4月 26, 2026 • インドネシア • by Yutaka Tokunaga

インドネシアの中間層が減少している!?もうインドネシアは終わりなのか?

インドネシアの中間層が減少している!?もうインドネシアは終わりなのか?

インドネシアで事業を営む日本人として、この国の経済動向を日々注視しています。2014年にバリでTimedoorを創業して以来、インドネシア経済の成長を肌で感じてきました。しかし最近、取引先や従業員との会話の中で、以前とは違う空気を感じることが増えてきました。「以前より生活が厳しくなった」「将来への不安が増している」といった声です。

そんな中、2025年初頭にマンディリ・インスティテュートが発表したデータは、私たちが漠然と感じていた変化を数字で裏付けるものでした。インドネシアの中間層が2024年の4,790万人から2025年には4,670万人へと、わずか1年で120万人も減少したというのです。人口が増え続ける国で、中間層が減るという現象。これは一体何を意味するのでしょうか。

今回は、インドネシアでビジネスに携わる皆様と共に、この「中間層減少」という現象を多角的に考察したいと思います。
 
 

数字が語るインドネシアの厳しい現実

中間層の定義と現状

まず基本的な事実を確認しましょう。世界銀行の定義では、中間層とは1日あたり12ドルから50ドル(購買力平価ベース)を支出する層を指します。月収に換算すると、おおよそ400万ルピアから2,000万ルピアの範囲です。

2025年のインドネシアの人口構成を見ると、以下のような分布になっています。

インドネシア所得階層別 人口ボリュームイメージ

極度貧困層        約1000万人     █
貧困層            約2500万人     ███
脆弱層            約6000万人     ████████████
中間層予備軍      約4000-5000万人 █████████
下位中間層        約3500-4000万人 ████████
中上位中間層      約2500-3000万人 ██████
上位中間層        約1000万人     ██
富裕層            約500万人      █
所得階層 1日あたり支出 PPP 推定人口 人口割合 ボリューム感
極度貧困層 $2.15未満 約1000万人 3-4% 小さい
貧困層 $2.15-$3.65 約2500万人 9-10%
脆弱層 $3.65-$6.85 約6000万人 22% 最大
中間層予備軍 $6.85-$12 約4000-5000万人 15-18% 大きい
下位中間層 $12-$20 約3500-4000万人 13-15% 大きい
中上位中間層 $20-$50 約2500-3000万人 9-11%
上位中間層 $50-$120 約1000万人 3-4% 小さい
富裕層 $120以上 約500万人 1-2% 非常に小さい

この分布で特筆すべきは、脆弱層と中間層予備軍を合わせると約1億人、つまり総人口の4割近くが「もう少しで中間層」という位置にいることです。一方で、実際の中間層(下位・中上位・上位の合計)は約6,500万人から7,000万人程度で、全人口の約25パーセント前後となっています。
 

減少の実態

マンディリ・インスティテュートの調査によれば、中間層は2024年から2025年にかけて120万人減少し、総人口に占める割合も17.1パーセントから16.6パーセントに低下しました。一方で、中間層予備軍は同期間に450万人増加し、現在では人口の50.4パーセントを占めています。

さらに長期的な視点で見ると、2019年から2024年の5年間で、下位中間層は1,100万人以上減少したとされています。パンデミックの影響が大きかったとはいえ、この数字は看過できません。

地域別に見ると、2025年に最も中間層が減少したのは南スマトラ州で69万3,000人、次いでバンテン州が26万8,000人、中部ジャワ州が16万1,000人となっています。これらの地域は一次産品や製造業に依存する経済構造を持っており、構造的な課題を抱えていることが読み取れます。
 

消費行動に表れる変化

数字だけでなく、中間層の行動にも変化が表れています。マンディリ支出指数2024によれば、中間層の食料品支出比率が2023年の13.9パーセントから2024年には27.4パーセントへとほぼ倍増しました。

経済学でエンゲル係数と呼ばれるこの指標は、所得に占める食費の割合を示すもので、一般的に所得が低いほど高くなります。先進国の中間層では10〜15パーセント程度、途上国でも20パーセント前後が標準的です。27.4パーセントという数字は、実質的に貧困層に近い生活水準を示唆しています。

また、中間層の消費成長率は4.1パーセントと、全国平均の4.6パーセントを下回りました。これは中間層の購買力が相対的に低下していることを意味します。
 

日本との比較で見えるもの

ここで、参考までに日本の所得階層別人口分布を見てみましょう。

日本 所得階層別 人口ボリュームイメージ(PPPベース)

極度貧困層        約100万人        █
貧困層            約300-400万人    ██
脆弱層            約800-1000万人   ████
中間層予備軍      約2000万人       ████████
下位中間層        約3000万人       ████████████
中上位中間層      約3500万人       ██████████████
上位中間層        約2000万人       ████████
富裕層            約500-700万人    ███
所得階層 1日あたり支出 PPP 推定人口 人口割合 ボリューム感
極度貧困層 $2.15未満 約100万人 <1% ほぼ存在しない
貧困層 $2.15-$3.65 約300-400万人 2-3%
脆弱層 $3.65-$6.85 約800-1000万人 6-8% やや小
中間層予備軍 $6.85-$12 約2000万人 15-16%
下位中間層 $12-$20 約3000万人 24%前後
中上位中間層 $20-$50 約3500万人 約28% 最大
上位中間層 $50-$120 約2000万人 15-16%
富裕層 $120以上 約500-700万人 4-6% やや小

日本とインドネシアの大きな違いは、最大ボリュームゾーンの位置です。日本では中上位中間層が最大(約28パーセント)であるのに対し、インドネシアでは脆弱層が最大(約22パーセント)となっています。これは、インドネシアが経済発展の過程において、まだ多くの国民を中間層へと引き上げる余地があることを示しています。

同時に、インドネシアの中間層予備軍と脆弱層を合わせると約1億人にのぼり、これは総人口の約4割に相当します。この巨大な層が中間層に上昇できるかどうかが、インドネシア経済の今後を左右すると言えるでしょう。
 
 

なぜ中間層は減少しているのか

パンデミックの傷跡

2020年から2021年にかけてのパンデミックは、インドネシア経済に深い傷を残しました。大量解雇と中小企業の倒産により、推定950万人が貧困層に転落したとされています。

しかし問題は、経済が回復した後も、これらの人々の多くが中間層に戻れなかったことです。2022年から2024年の回復期において、中間層への復帰はわずか50万人程度に留まりました。残りの900万人近くは脆弱層や貧困層に固定されてしまったのです。
 

製造業の衰退と雇用の質的劣化

より構造的な問題として、製造業の衰退が挙げられます。2010年には1,500万人だった製造業の雇用は、2024年には1,300万人にまで減少しました。同じ期間に人口は3,000万人増加しているにもかかわらず、です。

その結果、新規雇用の受け皿はインフォーマルセクターに偏っています。2019年から2024年の間に創出された新規雇用の80パーセントがインフォーマルセクターであり、2025年2月時点でインフォーマル労働者は8,658万人、全雇用者の59.4パーセントに達しています。

インフォーマルセクターの平均月収は約190万ルピアで、フォーマルセクターの最低賃金平均290万ルピアを大きく下回ります。中間層の基準である月収400万ルピア以上に到達するのは困難です。
 

インフレと実質所得の低下

名目上の給与は上昇しているものの、物価上昇がそれを上回っています。2018年から2024年の間、食料価格は25パーセント、住宅費は30パーセント、教育費は20パーセント、医療費は25パーセント上昇しました。

下位中間層の世帯収入は月平均で2019年の600万ルピアから2024年には700万ルピアへと17パーセント増加しましたが、実質購買力は5〜10パーセント低下したと推計されています。

2024年第2四半期には、中間層は一連の経済的ショックに見舞われました。付加価値税が11パーセントから12パーセントへ引き上げられ、大学授業料も値上げされ、中央銀行の政策金利が6.25パーセントに引き上げられたことで住宅ローンの支払いも増加しました。
 

社会保障の欠如

インドネシアの社会保障制度は主に貧困層を対象としています。Program Keluarga Harapan(条件付現金給付)やBantuan Pangan Non-Tunai(非現金食料支援)など、貧困層向けのセーフティネットは存在しますが、中間層向けの支援はほとんどありません。

失業した場合、貧困層は現金給付を受けられますが、中間層は何の支援もなく、貯蓄が尽きれば6カ月程度で脆弱層に転落してしまいます。子どもの教育費や医療費も全て自己負担です。

この非対称性が、中間層の経済的脆弱性を高めています。
 
 

政府は何をしているのか

予算配分の実態

ここで興味深い事実があります。一般的には「インドネシア政府は貧困層支援ばかりしている」という印象を持たれがちですが、実際の予算配分を見ると、必ずしもそうではありません。

2025年の国家予算を分析すると、貧困層向けの直接支援は国内総生産の0.2〜0.3パーセント程度に過ぎません。一方で、インフラ投資が2.0パーセント、エネルギー補助金が1.5パーセント、教育が3.0パーセント、医療が1.3パーセントと、より大きな予算が配分されています。

プラボウォ大統領の目玉政策である無料栄養食プログラムは71兆ルピアと大々的に報道されていますが、これは国内総生産のわずか0.36パーセントです。しかも対象は全ての子どもと妊婦であり、貧困層限定ではありません。
 

支出の質の問題

では、なぜ中間層向けの支出が多いにもかかわらず、中間層は減少しているのでしょうか。答えは「支出の質」にあります。

インフラ投資400兆ルピアは国内総生産の2パーセントと大きな額ですが、その雇用創出効果は限定的です。高速道路やMRT建設は資本集約型で、建設期間中の一時的な雇用は生みますが、恒久的な雇用は多くありません。ジャカルタMRTの場合、総工事費15.7兆ルピアに対し、運用段階の雇用はわずか800人程度です。

また、建設資材の多くは輸入に依存し、重機はレンタルで外資系企業が提供し、技術者の一部は外国人です。つまり、巨額の投資が必ずしも国内の中間層雇用に結びついていないのです。

エネルギー補助金165兆ルピアも問題を孕んでいます。これは生産的な投資ではなく、非生産的な消費補助です。しかも逆進性が強く、自動車を複数台所有する富裕層が補助金総額の35パーセントを享受している一方、貧困層の恩恵は10パーセント程度です。

教育支出300兆ルピアも、その70パーセントが教員給与に充てられており、教育の質向上には十分に寄与していません。大卒者は年間100万人輩出されていますが、製造業の良質な雇用は年間20万人分しかなく、残りの80万人はインフォーマルセクターや低賃金サービス業に流れています。
 

プラボウォ政権の方向性

プラボウォ政権は2024年10月に発足し、いくつかの大胆な政策を打ち出しました。無料栄養食プログラムに加え、経済成長率8パーセントと5年以内に貧困率5パーセント以下という野心的な目標を掲げています。

しかし実際の予算を見ると、インフラ投資は前年比73パーセント削減され、400兆ルピアから108兆ルピアへと大幅に減少しました。医療支出も18.5パーセント削減されています。

中間層向けの直接支援策は発表されておらず、むしろ付加価値税の引き上げなど、中間層への負担増が実施されています。政治的には貧困層への支援を前面に押し出しながら、実質的な中間層支援策は見当たりません。
 
 

インドネシアは本当に「終わり」なのか

 

悲観論の根拠

中間層の減少を「インドネシア経済の終わりの始まり」と見る向きもあります。その根拠は明確です。

経済学の研究によれば、中間層の拡大は経済成長の最も重要な推進力の一つです。中間層は消費の主体であり、税収の基盤であり、起業やイノベーションの担い手です。国際通貨基金の研究では、中間層と貧困層を1パーセント裕福にすると国内総生産成長率が0.38パーセント上昇する一方、富裕層を1パーセント裕福にしても成長率への寄与はマイナス0.08パーセントという結果が出ています。

インドネシアの中間層は消費全体の82.3パーセント、税収の50.7パーセントを担っています。この層が縮小すれば、経済成長が鈍化し、財政基盤が弱体化し、社会的不安定性が高まる恐れがあります。

ガジャマダ大学の経済学者ウィスヌ・セティアディ・ヌグロホ博士は、「中間層の数が減少すると、真に侵食されるのは、勤勉が進歩につながるという信念です」と警鐘を鳴らしています。社会契約の崩壊は、長期的な経済停滞につながりかねません。
 

楽観論の可能性

一方で、別の見方もできます。インドネシアは「貧困削減」という面では着実に成果を上げています。極度貧困層は総人口の1パーセント未満まで減少し、貧困率も9パーセント程度まで低下しました。

中間層予備軍が人口の50.4パーセントを占めるということは、裏を返せば、国民の半分が中間層入りの一歩手前まで来ているということです。適切な政策転換があれば、これらの層を中間層に引き上げることは可能かもしれません。

また、インドネシアは依然として人口ボーナス期にあります。生産年齢人口の割合が高く、適切な雇用が創出されれば大きな成長余地があります。デジタル経済の発展も著しく、ゴジェックやトコペディアのような国際的競争力を持つ企業も育っています。

日本との比較で見たように、インドネシアの所得分布は中上位中間層が最大ボリュームゾーンの日本とは異なり、まだ脆弱層が最大です。つまり、インドネシアはまだ「成長余地が大きい」段階にあるとも言えます。
 

分かれ道に立つ国

結局のところ、インドネシアは重要な分かれ道に立っていると言えるでしょう。

一つの道は、現在のトレンドが継続し、中間層の縮小と経済の二極化が進む未来です。この道では、少数の富裕層と大多数の低所得層という分断社会が形成され、社会的流動性が失われ、政治的不安定化のリスクが高まります。

もう一つの道は、政策転換により中間層予備軍を中間層に引き上げ、持続的な成長軌道に戻る未来です。この道では、製造業の復興、職業訓練の強化、中間層向けのセーフティネット構築などが必要になります。

どちらの道に進むかは、今後数年の政策次第です。
 
 

インドネシアでビジネスをする私たちに何ができるか

現実を直視する

まず重要なのは、楽観的な公式統計だけでなく、現場の実態を見ることです。経済成長率5パーセントという数字は確かに良好ですが、トヨタ・インドネシアの副社長が述べたように、「コップの半分が満たされている部分を政府は語るが、空いている半分に目を向けなければならない」のです。

17〜20パーセントの若年失業率、60パーセントのインフォーマル雇用率、弱まる購買力、そして中間層の縮小。これらは私たちが日々接する市場の現実です。
 

ビジネス戦略の見直し

中間層の縮小は、私たちのビジネスモデルにも影響を与えます。教育事業を営む立場から言えば、月謝50万ルピアを支払える世帯は確実に減少しています。一方で、より手頃な価格帯のサービスや、技能訓練のような実務的な教育への需要は高まっています。

消費財メーカーであれば、プレミアム商品の市場縮小と、価値重視の中価格帯商品への需要シフトに対応する必要があるでしょう。サービス業であれば、支払能力の変化を踏まえた価格設定や、新しい顧客セグメントの開拓が求められます。
 

長期的視点を持つ

同時に、短期的な悲観論に振り回されないことも大切です。インドネシアは2.8億人の人口を抱え、若く、デジタル化が進み、地理的にも重要な位置にあります。構造的な課題はあれど、長期的なポテンシャルは依然として大きいのです。

私自身、10年以上このインドネシアでビジネスを続けてきました。リーマンショック後の停滞期も、パンデミックの混乱も経験しました。その都度、「もうインドネシアは終わりだ」という声を聞きましたが、この国は常に予想を超える回復力を見せてきました。

今回の中間層減少も、終わりではなく変化の一つの局面かもしれません。重要なのは、その変化を理解し、適応し、できれば良い方向に導く一助となることです。
 
 

まとめ

インドネシアの中間層は、短期的にも長期的にも減少傾向にあります。2024年から2025年の1年間で120万人が減少し、パンデミック以降では1,000万人以上が中間層から脱落しました。

その背景には、製造業の雇用縮小、インフォーマルセクターの拡大、インフレによる実質所得の低下、そして中間層を支える社会保障の不足といった複合的な要因があります。

政府はインフラ投資や教育、エネルギー補助金などに多額の予算を投じていますが、それらが中間層の安定的な雇用や所得向上に直結していないという構造的な問題も浮き彫りになっています。

一方で、インドネシアには依然として大きな成長余地があります。人口の約半分が中間層予備軍として存在しており、適切な政策と産業構造の転換が進めば、中間層の再拡大は十分に可能です。

悲観論と楽観論のどちらも成り立つ状況の中で、インドネシアはまさに分岐点に立っています。重要なのは、この変化を正しく理解し、短期的な数字に振り回されず、長期的な視点で判断することです。

参考資料

  • Mandiri Institute (2025). “Distribution of Indonesia’s Economic Classes, 2019-2025”
  • World Bank (2025). “Macro Poverty Outlook: Indonesia”
  • Bank Indonesia (2024). “Indonesia Economic Outlook 2024”
  • Central Statistics Agency (BPS) (2025). “Indonesian Economic Growth Data”
  • LSE International Inequalities Institute (2020). “The Economic Consequences of Major Tax Cuts for the Rich”
  • Brookings Institution (2022). “Is a Growing Middle Class Good for the Poor?”
  • UNICEF Indonesia (2024). “Summary Budget Brief: Social Sector Financing”
  • Jakarta Globe (2025). “Indonesia’s Middle Class is Shrinking”
  • Asia Times (2024). “Wealth Illusion: The Fading Mirage of Indonesia’s Middle Class”
  • ISEAS-Yusof Ishak Institute (2024). “An Accommodative Transitional 2025 Budget for Indonesia”
  • UGM (2026). “UGM Economist Warns of Growing Vulnerability as Indonesia’s Middle Class Declines”

 

 

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本記事で使用した単語の解説

中間層
一定の所得水準を持ち、安定した消費や貯蓄が可能な層。一般的には1日あたり12ドルから50ドルの支出が目安とされる。

脆弱層
貧困層ではないが、少しの経済ショックで貧困に転落する可能性が高い層。中間層予備軍とも近い位置にある。

中間層予備軍
中間層に近い所得水準にあるが、まだ安定した中間層とは言えない層。政策次第で中間層に上昇する可能性が高い。

購買力平価
物価の違いを考慮して各国の所得や支出を比較するための指標。同じ金額でも国によって買えるものが違うため、それを調整する概念。

エンゲル係数
所得に占める食費の割合。この数値が高いほど生活に余裕がないとされる。

インフォーマルセクター
正式な雇用契約や社会保障がない働き方。屋台、個人事業、小規模サービスなどが含まれる。

フォーマルセクター
企業に雇用され、給与や社会保障が明確に定められている働き方。

実質所得
物価上昇を考慮した実際の購買力ベースの所得。名目所得が増えても物価が上がれば実質所得は下がる。

人口ボーナス
労働人口の割合が高く、経済成長に有利な人口構造の状態。

インフラ投資
道路、鉄道、電力、水道などの基盤整備への投資。長期的な成長に重要だが、雇用創出効果には限界がある場合も多い。

逆進性
所得が低い人ほど負担割合が大きくなる仕組み。補助金や税制で問題になることが多い。

 

FAQ

Q. なぜインドネシアの中間層は減少しているのですか
A. 主な要因は、製造業の雇用減少、インフォーマル雇用の増加、物価上昇による実質所得の低下、そして中間層向けの社会保障の不足です。これらが重なり、多くの人が中間層から脆弱層へと移行しています。

Q. 中間層が減ると経済にどんな影響がありますか
A. 消費の縮小、税収の減少、社会の不安定化などにつながります。中間層は経済の中心的な消費者であり、その縮小は経済成長に直接影響します。

Q. インドネシアは本当に経済的に危険な状態ですか
A. 危機的とまでは言えませんが、構造的な課題は確実に存在します。ただし、人口規模や成長余地を考えると、適切な政策次第で改善の余地は十分にあります。

Q. なぜインフォーマルセクターが増えているのですか
A. 製造業などのフォーマルな雇用が増えない一方で、人口は増加しているため、多くの人が自営業や非正規的な仕事に流れているためです。

Q. 日本企業にとってどんな影響がありますか
A. 中間層の縮小は購買力の低下を意味するため、従来の価格帯やビジネスモデルが通用しにくくなります。一方で、低価格市場や技能教育など新たな需要も生まれています。

Q. 政府は中間層を支援していないのですか
A. 完全に支援していないわけではありませんが、現在の政策はインフラや補助金に偏っており、中間層の所得向上や安定雇用に直接つながっていないという課題があります。

Q. 今後インドネシアはどうなると思いますか
A. 予測は簡単ではありません。中間層の再拡大に成功すれば大きな成長が期待できますが、現状のままでは格差拡大と成長鈍化のリスクもあります。つまり、どちらにも転ぶ典型的な分岐点です。

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