタではオフィス街への通勤渋滞が深刻なため、職場に近い中心部のアパートやサービスアパートメントがまず候補に挙がります。会社が住宅手当を出す場合や法人契約を結ぶケースが多く、比較的高めの予算でセキュリティ万全・設備充実の物件を選べる傾向があります。

駐在員に人気のエリアは、ジャカルタならスディルマン(SCBD)やクニンガン周辺の高級アパートメント、あるいはポンドックインダやチプテ/チランダックといった南ジャカルタの高級住宅街です。これらの地域には、日本人コミュニティや日本食レストラン、スーパーマーケットもあり生活に困りません。また、家族帯同であればジャカルタ日本人学校(チカランに所在)への通学を考慮して郊外のリッポーチカラン近辺に住む例もありますが、最近はスクールバスの充実により市内から通学する家庭も増えています。

バリ島に駐在するケースは主にホテル・観光業などでしょう。デンパサール市内やリゾートエリア近隣の近代的な一戸建て・ヴィラが社宅として用意されることが多く、こちらも会社契約でスムーズに入居できます。ジャカルタに比べると渋滞も緩やかですが、それでもクタやサヌール周辺は朝夕混雑するため、勤務地に極力近い住宅を会社にリクエストする方が良いでしょう。

駐在員の場合、会社の不動産エージェントが物件探しをサポートしてくれることが多いですが、提示される物件が必ずしも本人や家族の希望に沿うとは限りません。現地での内覧時には自分でも周辺環境(騒音や渋滞具合)やインフラの状態を確認し、必要であれば別のエリアの物件も検討してみる柔軟性が大切です。

家族帯同で暮らす場合

家族でインドネシアに移り住む場合、住宅選びでは安全性と教育環境、そして住環境の快適さがポイントになります。小さな子どもがいる家庭では、広い敷地とプライベートな空間が確保できる一戸建てやタウンハウスが人気です。庭で子供を遊ばせたり、近所の友達と安全に交流できる環境は戸建てならではの利点です。また「高層階のマンションより戸建ての方が子育て環境として安心」という声もあり、実際インドネシア駐在の日本人家庭でも戸建て志向は根強いです。

教育面では、ジャカルタにはインターナショナルスクールが数多く存在し、エリアによっては通学環境が整っています。例えばジャカルタ・インターカルチュラル・スクール(JIS)はチランダックにキャンパスがあり周辺は外国人住宅街となっていますし、イギリス系やその他各国の学校も南ジャカルタ~タンゲラン南部に集中しています。従って、学校の場所に合わせて住むエリアを選ぶことも重要です。一方バリ島にも、近年はインターナショナルスクールやチャータースクールが増えており、ウブド近郊のグリーンスクールやサヌールのダイヤモンドスクールなどが知られています。お子さんの教育方針に合った学校とその周辺地域での住居を検討しましょう。

家族帯同の場合、安全性を高めるためゲート付きの住宅地(クラスター)や24時間警備のあるコンドミニアムを選ぶことが推奨されます。住宅地によっては日本人・欧米人ファミリーが多く住むコミュニティになっており、近所付き合いや情報交換もしやすい雰囲気です。例えばジャカルタのケマン(Kemang)やポンドックインダ(Pondok Indah)、バリ島のサヌール(Sanur)は外国人家族が多く、周囲にインターナショナル幼稚園や習い事教室も充実しています。子育て環境という観点で、医療施設の充実度も無視できません。幸いインドネシアも大都市には国際水準の総合病院があり、バリ島でも近年医療環境は向上しています。緊急時にはシンガポールへの搬送というオプションもあります。

法人契約(社宅)で入居する場合

会社名義で契約を結ぶ法人契約(社宅)では、契約手続きや支払いは会社側で行われるため、入居者本人の手間は軽減されます。オーナーにとっても支払い確実な法人契約は歓迎される傾向があり、外国人個人で借りるよりも有利な条件で契約できる場合があります。例えば年払い家賃の一部負担や、故障時の迅速な対応など、法人契約の方がサービスが手厚いケースもあります。

もっとも法人契約では会社側の住宅規定や予算内で物件が指定されるため、自由度は下がります。「住宅手当の範囲内で好きな物件を自分で探す」という会社もあれば、「候補物件リストから選択するだけ」という場合もあります。もし選択肢が与えられるなら、遠慮なく希望を伝えて交渉しましょう。インドネシアでは不動産エージェントも柔軟で、オーナーとの交渉を代行してくれます。たとえば家具を追加してほしい、壁を塗り替えてほしい等の要望も、法人契約であれば受け入れられやすいです。

注意点として、法人契約を途中解約する場合の取り扱いを確認しておくことがあります。駐在期間が短縮されたり転勤になった場合、前払いした家賃の返金条件などを明記してもらうのが望ましいです。一般的に年契約の途中解約では返金されないことも多いですが、法人同士の契約であれば交渉の余地があるかもしれません。また契約書は会社の法務が目を通すとはいえ、インドネシア語原本と英語対訳が用意されることが普通です。内容に不明点があれば、自分でも英語版を読んで確認すると安心です。

リモートワーカー・デジタルノマドの場合

近年増えているリモートワーク勤務者やデジタルノマドがインドネシアで住居を探す場合、短期滞在の柔軟性と生活コストが重要なポイントとなります。会社勤めの駐在員とは異なり、自費での滞在となるため予算管理が必要です。またノマド的な働き方では、住まいも機動的に移れるよう契約期間の柔軟さが求められます。

ジャカルタでリモートワークする場合、短期契約可能なサービスアパートメントや家具付きアパートを借りる人が多いです。3ヶ月~半年など短めの契約に対応してくれる物件を探しましょう。一般賃貸でもオーナーによっては月単位・数ヶ月単位の賃貸に応じてくれる場合があります。ただし月極契約の家賃は割高になる傾向があり、長期契約に比べ総支出は高くなりがちです。一例として、ある物件で年契約なら月Rp5 jutaの家賃が、3ヶ月契約だと月Rp6 jutaになる…といったこともあります。柔軟性とコストのバランスを考え、最適な契約期間を選びましょう。

バリ島は世界的にもデジタルノマドの聖地とされ、コワーキングスペースやノマド向けコミュニティが充実しています。ノマドの場合、まずは1ヶ月程度試しに滞在し、その間に気に入ったエリアのヴィラやコスを探すという方法がおすすめです。現地の経験者からは「まずホテルやゲストハウスで1週間~1ヶ月滞在し、直接物件を見て回って交渉すると良い」というアドバイスもあります(ネット掲載情報だけではわからない現地事情を把握するため)。バリ島ではオンラインでは見つからない掘り出し物件も多く、オーナーと直接交渉すれば割安な長期貸しに応じてもらえることもあります。

またリモートワークにはインターネット環境が生命線です。ジャカルタでは高速な光回線サービス(IndiHomeやBiznetなど)が広く普及しており、市内の主要アパートなら問題なくテレワーク可能です。バリ島でもデンパサールや観光地エリアでは高速インターネットが利用でき、10Mbps~数百Mbpsのプランがあります。ただし山間部や離島寄りの地域では通信が不安定なこともあるため、居住地はできるだけネット環境の整った場所を選ぶと安心です。

学生・インターン・短期滞在者の場合

インドネシアの大学に留学する学生や、数ヶ月のインターン・研修で滞在する場合は、契約期間の短さと初期費用の安さがポイントです。一般的にローカル学生はコス(Kost)と呼ばれる下宿を利用します。コスは家具付き個室を月単位で借りる形式で、バス・トイレ共同から専用バスルーム付き高級コスまでピンキリです。例えばバリ島では家具なしの格安コスなら月Rp60万(約6千円)程度から、AC・家具付きの快適なコスでも月Rp100万~150万(約1万~1.5万円)程度で見つかります。ジャカルタでも郊外の学生街なら同様の価格帯で、中心部の便利なロケーションでは月Rp300万(約3万円)以上する高級コスもあります。

短期滞在者向けにはサービスアパートの月極プランや、Airbnbなどを通じた家具付き物件のサブリースも選択肢です。Airbnbではバリ島の1ヶ月レンタルが豊富で、評判の良いホストを選べばトラブルも少ないでしょう。ただし最近のインドネシアでは、一部地域でAirbnb貸し出しに規制が入る動きもあるため、正式な賃貸契約が交わせる物件が安心です。

学生の場合、留学先大学の寮や提携コスを案内してもらえることもあります。費用は現地相場に準じますが、治安やサポート体制の面で利点があります。インターンや研修であれば、受け入れ企業や団体が住宅を手配してくれることもあります。もし自分で探す場合は、契約期間を数ヶ月に対応してくれるかを最初に確認しましょう。年契約前提の物件でも、留学ビザなど滞在期間が証明できれば交渉可能なことがあります。

 

 

ジャカルタで人気の居住エリアと特徴

ジャカルタで人気の居住エリアと特徴

ジャカルタは広大な都市で、エリアによって雰囲気や利便性が大きく異なります。ここでは、外国人に人気のある主な居住エリアを紹介し、それぞれの特徴を解説します。

  • スディルマン/SCBDエリア(中央ジャカルタ~南ジャカルタ): ジャカルタのビジネス中心地区で、高層オフィスと高級マンションが林立しています。日本大使館も近いタムリンや最新スポットの集まるSCBD(スディルマン中央業務地区)は、単身駐在員や若いビジネスマンに人気です。家賃は高めですが渋滞を避けて職住近接でき、ショッピングモールや飲食店も徒歩圏内に揃います。
  • クニンガン/Kuningan・メガクニンガン(南ジャカルタ): 多国籍企業や大使館が集中するビジネス街で、高級マンションやサービスアパートが多数あります。治安が良く、国際色豊かな環境です。高級ホテルも多く外国人コミュニティも大きいです。クニンガンの東側には中~高級のアパートが建ち並ぶカサブランカ通りもあり、大型モール「コタカサブランカ」など生活利便も高いです。
  • ケマン/Kemang(南ジャカルタ): オシャレなカフェやインターナショナルな飲食店が集まり、「外国人村」と称されるエリアです。低層のアパートや戸建てが多く、欧米人を中心に在住者が多い地域です。渋滞は激しいものの徒歩で行ける範囲に飲食店・スーパーが揃い、夜間も賑やかです。日本人向け幼稚園などもあり、若い夫婦から子連れまで幅広く人気です。
  • ポンドックインダ/Pondok Indah(南ジャカルタ): 高級住宅街の代表格で、大使館員や富裕層外国人が多く住むエリアです。巨大モール「Pondok Indah Mall」を中心に、日本食料品店や日本食レストランもあります。緑が多く閑静で、邸宅が並ぶエリアですが、その分車移動が前提となります。インターナショナルスクールも近くファミリー層に理想的ですが、中心部への通勤は高速道路利用でも渋滞時間帯は1時間以上かかることも。
  • チカラン/Cikarang・リッポーチカラン(郊外東方): ジャカルタ郊外に位置し、工業団地があるエリアです。日系企業の工場が多く、日本人駐在員向けの日本村(リッポーチカラン・ダイハツタウンなど)が整備されています。日本人学校もあり、日本食スーパーやゴルフ場、日本食レストランが充実しています。都心から遠いため通勤は特殊なケースですが、工業団地勤務の駐在員家族には環境が整ったエリアです。

上記のほか、メンテン(Menteng)(中央の由緒ある高級住宅街、欧米外交官が多い)、スナヤン(Senayan)(高級コンドと競技場、公園がある都心エリア)、クラパガディン(Kelapa Gading)(北ジャカルタの新興住宅地、中華系富裕層多し)なども外国人が居住するエリアとして知られます。各エリアで交通事情や物件タイプが異なるため、自分の優先順位(通勤か住環境か)に合わせて検討しましょう。

 

 

バリ島で人気の居住エリアと特徴

バリ島で人気の居住エリアと特徴

バリ島では、南部を中心に外国人が多く暮らすエリアがあります。それぞれ雰囲気が異なるので、自分のライフスタイルに合った地域を選ぶことが重要です。

  • チャングー/Canggu(バドゥン県北部): 近年最もホットなデジタルノマド&サーファーの聖地です。田園風景が残るエリアにオシャレなカフェやコワーキングスペースが点在し、若い欧米人ノマドが集まっています。ヴィラやゲストハウスが多く、英語のみでも生活可能なほど外国人コミュニティが大きいです。ただし人気ゆえ交通量が増え、道路が狭いため渋滞が発生しやすくなっています。
  • スミニャック/Seminyak~クロボカン/Kerobokan(バドゥン県): 古くからある高級リゾートエリアで、ヴィラや高級コンドミニアムが多数あります。おしゃれなブティック、レストラン、ビーチクラブが集積し、観光客と長期滞在者が混在する国際的な雰囲気です。物価(家賃含む)は高めですが、その分快適な欧米スタイルの暮らしができます。
  • サヌール/Sanur(デンパサール市): バリ島南東部の落ち着いたビーチエリアで、昔から欧米の長期滞在者や退職者に人気です。喧騒を離れた穏やかな雰囲気で、日本人を含む子育て世帯も暮らしています。インターナショナルスクールや日本人会もありコミュニティが形成されています。海沿いには散歩道が整備され、治安も比較的良好です。
  • ウブド/Ubud(バリ島中部): 芸術と伝統文化の町ウブドは、山間の緑豊かな環境で欧米人アーティストやヨギー(ヨガ愛好者)に人気です。こちらも長期滞在する外国人が多く、オーガニックカフェやヨガスタジオなど独特のコミュニティがあります。ヴィラはチャングーほど多くありませんが、周辺の村に素朴な一軒家を借りてローカルに溶け込む外国人もいます。都会の喧騒を離れたい人には理想的ですが、海や空港から距離がある点は留意が必要です。
  • ヌサドゥア/Nusa Dua・ジンバラン/Jimbaran(バドゥン県南部): 高級リゾートホテルが集まるエリアで、観光客向けの印象が強いですが、中長期で滞在する外国人もいます。ジンバランはシーフードカフェで有名なローカルエリアでもあり、観光地と生活圏が隣り合わせです。高級ヴィラが点在し、サーフポイントも近いことからサーファーの在住者も多いです。
  • デンパサール市街: バリ島の行政経済の中心地ですが、観光要素は少なめです。ローカル色が強く、夜遊びやパーティ好きには向いていますが、静かな環境を求める外国人はあまり選びません。ただ、物価は安くローカルフードも豊富で、インドネシア語さえできれば快適に暮らせるでしょう。高速インターネットや大型スーパーなど都市機能も整っています。

以上のように、バリ島では南部エリアに外国人コミュニティが集中しています。南部は交通量が多く生活の変化が激しい一方、北部や東部のエリアは伝統的で静かな環境が残っており、あえてそちらで暮らす外国人も僅かながらいます。自分が求める「賑やかさ」と「静けさ」のバランスを考えてエリア選択をすると良いでしょう。

 

 

家賃相場と契約条件の基本知識

家賃相場と契約条件の基本知識

インドネシアの賃貸では、日本とは異なる商習慣や契約条件があります。特に家賃の支払い方法(年払い・月払い)やデポジットなどは独特なので、基本知識を押さえておきましょう。

家賃の相場感と目安

ジャカルタ・バリ島ともに、物件タイプとエリアによって家賃の振れ幅が大きいです。上記で具体例を挙げましたが、ざっくり整理すると以下のようなイメージです。

  • サービスアパート: ジャカルタ中心部では月Rp8~20 juta(約8万~20万円)が目安。小さなユニットでも月数万円は下らず、長期割引があるとはいえ高級ホテル並みの費用感です。バリ島ではサービスアパート自体が少ないですが、デンパサール市内に近代的なコンドミニアムが登場しており、そこでは月Rp5~10 juta程度のものもあります。
  • 一般アパート(マンション): ジャカルタでは月Rp3~10 juta(約3万~10万円)に集中しています。高級クラスになると月Rp15 juta(15万円)以上もありますが、駐在員が利用する中~高級物件は大体このレンジです。バリ島ではアパートというよりコスやコンドミニアムが該当しますが、家具付き一室を月極で借りる場合Rp1~4 juta/月(1万~4万円)が多い印象です。
  • 戸建て住宅: ジャカルタの場合、Rp50~150 juta/年(約50万~150万円/年)が一つの相場帯です。月額に直すと4万~12.5万円ほど。もちろん立地次第ではそれ以上もあり、高級住宅街ではRp300 juta/年以上(300万円超)も珍しくありません。バリ島のヴィラはRp80~200 juta/年(80万~200万円)あたりがボリュームゾーンでしょう。ただし小規模なローカル住宅ならRp20~50 juta/年程度(20万~50万円)もありますし、逆に超豪華ヴィラはRp500 juta/年超(500万円以上)とキリがありません。

このように非常に幅広いですが、インドネシアの物価水準からすると月Rp5 juta(約5万円)支払えばかなり快適な住まいが得られる、とも言えます。留意点は、同じ家賃でも年契約か月契約かで条件が変わることです。年契約であればオーナーも長期で借りてくれるメリットがあるため多少の値下げ交渉に応じてくれたりしますが、月契約だとそのままの提示額になるか割高設定が普通です。自分の滞在予定期間と予算を考慮し、総額で得か損かを判断しましょう。

支払い方法(年払い vs 月払い)

インドネシアの賃貸では年払い(または半年払い)が一般的です。特に個人オーナーが貸す戸建てやアパートは「まとめて払ってくれる借り手」を好むため、1年分前払いが原則となります。これはオーナー側の家賃滞納リスクを減らす文化的慣習でもあります。ただ、借りる側にとって年払いは初期費用負担が大きいため、最近では月払い可能な物件も徐々に増えてきています。サービスアパートや大手デベロッパー運営のマンションでは月払いOKが多いです。

年払いのメリット: 年契約すると月当たり家賃が割安になることが多いです。オーナーとしても一年分確保できる安心感から、値引きやサービス付帯をしてくれる傾向があります。また契約更新時まで家賃が固定されるため、途中で値上げされる心配がありません。長期滞在が確定しているなら、年払いの方が総コストを抑えられる可能性が高いでしょう。

月払いのメリット: なんといっても初期費用が抑えられ、身軽に移動できる柔軟性です。数ヶ月住んで合わなければ引っ越す、といったことも容易になります。ただし指摘の通り、オーナー都合で短期契約を打ち切られるリスクもゼロではありません(例えばもっと高い家賃で借りたい人が現れた時など)。また月払いOK物件は家賃設定自体が高めだったり、毎月の支払い管理が必要だったりと煩雑さも伴います。

デポジット(敷金): 月払い契約の場合、1~2ヶ月分の家賃をデポジット(保証金)として預けるケースがあります。年払いではデポジット無しのことも多いですが、物件によってはやはり1ヶ月分程度求められます。退去時に破損や未払いがなければ返金されますが、返金ルールは契約書で確認しておきましょう。

支払い方法: 通常は銀行振込でオーナーの口座に支払います。一部、現金払いを希望するオーナーもいますが、高額になる場合は振込が安全です。領収証(インドネシア語で「ビナス」と呼ばれる簡易領収書)を発行してもらうか、少なくとも振込控えは大切に保管しておきましょう。

契約期間と更新

賃貸契約期間は1年が基本ですが、上記のように6ヶ月や1ヶ月など短期も増えています。契約延長(更新)の際は、再度契約書を作成して追加で年払いするか、当初から2年契約として2年分払うケースもあります。更新時に家賃が値上げされることもあり、都市部では平均2~5%ほど上昇する傾向にあります

。ただし近年の景気や不動産市況によっては据え置きや値下げ交渉も可能です。周辺の家賃相場を把握して、必要なら交渉してみる価値はあります。

契約終了時には退出立会いを行い、物件を借りたときの状態に戻して返却します。通常の使用による劣化は問題ありませんが、破損箇所があると修理費を請求される場合があります。戸建てでは庭木の手入れ具合などもチェックされることがありますので、借りている間から管理会社と連携してメンテナンスしておくと良いでしょう。

 

 

オーナー・管理会社との付き合い方と契約上の注意点

オーナー・管理会社との付き合い方と契約上の注意点

インドネシアで物件を借りる際、日本とは異なる慣習や注意点があります。ここでは契約手続きや日常のやり取りで知っておきたいポイントをまとめます。

言葉の壁とコミュニケーション

インドネシアでは基本的に契約書はインドネシア語で作成されます。ただし外国人相手の物件では英語対訳付きの契約書を用意してくれることがほとんどです。英語が苦手な場合は日本語のできるローカルスタッフや知人に内容をチェックしてもらいましょう。幸いインドネシア語は文法が平易で習得しやすい言語と言われており、簡単なフレーズならすぐ覚えられます。オーナーや管理人とのちょっとした会話はインドネシア語で挑戦してみると、良好な関係づくりにも役立ちます。一方バリ島では観光業の影響で英語が通じる地元住民が多いので、言葉に不安があっても大抵なんとかなります。ジャカルタでも高級物件のオーナーは英語堪能な富裕層だったりするので、意外と直接英語交渉できることもあります。

仲介業者(エージェント)利用のススメ

現地の物件探しでは、不動産エージェント(仲介業者)に依頼するのが一般的です。エージェントはオーナーとの間に立って物件案内や契約サポートをしてくれます。手数料は通常オーナー側が支払うため、借り手は無料で利用できます(※ごく稀に短期契約などでは借り手からも手数料を取る場合がありますが、その場合は事前に説明があります)。エージェントを通すことで、契約交渉やトラブル対応で心強い味方になってくれます。例えばエアコン故障時の修理依頼や、退去時の敷金返還交渉など、自分では伝えにくいこともエージェント経由ならスムーズです。

信頼できるエージェントを見つけるには、同僚や先輩駐在員に紹介してもらうのが確実です。またジャカルタやバリには外国人向けの不動産会社も多数あり、英語や日本語で対応してくれるところもあります。「Expats Housing Jakarta」や「バリ島 住宅 エージェント」などで検索すると情報が出てきます。いずれにせよ複数の物件を比較検討するためにも、プロの手を借りるのが賢明でしょう。

契約時に確認すべき事項

契約書を交わす際には、以下の点を必ず確認しましょう。

  • 契約期間と更新条件: 何年契約か、更新は可能か、自動更新か再契約か。更新時に家賃がどうなるか(都度協議か一定率アップか)も要チェックです。
  • 支払いスケジュール: 家賃の支払いタイミング(前払いか後払いか)。年払いの場合次の支払日、月払いの場合毎月何日までか。遅延時のペナルティも確認します。
  • デポジット: 金額と返還条件。何をもって没収となるか(例えば家賃滞納・備品破損など)。返金時期(退去後何日以内など)。
  • 家賃に含まれる費用: IPLと呼ばれる管理費用(マンションの共益費)が含まれているか、水道光熱費やインターネット代は自己負担か。戸建ての場合、ガーデナーや清掃係の費用負担についても取り決めがあるか確認します。
  • 修繕義務: 設備が故障した場合、オーナー負担で修理する範囲と入居者負担となる範囲を明確にします。通常、構造や主要設備の故障はオーナー負担ですが、消耗品の交換や小修繕は入居者負担となるケースもあります。
  • 禁止事項: 物件によってはット飼育禁止、改装・模様替え禁止、騒音禁止(バリではガムラン楽器NG例も)など様々なルールがあります。特にペット可否は重要ポイントですので、飼う予定がある人は明記してもらいましょう。

インドネシアでは口頭で済まされそうな事柄も、後のトラブル防止のため契約書に全て盛り込んでもらうことが大切です。言った言わないにならないよう、「約束された家具の設置」「壁の塗り直し約束」なども契約書の付帯資料やメールで記録を残しましょう。

日常のトラブル対処

入居後、設備の不具合や近隣との問題が起きた場合も、まずはオーナーまたは管理会社に連絡します。サービスアパートや大規模マンションなら24時間体制の受付があり迅速に対応してくれます。一戸建ての場合はオーナー直通か、オーナーが委託する管理担当者(ペンギurus)に連絡する形です。言葉に不安がある場合は、エージェントや現地の同僚に間に入ってもらうとスムーズです。

ジャカルタでは停電や断水は稀ですが起こりえます。非常用に懐中電灯や水の備蓄を用意すると安心です。バリ島では雷雨による一時停電やインターネット不通が時折あります。長時間の停電に備えて、UPS(無停電電源装置)をPCに繋いでおくノマドもいます。また水道水は基本的に飲用不可なので、日本の浄水ポットやウォーターサーバーを利用しましょう。

インフラ・生活環境のポイント

インドネシアでの生活インフラ事情について、日本との違いを把握しておきましょう。特に電気・水道・ネットは生活の質を左右します。

  • 電気: 電圧は230Vで、日本の電化製品を使うには変圧器が必要な場合があります。プラグ形状はCタイプが一般的です。賃貸住宅では電力会社PLNから各戸に割り当てられる契約容量が決まっており、戸建て古住宅だと容量が小さく電子レンジとAC併用でブレーカー落ち…なんてことも。必要に応じオーナーに交渉して契約容量を上げてもらうことも可能です。電気料金は毎月の検針か、プリペイド式(トークンを購入してチャージ)があり、物件により異なります。
  • 水道: ジャカルタ市内では上水道(PAM)が整備されていますが、水圧が低い地域や水質が悪い場合もあり、物件によっては井戸水をポンプで汲み上げて使っています。いずれにせよ飲料には適さないため、飲み水はガロンボトルの購入が一般的です。バリ島も同様で、井戸水利用のヴィラが多いです。シャワーは水圧にばらつきがあるので、気になる人は内覧時に確認を。なお雨季には地域によって洪水が発生し断水することもあるので、ポリタンク等に予備水を貯めておくと安心です。
  • インターネット・通信: 都市部では光ファイバー網が整っており、主要プロバイダー(IndiHome、First Media、Biznetなど)と契約すれば自宅で高速Wi-Fi環境が得られます。集合住宅では管理側で一括導入しており入居と同時にWi-Fi利用可のところもあります。バリ島でも南部では高速ネット利用可ですが、山間部ではポケットWi-Fiや衛星ブロードバンドに頼るケースも。携帯通信は主要キャリア(Telkomsel, XLなど)の4G/5Gサービスが広く普及しています。SIMカードを購入すれば月々Rp100,000(約1,000円)程度で十分なデータ通信が可能です。仕事でネットが重要な人は、固定回線+携帯データの二重備えをしておくと安心です。
  • 交通事情: ジャカルタは世界有数の交通渋滞都市です。朝夕のラッシュ時は特にひどく、短距離でも1時間以上かかることがあります。最近はMRT(地下鉄)南北線やBRT(バス高速輸送システム: トランスジャカルタ)が整備され、一部では公共交通も利用価値がありますが、まだ路線は限られています。多くの駐在員は社用車か配車アプリ(GojekやGrab)のタクシー/バイクを利用しています。住まい選びの際は職場までのアクセスを必ずシミュレーションし、主要道路への出やすさや近隣の交通量を確認しましょう。バリ島は公共交通がほぼ無いため、バイクまたは車が移動の基本です。国際免許があれば自分で運転可能ですが、慣れないうちは運転手付きカーリース(月極)を利用する手もあります。場所によっては徒歩や自転車で生活圏が完結するエリアもありますが、一般的には移動手段を確保しておくことが大前提です。
  • 買い物環境: ジャカルタでは大型モールが各所にあり、日系の伊勢丹やパパイヤ、外国人御用達のグランドLuckyなどで日本食品・輸入食品も手に入ります。地域の伝統市場も面白いですが、初心者にはまずスーパー利用が安心でしょう。バリ島はデンパサールや南部にカルフールやハイパーマート等があり、サヌールやクロボカンには日本食材店もあります。オンラインデリバリー(GoFoodなど)も発達しており、食事や日用品をスマホで注文して届けてもらうのも一般的です。

 

 

インドネシアの治安・安全性について

インドネシアの治安・安全性について

インドネシアの治安は概ね安定していますが、地域や環境によって注意点があります。日本人にとって気を付けたいポイントを押さえておきましょう。

住居の安全対策

都市部では24時間警備やゲートアクセス管理のある住宅を選ぶことで、かなり安全性は高まります。高級アパートやサービスアパートはゲートでのセキュリティチェックやカードキーエレベーターなど完備されています。戸建ての場合も、クラスター内で警備員が巡回している所は安心です。そうでない一戸建てを借りる場合は、夜間だけプライベート警備員(Satpam)を雇うことも検討できます。実際、富裕層の家では独自に門番を置く例が多いです。

泥棒や空き巣被害に関しては、日本と比べて「絶対安全」とは言えません。特にバリ島のヴィラは開放的な造りゆえに侵入されやすく、貴重品管理が大切です。長期間留守にする際は信頼できる友人に見回りを頼んだり、防犯カメラを設置する人もいます。ジャカルタでも、路上駐車の車上荒らしや置き引き等の軽犯罪は起こりますので、戸締まりや貴重品管理は徹底しましょう。

一般治安とトラブル

ジャカルタの繁華街ではスリやひったくりに注意が必要です。特に渋滞中の車の窓からスマホを見ているとバイクで通りすがりに奪われるケースもあります。歩行中もバッグは道路側に持たない、深夜の一人歩きは避けるなど基本的な自衛策を取りましょう。バリ島でも観光客狙いのスリが観光エリアで発生しています。また近年バリ島には特定国からの滞在者が急増し、一部モラルの低い行為(無免許運転や不法営業など)が社会問題化しています。こうしたニュースは現地メディアでも報じられており、警察も取締りを強化しています。外国人として現地の法律・規則を守ることはもちろん、自分自身が犯罪被害に遭わないよう注意することも大切です。

一方で、インドネシア人は総じて穏やかで親切な国民性です。異文化に対する寛容さもあり、外国人だからといって排斥されたり狙われたりする心配は過度に要りません。現地コミュニティに溶け込めば困ったときに助け合える安心感も得られるでしょう。特に日本人は勤勉で礼儀正しいと好印象を持たれることが多いので、誠実に接していれば近隣とも良好な関係を築けるはずです。

 

 

外国人コミュニティとサポートネットワーク

外国人コミュニティとサポートネットワーク

慣れない海外暮らしでは、周囲に頼れるコミュニティや情報源があると心強いものです。ジャカルタとバリ島の外国人コミュニティ事情について触れておきます。

ジャカルタの外国人コミュニティ

ジャカルタには約1万人以上の日本人在留者がいると言われ、他の国籍も含めると相当な外国人コミュニティが存在します。日本人社会ではジャカルタ日本人会が中心となり、補習授業校の運営やお祭りイベントなどを行っています。また駐在妻同士の交流サークルや、日本人教会、日本人向けゴルフコンペなど活動も盛んです。必要に応じてそうしたコミュニティに参加すれば、生活情報やトラブル時の相談相手が見つかるでしょう。

西洋人コミュニティ向けにも、“Jakarta Expats”のようなFacebookグループや掲示板があり、物件情報や生活の知恵が交換されています。インドネシアは基本的に英語が通じる人が限定されるため、外国人同士で情報を共有することは貴重です。語学の壁や文化ギャップで困ったとき、SNSなどでコミュニティに助けを求めると思わぬアドバイスがもらえることもあります。

住むエリアによっては自然発生的に外国人ネットワークができます。例えばケマンなら毎週末のように外国人同士が集まるバーがあったり、同じマンション内で交流が生まれたりします。お子さんがいる場合はインターナショナルスクール繋がりで親同士のネットワークもできます。こうした横の繋がりを大切にすると、病気のときに助け合ったり、日本食材をおすそ分けしてもらったりと、海外生活でもホッとする瞬間が得られるでしょう。

バリ島の外国人コミュニティ

バリ島の外国人社会はジャカルタ以上に国際色豊かで多様です。欧米、オーストラリア、中国、ロシア、日本など様々な国の人が暮らしています。地域ごとにカラーがあり、チャングーは若い欧米ノマドやサーファー、ウブドは芸術家肌の人々、サヌールはシニア層、といった具合です。それぞれにコミュニティが形成され、SNSグループや現地イベントで交流しています。

日本人コミュニティはバリ島ではそれほど大きくありませんが、それでも数百人規模は住んでおり、バリ日本人会や有志の集まりがあります。日本食レストランもサヌールやデンパサールに数軒あり、顔見知りが増えれば情報交換の場にもなります。バリ島在住日本人向けのフリーペーパーやWebメディア(例えば「月刊じゃかるた」のバリ特集号等)から最新情報を得るのもよいでしょう。

バリ島では外国人同士の助け合い文化が根付いています。例えば「バリ島長期滞在者」のFacebookグループでは、ビザ情報からおすすめの大工さん紹介まで様々な質問にベテラン勢が回答してくれます。またコワーキングスペースに行けば同業種のノマド仲間に出会えたりと、人との繋がりを作りやすい雰囲気があります。インドネシア語ができなくても英語で気軽に話しかけてみましょう。島ならではのゆったりとした空気もあり、新参者にも皆フレンドリーに接してくれるはずです。

 

 

まとめ

ジャカルタとバリ島での住宅探しは、一見ハードルが高いように思えるかもしれません。しかし、本記事で解説したように、住宅タイプごとの特徴や契約のコツ、エリア選びのポイントを押さえれば、自分に合った快適な住まいを見つけることができます。インドネシア初心者の方は、まずは信頼できる現地エージェントや先輩外国人から情報収集し、実際に内覧を重ねることをおすすめします。幸いインドネシアの人々は親切で柔軟性があり、交渉次第で融通が利くことも多々あります。

最後に、住めば都という言葉通り、住み慣れてくるとインドネシアならではの良さが見えてくるでしょう。ジャカルタの便利さや活気、バリ島の癒やしの環境といった魅力を享受しながら、安全で快適な住まいを確保してください。異国の地での新生活が実り多いものとなるよう、本記事の情報がお役に立てば幸いです。

 

 

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本記事で使用した単語の解説

サービスアパートメント
家具付きで清掃サービスやレセプション対応など、ホテルに近いサービスが受けられる高級賃貸住宅。主にビジネス出張者や駐在員に人気。

一般賃貸アパート(コンドミニアム)
マンション型の賃貸住宅。家具付き/なしが選べ、ジムやプールなどの共有設備が充実している物件も多い。

戸建て住宅(タウンハウス含む)
一軒家の賃貸形式。ファミリー層に人気で、庭付きや駐車場付きなど広さと自由度が特徴。

ビラ(ヴィラ)
主にバリ島に多く見られる一戸建ての貸別荘。プール付き、オープンエア構造など、リゾート感のある住まい。

コス(Kost)
家具付きの下宿形式の賃貸住宅。月単位で契約可能で、学生や短期滞在者に人気。

デポジット
敷金のこと。家賃滞納や設備の破損時に備えて、契約時に預ける保証金。

IPL(Iuran Pengelolaan Lingkungan)
マンションや住宅地における管理費。警備、清掃、共用施設の維持費などが含まれる。

法人契約(社宅)
会社名義で契約する住宅のこと。契約・支払いは会社が行い、駐在員本人の負担は軽減される。

クラスター住宅
ゲート付きで警備員が常駐する戸建て住宅群。セキュリティ面で安心感がある。

光回線(IndiHome / Biznet / First Mediaなど)
インドネシアで普及している高速インターネットサービス。都市部ではほぼ対応済み。

SCBD(Sudirman Central Business District)
ジャカルタの中心業務地区で、高層オフィスや高級アパートが集まるエリア。

契約期間(年払い・月払い)
インドネシアでは年単位での賃貸契約が一般的。月払い契約は少数派で、家賃が割高になる傾向がある。

 

 

よくある質問(FAQ)

Q1. インドネシアで住宅を借りるとき、言語の問題はありますか?
A1. 契約書は通常インドネシア語ですが、外国人向け物件では英語訳が用意されることが多いです。ジャカルタやバリの高級物件では英語が通じるオーナーや管理人も多く、日常的な会話も英語で対応可能です。

Q2. 家賃は月払いと年払い、どちらが主流ですか?
A2. 戸建て住宅やローカルの賃貸アパートでは年払いが一般的です。サービスアパートや一部のマンションでは月払いも可能ですが、割高になることが多いです。

Q3. 家具付き物件はどのくらいありますか?
A3. サービスアパートメントやコスは基本的に家具付きですが、一般アパートや戸建てでは家具なしが主流です。ただし、家具付きも交渉で可能なケースがあるため、エージェントに希望を伝えましょう。

Q4. インターネットの速度はどの程度ですか?
A4. ジャカルタやバリの都市部では光回線(IndiHomeやBiznet)が普及しており、10Mbps~100Mbps以上の速度が一般的です。郊外や山間部ではやや遅くなることがあります。

Q5. 駐在員ですが、会社で住宅を探してもらうのと自分で探すのはどちらが良いですか?
A5. 会社手配は手間がかからず安心ですが、希望に合わない物件になることもあります。できれば内覧時に同行し、自分の希望をエージェントや会社担当者に伝えましょう。

Q6. バリ島ではAirbnbは使えますか?
A6. 一部地域で規制が始まっていますが、短期滞在にはまだ多くの物件が利用可能です。長期滞在には正式な賃貸契約を結ぶほうがトラブル防止になります。

Q7. ペットは飼えますか?
A7. 物件によって異なります。戸建てやヴィラでは飼育可能な場合もありますが、コンドミニアムでは禁止されていることもあるため、契約時に必ず確認しましょう。

Q8. 家賃以外にどんな費用がかかりますか?
A8. 電気・水道・インターネット代は家賃に含まれないことが多く、別途実費で支払います。またマンションではIPL(管理費)がかかる場合もあります。

Q9. 女性の一人暮らしは安全ですか?
A9. 高級マンションやゲート付き住宅地では比較的安全に暮らせます。夜間の外出や帰宅時にはタクシーや配車アプリを使い、安全な行動を心がけましょう。

Q10. 契約終了時の退去手続きはどうなりますか?
A10.
通常は物件の状態確認(立会い)を行い、原状回復後にデポジットが返金されます。破損がある場合は修理費が差し引かれることがあります。

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