5月 6, 2025 • インドネシア, 特定技能・技能実習 • by Reina Ohno

インドネシア人技能実習生 ビルクリーニング人材の受け入れガイド:制度から採用手順、費用、注意点まで徹底解説

インドネシア人技能実習生 ビルクリーニング人材の受け入れガイド:制度から採用手順、費用、注意点まで徹底解説

目次

日本のビルクリーニング業界は深刻な人手不足に直面しており、特に若年層の確保が大きな課題となっています。そのなかで注目を集めているのが、インドネシア人技能実習生です。オフィスビルや商業施設、病院、ホテルなど、さまざまな建物で清掃作業を担う人材が増えつつあります。本記事では、業務内容や制度の概要、採用フロー、受け入れ費用、注意点、成功事例などを網羅し、インドネシア人技能実習生を戦力として迎え入れるためのポイントを徹底解説します。

 

 

インドネシア人技能実習生 ビルクリーニングの主な業務内容

インドネシア人技能実習生 ビルクリーニングの主な業務内容

インドネシア人に限らず、ビルクリーニング分野の技能実習生は、オフィスビル、商業施設、ホテル、医療機関など多様な現場で働いています。作業は屋内・屋外を問わず、清掃の時間帯や建物の性質に応じて幅広い業務に携わることになります。主な職種・作業は次の通りです。

共用部清掃(オフィスビル・商業施設)

建物のエントランスや通路、トイレなど、不特定多数の人が使用する共用スペースを清掃します。具体的な作業は以下の通りです。

  • 床(タイル・カーペット)の掃き掃除・モップ掛け・ポリッシャー洗浄
  • ゴミの回収・分別と指定場所への搬出
  • トイレの便器・洗面台・鏡の清掃、消耗品の補充
  • エレベーターや手すり、ドアノブなどの消毒・除菌
  • 窓ガラス・ガラスパーティションの清掃(低所)

施設のイメージを左右する場所が多いため、清潔感や丁寧な対応が求められます。

宿泊施設・医療機関の客室・病室清掃

ホテルや病院では、宿泊者や患者が使用する個室を清掃・整備する業務があります。以下のような作業が含まれます。

  • ベッドメイキング、リネン交換、アメニティ補充
  • トイレ・シャワールームの清掃と消毒
  • 床や壁面の拭き掃除、家具のホコリ取り
  • ゴミの回収と分類、リネン・ごみ袋の補充
  • 備品の点検・整備、不具合の報告

患者や宿泊者と接する機会もあるため、ホスピタリティやマナーも重要なスキルとなります。

床面清掃・ワックスがけ

商業施設や大型ビルでは、定期的に床のメンテナンスが行われます。技能実習生は以下のような業務に携わります。

  • ポリッシャーやバキュームを使った洗浄作業
  • 洗浄後のワックス塗布、乾燥確認
  • コーナー部や端部の手作業による清掃補助
  • 清掃機器の準備・洗浄・保管管理

機械の扱いや化学薬品の知識、安全な作業手順の理解が求められます。

高所ガラス清掃(外壁・窓)

高層ビルなどでは、外壁や上層階の窓ガラス清掃も行われます。以下の作業が含まれます。

  • ゴンドラ・ロープを使った高所作業の補助
  • ガラス面の洗浄・スクイジー作業
  • 安全器具の着用、作業前の点検・声かけ
  • 清掃用具・バケツ・水の搬送と補助

高所作業にあたっては安全教育が必須で、常に複数名で作業を行います。

消毒・衛生管理業務(コロナ以降の需要増)

新型コロナウイルスの影響で、建物内の消毒・衛生対策が重要視されています。以下のような業務を担当する場合もあります。

  • ドアノブ、エレベーターボタン、共用机などの定期消毒
  • 手指消毒剤の設置・補充
  • 空間除菌作業の補助(噴霧器使用)
  • 感染予防のマニュアルに基づいた清掃記録

衛生に関する正確な理解と丁寧な作業が求められます。

廃棄物処理・リサイクル対応

清掃とともに、建物内で発生する廃棄物の分別と処理も重要な業務のひとつです。

  • 分別ゴミ箱の巡回とごみの収集
  • 廃棄物の仕分けと運搬、リサイクル手順の遵守
  • 清掃資材やストック品の在庫管理・補充
  • ゴミ置き場の清掃・臭気対策

清掃業務に付随する作業ですが、施設全体の印象や衛生環境の維持に大きく関わります。

安全衛生・現場運営に関する業務

清掃現場でも「安全」が最優先されます。技能実習生は日本人の指導の下、次のような基本ルールを学びます。

  • エプロン・手袋・マスクなど保護具の着用
  • 床面清掃時の「作業中」サインや通行規制の設置
  • 用具・機材の整理整頓、使用後の手入れ
  • 洗剤や消毒薬の取り扱いマニュアルの遵守
  • 朝礼での注意点共有、声かけ活動

安全で効率的な作業を実現するためには、チームワークや報連相も重視されます。

ビルクリーニングにおける技能実習制度は、単なる労働力の確保ではなく、インドネシア人実習生が清掃技術と衛生管理の知識を習得し、母国に持ち帰って活躍する人材へと育成することを目的としています。現場での丁寧な指導と適切な作業環境の整備により、実習生が安心して働ける体制づくりが求められます。

 

 

ビルクリーニング分野における技能実習制度の全体像

ビルクリーニング分野における技能実習制度の全体像

外国人技能実習制度(ビルクリーニング)の概要

制度の目的と背景

外国人技能実習制度は、「技能移転による国際貢献」を目的とし、インドネシアをはじめとする開発途上国の若者に日本の高度な清掃技術や衛生管理のノウハウを習得してもらうために設けられた制度です。しかし実際には、ビルクリーニング業界における慢性的な人手不足を補う手段としても広く活用されており、特に清掃業務を担う若年層の労働力確保において重要な役割を果たしています。

在留期間と延長条件

技能実習生の在留期間は原則3年間(技能実習1号:1年目 + 2号:2~3年目)となっていますが、受け入れ企業および監理団体が「優良」認定を受けている場合は、さらに2年間の3号実習が可能で、最長5年間の在留が認められます。3号実習への延長には、所定の技能検定の合格や勤務状況の良好な評価など、一定の条件を満たす必要があります。

実習生の受け入れに関する要件

団体監理型と企業単独型

ビルメンテナンス会社が技能実習生を受け入れる際には、通常、清掃業務に対応した監理団体を通じて実習を行う「団体監理型」が一般的です。監理団体は、実習の適正な運用、生活指導、安全衛生の確保などを支援し、受け入れ企業の負担を軽減します。なお、施設管理大手などでは「企業単独型」での受け入れも可能ですが、実績や教育体制が求められるため導入にはハードルがあります。

受け入れ可能人数の上限

受け入れ人数は、企業の常勤職員数に基づいて制限があります。たとえば、常勤職員が30人以下の企業では、新規受け入れ可能な技能実習1号の人数は最大3人までとなります。職員数が増えるにしたがって受け入れ可能人数も増加しますが、2号・3号を含めた実習生総数にも倍率上限(2倍・3倍)が設定されています。

実習の内容と実施計画

対象職種と作業範囲

ビルクリーニング分野における技能実習の職種は、「建築物清掃作業」として登録されており、オフィスビルや商業施設、ホテル、病院などの建物内外の清掃業務が主な実習内容となります。具体的には、床清掃、ガラス清掃、トイレ清掃、廃棄物処理、高所清掃、消毒作業などが含まれます。

実習計画では、これらの作業の範囲やレベルが明確に規定されており、実習生が従事する業務が計画と一致していることを事前に確認し、調整することが必要です。

実習計画の作成と認定

実習を行うには、技能実習計画を策定し、外国人技能実習機構(OTIT)に申請・認定を受ける必要があります。計画には、実習の目的、指導項目、時間配分、評価方法、使用機材、保護具の取り扱い、安全教育の内容などを記載し、審査を通過する必要があります。

ビル清掃は作業日程が曜日や施設により変動することが多いため、年間を通じた柔軟なスケジュール設計が求められます。

応用作業と複数施設対応

技能実習生は、1つの建物に限らず、複数の現場(例:オフィスビルと商業施設)で清掃業務を行うこともあります。これはさまざまな施設での経験を積む貴重な機会となり、汎用性の高いスキルの獲得につながります。ただし、移動や業務変更については、監理団体との事前調整と実習計画の整合性が求められます。

法令遵守と実習生の保護体制

適用される労働法令

技能実習生は日本人と同様に、労働基準法や最低賃金法などの法律に基づいて保護されます。勤務時間、休憩、休日、残業手当の支払いなどが適正に実施されている必要があります。さらに、清掃業務においては洗剤・機械の取り扱いや高所作業に関する安全衛生法規も適用され、安全教育や保護具の支給が義務づけられています。

実習生の人権保護と監査体制

技能実習制度の健全な運用を確保するため、監理団体や外国人技能実習機構(OTIT)が実習先を定期的に訪問し、実習の進捗や待遇について監査を行います。不当な長時間労働、賃金未払い、パワハラなどの人権侵害が確認された場合は、是正指導や転籍支援、行政処分などの対応が取られます。

ビルクリーニングは地道で体力を要する仕事ではありますが、受け入れ企業は実習生が安心して技術習得に専念できるよう、丁寧な指導、作業環境の整備、生活支援などを含めた包括的なサポート体制を構築することが求められます。

 

 

インドネシア人技能実習生 ビルクリーニング人材の特徴と適応ポイント

インドネシア人技能実習生 ビルクリーニング人材の特徴と適応ポイント

清掃業務への適性と身体的な強み

細やかな作業と実用的な生活経験

インドネシアでは、家庭内での掃除や整理整頓を重視する文化が根付いており、実習候補者の中には日常的に床掃除やガラス拭きなどの作業に慣れている者も少なくありません。職業高校やLPK(職業訓練校)で清掃機器の使い方や衛生管理の基礎を学んでいる人材もおり、モップや掃除機、消毒作業などへの適応も比較的スムーズです。

立ち仕事や反復作業への耐性

高温多湿の気候で育ったインドネシア人は、空調のない環境でも作業を続けられる粘り強さを持っているケースが多く、長時間の立ち仕事や床清掃などの反復作業にも適応力があります。ただし、冷房の効いた室内での乾燥や、日本の冬場の寒さには不慣れなため、施設内の寒暖差に対する健康管理や適切な服装の準備が重要です。

日本語力と学習姿勢

来日前の基礎教育

インドネシアでは、技能実習候補者は渡日前に日本語学校やLPKで日本語やマナー、業種別の実務研修を受けています。ビルクリーニング分野においても、用具の名前や作業指示、注意事項など、現場で必要な会話力をN4レベルを目標に習得しています。掃除に関する指示(例:「ここをモップで拭いて」「ゴミをまとめて」など)は短期間の学習でも理解できるようになります。

向上心と責任感

「家族を支えるために働きたい」「スキルを身につけて自国でも働けるようになりたい」といった明確な目的を持って来日する実習生が多く、まじめで学習意欲が高い傾向があります。清掃業務に慣れていなくても、道具の使い方や順序を丁寧に教えることで、確実に技術を習得していく姿勢が見られます。

一方で、都市部出身の実習生の中には肉体労働や単純作業に不慣れな者もおり、はじめは疲労やミスが目立つこともあります。段階的な業務割り当てや、達成感を得られるような声かけが有効です。

宗教観と生活習慣への配慮

イスラム教徒としての習慣

多くのインドネシア人技能実習生はイスラム教徒であり、礼拝や食事の規律を尊重しています。ビルクリーニング業務では、施設内での勤務が多くなるため、昼休憩時に礼拝スペースを確保する配慮や、ラマダン期間中の断食中でも無理なく働けるシフト調整が求められることがあります。

特に共有の休憩室や昼食時には、豚肉・アルコールを避ける宗教的配慮が重要です。宗教に対する理解ある対応は、信頼関係を築く上でも大きな意味を持ちます。

食事と生活支援

ハラル食材の提供や、豚肉を含まない献立の配慮は歓迎されます。最近では多くの実習生が自炊を希望する傾向にあり、炊飯器や簡易キッチンの設置、調味料の準備などの生活支援が喜ばれています。社員寮では、共同生活ルールを明確にしつつも、個別の宗教習慣への理解と柔軟な対応が必要です。

国民性と職場での行動傾向

協調性と真面目な姿勢

インドネシア人は温厚で人間関係を大切にする国民性があり、清掃チーム内でも比較的スムーズに馴染む傾向があります。自ら積極的に話すタイプは少ないものの、与えられた仕事を素直にこなす真面目さがあり、「教えたことを忠実にやってくれる」との評価も多く見られます。

時間感覚と作業の流れの習得

時間感覚については日本ほど厳格ではないため、最初のうちは集合時間や作業準備に遅れが出ることもあります。清掃業務では「何時までにどこを終わらせる」といった段取りが重要となるため、「5分前行動」や業務スケジュールの意識づけを根気よく伝えることが有効です。

家族愛と精神的安定

インドネシア人は家族との絆が強く、「仕送りで家族を支える」という強い動機を持って働いています。特に初来日の実習生はホームシックになりやすいため、定期的な声かけや、同郷の仲間との交流機会を設けることで精神的な安定につながります。

総じて、インドネシア人技能実習生に対するビルクリーニング業界での評価は高く、「丁寧でまじめ」「協調性がある」「習得が早い」といったポジティブな声が多く寄せられています。安全指導や衛生ルールの徹底とともに、やりがいを持って働ける環境づくりが、長期的な戦力としての定着につながります。

 

 

インドネシア人技能実習生の性格・職業観とビルクリーニング業務への適性

日本での評価と職場での姿勢

協調性と責任感の強さ

インドネシア人は穏やかで協調性に富み、周囲との関係を大切にする国民性を持っています。ビルクリーニングの現場では、スタッフ同士が連携しながら施設内を効率よく清掃する必要がありますが、そうした中でも実習生は自然に打ち解け、チームワークを保って働くことができます。

また、一度任された仕事は最後までやり遂げようとする責任感や真面目な姿勢も高く評価されています。決められた時間内にエリアを清掃する、スケジュール通りに作業を完了させるなどの現場のルールに対しても、誠実に取り組む傾向が強く、企業側からの信頼を得やすいです。

日本で働けることに対して感謝の気持ちを持っており、「日本の清掃技術や衛生管理を学びたい」「家族の生活を支えるために頑張りたい」といった強い動機が、日々の作業への真剣さにつながっています。

向上心と学習意欲

中には「将来自分の国で清掃会社を起業したい」「マネージャーとして現場を任されるようになりたい」といった明確なビジョンを持つ実習生もおり、そうした人材は道具の使い方や清掃手順だけでなく、日本語や接客マナーの習得にも前向きです。

一方で「安定した収入を得て母国に仕送りしたい」といった現実的な目標を持つ実習生も多く、そうした場合はスキルよりも職場の安定性や安全性を重視する傾向があります。いずれにせよ、受け入れ企業としては実習生の価値観や将来像を理解したうえで、働き方や目標設定をサポートすることが重要です。

コミュニケーション上の特徴と注意点

「イエス」と言いやすい文化的傾向

インドネシア人は礼儀を大切にする文化があり、上司や先輩からの指示には「はい」と素直に返事をすることが多いです。ただし、内容を十分に理解していないまま返答してしまうケースも見られ、結果としてミスにつながることがあります。

そのため、指示が伝わったかどうかを確認する工夫が必要です。言葉だけでなく、写真や図、動画、ジェスチャーなど視覚的な情報を用いて説明したり、インドネシア語の簡単なマニュアルを併用することで、理解度を高めることができます。

また、「わからないことはすぐに聞いていいんだよ」と日常的に伝えておくことで、実習生が質問しやすい職場環境をつくることができます。

時間感覚と仕事の進め方

インドネシアでは「ジャム・カレー(ゆっくりした時間)」という概念があるように、時間に対して比較的寛容な文化があります。日本のビルクリーニング現場では、時間通りにエリアを清掃し、点検時間に間に合わせることが求められますが、最初はこうした時間管理の厳しさに戸惑う実習生もいます。

しかし、作業内容と納期の関係を理解すれば、多くの実習生は次第にリズムに慣れ、時間内に正確に業務を終えられるようになります。リーダーや管理者が「この作業はなぜこの時間までに必要なのか」を具体的に説明することで、責任感を持って取り組むようになります。

清掃業務における向き・不向き

チームで動く作業に高い適性

インドネシア人は集団で協力して取り組む作業に向いており、複数人でエリアを分担して清掃するような現場ではスムーズに力を発揮します。ゴミ回収や床清掃、備品補充といった業務でも、仲間との連携を大切にしながら丁寧に作業を進める姿勢が見られます。

単調作業や長時間の集中には注意

一方で、同じ作業を長時間一人で繰り返すような場合や、黙々と細かい作業を続けるような場面では、集中力が低下したり飽きが生じることがあります。こうしたケースでは、作業に変化を加えるローテーションや、短時間の休憩を入れることでモチベーションを保ちやすくなります。

現場での様子をよく観察し、それぞれの実習生が得意とする作業や興味のある業務に配置するなど、個別性を尊重した配慮が効果的です。

全体として、インドネシア人技能実習生は「人あたりが良く、素直でまじめ」「指示を守り、責任感を持って取り組む」といった評価を多く受けています。ビルクリーニングという地道ながら社会に欠かせない仕事において、信頼関係を築きながら丁寧に指導すれば、長期的に戦力となる人材へと成長してくれるでしょう。

 

 

インドネシア人技能実習生 ビルクリーニング人材の採用方法と受け入れの流れ

インドネシア人技能実習生 ビルクリーニング人材の採用方法と受け入れの流れ

1. 監理団体への相談と計画立案

監理団体との初期連絡と相談内容

まず、ビルクリーニング分野の技能実習を取り扱う監理団体(ビルメンテナンス協同組合など)に問い合わせを行います。監理団体は、制度の概要説明や申請書類の準備、実習生の管理支援などを担当します。未加入の場合は、入会手続きと同時に、受け入れ予定人数、勤務地(施設の所在地)、業務内容などを共有し、全体の実習計画を相談します。

送り出し機関との連携

監理団体は、インドネシア政府認可の送り出し機関(P3MI)と提携して、人材募集や日本語教育、選抜を行います。信頼できる送り出し機関と提携している監理団体を選ぶことで、トラブルの少ない受け入れが実現できます。

2. 候補者の募集と送り出し機関の選定

募集開始と送り出し機関の役割

監理団体との契約締結後、提携するインドネシアの送り出し機関が候補者の募集を開始します。送り出し機関では、日本語・マナー・清掃業務の基礎研修などを実施し、一定の基準を満たした人材を企業に紹介します。

優良な送り出し機関の選び方

以下の観点で確認すると安心です:

  • インドネシア政府認定(P3MI)であること
  • 過去の失踪者・トラブル件数の有無
  • ビルクリーニング向けの研修内容(用語、マナー、消毒知識)
  • 日本語通訳スタッフの有無
  • 面談の透明性と費用の明確さ

企業としても候補者の質を担保するために、監理団体任せにせず、事前に実情を把握しておくことが大切です。

3. 書類選考と履歴確認

候補者プロフィールの確認

送り出し機関での一次選考を通過した実習候補者の履歴書が企業に送られます。記載されているのは学歴、職歴、日本語力、清掃業への関心度、家族背景などです。

ビルクリーニング分野においては、以下のような点を確認しましょう:

  • 接客や清掃関連の職歴(ホテル、病院など)
  • 職業訓練校での実務経験(モップ、ポリッシャーなど)
  • 責任感や集団作業への適応力
  • 手先の器用さや細かい作業への関心

応募者数は、希望人数の倍程度を確保しておくと、面接選考の幅が広がります。

4. オンライン面接と評価

面接準備と通訳体制

監理団体または送り出し機関の通訳が同席し、オンラインでの面接を行います。日本語での受け答えや清掃業務に対する理解、態度や反応などを丁寧に確認します。

質問例と評価ポイント

  • 「清掃の仕事をどう思いますか?」
  • 「過去に掃除の仕事をした経験はありますか?」
  • 「どんな作業が得意ですか?」
  • 「夜勤や早朝勤務には対応できますか?」

宗教上や健康上で対応が難しい業務(例:アルコール消毒の取扱い、ハラルへの配慮など)も事前に確認しておくと安心です。

非言語的な観察ポイント

表情や目線、姿勢、話の聞き方などから協調性や誠実さを見極めます。通訳者からの所感も参考にし、総合的に評価して内定者を決定します。

5. 書類手続きと渡日前準備

実習計画と在留資格申請

監理団体と企業で技能実習計画書を作成し、外国人技能実習機構(OTIT)へ提出します。承認後、出入国在留管理庁へ在留資格認定証明書(COE)を申請します。通常1~3ヶ月ほどで交付されます。

出国前研修と企業側の準備

実習生はインドネシア国内で日本語、生活マナー、労働安全、清掃手順などを学ぶ研修(1~3ヶ月)を受け、健康診断やパスポート準備を進めます。

企業側では以下のような準備を行います:

  • 寮・宿舎の整備(ハラル食対応も含む)
  • 作業服、清掃用具の準備
  • 指導担当者(現場責任者など)の選任
  • 清掃マニュアルや教育資料の整備

ビザ申請と渡航

COEが発行されたら、日本大使館にてビザ申請を行い、航空券や入国時の出迎えの手配を行います。最終説明は送り出し機関が担当します。

6. 入国後の講習と現場配属

法定講習(160時間以上)

入国後は監理団体のもとで約1ヶ月間の法定講習を受講します。主な内容は以下の通りです:

  • 日本語実践会話(清掃に関する用語)
  • 清掃業務の安全衛生(清掃機器の使い方、消毒知識など)
  • 災害時の対応・避難訓練
  • 日本での生活マナーや文化理解
  • 職場のルールとコミュニケーション指導

この期間中は、実習生に生活支援金として月6~7万円が支給されます。

配属とOJT

講習終了後、監理団体の職員が実習生を受け入れ先施設まで引率し、住民登録・社会保険手続き完了後、OJT(現場訓練)を開始します。

清掃の現場では、日本語の理解度に配慮しながら、写真付きマニュアルや実演、動画教材を用いたマンツーマン指導が効果的です。

この一連のプロセスには、採用決定から現場配属まで約4〜6ヶ月かかるのが一般的です。繁忙期(春の引越し、年末清掃など)に合わせた人員計画を立てる場合は、余裕を持ったスケジュールで準備を始めることが成功の鍵となります。

 

 

現在日本で働くインドネシア人ビルクリーニング人材の数と動向

現在日本で働くインドネシア人ビルクリーニング人材の数と動向

インドネシア人技能実習生全体の増加傾向

急増する在日インドネシア人実習生の数

近年、インドネシア人技能実習生の受け入れ数は急増しており、国別ではベトナムに次ぐ第2位の送り出し国としての地位を確立しています。2022年末時点で約45,000人だった在日インドネシア人技能実習生は、2023年末には74,387人に達し、わずか1年で約1.6倍の増加を記録しました。

技能実習生全体に占めるインドネシア人の比率も年々上昇しており、2017年には8.6%だったシェアが、2023年には21%を超える水準となっています。中でもビルクリーニングや介護、農業といった現場作業を中心とする業種において、インドネシア人の存在感が高まっています。

ビルクリーニング業界で活躍するインドネシア人実習生

インドネシア人技能実習生の多くは、体力を必要とする現場系の業務に従事しており、ビルクリーニングもその主要な受け入れ分野の一つです。2023年時点で、技能実習制度における清掃・クリーニング関連職種の構成比は約10〜12%前後と推定されますが、インドネシア人に限って見ると、その比率は約26.4%と高い傾向にあります。

これは、ベトナム人(約19.7%)やミャンマー人(約14.8%)と比較しても高い数字であり、ビルや商業施設、病院、ホテルなど幅広い施設で、インドネシア人実習生が重要な役割を果たしていることを示しています。

他業種との比較と特徴

職種別構成に見るインドネシア人の傾向(2023年末推計)

  • ビルクリーニング関連:26.4%
  • 建設業:15.8%
  • 食品製造:12.1%
  • 農業:10.2%
  • 介護・看護補助:7.4%

インドネシア人材は、まじめさ、清潔感、礼儀正しさ、体力、そしてチームでの協働性が高く評価されており、特に清掃業務との相性が良いとされます。逆に、精密機械の組立や電子部品の検査など、細かい作業や長時間の集中が必要な業務では他国の人材が多く見られる傾向です。

特定技能制度への移行と将来展望

特定技能への移行実績と動向

2019年に創設された「特定技能」制度により、技能実習終了後も継続して日本で働ける制度が整いました。ビルクリーニング分野は特定技能1号の対象業種の1つであり、2023年末時点で清掃・施設管理系の特定技能1号外国人数は17,428人に達しています。

そのうち、インドネシア人は4,975人(構成比約28.5%)で、ベトナム(約24.3%)を上回って最多となっています。これは、技能実習から特定技能への移行がインドネシア人材の間で円滑に行われていることを示しています。

さらに、特定技能1号全体で見ても、在留者の約63%が元技能実習生であることから、技能実習→特定技能というキャリアパスが清掃分野でも一般的になりつつあります。

中長期的人材確保と戦力化のチャンス

インドネシア人ビルクリーニング実習生の存在は、すでに多くの施設で欠かせない戦力となっています。特定技能への移行者も増加しており、今後の人手不足に悩む清掃業界にとっては、中長期的に貴重な人材となることが予想されます。

企業としては以下のような準備と対応が求められます:

  • 技能実習中から将来の特定技能移行を見据えた育成方針
  • 社内での移行サポート体制の構築(書類支援、相談窓口など)
  • 長期的に働けるよう生活支援・キャリア面談の実施
  • 清掃技術・日本語能力の向上機会の提供

安定的な人材確保と戦力化には、制度を理解し、実習生一人ひとりの成長と定着を支援する姿勢が不可欠です。インドネシア人実習生と信頼関係を築き、働きやすい職場環境を整えることが、企業の持続的な競争力に直結します。

 

 

インドネシア人技能実習生の給与相場と受け入れ費用の全体像

インドネシア人技能実習生の給与相場と受け入れ費用の全体像

技能実習生に支払う給与の相場

最低賃金と月収の目安

ビルクリーニング分野においても、技能実習生には最低賃金以上の給与を支払うことが法律で定められています。地域によって差がありますが、地方都市では時給930円〜1,000円前後、都市部では1,100円を超えるケースもあります。

例えば、月160時間の通常勤務に加えて残業が20時間程度発生する場合、月収の目安は16万〜19万円前後となります。厚生労働省のデータでも、清掃・施設管理系の実習生の平均月収は18万〜19万円台とされています。

具体的な給与例と割増賃金

  • 地方の商業ビル清掃:時給950円 × 160時間+残業20時間(時給1,188円)
    → 月収:約173,760円
  • 都市部の病院清掃:時給1,100円 × 160時間+残業15時間(時給1,375円)
    → 月収:約196,250円

ビルクリーニングでは、夜間作業や早朝勤務が発生することがあり、割増賃金(残業25%増、休日35%増など)の支給は法的に必須です。

賞与や手当の実情

賞与の支給義務はありませんが、年末や契約更新時に一時金を支給する企業もあります。また、以下のような手当が必要に応じて支給されます:

  • 通勤手当(施設間移動費含む)
  • 作業服・靴などの支給手当
  • 夜勤・早朝手当や女性専用トイレ清掃手当など

技能実習生の受け入れにかかる初期費用

渡航前後の初期費用の内訳

インドネシア人ビルクリーニング技能実習生の受け入れに必要な初期費用には以下のような項目があります:

  • 人材募集・選考・面接費用
  • 技能実習計画書の作成と申請費
  • 在留資格認定証明書(COE)取得・ビザ申請費
  • 入国後講習費(日本語・安全衛生教育)
  • 講習期間中の生活支援金
  • 航空券代、健康診断料、保険料
  • 住居手配(敷金・礼金・家電等)

一般的に、1名あたりの初期費用は50万〜100万円程度が相場です。受け入れ規模や提携機関、実施方式(合同面接・オンライン選考など)によって変動します。

月額で発生する管理費と生活支援費

配属後は以下のような費用が毎月発生します:

  • 監理費(監理団体への管理料):約3万円/月
  • 送出管理費(送り出し機関への報酬):5,000〜1万円/月

これらを合わせて、1人あたり月間3.5万〜4万円前後の固定コストが発生します。監理団体によっては、年会費(1〜3万円)を別途請求される場合もあります。

住居関連費用と企業負担の例

ビルクリーニング業は都市部での勤務が多く、住居の提供や紹介が必要です。相場は2万〜6万円/月前後で、企業が全額または一部を負担する形が一般的です。

例:

  • 家賃4万円 → 企業が3万円負担、実習生が1万円負担
  • 水道光熱費 → 実費 or 一律1万円控除
  • 家具・家電・寝具 → 初回企業購入 or リース導入

その他の追加費用と注意点

  • 技能検定試験受験料(1号修了・2号進級時)
  • 3号実習への進級に関する申請費用
  • 作業服・マスク・使い捨て手袋等の定期支給
  • 帰国費用(企業が全額または一部負担)

これらの費用分担は、契約書やMOUに明記されている必要があります。不明確なまま進めるとトラブルに発展するため、あらかじめ確認と社内での予算化が重要です。

総合的な受け入れコストの目安

ビルクリーニング分野でインドネシア人技能実習生1名を3年間受け入れる場合の総額目安は以下の通りです:

年間:270万〜390万円程度

内訳例:

  • 年間給与:約210万〜240万円
  • 管理費・送出費:約50万円
  • 住居・備品費:約30万〜50万円
  • 初期費用・帰国費用:約20万〜50万円

コストに見合うメリットと運用の工夫

若年層の日本人採用が難しいビルクリーニング業界において、インドネシア人技能実習生は非常に重要な人材リソースとなっています。まじめで勤務態度も安定しており、特に病院やホテルなど清潔感・丁寧さが求められる現場で高く評価されています。

技能実習から特定技能への移行によって、最長5年の就労→再来日による長期雇用も可能です。

費用に見合った成果を得るには、次のような運用体制がカギです:

  • 信頼できる監理団体・送り出し機関の選定
  • 明確な教育・評価制度の構築
  • 現場マニュアルや日本語支援体制の整備
  • 実習生との定期面談・生活支援

長期的な戦力として実習生を育て、清掃品質と労働安定性を両立させることが、企業の競争力向上にもつながります。

 

 

インドネシア人技能実習生受け入れ時の注意点

インドネシア人技能実習生受け入れ時の注意点

言語の壁とコミュニケーションの工夫

日本語理解の実情

インドネシア人技能実習生の多くは来日前に日本語の基礎教育を受けていますが、ビルクリーニング現場では「薬品名」「清掃器具名」「作業指示書」など独特な用語が多く、正確な理解には時間がかかります。「はい」と返事をしていても、実は理解していないケースも少なくありません。

円滑なコミュニケーションの工夫

  • 一文ずつ短く簡潔な指示を出す
  • 写真やイラスト入りの作業手順書を活用する
  • 翻訳アプリやインドネシア語の指導資料を併用する
  • 実演と確認作業を重視し、目で見て覚えさせる
  • 休憩時間に簡単な会話を交わして語彙力を伸ばす

文化・価値観の違いとその対応

礼儀・人間関係の捉え方

インドネシア人は明るくフレンドリーな国民性を持ちますが、日本式の敬語や上下関係には慣れていないことがあります。職場で「○○さん」「お疲れ様です」などの挨拶や呼び方を丁寧に教えることで、スムーズな適応が期待できます。

時間感覚と勤務態度の違い

「ジャム・カレー(緩やかな時間)」という文化的背景から、日本ほどの時間厳守の意識はありません。特に病院やホテルの清掃では時間が厳密なため、「5分前行動」などを繰り返し指導していく必要があります。

YES/NOの表現に注意

「分かっていなくても『はい』と返す」文化があるため、口頭だけでなく、確認の質問や実技テストを通じて理解度を把握するようにしましょう。

安全衛生への意識と指導の工夫

日本基準の衛生ルールへの適応

ビルクリーニングでは、滑り止めの靴、ゴム手袋、マスクの着用、安全表示の確認などが求められます。しかし、母国ではこれらを使用しない環境が多いため、最初は理由や背景を丁寧に説明することが重要です。

  • 清掃薬品の扱い方
  • 感染症対策(病院清掃など)
  • ゴミの分別・廃棄ルール

感覚ではなく「なぜ必要か」を伝えることが理解促進に繋がります。

宗教的背景と職場での配慮

イスラム教徒の実習生は、1日5回の礼拝を行うことがあります。休憩時間中に礼拝を行えるよう、清掃用具室の一角や控室などで静かなスペースを確保できると安心感が生まれます。

ラマダン(月断食)への対応

断食期間中は水分補給もできないため、早朝シフトへの変更や軽作業中心のローテーションなど、体調への配慮が重要です。熱中症リスクを避けるための工夫も求められます。

レバラン(断食明けの祝日)への理解

レバランは家族と過ごす重要な行事です。可能であれば休日を与えたり、同郷の仲間と食事の機会を設けるなど、精神的ケアにもつながります。

生活支援と地域との関係づくり

生活面での支援

初めての日本生活では、買い物や交通機関の利用に戸惑う実習生が多く見られます。

  • スーパーやコンビニへの同行
  • 市役所での手続きのサポート
  • 緊急時に使える日本語フレーズの共有

こうした基本的な支援が、離職率の低下と生活満足度の向上につながります。

医療・食事面での配慮

食事では豚肉やアルコール成分の入った調味料を避けるケースが多く、コンビニ弁当などを選びづらいこともあります。可能であればハラル対応の弁当注文や、自炊ができる設備の提供が好まれます。

地域社会との共生意識

商業施設やマンション清掃などでは、地域住民との接点がある場合もあります。次のような行動が信頼関係の構築に役立ちます:

  • ゴミ出しルールの教育
  • 寮での騒音や夜間外出の注意喚起
  • 清掃イベントや地域挨拶への参加

インドネシア人技能実習生をビルクリーニング現場で受け入れる際は、「現場での実務力」だけでなく「生活者」としての視点からも配慮を行うことが成功のカギです。信頼関係と安心感を築くことで、実習生は職場の一員として長く戦力化していきます。

 

 

成功事例から学ぶインドネシア人技能実習生活用のコツ

成功事例から学ぶインドネシア人技能実習生活用のコツ

インドネシア人ビルクリーニング人材採用を成功させるポイント

清掃現場で実習生と共に働くためのヒントとは?

最後に、実際にインドネシア人技能実習生を受け入れて、ビルや施設の清掃現場でうまく活用している企業の成功事例をもとに、実習生との信頼関係を築くための工夫を紹介します。せっかく受け入れた実習生が安心して働き、力を発揮できるような環境づくりが成功のカギです。

事前準備と受け入れ体制の整備

成功している企業では、来日前から生活と職場の両面で丁寧な準備を行っています。たとえば、寮の掃除・整理、モップや清掃用具の取り扱い研修資料(写真付き)の作成、作業服のサイズ確認などが挙げられます。

空港での出迎えでは、インドネシア語で「Selamat datang(ようこそ)」と書いたウェルカムボードを持って笑顔で迎えるなど、最初の印象づくりにも配慮があります。配属初期は、先輩社員がOJTリーダーとして付き添い、段階的に清掃作業に慣れさせる形を取っています。

また、近隣施設にすでにいるインドネシア人実習生との紹介・交流も、孤独を感じさせない効果的な工夫です。

コミュニケーションと信頼関係の構築

どんなに真面目な実習生でも、意思疎通ができなければ実力は発揮されません。成功事例の企業では、「おはよう」「今日もありがとう」などの毎日の声かけを大切にし、実習生の表情や体調に常に気を配っています。

「今日は体調大丈夫?」「何か困っていることはない?」といった声がけを続けることで、実習生が心を開きやすくなります。また、掃除の合間に雑談や簡単な冗談を交えた会話も場の雰囲気を和らげます。

インドネシア人は、言葉が完璧でなくても、気持ちの通じ合いを大切にする文化を持っています。日常的な会話の積み重ねが、信頼関係の土台になります。

文化・宗教への理解を示す

ラマダン中の実習生に「今日は大丈夫?」「日没まであと少しだね」と声をかけるだけでも、宗教的な理解を示す姿勢が伝わり、信頼を得やすくなります。

ある清掃会社では、断食明けのレバラン(イドゥル・フィトリ)にあわせて休暇を与え、モスクへの送迎を行った例もあります。こうした配慮は、「この職場で頑張ろう」というモチベーションにつながります。

また、ハラル対応の外食やインドネシア料理を共に楽しむ機会を設けることで、職場全体に一体感が生まれます。

きめ細かな生活サポート

実習生にとって、日本での生活そのものが初体験であることも少なくありません。あるビル清掃会社では、「ゴミ出し方法」「バスの乗り方」「洗濯機の使い方」などを写真付きでまとめた生活ガイドを配布し、不安を減らす工夫をしています。

体調不良時には迅速に対応し、薬の成分にもイスラム教の戒律に配慮するなど、きめ細かい支援を行っています。寮の電球交換やシャワーの修理など、些細なことでもすぐに対応する姿勢が、実習生の安心感につながります。

モチベーションの維持・向上

「今日は丁寧にトイレ掃除してくれてありがとう」「エレベーター前の床がピカピカだったよ」といった声かけは、実習生のやる気を大きく引き出します。

月1回の個別面談や、清掃リーダーからのフィードバック、社内報での紹介や表彰制度などを通じて、努力を目に見える形で評価する工夫も効果的です。

2号修了後の将来について話し合い、特定技能や帰国後のキャリアまで一緒に考えることで、不安を減らし、長期的な信頼関係を築くことができます。

帰国時に感謝状や記念品を贈ることで、「この会社で働いてよかった」という実感が実習生の心に残り、将来的な紹介や再来日の意欲にもつながります。

このように、日常的な気遣い、文化への理解、丁寧な指導を積み重ねることで、インドネシア人技能実習生は清掃業界においても大きな戦力として育ちます。受け入れ企業の姿勢次第で、実習生の成長速度もモチベーションも大きく変わってくるのです。

 

 

まとめ

日本のビルクリーニング業界では、慢性的な人手不足を背景に、インドネシア人技能実習生の受け入れが拡大しています。彼らはオフィスビルや商業施設、病院、ホテルなどさまざまな現場で清掃業務を担い、そのまじめさと協調性から高い評価を得ています。技能実習制度により、清掃技術や衛生管理のノウハウを学びながら、日本社会の中で信頼を築いていく実習生たちは、将来的には特定技能制度への移行により長期的な就労も可能です。採用から配属までには丁寧な準備と指導が必要ですが、適切なサポート体制と文化的理解があれば、実習生は清掃現場の貴重な戦力となります。

 

 

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本記事で使用した単語の解説

  • 技能実習制度:発展途上国の若者に日本の技術や知識を伝えることを目的とした制度。一定期間、日本で実務経験を積むことができる。
  • 特定技能制度:2019年に新設された在留資格で、技能実習終了後に一定の条件を満たすことで長期就労が可能となる制度。
  • 監理団体:技能実習制度を適切に運営するために企業を支援する団体。監査や教育支援も担う。
  • 送り出し機関(P3MI):インドネシア政府が認可した、技能実習生の選抜・教育・送り出しを担う機関。
  • 高所清掃:建物の高層部分のガラスや外壁などを清掃する作業。安全装備と特別な教育が必要。
  • ラマダン:イスラム教における断食月。日の出から日没まで食事を控える期間。
  • ハラル:イスラム教で認められた食材や調理法。豚肉やアルコールは避けられる。
  • OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング):現場での実務を通じて指導・教育を行う方法。
  • COE(在留資格認定証明書):外国人が日本で長期間滞在するために必要な資格証明書。
  • レバラン:ラマダン明けのイスラム教の祝祭。インドネシアでは非常に重要な家族行事。

 

 

FAQ(よくある質問)

Q1. インドネシア人技能実習生の受け入れにはどのくらいの費用がかかりますか?
A. 初期費用は1名あたり50万〜100万円が一般的で、毎月の管理費や住居費を含めると年間270万〜390万円程度が目安です。

Q2. 清掃の仕事はインドネシア人に向いていますか?
A. はい。丁寧で協調性があり、清掃業務への適応力が高いとされています。実際、多くの施設で高い評価を受けています。

Q3. 日本語力はどの程度必要ですか?
A. 基本的にはN4相当の日本語力が求められます。清掃に必要な用語や指示を理解できるレベルで、実習中にさらに向上します。

Q4. 宗教的配慮はどのようにすべきですか?
A. 礼拝スペースの確保やラマダン中のシフト調整、ハラル食の提供・自炊支援などが求められます。文化への理解が信頼につながります。

Q5. 採用から配属までどのくらいの期間がかかりますか?
A. 書類手続きや講習を含め、通常4〜6ヶ月程度の準備期間が必要です。繁忙期に間に合わせるには早めの計画が重要です。

Q6. 清掃以外の仕事にも就かせられますか?
A. 技能実習制度では「建築物清掃作業」に限定されており、その他の業務に就かせることは原則認められていません。

Q7. 技能実習から特定技能への移行は簡単ですか?
A. 技能実習2号を修了し、所定の試験に合格すれば比較的スムーズに移行できます。ビルクリーニング分野は特定技能1号の対象です。

Q8. 離職や失踪のリスクはありますか?
A. 適切な支援体制や生活面での配慮がなされていればリスクは低下します。信頼関係の構築が重要です。

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