
6月 25, 2025 • インドネシア, 特定技能・技能実習
3月 16, 2025 • インドネシア, 教育 • by Erika Okada
目次
インドネシアの教育制度は、幼児教育(PAUD)から高等教育(Pendidikan Tinggi)まで、国が定めたカリキュラムに基づいて運営されています。義務教育は9年間(小学校6年+中学校3年)であり、政府は教育の普及と質の向上を目指してさまざまな改革を進めています。しかし、地域間の教育格差や学校の設備不足、教師の質の向上など、課題も多く残されています。本記事では、インドネシアの教育制度の全体像を詳しく解説し、その特徴や課題、政府の支援策について深掘りしていきます。
インドネシアの幼児教育(PAUD)は、0歳から6歳までの子どもを対象とした教育システムであり、国家教育法(Undang-Undang Sistem Pendidikan Nasional)に基づいて運営されています。PAUDは、幼児期における発達を促進し、子どもたちが小学校教育にスムーズに適応できるようにすることを目的としています。
PAUDは主に以下の3つのカテゴリーに分類されます。
① 託児所(Taman Penitipan Anak: TPA)
② 幼児教育センター(Kelompok Bermain: KB)
③ 幼稚園(Taman Kanak-Kanak: TK)
また、PAUDには地域コミュニティ主体のPAUD Terpadu(統合型PAUD)や、非公式な家庭ベースのPAUD(PAUD Berbasis Keluarga)も存在する。
① 国家カリキュラム(Kurikulum PAUD 2013)
② ローカルカリキュラムの導入
インドネシアのPAUDは、公立と私立の両方が存在し、次のような運営形態がある。
① 公立PAUD
② 私立PAUD
③ イスラム系PAUD(Raudhatul Athfal: RA)
① 就学率の格差
② 教師の質
③ 施設と教材の不足
インドネシア政府は、幼児教育を義務教育の一部として強化する方針を掲げ、以下の施策を進めている。
インドネシアの初等教育(Pendidikan Dasar)は、小学校(Sekolah Dasar: SD)と中学校(Sekolah Menengah Pertama: SMP)を含む義務教育の段階です。政府は教育の普及と質の向上を目指してさまざまな改革を行っています。以下に、インドネシアの初等教育の特徴を解説します。
インドネシアでは、小学校と中学校が「Pendidikan Dasar(基礎教育)」とされており、憲法(Undang-Undang Dasar 1945)と国民教育法(Undang-Undang Sistem Pendidikan Nasional)により義務教育と定められている。
① 公立学校(Sekolah Negeri)
② 私立学校(Sekolah Swasta)
③ イスラム系学校(Madrasah)
④ インターナショナルスクール(Sekolah Internasional)
① 教育目標
② 教科構成
2023年の新カリキュラム「Kurikulum Merdeka」に基づく主要科目
③ 授業時間と学習環境
① 地域格差
② 教師の質
③ 施設の不足
④ 教育の自由度
① 無償教育の強化
② ICT教育の推進
③ STEAM教育の強化
インドネシアの中等教育(Pendidikan Menengah)は、前期中等教育(SMP: Sekolah Menengah Pertama)と後期中等教育(SMA/SMK: Sekolah Menengah Atas / Sekolah Menengah Kejuruan)に分かれています。義務教育(Wajib Belajar)として前期中等教育(SMP)までは全ての子どもが通うことが求められていますが、後期中等教育(SMA/SMK)は義務ではありません。
① 前期中等教育(SMP: Sekolah Menengah Pertama)
② 後期中等教育(SMA/SMK)
後期中等教育(SMA/SMK)は義務ではないが、大学進学や職業教育を受けるために重要な段階となる。
(1) 一般高校(SMA: Sekolah Menengah Atas)
(2) 職業高校(SMK: Sekolah Menengah Kejuruan)
中等教育では、2021年に導入された「Kurikulum Merdeka(自由学習カリキュラム)」を基盤として、より柔軟で実践的な教育が行われている。
① SMP(中学校)の主要教科
② SMA(高校)の専攻コース
10年生(Grade 10)までは共通カリキュラムを学び、11年生(Grade 11)から以下の3つの専攻コースに分かれる。
コース |
特徴 |
IPA(Ilmu Pengetahuan Alam) |
理系(数学、物理、化学、生物が中心) |
IPS(Ilmu Pengetahuan Sosial) |
文系(歴史、経済、地理、社会科学が中心) |
Bahasa(Bahasa dan Sastra) |
言語・文学系(国語、英語、外国語、文学が中心) |
③ SMK(職業高校)の専攻コース
SMKでは、特定の職業スキルを身につけるための専攻コースが用意されている。
分野 |
代表的な専攻 |
工業(Teknik) |
電気、機械、建築、土木 |
IT(Teknologi Informasi) |
プログラミング、ネットワークエンジニア |
観光(Pariwisata) |
ホテルマネジメント、ガイド、料理 |
ビジネス(Bisnis dan Manajemen) |
会計、マーケティング、秘書 |
医療(Kesehatan) |
看護助手、薬学アシスタント |
① 全国統一試験の廃止
② 卒業要件
① 地域格差
② 職業教育(SMK)の課題
③ デジタル教育の遅れ
① Kurikulum Merdeka(自由学習カリキュラム)の拡大
② デジタル教育の強化
③ 職業教育の改善
インドネシアの高等教育(Pendidikan Tinggi)は、大学(Universitas)、専門学校(Politeknik)、学院(Institut)、高等学校(Sekolah Tinggi) などの機関で提供されています。高等教育は義務ではなく、国家教育法(Undang-Undang Sistem Pendidikan Nasional) に基づいて運営されています。
① 総合大学(Universitas)
② 工科大学(Institut Teknologi)
③ 専門職大学(Politeknik)
④ 学院(Institut)
⑤ 高等学校(Sekolah Tinggi)
① 学士課程(Sarjana/S1)
② 修士課程(Magister/S2)
③ 博士課程(Doktor/S3)
インドネシアの大学入試は、主に3つの方法で実施される。
① SNBP(Seleksi Nasional Berdasarkan Prestasi)
② SNBT(Seleksi Nasional Berdasarkan Tes)
③ 独自入試(Ujian Mandiri)
① 学費
大学タイプ |
年間学費(概算) |
国立大学(PTN) |
Rp. 5,000,000 ~ Rp. 20,000,000(約5万~20万円) |
私立大学(PTS) |
Rp. 10,000,000 ~ Rp. 50,000,000(約10万~50万円) |
インターナショナル大学 |
Rp. 50,000,000 ~ Rp. 200,000,000(約50万~200万円) |
② 奨学金
政府・民間・海外機関による奨学金が提供されている。
奨学金プログラム |
提供元 |
対象 |
Kartu Indonesia Pintar (KIP-K) |
インドネシア政府 |
貧困層学生 |
LPDP(Lembaga Pengelola Dana Pendidikan) |
政府 |
国内・海外大学院 |
Erasmus Mundus, Fulbright, MEXT |
EU, 米国, 日本 |
海外留学 |
① 教育の質の格差
② 産業との連携不足
③ 大学進学率の低さ
④ 研究・技術開発の遅れ
① デジタル教育の推進
② 産学連携の強化
③ 海外大学との協力
インドネシアの教育制度は近年大きく改善されていますが、地域間の格差(kesenjangan pendidikan) は依然として深刻な問題です。ジャカルタやバリ島のような都市部と、パプア、スラウェシ、カリマンタンなどの地方・離島部では、教育の質、学校のインフラ、教師の能力、インターネット環境などに大きな差 があります。
① 都市部 vs 地方・離島の教育環境
項目 |
都市部(ジャカルタ・バリ・スラバヤ) |
地方・離島(パプア・カリマンタン・スラウェシ) |
学校の設備 |
最新のIT機器、プロジェクター、冷房完備の教室 |
机や椅子が不足、老朽化した校舎、電気・水道が不安定 |
教師の質 |
大学卒業者が多く、トレーニングの機会が多い |
資格を持たない教師が多く、トレーニング不足 |
学習教材 |
デジタル教材や最新の教科書が揃っている |
教科書が不足、古い教材を使用 |
インターネット環境 |
Wi-Fi完備、オンライン学習が可能 |
インターネットが未整備、オンライン学習不可 |
進学率(高校・大学) |
高校進学率90%以上、大学進学率50%以上 |
高校進学率60%以下、大学進学率20%以下 |
都市部では、政府の支援や民間投資が行われているため、比較的質の高い教育が提供されています。一方、地方・離島部では、学校の数が少なく、教師の不足、学習環境の劣悪さが深刻な問題 となっています。
① 教師不足と資格の問題
② 教師の給与と待遇
項目 |
都市部(ジャカルタ) |
地方・離島(パプア・スンバワ) |
教師の平均月収 |
Rp. 4,000,000 ~ Rp. 10,000,000(約4万~10万円) |
Rp. 2,000,000 ~ Rp. 4,000,000(約2万~4万円) |
研修機会 |
年間複数回、海外研修の機会もある |
ほとんど研修なし、教育法のアップデートが遅い |
地方の教師は、給料が低く、生活が苦しいため、他の仕事を掛け持ちするケースが多い です。その結果、教育に集中できない という問題が発生します。
① 学校の物理的環境
② インターネットとデジタル教育
政府は「スマートスクール(Sekolah Digital)」の導入を進めていますが、地方ではインフラ整備が進んでおらず、都市部とのギャップが拡大しています。
① 全国学力試験(ANBK: Asesmen Nasional Berbasis Komputer)の結果
② 進学率の格差
地域 |
小学校卒業率 |
高校進学率 |
大学進学率 |
ジャカルタ・バリ・スラバヤ |
98% |
90% |
50% |
カリマンタン・スラウェシ |
85% |
70% |
30% |
パプア・マルク・ヌサトゥンガラ |
70% |
50% |
20% |
地方では、小学校を卒業しても、高校に進学できない子どもが多い。これは、家庭の経済的な問題や、学校の距離が遠いことが原因 となっています。
① 「Merdeka Belajar(自由学習)」政策
② Kartu Indonesia Pintar(KIP)奨学金制度
③ 教師派遣プログラム(Guru Garis Depan: GGD)
④ デジタル教育の推進
課題 |
解決策 |
地方の教師不足 |
給与の引き上げ、地方での教師育成プログラムの強化 |
デジタル教育の遅れ |
インフラ投資、地方へのインターネット普及 |
学校設備の老朽化 |
政府・民間の協力で校舎の建設・修繕を進める |
経済的理由での進学断念 |
KIP奨学金の対象拡大、通学支援の強化 |
インドネシアでは、教育の質向上を目指して政府が大規模な予算を投じていますが、その運用には多くの課題があります。特に、教育予算の不適切な配分や汚職(korupsi dalam pendidikan) が、地方と都市部の教育格差を助長し、教育の質を低下させる要因となっています。
インドネシア政府は、国家予算(APBN: Anggaran Pendapatan dan Belanja Negara)の20%を教育に割り当てることを憲法で義務付けています(憲法第31条)。これは教育の重要性を示すものですが、実際の運用には課題が多くあります。
① 教育予算の規模
年度 |
教育予算(IDR) |
教育予算(USD換算) |
国家予算全体に占める割合 |
2020年 |
Rp. 508兆(約35.6兆円) |
約350億USD |
20.0% |
2021年 |
Rp. 550兆(約38.5兆円) |
約380億USD |
20.2% |
2022年 |
Rp. 620兆(約43.4兆円) |
約420億USD |
20.1% |
2023年 |
Rp. 660兆(約46.2兆円) |
約440億USD |
20.2% |
政府は毎年約20%の国家予算を教育に投じていますが、その効果が十分に発揮されていない という批判が多くあります。
② 教育予算の内訳
分野 |
割合 |
具体的な用途 |
教員の給与・手当 |
60% |
公立学校教師の給与・昇給・ボーナス |
学校のインフラ整備 |
20% |
新校舎建設、修繕、ICT教育設備の導入 |
奨学金・補助金(KIP) |
10% |
低所得層の学生支援 |
研究・開発 |
5% |
大学・研究機関のプロジェクト支援 |
その他(教材費など) |
5% |
教科書、教師の研修プログラム |
最大の割合を占めるのは「教員の給与・手当(60%)」 ですが、この配分が適切に行われていないため、地方の教師の待遇が悪いままとなっています。また、インフラ整備の予算が汚職の対象となりやすい という問題もあります。
① 地方への予算配分の偏り
② 研究開発への投資の不足
③ 予算の使途不明金
インドネシアでは、教育分野の汚職が教師採用、学校建設、奨学金制度などのさまざまな場面で発生 しています。
① 学校インフラ建設における汚職
② 教師採用・昇進の汚職
③ 奨学金(KIP)制度の不正利用
インドネシア政府は、教育分野の汚職問題を解決するためにいくつかの施策を導入しています。
① e-Governmentの導入
② 反汚職委員会(KPK)による監視
③ 公務員(PNS)制度の改革
④ 地方分権化の見直し
課題 |
具体的な解決策 |
教育予算の不適切な配分 |
地方・離島向けの予算比率を増やす |
研究開発費の不足 |
R&D予算を現在の5%から10%以上に引き上げ |
汚職の撲滅 |
反汚職委員会(KPK)の監査強化、AIによる監視システム導入 |
デジタル化の推進 |
予算管理をブロックチェーン技術で透明化 |
インドネシアの高等教育(Pendidikan Tinggi)は、近年政府の支援を受けて発展していますが、大学の国際競争力の低さ や 大学進学率の低さ が依然として課題となっています。
① インドネシアの大学の国際ランキング
インドネシアには3,000校以上の大学が存在 しますが、国際的な大学ランキングでの順位は低く、世界的な競争力はまだ十分ではありません。
大学名 |
QS世界大学ランキング2024 |
Times Higher Education (THE) 2024 |
Universitas Indonesia (UI) |
237位 |
801-1000位 |
Institut Teknologi Bandung (ITB) |
281位 |
1001-1200位 |
Universitas Gadjah Mada (UGM) |
263位 |
1001-1200位 |
Institut Teknologi Sepuluh Nopember (ITS) |
701-750位 |
1201-1500位 |
Universitas Airlangga (UNAIR) |
751-800位 |
1201-1500位 |
主要な国立大学(UI, ITB, UGM)はQSランキングで250位前後ですが、世界トップ100には入っていません。
② 国際競争力が低い理由
① 大学進学率の現状
年 |
大学進学率(18~24歳人口に対する割合) |
2010年 |
約18% |
2015年 |
約25% |
2020年 |
約35% |
2023年 |
約40% |
インドネシアの大学進学率は向上していますが、日本(65%)、韓国(70%)、シンガポール(80%) に比べると低水準です。
② 進学率が低い理由
政府は、インドネシアの大学の競争力向上と進学率アップ のために、いくつかの政策を推進しています。
① Merdeka Belajar – Kampus Merdeka(自由学習・自由大学)政策
② 研究・開発(R&D)の強化
③ 海外大学との連携強化
④ 奨学金制度の拡大
課題 |
具体的な問題点 |
解決策 |
大学の競争力 |
国際ランキングが低い、研究の質が低い |
研究予算の増額、英語教育の強化、産学連携の推進 |
進学率の低さ |
地方の進学率が低い、学費が高い |
無償教育の拡大、KIP奨学金の拡充 |
産学連携の弱さ |
企業との共同研究が少ない |
インターンシップの義務化、企業との提携強化 |
外国人学生の少なさ |
インドネシア語が中心で国際化が進んでいない |
英語コースの拡充、外国人向け奨学金の強化 |
インドネシアでは、高等教育機関の拡充や政府の教育改革が進められていますが、教育と労働市場のミスマッチ(kesenjangan antara pendidikan dan pasar kerja) が深刻な問題となっています。大学や職業学校を卒業しても、労働市場が求めるスキルと一致しないために就職できない というケースが多く見られます。本記事では、インドネシアの教育と労働市場のミスマッチの現状、原因、課題、今後の解決策 について詳しく解説します。
① 高学歴者の失業率が高い
インドネシアでは、大学(S1)卒業者や職業高校(SMK)卒業者の失業率が高い という逆転現象が発生しています。
教育レベル |
失業率(2023年) |
小学校(SD)卒業以下 |
2.5% |
中学校(SMP)卒業 |
4.6% |
一般高校(SMA)卒業 |
7.1% |
職業高校(SMK)卒業 |
10.4% |
大学(S1)卒業 |
6.2% |
特にSMK卒業生の失業率(10.4%)は、すべての教育レベルの中で最も高い という深刻な状況になっています。これは、SMKで学んだスキルが実際の労働市場のニーズと一致していない ことを示しています。
② 求人と応募者のスキルの不一致
インドネシアの雇用市場では、企業が求める人材と、教育機関が輩出する人材の間にギャップがある ことが問題視されています。
業種 |
企業の求人数 |
求職者数 |
充足率 |
IT・デジタル技術 |
500,000 |
120,000 |
24% |
製造業(エンジニア) |
300,000 |
150,000 |
50% |
観光・サービス業 |
200,000 |
300,000 |
150% |
教育・公共サービス |
100,000 |
250,000 |
250% |
このように、需要の高い業種では人材が不足し、競争の激しい業種では失業率が上昇する という構造的な問題があります。
① 産業界と教育機関の連携不足
② 職業教育(SMK)のカリキュラムが古い
③ インターンシップ・実習の不足
④ 大学進学の偏り
インドネシアの企業が求めるスキルと、大学が提供するスキルの間には、大きなギャップがあります。
スキルカテゴリ |
企業の需要(%) |
大学の提供(%) |
ギャップ |
デジタルスキル(AI・プログラミング) |
70% |
30% |
-40% |
ソフトスキル(コミュニケーション・リーダーシップ) |
65% |
40% |
-25% |
技術・エンジニアリングスキル |
60% |
35% |
-25% |
外国語(英語・中国語) |
55% |
25% |
-30% |
企業が特に求めているのは デジタルスキル、ソフトスキル、技術スキル ですが、大学のカリキュラムでは十分にカバーされていません。
① 「Merdeka Belajar – Kampus Merdeka(自由学習・自由大学)」政策
② 職業教育(SMK)の改革
③ STEM(科学・技術・工学・数学)教育の推進
④ 産学連携の強化
⑤ 外国語教育の強化
課題 |
解決策 |
産業界と教育機関の連携不足 |
企業が教育カリキュラム作成に関与する仕組みを導入 |
デジタルスキルの不足 |
AI・データ分析・プログラミングの教育を強化 |
インターンシップの不足 |
すべての大学・職業学校でインターンシップを義務化 |
理系人材の不足 |
STEM教育を強化し、奨学金を拡充 |
インドネシアの教育システムは、公立学校(Sekolah Negeri)、私立学校(Sekolah Swasta)、ナショナルプラススクール(Sekolah Nasional Plus)、インターナショナルスクール(Sekolah Internasional)の4つの主要なカテゴリに分かれています。それぞれの学校はカリキュラム、授業料、言語、学習環境が異なり、家庭の経済状況や進学先の希望によって選択されます。
学校の種類 |
管理・運営 |
カリキュラム |
言語 |
授業料 |
特徴 |
公立学校(Sekolah Negeri) |
政府(教育文化省) |
インドネシア国家カリキュラム(Kurikulum Merdeka) |
インドネシア語 |
無料または安価 |
ほとんどの子どもが通う。学校の質に地域差がある |
私立学校(Sekolah Swasta) |
民間団体・宗教団体 |
国家カリキュラム+独自カリキュラム |
インドネシア語(英語を強化する学校も) |
Rp. 500,000~5,000,000/月 |
設備が整っているが、質のばらつきが大きい |
ナショナルプラス(Sekolah Nasional Plus) |
民間団体 |
国家カリキュラム+国際カリキュラム |
英語+インドネシア語 |
Rp. 5,000,000~30,000,000/月 |
バイリンガル教育を行い、国際的な視点を重視 |
インターナショナルスクール(Sekolah Internasional) |
国際財団・外国政府 |
IB(国際バカロレア)、ケンブリッジ、アメリカ式 |
英語(またはその他の外国語) |
Rp. 100,000,000~500,000,000/年 |
富裕層や外国人向け、インドネシア人の入学には制限あり |
① 概要
② 特徴
✅ メリット
❌ デメリット
① 概要
② 特徴
✅ メリット
❌ デメリット
① 概要
② 特徴
✅ メリット
❌ デメリット
③ 代表的なナショナルプラススクール
① 概要
② 特徴
✅ メリット
❌ デメリット
③ 代表的なインターナショナルスクール
Pesantren(ペサントレン) とは、インドネシアにおけるイスラム寄宿学校(イスラムボーディングスクール) のことを指します。インドネシアは世界最大のイスラム教徒人口を誇る国であり、多くのイスラム教育機関が多数存在しかなり多くの生徒がいます。その中でも、Pesantren は長い歴史を持ち、宗教教育だけでなく、一般教育や職業教育の役割も果たしています。
① Pesantren とは?
② Pesantren の特徴
✅ イスラム教の学習が中心
✅ 寄宿制(住み込み学習)
✅ 一般教育や職業教育も提供
Pesantren には、伝統的なもの(Salafiyah) と 近代的なもの(Khalafiyah) の2つの主要なタイプがあります。
種類 |
特徴 |
カリキュラム |
学生の進路 |
Pesantren Salafiyah(伝統的ペサントレン) |
イスラム学問のみに特化 |
クルアーン、ハディース、フィクフ、アラビア語 |
イスラム学者、宗教指導者 |
Pesantren Khalafiyah(近代的ペサントレン) |
イスラム教+一般教育 |
イスラム学+数学、科学、英語、社会 |
大学進学、公務員、ビジネス |
Pesantren Terpadu(統合ペサントレン) |
一般教育+職業教育 |
イスラム学+職業訓練(IT、農業、ビジネス) |
技術職、起業家 |
Pesantren Tahfidz(クルアーン暗誦専門) |
クルアーンの暗誦が中心 |
クルアーンの完全暗記(Tahfidz) |
イスラム教師、宗教リーダー |
① イスラム教教育
② 一般教育(Pesantren Khalafiyah)
③ 職業教育(Pesantren Terpadu)
近年では、「Pesantren 4.0」 というデジタル教育を取り入れたモデルも登場しており、オンライン学習やeラーニングの導入が進んでいる。
① 宗教教育の中心
② 貧困層への教育機会の提供
③ 道徳・倫理教育
④ テロリズム防止の役割
① 施設や教育の質の格差
② 近代教育とのバランス
③ 一部の Pesantren における過激思想
① デジタル教育の導入
② 女性の教育機会の拡大
③ グローバル化対応
インドネシアでは、塾(Bimbingan Belajar, Bimbel)や習い事(Les) の文化が根付いており、都市部を中心に多くの子どもが学校外の教育を受けています。特に、受験対策、英語教育、数学、音楽、スポーツ などの分野で塾が人気です。また、インターナショナルスクールやナショナルプラススクールの生徒向けに、外国語や弊社の提供するようなSTEAM教育(Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics) の習い事も増えています。
① 塾の種類
インドネシアの塾(Bimbel)は、主に以下の種類に分類されます。
塾の種類 |
目的・特徴 |
人気の塾 |
受験対策塾(Bimbel Ujian) |
SMP(中学校)・SMA(高校)・大学入試 の対策。数学・理科・国語が中心 |
Primagama, Ganesha Operation, Neutron |
英語塾(Kursus Bahasa Inggris) |
子ども向けからビジネス英語まで。IELTS/TOEFL対策も人気 |
EF English First, Wall Street English, LIA |
算数・数学塾(Les Matematika) |
クムオン式(Kumon)やシンガポール数学(Singapore Math)が流行 |
Kumon, Sempoa, Mathnasium |
科学・STEAM教育(Kursus Sains/Robotik) |
プログラミング、ロボット、AI教育が人気 |
Timedoor Academy, Robotic Explorer, Code Academy |
音楽・芸術塾(Les Musik/Seni) |
ピアノ、ギター、バレエなど |
Yamaha Music School, Purwacaraka Music Studio |
スポーツ塾(Les Olahraga) |
サッカー、バドミントン、テコンドーなど |
Soccer School Indonesia, PB Djarum(バドミントン) |
① 目的
② 人気の塾
③ 授業スタイル
① 需要の高まり
② 人気の英語塾
① 日本式・シンガポール式数学が人気
② 人気の数学塾
① 近年のトレンド
② 人気のSTEAM塾
弊社の提供するSTEMスクールTimedoor Academyもインドネシアに40拠点を構える人気のスクールとなっております。
① 人気の習い事
② 人気の音楽スクール
① 人気スポーツ
インドネシアの塾・習い事の費用は、種類や都市によって異なります。
塾・習い事の種類 |
料金(月額) |
公立学校の補習塾(Bimbel) |
Rp. 500,000 ~ 2,000,000 |
私立受験塾(Bimbel Ujian) |
Rp. 1,500,000 ~ 5,000,000 |
英語塾(EF, LIA) |
Rp. 1,000,000 ~ 4,000,000 |
算数・数学塾(Kumon, Sempoa) |
Rp. 700,000 ~ 2,500,000 |
プログラミング・STEAM |
Rp. 2,000,000 ~ 6,000,000 |
音楽・芸術(ピアノ、バレエ) |
Rp. 800,000 ~ 3,500,000 |
スポーツ(サッカー、バドミントン) |
Rp. 1,000,000 ~ 4,500,000 |
✅ メリット
❌ デメリット
インドネシアと日本の教育制度は、多くの共通点があるものの、義務教育の期間、カリキュラムの内容、進学率、試験制度、学校の種類 などで大きな違いがあります。本記事では、インドネシアと日本の教育制度を詳しく比較 します。
インドネシアと日本の教育システムの比較
項目 |
インドネシア |
日本 |
義務教育 |
9年間(小学校6年+中学校3年) |
9年間(小学校6年+中学校3年) |
学年制度 |
6-3-3-4制(小学校6年+中学校3年+高校3年+大学4年) |
6-3-3-4制(小学校6年+中学校3年+高校3年+大学4年) |
学期制 |
2学期制(7月~12月、1月~6月) |
3学期制または2学期制(4月~3月) |
授業時間 |
7:00~13:00(公立学校)または7:00~15:00(私立・ナショナルプラス) |
8:30~15:30 |
主要教科 |
インドネシア語、数学、理科、社会、宗教、体育、英語 |
国語、数学、理科、社会、英語、体育、音楽、美術、技術 |
英語教育 |
小学校では選択制、中学校から必修 |
小学校5年から必修、中学・高校で強化 |
試験制度 |
全国統一試験(UN)が廃止され、学校評価(USBN)へ移行 |
高校入試・大学入試(共通テスト+個別試験) |
① 義務教育の期間
インドネシアと日本の義務教育期間は同じですが、インドネシアでは一部の地域で就学率が低く、特に貧困層では小学校を卒業できないケース があります。
② 小学校(Sekolah Dasar: SD)
項目 |
インドネシア |
日本 |
対象年齢 |
6~12歳(6年間) |
6~12歳(6年間) |
授業時間 |
7:00~12:00(公立)、7:00~15:00(私立) |
8:30~15:00 |
教科 |
インドネシア語、数学、理科、社会、宗教、英語(選択) |
国語、算数、理科、社会、英語、音楽、美術、体育 |
英語教育 |
義務ではないが、一部の私立・ナショナルプラスで導入 |
5年生から必修 |
宗教教育 |
必修(イスラム、キリスト教、ヒンドゥー教、仏教など) |
なし(道徳教育あり) |
インドネシアでは、宗教教育が必修 であり、日本の「道徳」のような授業よりも深い宗教知識が求められます。
③ 中学校(Sekolah Menengah Pertama: SMP)
項目 |
インドネシア |
日本 |
対象年齢 |
12~15歳(3年間) |
12~15歳(3年間) |
授業時間 |
7:00~13:00 |
8:30~15:30 |
試験制度 |
全国統一試験(UN)は廃止、学校評価へ移行 |
全国共通の高校入試(都道府県ごと) |
教科 |
インドネシア語、数学、理科、社会、英語、宗教、体育 |
国語、数学、理科、社会、英語、音楽、美術、技術、体育 |
① 高校(Sekolah Menengah Atas: SMA)
項目 |
インドネシア |
日本 |
対象年齢 |
15~18歳(3年間) |
15~18歳(3年間) |
進学率 |
約75%(地方では低い) |
約98% |
コース選択 |
11年生(Grade 11)から文系(IPS)・理系(IPA)に分かれる |
文系・理系の選択はないが、学校によって進学コースあり |
試験制度 |
全国統一試験(UN)廃止、個別評価制度 |
全国共通テスト+各大学の個別試験 |
インドネシアの高校では、早い段階で文系・理系を選択する のが特徴です。
② 大学(Universitas)
項目 |
インドネシア |
日本 |
学制 |
4年(S1)、修士2年(S2)、博士3年以上(S3) |
4年(学士)、修士2年、博士3年以上 |
進学率 |
約40%(都市部では50%以上、地方では20%以下) |
約60% |
入試制度 |
全国共通試験(SNBT)+大学独自試験(Ujian Mandiri) |
大学入学共通テスト+個別試験 |
学校の種類 |
インドネシア |
日本 |
公立学校(Sekolah Negeri) |
無料または低価格、都市部と地方で格差あり |
市町村が運営、教育の質は比較的均一 |
私立学校(Sekolah Swasta) |
授業料が高いが教育の質が高い |
一部のエリート校があるが、公立との大きな差は少ない |
ナショナルプラス(Sekolah Nasional Plus) |
バイリンガル教育(英語+インドネシア語) |
日本には相当するものがない |
インターナショナルスクール(Sekolah Internasional) |
富裕層・外国人向け、IBやケンブリッジカリキュラム |
一部にインターナショナルスクールあり |
課題 |
インドネシア |
日本 |
地域格差 |
都市部と地方で教育の質が大きく異なる |
公立校の教育レベルが比較的均一 |
英語教育 |
公立学校では弱いが、ナショナルプラス・インターナショナルでは強い |
近年強化されているが、スピーキングは弱い |
大学の競争力 |
世界ランキングで低位 |
東京大学・京都大学などが上位 |
インドネシアの教育行政は、中央政府(教育省)と地方自治体(州・県・市の教育局) が連携して運営されています。特に、教育の権限は地方分権化(Decentralization) されており、地方政府が初等・中等教育の運営に大きな役割を果たします。
インドネシアの教育行政は、教育・文化・研究・技術省(Kemendikbudristek) と宗教省(Kementerian Agama: Kemenag) の2つの省庁が関与しています。
① 教育・文化・研究・技術省(Kemendikbudristek)
正式名称:
📌 Kementerian Pendidikan, Kebudayaan, Riset, dan Teknologi(教育・文化・研究・技術省)
主な役割:
主要部門(ディレクター):
部門 |
役割 |
基礎教育・中等教育総局(Ditjen PAUD, Dikdas, dan Dikmen) |
幼稚園~高校の教育政策 |
職業教育総局(Ditjen Pendidikan Vokasi) |
職業高校(SMK)と職業訓練の管理 |
高等教育・研究・技術総局(Ditjen Dikti Ristek) |
大学と研究機関の監督 |
文化総局(Ditjen Kebudayaan) |
文化教育・伝統文化の保護 |
教員・教育スタッフ開発局(Badan Standar, Kurikulum, dan Asesmen Pendidikan) |
教員の資格・研修・評価 |
2024年10月の新内閣を発足したプラボウォ大統領の方針により、インドネシアの教育関連の省庁は再編され、以下の3つに分割されました。
初等・中等教育省:基礎教育から中等教育までを担当し、全国的な教育基準の策定やカリキュラムの開発、教師の育成などを行います。
高等教育・科学技術省:大学や専門学校などの高等教育機関の管理運営に加え、科学技術の振興や研究開発の推進を担当します。
職業教育・訓練省:職業教育や技術訓練を専門に扱い、労働市場のニーズに即した人材育成やスキルアップのためのプログラムを提供します。
これらの分割は、各教育段階や分野に特化した政策の策定と実施を可能にし、教育の質と効果を高めることを目的としています。
② 宗教省(Kementerian Agama: Kemenag)
📌 Kementerian Agama(宗教省) も宗教教育の管理を担当。
主な役割:
学校の種類 |
管轄機関 |
一般教育(SD, SMP, SMA, SMK) |
教育省(Kemendikbudristek) |
イスラム学校(Madrasah, MI, MTs, MA) |
宗教省(Kemenag) |
Pesantren(イスラム寄宿学校) |
宗教省(Kemenag) |
インドネシアでは、1999年の地方分権法(Otonomi Daerah)により、教育の管理が 地方自治体(州・県・市) に大きく移管されました。
① 地方教育局の構成
教育行政は 州・県・市レベルで運営され、地方教育局(Dinas Pendidikan) が設置されています。
レベル |
主管機関 |
主な役割 |
中央政府(国) |
教育省(Kemendikbudristek) |
国家教育政策の策定、カリキュラムの作成、大学の管理 |
州政府(Provinsi) |
州教育局(Dinas Pendidikan Provinsi) |
高校(SMA, SMK)の管理、教員研修 |
県・市政府(Kabupaten/Kota) |
県・市教育局(Dinas Pendidikan Kabupaten/Kota) |
幼稚園(PAUD)、小学校(SD)、中学校(SMP)の管理 |
重要ポイント:
① 教育政策の決定プロセス
教育省(Kemendikbudristek)が国家カリキュラム(Kurikulum Merdeka)を策定
州・県・市の教育局(Dinas Pendidikan)が学校に指導を実施
学校は地方教育局の指示に従い、カリキュラムを適用
教員は地方自治体の研修を受講し、指導力を向上
② 教育予算の流れ
中央政府が教育予算(APBN)の20%を確保
州・県・市に教育予算が配分(APBD: 地方予算)
地方自治体が学校運営費(BOS: Bantuan Operasional Sekolah)を各校に支給
BOS(Bantuan Operasional Sekolah)とは?
① 地方格差の問題
② 教員の質の向上
③ デジタル教育の推進
④ 汚職と資金管理の問題
インドネシアの教育制度は、国家教育法(Undang-Undang Sistem Pendidikan Nasional)に基づいて構築されており、幼児教育(PAUD)から高等教育(Pendidikan Tinggi)まで多層的なシステムが確立されています。義務教育の9年間を基本としつつ、高校(SMA/SMK)以降の進学率の向上、デジタル教育の普及、職業教育の強化など、多くの教育改革が進められています。
一方で、教育の質の地域格差、教師の研修不足、学校設備の老朽化、汚職による予算の不正流用などの問題が依然として存在しています。特に、地方の学校ではインフラの整備が遅れ、都市部と比較して進学率や学力に差が出ています。
政府は「Merdeka Belajar(自由学習)」政策を通じて、教育の自由度を高め、生徒の個々のニーズに対応する改革を進めています。また、奨学金制度(KIP-K)を拡大し、貧困層の教育機会を確保する取り組みも強化しています。
今後の課題としては、産業界との連携を強化し、労働市場に適したスキルを持つ卒業生を増やすこと、地方の学校環境の改善、教育予算の適正な運用が求められています。インドネシアの教育制度は現在も進化を続けており、国の将来を担う若者の育成に向けた取り組みが重要となっています。
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本記事で使用した単語の解説
FAQ(よくある質問)
Q1: インドネシアの義務教育は何年間ですか?
A1: インドネシアの義務教育は9年間(小学校6年+中学校3年)です。高校(SMA/SMK)は義務ではありませんが、政府は進学率を向上させるための施策を進めています。
Q2: インドネシアの教育制度の最大の課題は何ですか?
A2: 教育の質の地域格差、教師の研修不足、学校設備の老朽化、教育予算の不正流用などが主な課題です。特に、地方の教育環境の改善が重要視されています。
Q3: インドネシアの職業教育(SMK)の特徴は何ですか?
A3: SMK(職業高校)は、卒業後すぐに働けるスキルを身につけることを目的としています。工業、IT、観光、医療、ビジネスなどの専門コースがあり、企業との連携も進められています。
Q4: 「Merdeka Belajar(自由学習)」とは何ですか?
A4: 「Merdeka Belajar」は、政府が推進する教育改革で、従来の詰め込み教育からの脱却を目指し、生徒の主体的な学びを促進することを目的としています。カリキュラムの自由度を高め、実践的な学習を重視する内容となっています。
Q5: インドネシアの大学入試制度はどのような仕組みですか?
A5: 大学入試は主に以下の3つの方法があります。
Q6: インドネシアの英語教育の現状はどうなっていますか?
A6: インドネシアでは、小学校では英語は選択科目ですが、中学校から必修となります。ただし、英語の授業時間が少なく、スピーキング能力の向上が課題とされています。一部の私立学校やナショナルプラススクールでは、バイリンガル教育が行われています。
Q7: インドネシアの教育費はどのくらいかかりますか?
A7: 公立学校は基本的に無料ですが、教材費や制服代などの負担があります。私立学校やインターナショナルスクールでは、月額Rp. 500,000(約5,000円)〜数十万円の学費が必要になります。
Q8: インドネシア政府の教育予算の割合はどれくらいですか?
A8: インドネシアの国家予算の約20%が教育に割り当てられています(憲法第31条に基づく)。しかし、予算の使途が不透明で、特に地方の教育機関への配分が十分でないという課題があります。