3月 11, 2025 • インドネシア • by Reina Ohno

インドネシア最大のタクシー会社Bluebird(ブルーバード)

インドネシア最大のタクシー会社Bluebird(ブルーバード)

インドネシア最大のタクシー会社である Bluebird(ブルーバード) は、1972年の創業以来、安全で快適な移動手段を提供し続けています。ジャカルタを拠点とする同社は、タクシーサービスだけでなく、レンタカー、バス輸送、物流、そして環境に配慮した電気自動車(EV)タクシーの導入など、多角的な事業展開を行っています。本記事では、インドネシア最大の老舗タクシー会社Bluebirdについて詳しく解説します。

 

Bluebird(ブルーバード)の会社の概要

インドネシア最大のタクシー会社であるブルーバード(Bluebird)は、その信頼性と革新性で知られています。 1972年の創業以来、同社はインドネシアの交通業界において重要な役割を果たしてきました。

  • 会社名: PT Blue Bird Tbk
  • 創業者: ムティアラ・ファティマ・ジョコソエトノ(Mutiara Fatimah Djokosoetono)
  • 創業年: 1972年
  • 本社所在地: インドネシア、ジャカルタ

 

 

Bluebird(ブルーバード)の創業の経緯やストーリー

インドネシア最大のタクシー会社であるブルーバード(Bluebird)は、その創業から現在に至るまで、革新と信頼を基盤に成長を遂げてきました。 その成功の背後には、創業者ムティアラ・ファティマ・ジョコソエトノ(Mutiara Fatimah Djokosoetono)氏の強い意志とビジョンが存在します。

創業の背景

ムティアラ氏は、夫でありインドネシア大学法学部の初代学部長であったジョコソエトノ氏の死後、生計を立てるためにタクシー事業を開始しました。 当初は2台の車両で始めたこの事業は、1972年に正式にブルーバードとして設立されました。 同社はインドネシアで初めてメーター制を導入し、エアコン付きタクシーやGPSシステムの装備など、数々の革新を業界にもたらしました。

社名の由来と理念

「ブルーバード」という社名は、メーテルリンクの童話『青い鳥』に由来しています。 この物語に描かれた誠実さや奉仕の精神をタクシー事業に取り入れようとしたムティアラ氏は、運転手の採用に大学と共同開発した独自の心理テストを取り入れるなど、サービスの質を高めるための徹底した取り組みを行いました。

家族経営と次世代への継承

ブルーバードは家族経営の企業として、創業者の子供たちが経営に参画しています。 持ち株会社の社長は創業者の子供である女性で、彼女の信条は「自分の持っているものに感謝し、より良くなるための努力を怠らない」というものです。 彼女のリーダーシップの下、ブルーバードは自前で車検場や医療施設などを持ち、ドライバーにも良好な待遇を提供しています。

 

 

Bluebird(ブルーバード)の事業内容とサービス内容

Bluebird(ブルーバード)の事業内容とサービス内容

ブルーバード(PT Blue Bird Tbk)は、インドネシアを代表する総合交通サービス企業であり、多岐にわたる事業とサービスを展開しています。

1. タクシーサービス

  • ブルーバード(Blue Bird): 同社の主力である一般タクシーサービスで、青い車体が特徴です。 インドネシア全土で広く利用されており、信頼性と安全性で高い評価を得ています。
  • シルバーバード(Silver Bird): 高級車両を使用したエグゼクティブタクシーサービスで、主にビジネスユーザーや高級志向の顧客向けに提供されています。

2. レンタカーサービス

  • ゴールデンバード(Golden Bird): ドライバー付きのレンタカーサービスを提供しており、空港送迎やビジネス用途、観光など多様なニーズに対応しています。

3. バスサービス

  • ビッグバード(Big Bird): 大型バスによるチャーターサービスを展開しており、企業の社員送迎や観光ツアー、学校の遠足など、多目的に利用されています。

4. 物流サービス

  • アイアンバード(Iron Bird): 貨物輸送やサプライチェーンマネジメントなどの総合物流サービスを提供し、企業の物流ニーズに応えています。

5. デジタルサービス

ブルーバードは、デジタルトランスフォーメーションを推進し、モバイルアプリ「MyBluebird」を通じてタクシーの予約や支払いを簡便化しています。 また、地元のデジタル企業とのパートナーシップを通じて変革を加速させています。

6. 環境への取り組み

環境保護の一環として、電気自動車(EV)の導入を進めています。 これにより、持続可能な交通手段の提供を目指しています。

これら多岐にわたるサービス展開により、ブルーバードはインドネシア国内での移動手段を総合的にサポートし、顧客の多様なニーズに応えています。

 

 

Bluebird(ブルーバード)の主要なマイルストーン

ブルーバード(Bluebird)は、インドネシアの交通業界において、革新と成長を続けてきた企業です。 これまでの主要なマイルストーンを以下にまとめます。

1972年:創業

ムティアラ・ファティマ・ジョコソエトノ氏が、2台の車両でタクシー事業を開始し、ブルーバードの礎を築きました。

1980年代:サービスの多様化

タクシーサービスに加え、レンタカーやバスサービスなど、多角的な交通サービスを展開し、事業の幅を広げました。

2011年:モバイルアプリ「My Blue Bird」の導入

スマートフォン向けの予約アプリ「My Blue Bird」をリリースし、顧客の利便性を向上させました。

2017年:ゴジェック(Gojek)との提携

インドネシアの配車サービス大手ゴジェックと提携し、同社のアプリを通じてブルーバードのタクシーを呼び出せる「Go-Bluebird」サービスを開始しました。

2019年:電気自動車(EV)の導入

環境への配慮から、25台のBYD e6と5台のテスラ・モデルXをタクシーとして導入し、EVタクシーの運行を開始しました。

2022年:デジタルトランスフォーメーションの推進

ブラックベリーの技術を活用し、業務効率化と顧客体験の向上を目指したデジタルトランスフォーメーションを推進しました。

これらのマイルストーンを通じて、ブルーバードはインドネシアの交通業界でのリーダーシップを強化し、顧客満足度の向上と持続可能な社会への貢献を続けています。

 

 

Bluebird(ブルーバード)の競合企業

Bluebird(ブルーバード)の競合企業

インドネシアのタクシー業界は、多様なプレーヤーが競争を繰り広げています。主要な競合企業を以下に詳しく解説します。

1. Grab(グラブ)

Grabは、マレーシア発の配車サービス企業で、現在はシンガポールに本社を置き、東南アジア全域で事業を展開しています。 インドネシア市場においても、GrabCar(自家用車による配車サービス)やGrabBike(オートバイによる配車サービス)など、多様なサービスを提供しています。 また、フードデリバリーのGrabFoodや電子決済のGrabPayなど、生活全般をカバーする「スーパーアプリ」としての地位を築いています。

2. Gojek(ゴジェック)

Gojekは、インドネシア発の配車サービス企業で、オートバイタクシー「オジェック」を中心に事業を開始しました。 現在では、Gojek(バイク配車)、GoCar(車両配車)、GoFood(フードデリバリー)、GoPay(電子決済)など、多岐にわたるサービスを提供しています。 インドネシア国内での強固なユーザーベースを持ち、地域密着型のサービス展開が特徴です。

3. Maxim(マキシム)

Maximは、ロシア発の配車サービス企業で、2018年よりインドネシア市場に参入しました。 バイクや車両の配車サービスに加え、デリバリーやクリーニング、マッサージ・スパの手配など、多様なサービスを提供しています。 また、社会保険会社PT Jasa Raharjaとの協力により、ドライバーと乗客に対する交通事故時の補償も行っています。

4. Express Group(エクスプレス・グループ)

Express Groupは、インドネシア国内でタクシーサービスを提供する主要企業の一つです。 標準的なタクシーサービスを展開し、都市部を中心に運行しています。 近年、配車アプリの普及や競合他社の台頭により、市場シェアの維持に努めています。

5. Xanh SM(サン・エスエム)

Xanh SMは、ベトナムのグリーン・アンド・スマート・モビリティ社(GSM)が運営する電気タクシーおよびライドシェアリング企業で、2023年4月にハノイで初の全電動タクシーサービスを開始しました。これにより、インドネシアはベトナム、ラオスに続き、Xanh SMが進出した3番目の東南アジアの国となりました。VinFast製の電気自動車「Limogreen」を使用し、排出ガスや騒音がなく、快適で環境に優しい移動手段を提供しています。

 

 

Bluebird(ブルーバード)の過去に発生した問題

ブルーバード(Bluebird)は、インドネシアで最も信頼性の高いタクシー会社の一つとして広く認知されています。 しかし、過去にはいくつかの問題や課題に直面したこともあります。以下に、ブルーバードに関連する主な問題とその詳細を解説します。

1. 類似タクシーによる混乱と被害

ブルーバードの信頼性と人気を背景に、同社の車両デザインやロゴに似せたタクシーが出現し、利用者が誤ってこれらのタクシーを利用するケースが報告されています。 これらの類似タクシーは、メーターを装備していない場合や、法外な料金を請求するなどの問題が指摘されています。 そのため、利用者にはタクシー選びの際、ブルーバードの正規ロゴや「BLUE BIRD GROUP」の表示を確認することが推奨されています。

2. タクシー強盗や詐欺のリスク

ジャカルタ市内では、タクシー強盗や詐欺の被害が報告されています。 特に、空港から乗車したタクシーで法外な料金を要求されるケースや、運転手がメーターを操作して不正に高額な料金を請求する事例があります。 これらの被害を避けるため、日本大使館はブルーバードやシルバーバードなど、比較的安全とされるタクシー会社の利用を推奨しています。

3. レシート発行に関する課題

一部の利用者から、ブルーバードタクシーでレシートが発行されない、またはレシート発行機が故障しているといった報告があります。 レシートは、料金の確認や経費精算、忘れ物の問い合わせ時に重要な役割を果たすため、このような状況は利用者にとって不便をもたらすことがあります。

4. 地域によるサービス制限

バリ島など特定の地域では、ブルーバードタクシーの運行が制限されているエリアが存在します。 これにより、利用者が他のタクシー会社を利用せざるを得ない状況が生じ、結果として料金トラブルやサービス品質の低下といった問題が発生する可能性があります。 そのため、利用者は事前に各地域のタクシー事情を把握し、信頼できる交通手段を選択することが重要です。

5. 運転手の不正行為

一部のタクシー運転手による不正行為、例えば、メーターを操作して実際より高い料金を請求する、遠回りをして料金を増やすなどの事例が報告されています。 これらの行為は、利用者の信頼を損なう要因となっています。 利用者は、乗車前にメーターが正常に作動しているか確認し、不審な点があれば速やかに降車するなどの対策が必要です。

 

 

Bluebird(ブルーバード)の今後の課題は

Bluebird(ブルーバード)の今後の課題は

ブルーバード(Bluebird)は、インドネシアの交通業界において確固たる地位を築いていますが、今後の発展に向けて以下の課題に直面しています。

1. 配車アプリ企業との競争激化

近年、GrabやGojekといった配車アプリ企業が急速に成長し、従来のタクシー業界との間で競争や対立が生じています。 これらの企業は、安価で便利なサービスを提供しており、ユーザーが流れる傾向があります。 ブルーバードは、車両の保有や地方自治体の料金規定に従う必要があるため、柔軟な価格設定が難しい状況にあります。

2. 電気自動車(EV)への移行とインフラ整備

環境問題への対応として、EVの導入が進められていますが、インドネシア国内でのEV普及には課題があります。 具体的には、EVの販売価格が高く、充電ステーションの数が限られていることが指摘されています。 これらの課題を解決し、EVへの移行を促進することが求められています。

3. 渋滞緩和とMaaS技術の導入

ジャカルタをはじめとする都市部では、深刻な交通渋滞が問題となっています。 MaaS(Mobility as a Service)技術を活用し、ビッグデータを用いて交通の最適化や渋滞の緩和、環境負荷の低減を図る取り組みが必要とされています。

4. ドライバーの労働条件改善

2024年8月、インドネシア各地で1,000人以上のバイクタクシードライバーが低賃金に抗議するストライキを行いました。 ドライバーの収入向上や労働条件の改善は、業界全体の持続可能性に直結する重要な課題です。

 

 

まとめ

Bluebird(ブルーバード) は、インドネシアの交通業界において、信頼性と革新性を兼ね備えた最大手のタクシー会社です。創業者ムティアラ・ファティマ・ジョコソエトノ氏の理念を受け継ぎ、安全で高品質なサービスを提供し続けています。

また、近年では 電気自動車(EV)タクシーの導入、デジタル決済の推進、競争激化への対応 など、新たな挑戦にも積極的に取り組んでいます。しかし、GrabやGojekといった配車アプリ企業の台頭や、渋滞緩和、労働環境の改善などの課題も抱えています。

今後のBluebirdは、持続可能なモビリティの実現やMaaS技術(Mobility as a Service)の活用 を通じて、さらに利便性の高い交通インフラを提供することが期待されています。インドネシアで移動する際には、ぜひBluebirdのサービスを活用してみてください。

本記事で使用した単語の解説

本記事で登場した専門用語や重要な単語について簡単に解説します。

  • MaaS(Mobility as a Service)
    → 交通手段を統合し、スマートフォンアプリなどで移動の最適化を行う新しいモビリティの概念。渋滞緩和や利便性向上に寄与する。

  • EV(電気自動車)
    → 電気を動力とする自動車のこと。BluebirdはBYDやTeslaのEVを導入し、環境に配慮した移動サービスを提供している。

  • デジタル決済(Digital Payment)
    → クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、現金を使わずに支払いを行うシステム。インドネシアではGrabPayやGoPayなどが普及。

  • Grab(グラブ)
    → シンガポール発の配車サービス。タクシーやライドシェア、デリバリー、デジタル決済などの多様なサービスを提供する「スーパーアプリ」。

  • Gojek(ゴジェック)
    → インドネシア発の配車アプリ。バイクタクシー(オジェック)を中心に、配車・デリバリー・電子決済などのサービスを展開。

  • Xanh SM(サン・エスエム)
    → ベトナム発の電動タクシーサービス。VinFast製のEVを活用し、インドネシア市場にも参入。

FAQ(よくある質問)

Q1. Bluebirdのタクシーはどこで利用できますか?

Bluebirdのタクシーは、ジャカルタ、バリ島、スラバヤ、バンドン、メダンなど、インドネシアの主要都市で利用できます。

Q2. Bluebirdのタクシーは安全ですか?

Bluebirdは、運転手の採用や教育に厳格な基準を設けており、インドネシアの中でも特に安全なタクシー会社として知られています。

Q3. Bluebirdのタクシー料金はどのくらいですか?

料金はメーター制で決まりますが、都市や時間帯によって異なります。公式アプリ「MyBluebird」を利用すると、事前に料金の目安を確認できます。

Q4. Bluebirdのタクシーはアプリで予約できますか?

はい、Bluebirdの公式アプリ「MyBluebird」やGojekアプリの「Go-Bluebird」機能を利用して予約できます。

Q5. BluebirdとGrabやGojekの違いは何ですか?

Bluebirdは従来のタクシー会社であり、専属の運転手と規定の料金体系を持っています。一方、GrabやGojekはライドシェアリングのプラットフォームであり、一般のドライバーが登録して配車サービスを提供しています。

Q6. Bluebirdは電気自動車(EV)を導入していますか?

はい。2019年からBYDやTeslaのEVを導入しており、2025年までに2,000台のEVタクシーを導入する計画です。

Q7. インドネシアでタクシーを利用する際に注意すべき点は?

Bluebird以外の類似タクシーに注意すること、タクシー乗車時にメーターが正常に作動しているか確認すること、公式アプリを活用することが推奨されます。

 

 

 

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