1月 16, 2025 • インドネシア
5月 19, 2024 • インドネシア • by Yutaka Tokunaga
10年間働いて感じたインドネシア人と一緒に仕事をする際のポイント: 性格や考え方の違い
目次
インドネシアの方と日本人では宗教や生まれ育った環境の違いにより大きな違いがあります。この違いを理解せずに仕事を始めてしまうとギャップに苦しみストレスを抱えてしまう方も多いようです。
インドネシアでの仕事は、日本とは異なる文化や価値観を理解することが成功の鍵です。本記事では、インドネシア人と仕事をする際に注意すべき点や彼らの特性について詳しく説明させていただきます。ぜひインドネシアの方と仕事をする際の参考にしてみてください。
インドネシア人の特徴や性格
純粋で無邪気ないい人
インドネシアの人々は純粋で無邪気な性格を持っており、親切な人が多いです。よく笑い、よくしゃべり、日々の生活を家族や友人と楽しむことを大切にしています。気さくな性格の方が多く初めて会った方でもすぐに打ち解けて友達になることが出来ます。またとても親切で優しい性格の方が多く、街中で道に迷ったり、バイクが故障した時など赤の他人でも自分の家族のようにとても親切に助けてくれます。
おしゃべり好き
インドネシア人はコミュニケーションを非常に重視し、仕事中でもおしゃべりが絶えません。インドネシア人は人と話すことが好きで、コーヒーショップに行くと何時間もずっと話していることもあります。このおしゃべり好きな性格は、女性にも男性にも見られます。オフィスの中でも、業務の合間にちょっとした雑談を楽しむ姿が日常的に見られます。コミュニケーションが円滑に進むことは、チームワークの向上や良い人間関係の構築に寄与している為、日本よりもご近所付き合いや職場の人間関係が友好的な光景がよく見られます。
ティダ アパアパ 大丈夫精神
インドネシア人は非常に寛容であり、細かいことにこだわらない性格です。お釣りをもらう際にも寛容であり、日常生活でもこの寛容さが見られます。彼らは「ティダ アパアパ(大丈夫)」という言葉をよく使い、多少の不便やトラブルにも柔軟に対応します。この寛容さは、他人の失敗や遅れに対しても寛大であり、ストレスを溜めずに日常を過ごすための重要な要素となっています。逆に日本人にとっては大きな問題でもインドネシア人にとっては小さな問題として捉えられてしまう事もあるので注意が必要です。小さな問題にイライラせず大丈夫大丈夫と言って軽く済ませる精神を理解してインドネシアの方と上手く付き合うことが求められます。
断るのが苦手で小さな嘘をつく
インドネシア人は親切であり、頼まれると断りにくい性格です。そのため、実際にできるかどうかを確認することが重要です。彼らは悪気なく「できる」と言うことが多いので、確実に確認することが必要です。ついつい出来ないことも「できる」と言ってしまうこともしばしば。道を聞かれると分からなくても親切心から適当な回答で教えてくれるので困ってしまうことも。日本人にとっては、小さな嘘でもインドネシアの人たちにとっては親切心から来る行動。インドネシアの方に悪気はないので、イライラせず過剰に頼りすぎないようにすることも大切です。仕事をする上ではこのような小さな嘘が大きな問題になることもあるので、何度も確認するなど上手くコミュニケーションを取る必要があります。
Tidak Enak(注意や怒りに対する苦手意識)
インドネシア人には「Tidak Enak」という文化的な考え方があり、これは他人に対して注意したり、怒ったりすることに対して躊躇する傾向を表します。他人を不快にさせることを避けるため、問題があっても直接的に指摘することを避け、遠回しな表現を使ったり、黙ってしまうことがよくあります。このため、指示や指摘が曖昧になることがあり、コミュニケーション上の課題を引き起こすことも少なくありません。
宗教を大切にする
インドネシアは世界最大のイスラム教信者を抱える国であり、宗教の教えを非常に大切にしています。日本では宗教という概念が日々の概念の中でほとんどありませんが、インドネシアでは宗教が一番大切だと考えている方がたくさんいるので注意が必要です。仕事中でもお祈りをしたり、女性はヒジャブを着用したり、豚肉を食べないなど、宗教の規則に厳格に従う人が多いです。インドネシアの方を雇う場合、社員の宗教を理解し、尊重することが重要です。例えば、礼拝の時間を考慮したスケジュールの調整や、ハラル食材の提供などが求められます。宗教的な配慮をすることで、社員の満足度と生産性を向上させることができます。
ちなみにインドネシアはイスラム教の方が多いが宗教の自由が尊重されており、政府統計によると、イスラム教が87.2%、プロテスタントが7%、カトリックが2.9%、ヒンドゥー教が1.6%、仏教が0.72%、儒教が0.05%、その他が0.5%となっている。
義理と情に厚い
インドネシア人は人間関係を非常に大切にします。仕事を後回しにすることもありますが、理解を示すことで良好な関係を築ける可能性があります。彼らは友情や家族関係を重視し、困っている人を見捨てることはありません。このような義理と情の厚さは、ビジネスにおいても重要な要素です。信頼関係を築くことで、長期的な協力関係を確立することができます。ただし家族がらみの問題も多いので物やお金を貸すことは慎重に行い、返ってこない可能性を考慮する必要があります。
Gotong Royong(助け合いの精神)
インドネシアには「Gotong Royong」という助け合いの精神が根付いています。多民族国家でありながら、互いの価値観を尊重し、助け合う文化が強く根付いています。この精神は、日本人も学ぶべき点が多いです。またイスラム教にはザカートと呼ばれる困窮者を助けるための義務的な喜捨を指す教えがあり、富める方は貧しい方を積極的に助けるべきという考え方があります。この助け合いの精神は、ビジネスや家族、友人関係においても重要な要素となっています。
自己主張は少なく従順な性格
当然個人によって違いますが、インドネシアの方は上司や親などに対して主張することは少なく従順な性格である方が多いです。これは日本人にも似ている部分がありますが、自己主張よりもトラブルを避け全体の調和を大切にする傾向があります。心の中では不満に思っていても目上の方に対しては言葉にして伝えてくれないこともあるので注意が必要でしょう。また従順な性格というと聞こえは良いかもしれませんが仕事をする上では主体性や積極性が欠けている方も多くいるので適切にアドバイスしてあげる必要があるでしょう。
インドネシア人の一般的な男性の性格・特徴
社交的でリーダーシップを発揮 インドネシア人の男性は一般的に社交的であり、人とコミュニケーションを取ることが得意です。彼らはグループでの活動を好み、リーダーシップを発揮することが多いです。仕事でもチームワークを重視し、仲間との協力を大切にします。
親しみやすくフレンドリー インドネシアの男性は親しみやすく、初対面の人ともすぐに打ち解けることができます。彼らは新しい人との出会いを楽しみ、関係を築くのが得意です。これにより、ビジネスや日常生活においても良好な人間関係を築くことができます。
のんびりしていて、怠け者も多い 一方で、インドネシアの男性はのんびりした性格の人が多く、時には怠け者と見られることもあります。仕事に対する取り組み方が日本人と比べてリラックスしているため、効率やスピードに対する考え方にギャップが生じることがあります。
地方都市では男尊女卑や一夫多妻の考えが根強く残っている 特に地方都市では、男尊女卑や一夫多妻制の考え方がまだ根強く残っています。これは、伝統的な価値観が強く影響しているためであり、ビジネスにおいてもこのような文化的背景を理解することが求められます。
インドネシア人の一般的な女性の性格・特徴
家庭的で思いやりがある インドネシアの女性は家庭を大切にし、家族や友人への思いやりが深いです。彼女たちは家族の健康や幸せを最優先に考え、そのために多くの時間と労力を費やします。また、他人に対しても親切で、助け合いの精神を持っています。
柔軟で順応性が高い インドネシア人女性は柔軟性があり、変化に対して順応する能力が高いです。新しい環境や状況に対しても前向きに対応し、問題解決のために努力を惜しみません。この柔軟性は、仕事や家庭生活においても大いに役立ちます。
協力的でチームプレイヤー 多くのインドネシア人女性は協力的であり、チームでの活動を好みます。彼女たちは他人との協力を通じて目標を達成することを重視し、チームの一員としての役割をしっかり果たします。これは、職場でも家庭でも重要な特性です。地域コミュニティでもママの横の繋がりは非常に強いものがあります。
宗教や地域コミュニティの行事でも勤勉に働く インドネシア人女性は、宗教や地域コミュニティの行事にも積極的に参加し、勤勉に働く傾向があります。彼女たちは宗教的な行事や地域のイベントを大切にし、そこでの役割をきちんと果たします。これにより、地域社会とのつながりを強化し、信頼関係を築いています。
インドネシア人と仕事をするときの注意点
インドネシア人の仕事観
インドネシアでは、多くの人々が家族を支えるために働いています。経済的な背景から、彼らの仕事に対する考え方は様々です。たとえば、学生に将来の希望職業を尋ねると、公務員、銀行員、教師といった安定した職業が人気です。これは、安定した収入と社会的地位を求める傾向がまだ強い社会だと考えられます。しかし、これらの職業に就ける人は限られており、人口のほとんどの方が日雇いの肉体労働や農家、個人事業などに従事していることが一般的です。また、インドネシアでは、学歴や職業によって人の価値が判断される傾向がまだ強いです。多くの人々が社会的地位の高い職業を望み、できるだけ苦労せずにお金が儲かる仕事を求めます。近年ではインターネットの普及により、副業やフリーランス、ギグワーカーとして働く人も増えており、主婦や学生でも収入を得る手段が増えています。
仕事とプライベートのバランス
インドネシア人の生活において、家族や宗教行事、地域活動が優先されることが多いです。彼らは仕事を生活の中心とするよりも、家族との時間や宗教的な活動を重視します。たとえば、地域コミュニティで何か不幸があった場合、葬儀や埋葬の手伝いは非常に重要なことであり、仕事を後回しにしてでも仲間を助けます。また、祈りの時間が来れば、仕事を中断してでも祈りを優先します。仕事中でもプライベートな用事でスマホをいじることが多く、これを理解し適切な会社のルールを設定することが求められます。日本人は仕事が最優先という考え方が強いですが、インドネシア人は「人間関係」、「宗教」、「人生を楽しむ」ことを大切にしている方が多く、その考えを尊重することが重要です。
時間の感覚が違う
日本では「時は金なり」という考え方が強く、時間厳守で働くことが一般的です。しかし、インドネシアでは時間に対する意識が異なり、「ジャムカレット(ゴムの時間)」という概念があります。これは、時間がゴムのように伸び縮みするという意味で、遅刻やスケジュールの変更が頻繁に起こります。インドネシアのビジネス環境では、時間に対する柔軟な考え方が求められます。例えば、会議の開始時間が予定より遅れる、予定していた納期が遅れる、といった事も多く、プロジェクトを進める際にはこまめに進捗確認をして遅れがないか常に気を配ることが大切になります。弊社では日本のお客様のオフショア開発をインドネシアでしておりますので、この時間感覚の違いはコミュニケーションをよく取り日本の時間感覚を理解してもらえるように日々しつこく取り組んでいます。
遅刻を前提に逆算する
インドネシアでは遅刻が日常茶飯事であり、それを前提に仕事の体制を整えることが重要です。余裕を持った人員配置や優先順位の設定が必要です。都心部では渋滞もひどく、公共交通機関の時間も不確定なため、インドネシアでは日本のように遅刻 = 悪い事という考え方が弱く、平気で遅刻してくる人が多くいます。その為あらかじめ遅刻を想定したスケジュール管理が求められます。例えば、重要な会議やプロジェクトの開始時間を余裕を持って設定することで、遅刻による影響を最小限に抑えることができます。日本の感覚のままでインドネシアで生活すると時間の面でストレスを抱えてしまうかもしれません。またインドネシア人の言うBesok Saja(明日ね)と言う約束も要注意です。明日になるとまた明日と言って、いつまでも終わらないと言うことは日常茶飯事です。
「できる」と言ったことを鵜呑みにしない
インドネシアのビジネス文化では、他人に「できない」と言うことが難しいため、相手は「できる」と答えてしまうことがよくあります。しかし、実際にその約束が守られるかどうかは不確実です。口頭での約束だけでなく、進捗状況を確認し、必要に応じて書面での確認を行うことが信頼性を高めるためには重要です。
サービス残業は期待しない
インドネシアでは、雇用契約書に記載された範囲の仕事を行う意識が強く、無給での残業はほとんどありません。定時になると一斉に帰宅するのが一般的です。これは残業が当たり前で上司より先に帰るのが気まずい日本と比べると大きな違いでしょう。スタートアップ企業でも、社員は定時に帰宅し、仕事とプライベートを明確に分けている方が多いです。インドネシアの労働文化では、労働時間外に働くことは非常に珍しく、定時後にメールの返信や夜間の緊急対応などを期待することは難しいので、必要があればきちんと予め説明をして対応していただく必要があるでしょう。
弊社のようにお客様のシステムを開発・メンテナンスしていると深夜や休日に対応しないこともありますが、きちんと理由や考え方を説明し、報酬も支払いことでインドネシアの方でも理解して対応していただくことができています。
人前で怒られるのを嫌う
インドネシアでは、人前で怒ることは非常に不名誉とされています。親が子供を叱る場合でも、人前ではなく一対一で行うのが一般的です。同様に、仕事でも個別に注意をすることが求められます。人前で怒ることは相手のプライドを傷つけると考えられています。また周囲のスタッフも萎縮してしまい会社全体に悪影響になってしまう懸念もあります。ミーティング中に問題がある社員がいてもその場で叱責することは避け、個別に丁寧に話し合うことが望ましいです。これにより、相手の尊厳を保ちながら建設的なフィードバックを提供することができます。また怒られてそれをバネに頑張り結果を出せる日本人と違い、怒られることで萎縮したり、失望してパフォーマンスが下がったり、退職してしまう方もいるので怒るのではなく、教える、アドバイスするといった考えで接する方が良いでしょう。また怒った後でも褒めたり、冗談を言ったりして励ましてあげることも大切です。
前払いやお金の貸し借りを避ける
インドネシア人にとって、仕事はお金を稼ぐ手段です。前払いをすると、働く意欲が減少することがあります。そのため、後払いにすることで、働くモチベーションを維持することができます。地方には銀行口座を持っていない方も多く、お金を貯金するという考え方が弱いためその日暮らしの生活をしている方が多いです。都会の方でも成長著しいインドネシアでは給料が上がっていくという成長マインドがあるからか、貯金せずにもらったお金をすぐに消費に使ってしまう傾向が強いです。また、お金は一度借りられるとわかると、次からも簡単に借りられると考えられてしまうので要注意です。特別な理由がない限りは給料の前払いは避けるようにした方がいいでしょう。
ちなみに私は健康や事故、仕事を続けられない特別な理由がお金によって解決できる特別なケース等においては会社ではなく個人の責任で助けるようにしています。インドネシアで長く経営をすると必ず通るこの問題にどう対処するかはとても難しい問題だと感じます。
転職が多い?
インドネシアでは「Kutu Loncat」という言葉があり、ノミの意味で、転職を頻繁に行う人を指します。インドネシアでは新しい挑戦を求めたり、高い給料を求めて転職することが日本よりも一般的です。またこれは日本の終身雇用文化と比べて企業が有期雇用契約で雇用することが多いことも転職文化に関係しているでしょう。
ただし、居心地の良い職場や会社文化、同僚を好いて長く会社に残ってくれる方もたくさんいます。話を聞いてみると本人は一つの会社で長く勤めたいと考えている人も多いので、彼らが長く勤めるために、良好な職場環境と成長機会を提供することが重要です。
まとめ
インドネシアでのビジネスには、彼らの文化や宗教、価値観を理解し、尊重することが不可欠です。時間に対する柔軟な考え方や、プライベートを重視する姿勢を理解し、適切なコミュニケーションを心がけることで、良好なビジネス関係を築くことができます。上から自分達のやり方、考え方を押し付けるのではなく、インドネシア人の寛容さや助け合いの精神を見習い、日本人としての考え方も伝えて共に理解し合う姿勢を持つことが成功の鍵となるでしょう。
仕事をする上で最初は考え方の違いに戸惑うこともあるでしょうが、インドネシアの方の考え方に慣れると、優しくフレンドリーなインドネシア人がきっと好きになるでしょう。
弊社timedoorでも150人以上のインドネシアの方と一緒に仕事をしていますが、彼らの弱い部分をアドバイスし補いながら、日本とインドネシアの良い文化をミックスした独自の会社文化を築きながら日々ITや教育の仕事を一緒にしています。逆に日本人として彼らから学ぶこと、気付かされることもたくさんあります。10年間会社をやっていてもいまだに彼らから学ぶことがたくさんあります。
ぜひ皆様も本記事を参考にインドネシアの方と素敵な関係を築いてください。
FAQ
Q: インドネシア人の性格や特徴はどのようなものですか?
A: インドネシア人は純粋で無邪気な性格を持ち、親切な人が多いです。また、おしゃべり好きでコミュニケーションを大切にし、ティダ アパアパ(大丈夫)精神で細かいことにこだわらない寛容さがあります。断るのが苦手で小さな嘘をつくこともありますが、悪意はなく親切心から来るものです。
Q: インドネシア人の宗教観について教えてください。
A: インドネシアは世界最大のイスラム教信者を抱える国であり、宗教の教えを非常に大切にしています。仕事中でもお祈りをしたり、女性はヒジャブを着用したり、豚肉を食べないなど、宗教の規則に従います。宗教を尊重することが重要です。
Q: インドネシア人と仕事をする際の注意点は何ですか?
A: インドネシア人と仕事をする際は、時間の感覚が違うことや遅刻が多いことを理解し、余裕を持ったスケジュール管理が重要です。また、サービス残業は期待せず、人前で怒らずに個別に注意することが望ましいです。
Q: インドネシア人の仕事観はどのようなものですか?
A: インドネシアでは家族や宗教行事、地域活動が優先されることが多いです。仕事とプライベートのバランスを大切にし、仕事を生活の中心とするよりも、家族との時間や宗教的な活動を重視します。
Q: インドネシア人の転職の頻度は高いですか?
A: インドネシアでは「Kutu Loncat」という言葉があり、転職を頻繁に行う人を指します。新しい挑戦や高い給料を求めて転職することが一般的です。良好な職場環境と成長機会を提供することで、長く勤めてもらうことができます。
Q: インドネシア人とのコミュニケーションで気をつけることは何ですか?
A: インドネシア人は自己主張が少なく従順な性格であるため、問題があっても言葉にして伝えないことがあります。適切にアドバイスし、何度も確認することでコミュニケーションを円滑に進めることが重要です。
Q: インドネシア人の助け合いの精神について教えてください。
A: インドネシアには「Gotong Royong」という助け合いの精神が根付いています。多民族国家でありながら、互いの価値観を尊重し、助け合う文化が強く根付いています。この精神はビジネスや家族、友人関係においても重要です。
Q: インドネシア人に前払いやお金を貸すことは避けた方がいいですか?
A: 前払いをすると働く意欲が減少することがあり、またお金を貸すと次からも簡単に借りられると考えられてしまいます。特別な理由がない限りは前払いを避けることが望ましいです。
Q: インドネシア人の時間感覚の違いにどう対処すればいいですか?
A: インドネシアでは時間に対する意識が異なり、「ジャムカレット(ゴムの時間)」という概念があります。余裕を持ったスケジュール管理を行い、遅刻を前提に逆算して計画を立てることが重要です。
Q: インドネシア人とのビジネス関係を築くために重要なことは何ですか?
A: インドネシア人の文化や宗教、価値観を理解し、尊重することが不可欠です。適切なコミュニケーションを心がけ、彼らの寛容さや助け合いの精神を見習い、共に理解し合う姿勢を持つことが成功の鍵です。
本記事で使用した単語の解説
Tidak Enak
インドネシア語で「心地悪い」という意味で、他人に迷惑をかけることや対立を避けるため、注意や批判を控える文化的態度を表します。仕事やコミュニケーションにおいて、遠回しな表現や問題の回避が見られることが多いです。
ジャムカレット
「ジャムカレット」は「ゴムの時間」という意味で、時間が伸び縮みするように柔軟であることを示すインドネシアの言葉です。約束の時間に遅れることが許容される文化を指します。
ラマダン
イスラム教の断食月のこと。約1ヶ月間、イスラム教徒は日の出から日没まで断食を行います。この期間はビジネスの運営にも影響し、短縮営業や休暇が増えることが一般的です。
ハラル
イスラム法において許される行為や食品を意味します。インドネシアでは多くの人がハラルに従って生活しており、食事や職場環境に配慮が必要です。
Gotong Royong
インドネシアに根付く「助け合いの精神」を表す言葉です。社会やコミュニティの一員として、互いに助け合うことが文化として深く根付いています。
インドネシアの基礎知識
インドネシアの人口
インドネシアの総人口は約2億7,000万人で、世界で4番目に人口が多い国です。国内には多くの異なる民族が共存しており、主にジャワ人、スンダ人、バタック人、バリ人などが含まれます。特にジャワ島には全国の約60%の人口が集中しています。
インドネシアの人口構成は若者が多く、平均年齢は約30歳です。これに対して、日本の平均年齢は約48歳であり、インドネシアは非常に若々しい国と言えます。この若年層の多さは、豊富な労働力を持つインドネシアの強みとなっており、経済成長に重要な役割を果たす一方で、教育や医療などの社会サービスの需要が拡大しています。人口の「ボーナス期」にあるインドネシアは、この若年労働力を活かしながら、持続的な経済発展を目指しています。
インドネシアの宗教
インドネシアでは、イスラム教が主要な宗教であり、国民の約87%がイスラム教徒です。その他にも、キリスト教(プロテスタント・カトリック)、ヒンドゥー教、仏教、儒教が信仰されています。宗教は日常生活に深く根付いており、ビジネスの場でも宗教的な慣習や行事を尊重することが求められます。例えば、イスラム教のラマダン期間中は断食が行われ、ビジネスの営業時間が短縮されることが一般的です。また、従業員が宗教行事に参加するための休暇を取ることも多いです。食事面でも、ハラル料理を提供する配慮が必要な場面があります。
インドネシアのGDP
2023年時点で、インドネシアのGDPは約1兆3,700億ドルに達しており、世界16位の経済規模を持っています。インドネシアの経済は多様化しており、農業、製造業、サービス業が主要な産業です。製造業では、電子機器、自動車、繊維などが成長分野として注目されており、内外の需要を支えています。また、豊富な天然資源もインドネシア経済の柱の一つで、石炭や天然ガス、パーム油などの輸出が重要な収入源となっています。政府は経済の成長を支えるために、インフラ整備や規制改革を進め、外国からの投資を積極的に受け入れています。
インドネシアの一人当たりGDP
インドネシアの一人当たりGDPは約5,000ドルに達し、中所得国として位置付けられています。しかし、経済の発展には地域ごとの格差が存在し、ジャカルタやスラバヤなどの都市部では高い所得水準が見られる一方、農村部では貧困が深刻な問題となっています。政府はこれらの格差を縮小するため、地方経済の発展を促進し、インフラの整備や教育制度の改善に取り組んでいます。所得が向上することで、消費活動もさらに活発化すると期待されています。
インドネシアの定年と平均寿命
インドネシアの定年は、企業や職種によって異なりますが、一般的には55歳から60歳とされています。また、一部の職場では65歳以上まで働くことが可能な場合もあります。インドネシアの平均寿命は約72歳で、医療や衛生環境の改善によって年々延び続けています。平均寿命の上昇は、高齢化の進展とともに医療や介護サービスの需要が高まる要因となっており、今後はこの分野の整備が重要な課題となるでしょう。
インドネシアの通貨
インドネシアの通貨単位はルピア(IDR)です。2024年現在の為替レートでは、1円が約105ルピアに相当します。為替レートは経済や国際情勢によって変動しやすく、特に輸出入業務を行う企業にとってはリスク管理が重要です。インドネシア中央銀行は、ルピアの安定を図るために政策を実施しており、金利調整や為替介入が行われることがあります。ルピアの紙幣は1,000ルピアから100,000ルピアまでの額面があり、日常的な取引には電子決済も広く利用されています。モバイル決済やQRコードを使った取引が都市部では普及しています。
インドネシアの言語
インドネシアの公用語はインドネシア語(バハサ・インドネシア)で、全国的に統一された言語として、教育や行政、ビジネスの場で使われています。また、インドネシアには約700の地方言語があり、各地域で日常的に使用されています。これらの言語は文化的な多様性を反映しており、それぞれの地域コミュニティのアイデンティティとして重要な役割を果たしています。ビジネスや観光業においては英語が広く使用されており、特に都市部ではビジネスの場でよく通じます。インドネシアでのビジネス展開には、現地語の理解とコミュニケーション能力が求められます。
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