
2月 22, 2025 • インドネシア, スタートアップ
2月 3, 2025 • インドネシア • by Reina Ohno
目次
インドネシアの労働市場は急速に発展しており、多くの企業が優秀な人材を求めています。特に、安定性やキャリアアップの可能性を重視するインドネシア人にとって、どの企業に就職するかは重要な選択です。本記事では、インドネシア人に人気のある就職先をカテゴリごとに紹介します。
LinkedInが発表した「キャリア開発に最適な企業ランキング」によると、以下の企業がインドネシアで人気の就職先とされています。
これらの企業は給与水準、キャリアアップの機会、福利厚生の充実度などで高く評価されています。特に、デジタル化が進む中で、ITや金融分野の企業がますます注目を集めています。
インドネシア国内外で知名度の高い大企業や財閥企業は、多くの人にとって魅力的な就職先です。特に給与水準が高く、研修制度が整っているため、新卒や経験者問わず人気があります。
大企業は特に経営、エンジニアリング、マーケティング、オフィスワーカーなど求人の幅が広く、成長機会も豊富です。また福利厚生が充実しており、安定したキャリアパスを描けることが大きな魅力です。
外資系企業は、給与や福利厚生の面で国内企業よりも魅力的な場合が多く、英語力を活かせる環境が整っています。
特にIT、金融、消費財業界の外資系企業は、インドネシア人の求職者にとって憧れの職場となっています。外資系企業の魅力は、高い給与、透明な評価制度、キャリアアップのチャンスが豊富なことです。さらに、英語を活かした国際的な仕事ができる点も大きな魅力となっています。
スタートアップは急成長している企業が多く、成長意欲の高い求職者にとって魅力的です。インドネシアでは以下の企業が特に注目されています。
スタートアップは自由な社風や柔軟な働き方が特徴で、特に若手に人気があります。成長スピードが早く、実力次第で大きな裁量を持てるため、チャレンジ精神のある求職者にとっては魅力的な環境となっています。
インドネシアでは、国営企業(BUMN: Badan Usaha Milik Negara)に就職することも人気の選択肢です。安定性や福利厚生の充実度が魅力です。
国営企業の魅力は、安定した雇用、充実した社会保障制度、定期的な昇給が挙げられます。特に家族を持つ求職者にとって安心感のある選択肢となっています。
公務員(PNS: Pegawai Negeri Sipil)は、多くのインドネシア人にとって安定したキャリアの象徴です。特に以下の職種が人気です。
公務員は定期的な昇給や年金制度が整っているため、長期的なキャリアを考える人にとって魅力的です。定年までの雇用保証があり、社会的な信用も高いため、多くのインドネシア人が志望します。
インドネシアで公務員になるには、厳しい選考プロセスをクリアする必要があります。主な条件は以下の通りです。
インドネシア人は一般的に温厚で親しみやすく、協調性を重んじる傾向があります。宗教や文化の影響もあり、家族や共同体を大切にする価値観が強く、職場でも人間関係を重視します。そのため、上司や同僚との関係が円滑であることが職場の満足度に大きく影響します。
また、安定志向が強く、特に公務員や国営企業(BUMN)などの安定した職に就くことが理想とされています。学歴社会の影響も根強く、名門大学(UI、ITB、UGMなど)の卒業生は就職市場で優遇される傾向があります。ただし、最近ではスタートアップや外資系企業への関心も高まっており、新しいチャレンジを求める若者も増えています。
一方で、「Tidak Enak(気まずい、申し訳ない)」という文化的概念があり、他人を傷つけることを避けようとする傾向があります。そのため、直接的な意見表明や対立を避けることが多く、職場では間接的なコミュニケーションが好まれる場合があります。
男性に人気の仕事は、社会的なステータスが高く、収入が安定している職業が中心です。また、技術や管理職としてのキャリアが築ける職業も好まれます。
女性の就職先として人気があるのは、柔軟な働き方ができる職種や、社会的に安定している業界が中心です。特に、家庭と両立しやすい仕事が好まれる傾向があります。
人気企業への就職競争が激化することで、いくつかの社会的な課題が浮かび上がっています。
多くの企業では、特定の大学(例えばUI、ITB、UGMなど)の卒業生が優遇される傾向があります。そのため、学歴が重視されすぎるあまり、成績改ざんや学歴詐称といった不正行為が発生することもあります。また、一部の求職者は、高額な費用を支払って専門の就職対策塾に通い、面接テクニックや試験対策に力を入れるなど、公平性が疑問視されるケースも増えています。
一部の人気企業では、競争に勝ち抜いた社員たちに対して高い成果を求める文化が根付いています。特に外資系企業やスタートアップでは、長時間労働や厳しいKPI(業績評価指標)が設定されており、社員の精神的なストレスが大きな問題となっています。また、職場でのパフォーマンスを理由にリストラが行われるケースもあり、不安定な環境が生まれています。
インドネシアでは、一部の企業や公務員採用において「コネ」(KKN:Korupsi, Kolusi, Nepotisme)が依然として問題視されています。実力よりも家族や知人の紹介によって採用されるケースがあり、優秀な人材が正当な評価を受けられない状況が発生することがあります。これにより、一部の求職者が不公平感を抱き、海外へ流出する「ブレイン・ドレイン」(頭脳流出)の要因にもなっています。
インドネシアの労働市場は昔の日本のように大企業や公務員がベストな就職先という考え方が社会に根付いています。人気企業として銀行、通信、IT、消費財の大手企業が注目されており、外資系企業は高給与と国際的な環境、スタートアップは成長機会の多さが魅力です。国営企業や公務員は安定性と福利厚生の充実で人気を集めています。
一方、就職競争の激化により、学歴偏重、不正行為、過酷な労働環境、コネ社会などの問題も顕在化。求職者は単に人気や給与で選ぶのではなく、自身のキャリア目標や働き方に合った企業を選ぶことが重要です。公平な採用と働きやすい環境の整備が、持続可能な労働市場の鍵となります。
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